今回お話をうかがったのは志師塾卒業生、「ピラティス&コンディショニングスタジオhc-life」代表の中谷圭太郎さんです。中谷さんは現在、新規入会のキャンセル待ちとなっている人気スタジオの代表パーソナルトレーナーとして活躍されています。
「単に外側から体をほぐし、鍛えるだけではダメで<運動・栄養・休養>、この3つのバランスが大事です」と話し、ピラティスと整体以外にも、栄養学や睡眠に関する様々な資格を有し、お客様一人一人にあわせてライフコンディションを改善するお手伝いをされていらっしゃいます。
今回の取材を通して中谷さんが今のビジネスモデルを見つけた志師塾について、おうかがいしました。
1.一度目の創業・・・得意のWebスキルを活かし、スタジオを開業
1.1 きっかけはリハビリ、大学から専門学校への学び直し
「元々は中学生の時、野球で怪我をした際に出会ったスポーツトレーナーの存在が、この道へ進むきっかけです」と話す中谷さん。怪我の治療だけではなく、そこからトレーナーという職業があることを自分で調べ、関心を持っていたそうです。
その後、一度は大学で経済学を学んだものの、将来の就職先を考えるタイミングで、やはりスポーツトレーナーへの思いが捨てきれず、大学を卒業後にTSR(東京スポーツレクリエーション)専門学校へ入学し直し、トレーナーの道を目指します。インターンでは、プロ野球の球団トレーナーなども経験しますが、最終的にベンチャー系のスポーツジムに就職しました。
1.2 人気講師を待ち受ける過酷な日々、病気、そして独立・開業
スポーツジムでレッスンを続け、5年を過ぎたころには月間100件のパーソナルトレーニングを担当する人気トレーナーの座を獲得します。
「今はスポーツジム側が宣伝を行い、集客をして、各プログラムへ生徒とトレーナーを振り分けますが、当時はトレーナー個人の人気に頼る部分が大きかったです。人気の度合いを測るのが指名数で、月間100件の指名は成功指標の1つでした」と当時を振り返ります。しかし、指名数が増えれば当然レッスン数も増加。さらにマネジメント業務などもそれに加わり、過酷な長時間労働が続き睡眠不足など、自身の体調を崩す結果となってしまいました。
そこから自身の健康について学び始め「睡眠健康指導士上級」という新しい資格を取るに至ります。中谷さんの学びの姿勢は多岐に渡り、当時は現在ほど認知度の無かったピラティス資格も2011年に取得。自分のレッスンの差別化としても活用していました。
その後、30歳目前で独立します。「トレーナーは20代で独立し、フリーで複数のジムと契約するのが一般的でした。ただ複数のジムを移動するのは効率が悪いと感じ、2017年3月に自分のパーソナルトレーニングスタジオを開業しました」
もともと、前職では自らWeb集客業務を行っていたこともあり、自分のスタジオへの集客には自信があったそう。実際、始めたばかりながらもWeb集客で入会が続き、営業活動は順調でした。
ただ、実は店名に課題がありました。パーソナルトレーニングと聞いてお客様が期待するのは「筋トレ」。いわゆるマシンによるトレーニングです。ところがスタジオに行ってみるとマシンは無く、姿勢改善やピラティスのメニューばかり。
「今考えたら、やっている内容と店名がズレていました。薄々それに気づきながらもお客さんの疑問に色々と説明をしながら人を集めていたような状況ですね」と語る中谷さん。
1.3 コロナ終息後の再出発で気づいた2つの壁
そんな中、コロナ禍により営業が制約され、お客様は一時1/3に激減しました。売上は下がったものの生活は出来るレベルだったので、無理にコロナ前の売り上げに戻そうとせずに現状維持という状態がしばらく続きました。そろそろコロナ禍の終息の兆しが見え得た頃、再度ホームページで集客を図ろうとしたその時、目の前に立ちはだかる2つの壁に気づきました。
