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『リモートで働く』を広めた第一人者に! ~リモート人材 採用・定着コンサルタント~保田由香さん

保田由香さんは、企業と人材の間に立ち、リモートという働き方に特化した直接契約を支援するサービスを運営する株式会社在宅秘書ラボの経営者です。「在宅秘書」の事業を立ち上げたのは、経営コンサルティング会社勤務時の2009年。出産、子育て、夫の転勤などライフイベントごとに試行錯誤を重ね、10年後には法人化し独立。保田さんは経営者となりました。

コロナ禍のさなか「ずっと採用や人材紹介だけでよいのか」「コロナ禍の今だからこそ、もっとリモートワークの可能性を企業にも働く人にも伝えたい」という強い思いが、保田さんの頭をよぎります。そこで2020年に志師塾で学ぶことを決意。志師塾で鍛えたアイデアから生み出したサービスは2割の売上増につながり、見通しが開けてきました。

保田さんが常に明るく前向きに進めてきた事業成長の軌跡とリモートワーク定着にかける思いをうかがいます。

1.経営コンサルティング会社社長との出会いから生まれた「在宅秘書」

1.1 社会的意義が大きい「在宅秘書」事業

保田さんは10年以上「在宅秘書」の採用・導入・マネジメント支援サービスの提供をしています。主に1人で起業し正社員採用が難しい事業者に、フルタイム勤務や出勤が難しい女性を「在宅秘書」としてマッチングするものです。事業者と在宅秘書との間では、直接契約を結んでいただきます。

創業事業者は一人でさまざまな業務を抱え、優秀な人材を見出すことに手が回りません。一方、育児や介護に忙しい女性はスキル・経験を生かしたいものの、働く機会に恵まれない現実があります。「在宅秘書」は、そんな双方のニーズに合致する社会的意義も大きいビジネスです。

「在宅秘書」は女性活用・リモートワーク普及など時代の流れにも合致。大きな宣伝をすることもなく紹介やリピートで着実に成長を果たしました。今では年間約50社、200人以上を紹介しています。この「在宅秘書」のビジネス、もともとは2007年に保田さんが入社した経営コンサルティング会社の社長のアイデアでした。

1.2 在宅秘書1号は、保田さん自身

保田さんは、ANAの国際線CAとして勤務後、ベンチャーキャピタルのアシスタントや飲食業での教育・クレーム分析などを行っていました。職業柄、宿泊や夜遅い業務が多かったそうです。結婚、出産と大きなライフイベントが続き、シフトに縛られる働き方にやりづらさや迷いを感じるようになります。

キャリア模索中の2007年、情報収集の一環でメルマガ登録した経営コンサルティング会社に興味を持ち入社します。職務は、起業や新規事業の立ち上げを支援する社長をリモートでサポートすること。その業務は、カスタマーサポートやセミナー運営、会場設営、ホームページ更新、動画配信など多岐にわたります。まさに社長の片腕であり「在宅秘書」そのものでした。

リモートワークがまだ珍しい当時、社長はこのような「多忙な経営者とその経営者を在宅でサポートするスタッフ」の構想を温めており、その実現可能性を探るために、まずは自社で試してみようと考え、スタッフの募集をしたそうです。保田さんはその第1号でした。その目論見は当たり、約20人の在宅秘書を採用しフルリモートで業務遂行する体制を整えるようになりました。

1.3 社長と二人三脚で「在宅秘書」事業を立上げ

2009年には外部向けサービスとして提供することになります。保田さんは、新規事業担当者として、立ち上げに関わることになります。任されたのは、新規事業のコンセプト立案、ランディングページ制作、セールスプラン、モニター募集、サービス提供など、新規事業に必要なありとあらゆる業務。ホームページ周りやSkype会議、動画配信などIT関連は素人でしたが、必死に学んでこなしていきました。

また、「リモート」という働き方では、通常の出勤を前提とした人材の採用工程とは違う視点が必要になります。そのため、在宅秘書の採用における書類選考や面接ではどのようなことを確認すべきか試行錯誤を続け、独自ノウハウとして蓄積していきました。社長との二人三脚で、翌2010年には取引先が20社を超える規模となります。翌年にはNPO法人ウーマン・キャリア・デザインを設立し、完全に経営を任されるようになりました。

