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【卒業生インタビュー】“徹底的なGIVE”で人をつなぐ財務の専門家 伊藤直也さん

伊藤直也(いとうなおや)さんは、中小企業の利益を伸ばし一緒に伴走することにコミットする社外の財務責任者こと「社外CFO/財務コンサルタント」です。税理士であると同時に事業会社での財務責任者としても経験が豊富で、特に会社の資金繰り不安を解消するためのアドバイスを得意とされています。

2015年に設立された財務コンサルタントの会社「一般社団法人セカンドファミリー」を本格的に稼働させるため、営業ノウハウを学ぶ目的で志師塾に入塾した伊藤さん。そこで得たものは「人脈」の大切さでした。今回は伊藤さんの財務コンサルタントとしての想いと志師塾で得た人脈の大切さについておうかがいしました。

1.四足わらじの多彩な財務の専門家

伊藤さんは公認会計士と税理士の資格を持ち、現在四つの仕事に従事されています。一つ目は埼玉県で社外CFO/財務コンサルタントを行う会社「一般社団法人セカンドファミリー」の経営、二つ目は事業会社での経理責任者、三つ目はいちごやマンゴーなどの農業関連事業の責任者、最後は子供ボランティアです。従事する割合はそれぞれ財務コンサルタント50%、事業会社の経理責任者30%、農業関連事業15%、ボランティア5%です。

現在一般社団法人セカンドファミリーでは合計26社の企業を支援し、2023年から3名の社員を迎え4名体制で財務コンサルタントおよび社外CFOを行っています。本業を伸ばしながら他の分野でも活躍する伊藤さんは、守備範囲の広い多彩な財務の専門家といえます。

共通しているのは「誰かの役に立つこと」と「自分で体験すること」。経営者のお金や人の悩みを同じ経営者の立場で理解し実体験に基づいてアドバイスする、子供たちを元気にするために自分で食物をつくる体験をして子供たちに伝える、というように体験に基づく生きたアドバイスや支援が基軸になっています。

2.大震災から学んだ、強い会社をつくること

2.1 大震災が転換点

もともと伊藤さんが税理士・公認会計士を目指したのは、父親が事業の失敗によって借金に苦しんだのを見ていたからでした。お金の心配をしなくてよい経営のサポートをしたいという思いで、仕事をしながら勉強を始め計13年で資格を取得されます。税理士法人に転職してからはたくさんの節税対策のアドバイスを行っていました。当時は経営数字の説明をするよりも税金を抑える方が喜ばれ、そのアドバイスをすることが税理士としての腕の見せ所だと思っていたそうです。

しかし2011年に起きた東日本大震災で大きく考えが変わりました。節税対策は結果的に会社にも個人にもお金を残すことにならず、その状態で震災がおきました。銀行はお金を貸してくれない、売上は上がらない、赤字で借金は返せない、家が差し押さえられ、最後は倒産や中には自殺、という状況を目の当たりにしたのです。倒産した会社の中には知り合いの会社もあり、大きなショックを受けました。「自分がもっと計画的にお金を貯める戦略を練っていれば助かったかもしれない」という思いから、これまでの支援の考え方を見直す必要があると強く感じたそうです。

2.2 「億り人(おくりびと)」ファクトリー

改めて感じたのは、やはり会社はお金がないとだめだということでした。災害などの不測の事態が起きても、事業を継続できるだけの資金を日頃から戦略的に貯めていく経営をする必要があると。後にその思いを志師塾で言語化したのが「億り人」ファクトリーというキャッチフレーズでした。

中小企業は「1億円」あれば、災害が起きてもすぐ倒産せず従業員に給料を払ったり固定費を払ったりしながら、立て直しを図れると考えたのです。「1億円を貯める中小企業をつくる工場(ファクトリー)になる」という意志でつけました。災害時の辛い現実を目の当たりにして沸き上がった「災害にも強い会社をつくりたい」という思いを込めた言葉です。

