東北地方の巡察のご報告(シェアしてください)

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5/23(日)に、私のメンターの一人である稲垣さん@仙台から「一度現地を見においで」というお話を頂き、福島?仙台の沿岸部を巡察してきました。

目的としては、
・今後の復興スピードを感じる
・直接現地を見て自分にできることを考える
という2点です。

結論を先にお伝えすると、東北地方はメディアで見ていた以上に大変な状況であり、今後の復興には相当時間が必要だと感じました。私にできることは、東北地方の「継続的」な経済復興に力になれるよう、東京で東北支援の声を上げ続けることだと思います。もちろん、感じる・思うだけではなく、具体的な行動に移していきます。

※若干論理的ではないところもありますが、お許しください。

▼巡察詳細▼

福島で現地の方から話を伺った後、車で宮城県まで移動し、仙台や南三陸などを周り、色々な方にお話を伺ってきています。

<福島>

福島県で現地の方にお話を伺った中で感じたのは、地震・原発・津波は分けて考えないといけないということです。福島県では、地震や津波の影響よりも、圧倒的に原発の問題が大きい。この原発の問題は厄介です。

地震や津波の場合、語弊を恐れずに言うと、「これ以上悪くならないんだから、これから頑張っていくしかない」、という気持ちになるところもあると思います。

しかし、原発の場合、今後の先行きの不透明さから「これからどうなるんだろう」という不安の方が強く、なかなか前向きな気持ちになりづらい。

また、原発に伴う風評によって、さらに気持ちの面でマイナスになっているとのことでした。

例えば、
・福島県の女性と婚約していた他県の男性が、婚約を破棄する
・福島県からの客は断る他県のホテル
・圏外の人が福島県に行こうとすると、家族に止められる
などが起こっているとのことです。

これを聞いてびっくりしましたが、目に見えないことは人を不安にさせるのかもしれません。

実際に、現地で放射線を測定しているのを見せてもらいましたが、地表付近の放射能汚染は、退去基準値を超えていました。
(放射能は地表付近にたまり、地表から離れると薄まっていきます。)

また、郡山(福島県)では人口30万人中、すでに1万人が他へ引っ越し(もしくは一時退去)しているとのデータもあるようです。

さらに、企業の倒産が相次いでいます。いくつかの要因が考えると思いますが、風評被害が大きいようです。

もちろん、元気な方もいらっしゃるとのことでしたが、「心」の面で様々な問題が発生しているというのが私の一番の印象でした。

ただ、一部の方が”「フクシマ」は世界で有名になったんだから、それを活かすしかない”とおっしゃっていたこともあり、そうした想いに共感している方もいらっしゃるようです。

今後の復興に向けて、心をどのように前向きにしていくか、息の長い戦いが始まっているのだと思います。

<宮城>

宮城県で感じたのは、やはり津波による被害です。

まず、若林地区を見て回りましたが、このあたりは比較的ゆっくりと水位が上がったせいか、浸水してなんとか壊れずに持ちこたえている建屋がいくつかありました。ただ、全体的にはほぼ全てのものが押し流されている印象です。

次に、南三陸など沿岸沿いを見て回りましたが、こちらは一言で言うと「町が無くなっている」ということ。壊れている・破壊されている、というレベルでは無いのです。急激に水位が上がったせいでしょうか、その勢いが山中にまで影響を及ぼしていて、とても事前に予想できるレベルでは無いです。

リアルに想像できますか?
海から数キロ離れた山の中に、船が逆さまになって放置されている姿が。

まさに逃げ道が無いという形で、多くの方が犠牲になってしまったことが、ぱっと見ただけでわかるのです。

「復興しないと」という考えよりは、むしろ、「新しくゼロから町を創る」という表現が適しているかもしれません。もしくは、その場所を諦めて、住民の方が他に移動するべきなのか。とはいえ、故郷に対する想いや気持ちは当然強いと思います。

今後の対応を巡って、意見が分かれるところだと思います。

宮城では、廃棄物処理のお仕事をされている方にお話を伺うことが出来ました。その方曰く、「ゴミが無くなるだけで5年はかかる」とのことです。まだまだ集めきれていないゴミが多く残されており、これらを全て処分するだけで、大変な労力と費用が掛かるのは間違いありません。元の町の姿に戻るには、3年などではとても難しく、少なくとも、5年から10年以上は掛かるでしょう。

その間、宮城の経済はどうなっていくでしょうか。少なくとも、確実に低迷します。他県からの「義援購買」によって少しは和らいでいるものの、それでもましなところで売上が4割減、ひどいところだと売上が9割減だそうです。宮城県の全域が被害にあったわけではないにせよ、経済の中心地である沿岸部がこの状態なので、東北全体で見ても、大きな落ち込みは確実だと思います。

▼私にできること▼

こうした中で、我々のように通常の生活を営んでいる日本人には何ができるでしょうか。

義援金、ボランティア、救援物資。

色々とあると思います。

ただ、今回私が東北地方を巡察して一番感じることは、長期にわたる支援を継続し続けることが必要ではないか、ということです。

人は痛みを忘れる生き物です。今は義援金やボランティア等に多くの方が力を入れていますが、時間とともに、痛みを忘れ、支援の力が弱まっていくことが怖い。東北地方では、長期にわたる戦いが始まったばかりなのです。

私は阪神大震災を経験しています。その直後には多くの方が助けに来てくれて、とても助かりました(本当に感謝しています)。
しかし、阪神大震災から数年経過して、未だ復興途上にある時に、震災に対する意識を以って神戸に訪れてくれた人に私はお会いしたことがありませんでした。

今後必要となるのは、東北大震災に対する息の長い継続的な支援だと思います。そして、再び東北地方が自立し、日本経済の復興の礎になってくれるはず。

私は、東京で、「東北地方に注意を向け続ける人を一人でも多く増やすこと」をやり続けたいと思います。

具体的には、

「定期的に、東北巡察ツアーを開催し続けること」

これが、今の私にできる一番大切なことだと思いました。

また、私の仕事の専門性を活かして、経済復興の一隅に寄与するため、東北地方の生産者の販路確保のためのネット販売の仕組みを作ろうとも考えています。東北地方で創られていくであろう様々なものを社会に広めるお手伝いができればと思います。

▼皆さんへのお願い▼

是非、東北地方へ足を運んでください。それも、できるだけ早いうちに。今の東北を見ておくことが、東北大震災を忘れない一番の薬だと思います。東北地方は毎週状況が変わっていますので、できるだけ早いうちに。そして、東北のためにできることを、各自が考えていくこと。これが、東北地方を長期的に支援する力の源泉になるのではないかと思いました。

また、このレポートをシェアしていただければ嬉しいです。少しでも多くの方に、継続的に東北への意識を持っていただきたい一心です。宜しくお願いします。

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