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【卒業生インタビュー】先生業を加速させ、新たな領域へ 〜小串滋彦さん~

今回お話をうかがったのは志師塾卒業生、行政書士小串滋彦事務所の小串滋彦(おぐししげひこ)さんです。小串さんは行政書士、事業承継士として許認可申請関連業務や相続、成年後見および補助金申請支援など幅広く活躍されています。

2014年の行政書士開業後、人とのつながりを徐々に構築しながら事業を成長させてきた小串さん。志師塾との出会いにより、ご自身の事業を見つめ直すきっかけになりました。

今回取材を通して、小串さんのこれまでの歩みと志師塾での学び、またこれからの挑戦についてお伺いしました。

1.行政書士になったきっかけ

横須賀育ちの小串さんは、2014年に行政書士として開業、「行政書士小串滋彦事務所」を横須賀に設立し、約10年間地域に根差した活動をしています。

行政書士は、行政書士法に基づく国家資格者です。業務範囲は幅広く、役所に提出する許認可等の申請書類の作成や提出手続代理、また遺言書や契約書などの権利義務又は事実証明に関する書類の作成等、法的に有効な書類を作成するプロフェッショナルです。また、上記業務以外にも活動領域は広く、「街の法律家」といえます。

小串さんが事務所で手掛けている業務は3つに大別できます。

1つめが建設業、産業廃棄物処理業、飲食業などの許認可の申請業務、2つめが相続や遺言、成年後見関連業務、3つめが補助金・給付金等申請支援業務です。

そして2023年に事業承継士の資格を取得し、3本柱を総合的に扱う事業承継が事業に加わりました。

小串さんが行政書士として開業しようと決めたのは、成年後見の仕事ができる法律の専門家になりたいから、かつそれが行政書士で可能だと知ったからでした。

成年後見制度とは、病気や障害、認知症などにより自分での意思表示や意思決定に不安がある人を、成年後見人等が支援する制度です。

成年後見に携わりたかったきっかけは、小串さんが祖母を亡くす前に感じた無力感にありました。

「大学で法律の勉強をしていた時、祖母が珍しい難病にかかり、亡くなる前の何年間か寝たきりになりました。会話も意思表示もできない状態です。当時は成年後見に関する民法の改正があった時期で、大学の勉強で成年後見について知識としては知っていました」

「ですが、実際目の前で、大事な人がそのような状態になっているにも関わらず、私が持っている成年後見の知識は何の役にも立たなかったのです。それがすごく悔しくて。それで、成年後見の仕事ができる法律の専門家になりたいと思ったのです」

その後、神奈川県行政書士会による、行政書士登録前の方を対象とした登録説明会に出席します。成年後見の仕事で売上の90%を上げている先生の話を聞き、「専門家としてやりたい仕事をできる」と考え、同会に入会、開業することにしました。

2.開業直後にぶつかった壁

2.1 受注の難しさ

行政書士としてのスタートを切った小串さんですが、仕事は順調とは行かず、壁にぶつかります。開業1年目の仕事は1件だけ、それも12か月目に知り合いからの紹介でいただいた仕事です。法律の勉強こそしてきたものの、会社などでの営業経験がなく人見知りでもあったので、「仕事を獲得するのは本当に大変」と痛感しました。

開業後色々な方に挨拶回りや行政書士開業の連絡をしたのですが、当時、「行政書士は何をいくらでやるのか?」と聞かれても、まだご自身で業務をちゃんとは理解できておらず、価格設定の経験もないので、うまく回答できませんでした。

「支部の研修会などで法律の勉強はできても、仕事獲得に直結する情報、営業のノウハウとかスキルは得られなかった」と言います。

2.2 悔いを残したくない!

しばらくは行政書士の先輩が紹介する仕事をしており、自分で仕事を獲得できようになるまでは3〜4年程度かかります。青年会議所などさまざまなコミュニティに参加し始め、経営者とのつながりを作るようになり、そこから受注獲得につながるようになったのです。

しかし、人見知りだった小串さんの行動がなぜ変わったのか。それにはきっかけがありました。

ある日、乗用車の運転中に信号待ちをしていた小串さんですが、突然後方からトラックにノーブレーキで追突される大事故にあいました。車4台が絡む玉突き事故で、1番最初に追突されたのです。当然車は即廃車となり、小串さん自身も幸い頭は無事でしたが、身体にはリハビリに数カ月を要するケガを負いました。

ベッドでぼんやり天井眺めている時に、「これは死んでもおかしくなかったんだ。やっぱり自分がやりたいことを全部やってから、人生を終わらせたい」と考えます。

死を意識した事故がきっかけとなり、退院し仕事に復帰してからの小串さんは、前述のようにさまざまなコミュニティに活動範囲を拡げます。そこからやりたかった成年後見、また許認可関連と相続の3本柱で事業を進めていきました。

3.「先生業」を正しく「量質転化」する志師塾

3.1 悩みと志師塾との出会い

行政書士として事業と売上を拡大していった小串さんは、先生業として一般的に順調といえる年商を超えていましたが、仕事での悩みを抱えていました。当時を振り返り、こう語ります。

「正直、行政書士は安く使える士業というイメージを持たれやすいことに悩んでいました。結構頑張っても安く買い叩かれる、請求書を出してもその通りに入金がない、というひどい体験もしました。それで、自分に何が足りないのかをずっと考えていたのですが、分からなかったのです」

このような課題を感じていた小串さんですが、2023年のある日、Facebookで志師塾の広告を目にします。

「『お願いされる先生業になりませんか』というキャッチコピーを見て、これだ!と思いました。私が当時考えていた『何が足りないのか、どうなればいいのか』という課題意識に対する答えの1つを提示してくれた言葉でした。」