2.3 事業会社へ転職と同時に会社設立へ

大震災後は強い会社を作ろうという思いで仕事を続けていた伊藤さんですが、当時はまだ会計や財務の知識が不十分と感じ自信がなかったそうです。「表面的な知識やネットで調べられるような情報では経営者に見抜かれてしまう」「もっと経理経験の引き出しをたくさん持たなければ」と考えた末、2015年に勤めていた税理士法人を退職し、事業会社に転職しました。同時に、副業できる会社に転職したこともあり、経営者と同じ立場、同じ気持ちになってアドバイスできるようになりたいという思いから一般社団法人セカンドファミリーを設立します。顧客1社からのスモールスタートでしたが、当時は副業ということもあり精一杯でした。

事業会社にて様々な案件の経験をした後、さらに転職を経て2022年には経理責任者としてIPO(新規上場)を経験することができ、経理知識の最後のパーツが揃ったと自信を持つことができたそうです。ようやく本当に自分のやりたいこと、つまりお金をため資金繰りの不安のない強い会社をつくるための伴走支援にコミットする準備が整ったのでした。

3.志師塾で学んだ『徹底的なGIVE』の精神

3.1 志師塾のきっかけ

伊藤さんが志師塾を知ったきっかけは、一般社団法人セカンドファミリーの活動を本格化するにあたって、顧客を獲得する営業ノウハウが欲しいと考えていた時たまたま志師塾の広告を目にしたこと。志師塾の塾長五十嵐さんのプレセミナーに参加し、「3秒で相手の心を射止めるホームページを作る」というキャッチフレーズに面白さを感じ、入塾を決めました。

3.2 志師塾で得たこと

営業ノウハウを学ぶために入塾しましたが、まず初めに志師塾でやったことは、自分が何のためにその事業を行うのかという徹底的な「自己棚卸」でした。角度の異なる25の質問から始まり、自分の人生を振り返る大量の課題をこなしながら、数ある税理士の中で自分は何に特化したいのかということを徹底的に振り返り考え抜きます。

結果、伊藤さんの思いを一言で表す「億り人」ファクトリーというキャッチフレーズを浮かび上がらせることができました。ただノウハウを学ぶだけよりも、自分自身を内面から深堀して本当にやりたいことを言語化したことで、自信がつき今は新しいことを始める時にもぶれることがなくなったそうです。

また自己棚卸を共に乗り越え語り合った仲間とは、強いつながりを得ることができました。志師塾では同期の仲間だけでなく別の期の仲間との交流や情報交換を活発にする仕組みがあり、人脈をつくるためのエッセンスを学ぶことができたことが大きかったといいます。

実は伊藤さんが志師塾で得たことを一言で表すと、営業ノウハウ以上に「人とのつながりの大切さ」だそうです。志師塾では仲間同士がお互いを紹介する場があります。学びを共にしてお互いをよく理解する仲間だからこそ、紹介によって仕事につながるとのこと。紹介してもらうには伝わる自己紹介が必須のため1分プレゼンの訓練を行いますが、その際も仲間同士でいい意味での批評やアドバイスをし合い、お互いに磨き合ったそうです。ユニークで熱い人が多く今も仲が良いと、顔をほころばせます。

良い人脈を作るには「徹底的なGIVE」の精神だと気づかされた、とさらに話す伊藤さん。塾長の五十嵐さんをはじめ講師の方々は「GIVEの精神の塊」と感じていました。その結果として成果を出している姿を目の前にし、自分を売り込むのではなく、相手のことを知ろうとすること、相手が本当に必要としている人につなげることで信頼関係が生まれ良い人脈が築けることに気づきました。

そこに気づいてからの伊藤さんは、これまで以上に見返りを求めずに相手の話を深堀する聴き方を徹底するようになります。結果、信頼を得た相手から仕事を依頼されることが増えてきたそうです。

3.3 1年間で424人の1on1の効果

志師塾に入った目的が顧客獲得のための営業ノウハウであったこともあり、伊藤さんは入塾したときに「年間400人と1on1をする」という目標を立てていました。ただし当時はそれで直接顧客を獲得できると考えていました。しかし1on1を行っても簡単には仕事につながらないことをすぐに実感したといいます。そこで「徹底的なGIVE」が大切と学んだ伊藤さんは、1on1の目的を顧客獲得から方向転換し、1on1の相手を味方にする、つまり信頼関係を築くことに集中したのです。