1つ目はWebを活用して集客を行う自分のITスキルがやや時代遅れとなっていたこと。IT業界は新技術やサービスが日進月歩に変化しているため、半年に1回ほどアップデートが必要でしたが、それを怠っており周囲の変化に戸惑いを感じました。
2つ目は競合の増加です。気づけば周辺地域には個人のジムだけではなく、チェーン店のスタジオが続々とオープンしていました。ブランド認知度や施設・価格面では大型ジムに太刀打ちできません。中谷さんは、自分のビジネスを急いで再構築する必要があると痛感しました。
2.現状打破を目指して志師塾へ・・・そこで学んだもの
2.1 「時間の無駄」入塾前はグループワークに否定的
中谷さんは慌てて集客・マーケティングについて学ぶため、講座やスクールを探します。そこで初めて志師塾の存在を知り、体験セミナーを経て入塾。2022年8月から通い始めました。
「入塾前、実は『塾の形式』が嫌でした」と意外な言葉を口にする中谷さん。志師塾では毎月1回の講座と、4・5人ずつのグループワークがあります。この仲間との時間が増えることは「非効率」、時間の無駄だと考えていたのです。
でも、ここ志師塾でのグループワークを進めるうちに、その考えが間違っていたと気づかされました。
2.2 「自分を知る」とことん自分に向き合う自己棚卸
志師塾で一番印象深かった「気づき」は何ですか?と尋ねると、「とにかく自分を知ることです」と即答された中谷さん。志師塾では、まず今までの自己棚卸を行い、ストレングスファインダーや同期生が活用していたセルフポートレートなど、多彩な角度の調査分析を経て「自分」を見つめ直し、深堀していきます。
そこで発見したのが、自分は「考えてから行動するタイプ」だということでした。「実は体育会系のトレーナー時代は『考える前に動け(行動してから考える)』が当たり前。でも自分ではしっくりきていなかった。この分析を通し自分のタイプに気づき、納得できました」と話します。
2.3 「勝ち筋」4回目の正直で腹落ちしたビジネスの軸
志師塾には、各講座前に先着3名が担当講師へ直接質問を行うサービスがありました。直接自分の方向性やビジネスについて考えをぶつけられる壁打ちタイムです。中谷さんは毎月受付開始前からパソコン前で待機し、スタートと同時に申し込みを完了。講座スタートから欠かさず質問を続けていました。
1回目、2回目、3回目と睡眠指導や健康経営、ダイエットジムなど、保有資格を活かせるようなビジネスモデルを毎回講師の先生へぶつけますが、なかなか腹落ちする答えにたどり着けず悩む日々が続きます。
4回目。質問の申し込みはしたものの、さすがにアイデアも煮詰まって出てきません。そんな時、たまたまピラティスを思い出し、データ検索をしたところ驚きの結果に気づきます。実は韓国の芸能人によるピラティスの紹介で、日本でもピラティスブームが起き、人気となっていたのです。
「ピラティス」は実は「パーソナルトレーニング」よりも注目キーワードとして検索されているという事実。そしてピラティスマシンの購入ハードルが10年前よりははるかに下がり、今のスタジオにもすぐに導入が可能であることも知ります。自分の資格を活かせる時代の追い風にようやく気付きました。
このピラティスを4回目の壁打ちで講師の先生にぶつけ、ようやく「勝ち筋」として腹落ちできる結果となりました。そうと決まったら、中谷さんはすぐに行動を起こします。店名を変え、改めてピラティスの資格を取得するため学び直すのと同時並行でマシンも購入。加えて、元々レッスン前にお客様の体をほぐしていた点から着想を得て、「整体+ピラティス」という組み合わせで差別化された現在のビジネスモデルを構築しました。
3.第二の創業・・・成功体験を経て、次のステップを目指す
3.1 「次」を目指し上位講座の受講を決意
「整体+ピラティス」のピラティス&コンディショニングスタジオhc-lifeは今、既存のお客様のご予約で満席が続き、新規入会もキャンセル待ちという大人気のスタジオになりました。