2.経営者として独立、そして志師塾へ

2.1 夫が北海道転勤、いきなりのピンチ

2010年、いよいよ事業もこれからというタイミングで、夫の北海道転勤が決まります。幼稚園児を抱える保田さんは悩みに悩んだ末に、いっしょに札幌に行くことを決めます。保田さんは、基本的に自分は楽観的と笑います。

それなりに困ったと思うんですけど、死ぬほどのピンチではなかった感じです」

クライアントとのTV会議にお子さんが乱入するなど、育児と並行ならではの困ったことも多くありました。ただ切羽詰まった状況の中、リモートでのクライアントとの打合せ、営業、保育園、子どもの世話など、時間単位でのタスクのやりくりが身につきます。事業としては少し足踏み状態が続くことになりましたが、この経験がその後の渡米時での運営に生かされることになります。

2.2 独立を決意させた夫のアメリカ転勤

2018年、札幌から東京に戻った4年後、今度は夫のアメリカ転勤が決まります。しかし、「アメリカに行くチャンスはそうそうこない」と、保田さんはある覚悟を決めました。社長からの独立と株式会社設立です。

アメリカとは時差もあります。今のまま保田さんが先頭で頑張っていては事業運営が難しくなります。保田さんは、事業運営の骨格を明確にし、自身が採用・育成した信頼のおけるスタッフたちに任せられる形にしたいと考えました。そこで社長に独立を申し出ます。保田さんは2011年から全面的に運営を任されていたこともあり、顧客基盤・スタッフも引継ぐ形で株式会社在宅秘書ラボを設立、渡米します。

2.3 リモートワークの普及で逆に行き詰まり感。打破するため志師塾に

アメリカでもリモートワークのノウハウは生かされ、日本の社員との意思疎通に支障はなくむしろ楽しいくらいだったそうです。しかし、新型コロナが起こり、リモートワークが当たり前となる中で、保田さんは少し行き詰まり感を覚えるようになります。

「サービス提供から10年以上。ずっと人材紹介だけでいいのだろうか」

リモートワークが一般的になるにつれ、逆に「在宅秘書」がワークシェアリングや人材派遣と誤認されることが多くなりました。新しいサービス提供や顧客層を変えていくことを考えねばと思うようになります。

アメリカから帰ってきて、子どもも大きくなり「今なら動ける」と思っていた矢先、知人が通う志師塾を知り興味を持ちます。セミナーで五十嵐社長の話を聞き、直感で「これは!」と思い申し込んだそうです。保田さんが持っていた在宅秘書ビジネスの課題感と実際のカリキュラムが合致したことも大きな決め手となりました。

3.課題に正面から取り組み、活路を見いだす

3.1 新サービスは在宅秘書の「定着化」の支援

志師塾では最初に自己棚卸をして、強み・弱みや何ができるかを明確にします。そして自分が売れるモノを決めていきます。保田さんは、早速自分自身の課題認識を周りにぶつけていきました。

在宅秘書を採用するお客様の多くは社長1人の事業者。多忙なため在宅秘書との意思疎通が結果的にうまくいかず、在宅秘書が離職するケースもあったそうです。社長がうまくマネジメントや業務指示ができていれば離職を防げたのでは、と思うことがしばしばありました。

また、このような社長は、人材採用以前の問題として、業務整理やマニュアル化など在宅秘書に任せるための準備ができておらず、上手く活用できていないのではないかとも感じていました。志師塾の研修や仲間相手に、これらの課題認識のディスカッションや壁打ちを行うことで、新サービス提供のイメージがまとまってきました。それは「在宅秘書定着化の支援」です。

たとえば、社長がやるべき仕事と在宅秘書に任せる仕事の業務整理やマニュアル化、ルール作りといったコンサルティング、在宅秘書を複数採用したときの研修講座、ITが苦手な社長や在宅秘書へのITスポットサポートなど具体的なコンテンツの検討も進めました。

志師塾の良さは、新サービスの具体化・具現化を体系立てて考えられることだそうです。保田さんは新サービスのメニューを体系立てて考えるうちに、自社の価値が「人と企業をつなぐ」だけではなく、「紹介先企業に在宅秘書を定着させることで、お客様の事業成長に貢献する」ことにもあると気付きました。