相手を味方にするには、相手が知りたい情報を提供することや、その方にとってお客様になるような人を紹介することが肝であるなら、まず伊藤さん自身がたくさんの人とつながる必要があると考えたそうです。人をつなぐ目的で塾生やその紹介者を中心に1on1を続け300人を超えてくると、どんな相手の希望や悩みにも適切な人をつなげられるという手ごたえを感じ始めました。最終的に2023年は424人との1on1を達成。この取り組みは伊藤さんにとっても様々な業種の生の話を聴ける社会勉強の機会にもなり、本業での伴走支援に活かされているそうです。さらに信頼関係を築いた相手から仕事の依頼を受けることも増え、「徹底的なGIVE」の精神がもたらす効果を実感しているそうです。

4.これからのビジョン

4.1 表のゴールと裏のゴール

志師塾での学びは伊藤さんの今後のビジョンにおいても大きな影響を与えました。自己棚卸を通じて伊藤さんは自分の中の表のゴールと裏のゴールに気づいていきます。表のゴールは経営が厳しいお客様の支援によってお金の不安のない強い会社をつくること。裏のゴールは子供向けのボランティア活動に力を入れることです。

表のゴールの目下の目標は、1社でも多く強い会社をつくるため、財務コンサルタントと社外CFOの顧客を増やして合計50社の支援をすることです。また社員も現在3人ですが倍に増やすことを考えています。社員の雇用と育成を進め、伊藤さん自身は筆頭コンサルタントの役割から管理する役割へと移り、今度はそのノウハウをアドバイスできるようになることを目指しています。

表ゴールの土台作りとして年間400人を目標とする1on1は卒塾後も継続しています。さらに1on1の延長線として3月からラジオ番組にも挑戦します。その名も「GIVE・GIVE・GIVE」。伊藤さん自身がラジオのパーソナリティとなり1on1の相手を対談形式で紹介しながらその方のアピールの場を作りたいそうです。「徹底的なGIVE」の進化形ともいえるラジオ番組は、伊藤さんの人をつなぐ情熱がうかがえます。志師塾の仲間だけでなく志師塾を検討している方にも参加してもらいたいと考えています。

「沖縄県のコミュニティFM FMぎのわんで、毎週土曜日14:00~14:30『GIVE・GIVE・GIVE』をOA中。出演される方をティーアップすることを目的に東京埼玉を中心に日本各地からお届けしています。YouTubeチャンネルもありますので人脈が広がっていく様子をぜひご覧ください」

裏のゴールは、本業で貯めたお金を子供向けのボランティアの活動資金にすることです。ボランティアは資金的なコントロールが必要なので、本業からボランティア運営へとお金を回す戦略を考えたいといいます。

この思いは過去に子供ができなかった時期、養子を取ろうか悩んでいたときに見た風景に遡ります。養護施設を訪れた際にたくさんの子供たちと目が合いました。その時に一人の養子を取るのではなく子供たち皆を守りたい、皆を守れる箱を作りたいという思いにかられたそうです。

最終的に子供が生まれたので養子は取りませんでしたが、その時の思いが自己棚卸を通じて蘇り、何のためにこの仕事をするのかという答えの裏のゴールに行き着いたのです。表と裏のゴールが一体につながった伊藤さんの思いが伝わってきました。現在はこども食堂や農業体験をやりながら将来的なボランティアの形を模索中です。

4.2 志師塾を検討している方へのメッセージ

最後に志師塾を検討している人へのメッセージをお伺いしました。

ビジネスは人脈が大切」ということと「成果を出している人の教えには素直に従うこと」を伝えたいとのこと。「最初の目的にこだわらず、まず志師塾の講師が言われることは守破離の「守」だと思ってやってみること。そうすれば時期はそれぞれだとしても自分の希望通りになったと一人ひとりが言える場だと思います。やりたいことが導線でつながる場です。そして志師塾にはそれを応援してくれる仲間がいます」

文:宮田香耶(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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