もっと営業時間を延ばしたり、店休日を減らせば、顧客は増えますが、過酷な労働環境から体調を壊した過去を教訓に、自分自身のコンディショニングを保つためにも今のスタイルでの経営を心掛けています。
「最近では、小顔になるための頭蓋骨矯正メニューも取り入れ、『整体+小顔』を組み合わせました。結果としてお客様の単価があがりました」と話します。ただ、この先の成長を考えると、やれることには限界があります。
そこで、中谷さんは次のステップとして新しい売上の柱を作るため、2024年の年明けから始まる志師塾の上位講座へ進むことを決めました。
「現在の本業に加え、この事業を拡大するにはオンラインサロンや動画コンテンツの配信が一般的です。これなら一人でも多数のお客様を相手にすることができます。ただ、整体でお客様の体をほぐし、その後で個人に合ったピラティスのメニューを作る自分のスタイルとは相性が良くないと思っているので、もっと他のことを考えたい」今は、健康や睡眠の改善を継続して続けられるアプリなど新しいビジネスモデルを模索中です。
3.2 今のスタイルをベースに、よりハイパフォーマンスを目指す支援を
将来の夢をうかがったところ、もともと、学生時代からの憧れもあり、プロスポーツ選手がより高いパフォーマンスを発揮できるような専門的なサポートをしたいと答えてくれました。
「動作分析に必要な計測機器の導入やさらなる専門知識が必要となりますが、ベースである整体+ピラティスに栄養や睡眠指導を加えるスタイルは今と変わりません。野球やサッカーのようなスポーツだけではなく、囲碁や将棋などのマインドスポーツ、ビジネスの世界で活躍する方など様々なプロが大舞台で最大限のパフォーマンスを発揮できるような、コンディションを整えるお手伝いをしてみたいと考えています」と語ります。
4.志師塾への入塾を迷っている人、入塾を決めた人へ
最後に、今現在志師塾への入塾を迷っている人へのアドバイスをうかがいました。
「まず、五十嵐先生が執筆された『先生ビジネス‟マーケティング”の教科書』を読んでください。それが塾で学ぶ大枠です。本を読んで『これは自分でできる』と思う人は入塾しなくても良いと思います。私は一人でやるのは無理だと思ったので、体験セミナーを受講しました」と話します。
実際に志師塾で学ぶ人へ「学ぶ意識」について次の3つをあげてくださいました。
1つ目は、コミュニケーションです。志師塾でグループワークや仲間との時間を通し、他人と比較することで自分自身の強みに気づくことができたそうです。そのためには講座はリアルで受講し、同期や周囲の人達と積極的にコミュニケーションを取る必要性を伝えます。
2つ目は結果を出すために行動することです。習っただけ、学んだだけで満足したらもったいないですので、入塾を決めたら最大限の費用対効果を常に意識し真剣に向き合い、かつ、一度決めたらすぐ行動し結果を出すことが重要だと話します。
3つ目は、「他人の脳を借りる」ということ。ビジネスのコンセプトやアイデアを1人で考えていても悩むばかりで出てこないことがありますが、周囲の仲間と話すことで他の人のアイデアもどんどん加わり、結果、新しいアイデアのヒントが生まれるなど、自分だけでは気づけなかったことに気づくことができます。
実際に集客できたLP(ランディンページ)も同期のアドバイスがかなり反映されています。これが、入塾前に「塾形式の仲間と過ごすのは時間の無駄だ」と捉えていた中谷さんの固定観念を大きく覆した気づきでもありました。
インタビュー中の雑談時に、気になった言葉をすぐメモしていた中谷さん。常に情報を積極的に収集している姿勢に感銘を受けました。数年後に中谷さんの次のステップが新しいビジネスとして実現されることに期待しています。
文:永田あゆみ(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部
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