3.2 士業の先生方や社長の悩みを聞き自信に

志師塾の講座では、これから展開しようとしている商品・サービスのモニターを探し出してのヒアリングや、見込み客となりそうな方に、実際にその商品・サービスを提案するといった課題が出されます。志師塾には多くの創業間もない方や士業の先生方が塾生として参加しています。もともと「在宅秘書」は、このような方々向けのサービス。モニターや見込み客となり得る塾生から、多くの学びが得られたと保田さんは話します。

保田さんは、士業や創業間もない社長が、実際に何に悩み困っているのか、生の声を聞き、さらに「在宅秘書定着化の支援」サービスの商品性やプライス案などを志師塾メンバーに投げかけ、アイデアを磨き上げていきました。特に「採用関連の業務をトータルで受けてもらえる、サポートしてもらえるのは価値がある」といったフィードバックは、商品化の自信につながりました。

また、既存の顧客層は一部の業界に偏っていました。しかし志師塾にはさまざまな業界の方がいます。業界ごとに価格やサービスレベルなどの相場観が違うのには、目から鱗が落ちる思いだったそうです。サービス内容の粒度や値付けなど、細かなチューニングに生かしています。

3.3 「在宅秘書サービス」から「リモート人材・採用定着コンサルタント」へ

保田さんの入塾前の一番の悩みは、「在宅秘書」という言葉そのものがお客様にわかりづらいという点でした。新型コロナ発生後、リモートワークが当たり前となった反動から、アウトソーシング事務代行やワークシェアリングなどに間違われやすくなったそうです。

保田さんは、講師や塾生との壁打ちで「もう思い切って言い切ったほうがいい、尖らせて言い切ったほうがいい」というアドバイスを得ます。言い切るためにどうしたらよいか考え抜いた結果、お客様の本当の課題から逃げていたことに気付きました。

お客様が本当に求めているのは、スタッフが離職せず定着化し事業を効率的に回せること。しかし定着化の支援は骨が折れる仕事・・・。しかし保田さんは腹をくくります。

「そこはちょっと大変だから避けてきた。でもやはりそこからやらないといけない」
保田さんは「リモート人材・採用定着コンサルタント」を名乗ることにしました。

「以前は単純に在宅秘書サービスとごまかしていたんです。これで自社の提供価値が少しはわかりやすくなったように思います」と笑いながら話します。とはいえ、まだわかりやすさは7割ぐらいとの自己評価。今は社名の変更も視野にいれて考えているとのこと。とにかく「覚悟が決まった」というのが大きな収穫となっています。

4.『リモートで働く』を広めた第一人者になる!

株式会社在宅秘書ラボでは、もともと、在宅秘書のサポートをとおして社長や在宅秘書の課題や悩みも把握していて、こういう場合はこういうコミュニケーションを取った方がいい、こういうルールを決めた方がいいといったノウハウも持っていました。しかし、あくまでもアドバイスレベルに留まっていました。

志師塾の学びをもとに、これらのノウハウを「在宅秘書定着化サービス」として提供を始めました。新規のお客様を中心に反応がよく、約2割の売上向上につながり手応えを感じています。ただ、サービスのバリエーションやボリュームは完成半ば、試行錯誤をはじめています。

保田さんは、「今までは国家や企業が主体の世の中でした。これからは個人がどんどん活躍し、起業独立する人、フリーランスも増えるという流れが加速します」と話します。そして、そのような方々をどんどんサポートしていきたいと考えています。

「リモートで働くってことを広めた会社。特に中小企業、個人事業者に対してリモートワークを広めた第1人者というポジションを取っていきたいんです」
働く私たちが世界中どこにいても働けるような環境にしていきたい。保田さん自身がそのような働き方が好きだし、特に女性が結婚、出産で働くことを諦めない社会にしていきたいと力強く話します。

志師塾の良さもうかがいました。
「世の中には、様々な起業塾、集客塾が無数にありますが、その中で「まっとうな塾」というのが、率直な感想で、しっかり計算されたカリキュラムだなと感じます。仲間が増えたのも良かったです。私にとって本当によいタイミングでの受講でした」

最後に保田さんは働く女性たちの希望になりたいと話しました。こう明るく締めくくる保田さんは、まさに希望と自信に満ち溢れています。

一緒に独立した後輩たち。アメリカにいる間、しっかり日本で対応してくれました。

文:大井秀人(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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