後継経営者資金マネジメントパートナーとして、中小企業の後継経営者を対象に財務と組織の力を活かした経営支援を行っている樋之津智文さん。
中小企業診断士の資格とご自身の経験を活かして「財務と組織の力を使って、経営者の不安を解消し、ワクワクに導くお手伝いをする」という理念のもと、後継者向けの養成塾や個別コンサルティングを提供しています。
アパレル企業での経験を経て、経営コンサルティング会社に転職。その後独立し、自身の強みを活かしたビジネスを展開する中で志師塾との出会いがありました。
志師塾での学びを実践することで、コンテンツ開発や受注獲得に成功し、安定した事業基盤を構築しています。
今回の取材では、経営支援に対する想いや事業の軌跡、そして今後のビジョンについてお話を伺いました。
1.財務と組織の力で経営者の不安を解消するパートナー
1.1 後継経営者向け資金マネジメントに特化したサービス
「お金の不安を解消して、夢を実現する7つのポイント」を基本コンセプトに、後継経営者向けの支援を行う樋之津さん。特に2代目、3代目の後継者が多いクライアントの中で、女性経営者の割合も高いそうです。
「経営者の方は、様々な悩みを抱えていらっしゃいますが、共通しているのは会社の変革が必要になって将来に不安を感じている点です。計画や見通しがないと不安を感じる経営者が多いんです」
「3ヶ月後、半年後の資金の動きをある程度正確に見通せないと、経理担当者の方もノイローゼになりかねません。そこで『このタイミングでこれくらいの残高があれば大丈夫ですよ』と不安を解消する支援をしています」と樋之津さんは語ります。
資金繰りの改善や財務計画の立案など、お金に関する不安を解消するサポートを中心に、後継者が直面する様々な経営課題に向き合っています。特に資金の流れが不規則な企業では、将来の資金繰りを正確に把握することが重要です。
1.2 経営者の夢を実現するためのサポート体制
樋之津さんがクライアントへのサービス提供で心がけていることは、素早いレスポンスと具体的なアクションプランの提示です。
「話し合いの中で出た内容を、必ず具体的な行動や資料作成など、形あるものに落とし込むようにしています。誰が、いつまでに、何をやるのかを明確にすることを意識しています」
また、すぐに対応できない場合も早めに返答し、見通しを伝えることも大切にしているそうです。「いつ頃対応できるか」をすぐに返答することで、クライアントの信頼を得ています。
「私はお客様に対して一方的に施策を提言するのではなく、徹底してニーズに寄り添います。セッションする中でお客様が理解できていなかったり、腑に落ちていないと感じたら、『次回、こういう資料を用意して説明しますね』と約束する。そういう柔軟な対応を心がけています」
クライアントの要望に沿いつつも、リスクがある場合はプロとしての意見をしっかり伝えるバランス感覚も樋之津さんの強みです。こうした姿勢が「本音で相談できる」と多くの経営者から支持されています。
2.アパレル業界からコンサルティングの世界へ
2.1 経営学への関心と企業支援への想い
樋之津さんがコンサルティングの道を選んだきっかけは、学生時代からの経営学への強い関心にありました。
「新卒でアパレル会社に入り、約10年働きました。学生時代から経営学や経営についてはすごく興味があったんです。洋服も好きだったのでアパレル業界を選びましたが、働く中で経営者と話す機会が多く、自分のやりたいこと、向いていることは何だろうと考えるようになりました」
そして気づいたのは、自分が経営するよりも、企業の経営をサポートする方が自分に合っているということ。この気づきが、後のキャリアチェンジにつながります。
2.2 転職から独立までの道のり
アパレル企業での経験を活かし、樋之津さんは経営コンサルティング会社へ転職します。税理士法人傘下の経営コンサル会社で6年ほど勤務する中で、自分の強みと経営支援の仕事との相性の良さを実感するようになりました。
「コンサル会社で働く中で、『この仕事は自分に合っている』と確信が持てました。そして、完全に自分で決めて自分でやりたいという想いが強くなり、独立を決意しました」
しかし、転職後すぐに業績を上げることはできませんでした。
「経営コンサル部門の立ち上げに関わった際、アパレル出身で診断士資格しか持っていない私が、いきなり年も上の経営者に対してコンサルティングの提案をしても、当然売れませんでした。半年間全く売上が立たず、1年半ほど本当に苦労しました」と、当時の苦労を振り返ります。
この経験が、後に独立してからの事業展開や志師塾での学びに活かされることになります。
3.志師塾での学びが事業成長の転機に
3.1 集客と受注の不安から参加を決意
樋之津さんが志師塾を知ったのは、パートナーCFO養成講座に参加していた時のことでした。
「高森さんの講座の最後に『受注やマーケティングで不安があるなら、志師塾という集客できる仕組みを作る講座がありますよ』と紹介されました。それでフロントセミナーを受講しました」
フロントセミナーでは、肩書きやプロフィール、自己紹介など、受注を得るために必要な基本的な部分の重要性を痛感します。
「セミナーの中で「WEBを活用して高単価の受注を獲得するための24の質問」というものがあったのですが、全く答えられず、これはマズいなと思いました。受注と集客が最大の悩みでしたので、志師塾の内容はドンピシャでした」
また、同業の成功者として知っていた先輩たちも志師塾出身だと知り、成功者の登竜門という印象も参加の決め手になったそうです。
3.2 価値あるコンテンツ作りと安定した受注の実現
志師塾に参加して最も大きな成果は、自分の納得する肩書きやキャッチコピー、プロフィールができたこと、そして実際に講座(コンテンツ)を作成して提案し、受注につなげられたことだと樋之津さんは語ります。