仕事は底堅い状況ではありましたが「志師塾で自身のビジネスを再構築し、お願いされる先生となり、報酬もきちんといただけるならその状態を目指そう」と思い、2023年2月に入塾します。まず、Web集客セミナーを受け、その後先生ビジネス開発講座を受講しました。

3.2 「正しいトライ」が質を変える

志師塾について、小串さんは「志師塾は正しい量質転化ができる場所」だと言います。

量質転化の法則とは、行動などで量を積み重ねていけば後から質が変化していくという考え方です。ただ、小串さんは「正しいやり方をせず闇雲に量だけこなしても、質には変化しないと思う」と語ります。

ビジネスに唯一の正解はないので、トライアンドエラーをすることも大事です。ただ志師塾は『とりあえずやれ』ではなく、正しいトライの仕方を教え、そのやり方に沿って行動を促進、加速させよう、という教え方をしていたので、効率よく質の向上につなげられると感じたのです。

正しいトライの仕方の中でも印象に強く残っているのは、先生業としてのキラーコンテンツを構築する過程でした。志師塾でのキラーコンテンツ構築は、フレームワークとして見える化されていて、構築への正しいアプローチが存在します。

自分の強みを発掘する3万字の自己棚卸に始まり、コンテンツ構築の各過程のポイントがしっかりと押さえられ、1つ1つがわかりやすくノウハウ化されています。

志師塾入塾前は、何もわからずただ走り続け、なんとなく事業がうまくいっていたと思っていた小串さん。

ただ、言語化された志師塾の教えは、「うまくいっていた点」の要因を再確認するにも、「うまくいかなかった点」を洗い出し改善するためにも、大変役立ち、良いきっかけにもなりました。学びを活かした結果、受注単価が倍の案件も獲得しています。

3.3 質の高い人脈と情報を得られる環境

志師塾受講の他のメリットとして、質の高い先生業の人脈と情報を得られる点もありました。志師塾同期とのつながりはもちろん、先輩、後輩など他の期との交流会や、情報を取得できる場があります。

「志師塾のように、ちゃんと仕事をしている先輩が周りにいて仕事のやり方を教えてくれる環境って、すごく大事だと思います。ここでは成功している方々から『どうしたら先生業がうまくいくか』という本当に質の高い情報をもらえました。また、新しいビジネスを構築するにあたって、受講仲間に手伝ってもらい、壁打ち相手としてフィードバックをもらうなどもできるでしょう」と語ります。

10年前の開業時、仕事の進め方について手探りだった小串さんは、「当時の私がこのような環境にいたら、あんなに苦労しなかったのではないか」と感じたそうです。

3.4 先生業を加速化させる場所

先生業は、自身の成長につながる継続的な学びが必要な立場です。また、学びや情報を基に新たなサービスをつくる段階も来るでしょう。ただ、時間に追われている先生は、1人でなかなか新サービス構築をするのが難しいのではないでしょうか。

「早く自分の仕事の形をつくりたい、早く自分の経験、知見をこれから出会うお客様に伝えたい、という気持ちを持っている先生にとって、志師塾はそれを加速させるためのノウハウが得られる場所だと思います」と、志師塾受講を検討している人に向け、小串さんは語ります。

受講を検討している方はまず、体験セミナーなどを受講してみるのがおススメです。ここでキラーコンテンツ構築のフレームワークなどに触れてみてピンときた方は、実際に受講をしてみるとよいのではないでしょうか。

小串さんは、志師塾が提供する様々な講座に参加することで、改めて学びを深めようと気を奮い立たせることもあります。志師塾は「心のペースメーカーになってくれる場所」と言えるでしょう。

4.今後の活動

4.1 新たな領域へ

小串さんの事業の3本柱の中でも、ここ数年で企業の補助金に対するニーズが高まっており、小串さんの売上は補助金申請支援が若干他よりも高くなっています。

ただ、今後補助金に対するニーズが落ち着くことを見越し、経営課題を「売上の偏りをならすこと」と決めました。今後新サービスを構築し、新たな売上の柱をつくることを検討しています。

新サービスは、やはり一朝一夕には構築できません。今年は、時間をかけて「先生ビジネスプロデューサー」という新たな方向へ一歩を踏み出し、事業領域の拡大を図ります。

4.2 行政書士の仕事と人材を次の世代に残したい

事業領域拡大の先にある長期スパンでのビジョンを伺うと、「行政書士の仕事と、その仕事ができる行政書士の人材を、ちゃんと次の世代に残すことに挑戦したい」と小串さんは語りました。

残したい行政書士の仕事とは、書類を作る仕事だけでなく、「お客様のなりたい姿や掲げているビジョンなどの将来構想から逆算し、それにどれだけ近づけられるかを考えること」と言います。仕事の領域を広げ再定義し、行政書士の仕事として残していきたいという熱い思いがありました。

行政書士の人材を残すとは、AIが出てくるなど環境がどんどん変化する中で、変化を見据えて行政書士も変わらなければならず、その変化に対応できる人材を育てていきたい、ということでした。

だからこそ、新しいサービスを作る基本となるキラーコンテンツの構築方法はこれからも重要だし、学ぶ必要がある」と言います。

「先生ビジネスプロデューサー」の先に描いているのは、変化に対応できる行政書士の人材を育成し、次代に行政書士を残したいという大きな構想でした。この新たな挑戦に、今後注目をしていきたいです。

文:安田和博(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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