「1人で考えていたときは、何をどう決めればいいのかわからなかった。志師塾で学び、コンサルも受けながら、自分の納得する方向性を見つけることができました」
実際に開発した後継者向けのサービスでは、月額10万円の伴走支援契約を獲得。1年間で120万円の安定収入を得られるようになりました。
さらに「志師塾関連の人との1on1でつながり、190人以上の面談を実施するなど、積極的に人とのつながりを増やした結果、紹介で仕事が入り、さらに広がって仕事をいただきました」と、人脈の拡大による効果も実感しています。
3.3 志師塾の学びと実践を通じて得られたこと
志師塾での学びの中で最も印象に残っていることについて、樋之津さんは「24の質問」と「自立型の姿勢」について語ってくれました。
「五十嵐さんが毎回最後に語る『自立型の姿勢』のエピソードや事例が印象的でした。講座の内容はもちろん、講師としてのあり方、プロとしてのあり方も学ばせていただきました」
志師塾の仲間についても「全国津々浦々から来ていて、志師塾に入らなければ絶対に知り合えなかっただろうという方々と出会えました。皆さん『志』という文字を選んだ価値観を持っていて、頑張る人たちばかりだったので、すごく刺激になりました」と振り返ります。
4.クライアントからの信頼を築く経営支援の姿勢
4.1 寄り添いながらも的確なアドバイスを提供
樋之津さんがクライアントから選ばれる理由として、「押し付けない姿勢」と「必要なときには専門家としての意見をしっかり伝える」というバランスの良さが挙げられます。
また、クライアントの要望に沿いながらも、専門家として気になる点はきちんと伝えるようにしています。
「社長の要望に沿いつつも、本当に違うと思ったことは伝えます。『やっちゃダメですよ』とは言わないですけど、『こういうリスクがありますよ』『こういうふうになる可能性があります』ということをお伝えします」
経営者は攻めの姿勢が強く、守りが甘くなりがちです。樋之津さんは財務や資金繰りといった「守り」の部分で、バランスを取るサポートを行っています。
4.2 経営者の不安を安心に変えるコミュニケーション
樋之津さんが仕事で最もやりがいを感じるのは、「お客さんから頼られて、お客さんに役立っていると自分で思えたとき」とのこと。
「ちょうど良い『頼られる』感じがあると嬉しいですね。『こういうことをしてほしい』と言われたときや、自分が作った資料や話した言葉によって成果が出たという報告を聞くと、本当に嬉しいです」
あるクライアントから「樋之津さんのおかげで、こういうふうにうまくいっています」と言われたことが特に印象的だったといいます。また「紹介したら、その会社絶対良くなると思うから、そういう人がいたら紹介します」という言葉も大きな励みになっているそうです。
ある顧客は、樋之津さんとの対話を通じて会社の理念やキャッチコピーを作り上げ、「それがあったから、ホームページのリニューアルの際もスムーズに進められた」と喜んでくれました。
「売上が上がっています」「社内のモチベーションが上がっています」という言葉が、樋之津さんのモチベーションを高めています。
5.後継者と共に100年企業を目指す未来ビジョン
5.1 後継者養成プログラムの展開
樋之津さんが今後挑戦したいことは、後継者向けの講座ビジネスの拡大です。
「『100年企業を作る後継者養成セミナー』というタイトルの講座を展開していきたいと考えています。卒業生をたくさん輩出してコミュニティを作りたいですね」
元々の強みである財務・お金の分野に加えて、人と組織の分野にも領域を広げていく計画があります。
「社員研修なども含めた人と組織のプログラムを勉強しています。理念や戦略をしっかり作り、キックオフ合宿を行い、その後の研修までを一連のプロセスとしてサポートできるようにしたいと考えています」
既存のクライアントに提供できるサービスの幅を広げることで、より深く、長期的な関係を築いていきたいという想いが伝わってきます。
5.2 志と感動あふれる経営の実現を目指して
10年後のビジョンについて樋之津さんは、「継続的に関われるクライアントの数を増やすこと」「自分の提供できる範囲はしっかり提供しつつ、それ以外はネットワークを通じて最適な専門家につなぐこと」を挙げています。
「自分ができる範囲は自分でしっかり提供しつつ、思いが共感できるネットワークをしっかり作り、自分できないところは、お客さんの成長や改善に本当にコミットできる状態を作り続けたいです」
志師塾のようなコミュニティとして、後継者のコミュニティを育てていきたいという想いも持っています。
樋之津さんのデスクには「実現したいこと」「戦略」を書いた紙が貼ってあります。そこには「自分を磨いて外に出る」という行動指針が記されており、常に自己研鑽をしながら価値を提供し、得た対価を再投資して自分を高めていくサイクルを描いています。
組織を大きくするよりも、専門家同士のゆるやかなネットワークを通じて、クライアントにカスタマイズされた価値を提供し続けることを重視する樋之津さん。その姿勢は、一人ひとりの経営者に寄り添い、本当の意味で「後継経営者の未来を誠実にサポートする専門家」としての強い使命感と誇りを感じさせます。
「本気で集客や受注に悩んでいるなら、迷わずドアをノックして、フロントセミナーでも覗いてみて、いいなと思ったらその直感に従って参加されるといいと思います」と、志師塾での学びを考えている方へのメッセージも頂きました。
樋之津さんの「後継経営者資金マネジメントパートナー」としての活躍は、これからますます広がっていくことでしょう。
文・編集:志師塾編集部
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