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【卒業生インタビュー】 日本の製造業に活力が湧き起こる 〜新事業開発コンサルタント・松本康一郎さん~

「世界の経済界において日本企業のプレゼンスが低下している現状を何とかしたい」

インタビューの冒頭で、このように力強く語っていただいたのは、志師塾卒業生、「新規事業開発・松本塾」塾長の松本康一郎さんです。製造業向けコンサルタントや経営者向けのセミナー講師として活躍されています。これまで、延べ41チーム307名の指導実績をお持ちです。

松本さんは、当時の松下、現在のパナソニック株式会社(以下、松下)でキャリアをスタートされ、名門であるシカゴ大学でMBAを取得した後、外資系や国内メーカーといった数多の企業を渡り歩き、23年間にわたり経営者として活躍されました。

現在は豊富な経験を活かして独立され、製造業の幹部向けに新事業開発を中心としたコーチングを行っており、日本の製造業を元気にしたいという熱い思いを抱いています。

今回の取材では、経験豊富な松本さんの来歴と、コンサルタントとしてのビジネスの方向性を掴むきっかけとなった志師塾での学び、そして将来の展望について伺いました。

1. 経営を学び実践する日々

1.1 「松下流」の経営と「シカゴ学派」の理論を学んだ若手時代

時は日本企業が世界の企業ランキング上位を席巻する1980年代、松本さんは新卒で松下に入社しました。すぐに頭角を現し、入社2年目にして全社的に募集されていた海外派遣メンバーに選ばれ、渡米することになります。渡米前に、当時ご存命だった創業者の松下幸之助さんの経営の考え方を徹底的に叩き込まれました。その内容について松本さんはこう振り返ります。

「松下流の経営を一言でいうと、『人を大切にする経営』です。経営者やマネジメントは、人間が持っている能力を十分に発揮させてあげることが重要だと教えられました。松下幸之助さんは、最終学歴が小学校卒で体も弱かった子供でしたが、従業員10万人を超える会社を一代で率いることができました。学校の勉強でも会社での経験でもなく、熱意とやる気があれば、すごいことができると学んで、今でも自分のコアの考えとして持っています」

米国での2年間の派遣期間を終え、その後は冷蔵庫の輸出部門で勤務されました。シンガポールのコンプレッサー部門への転勤を経て、さらに経営を学びたいという意欲を持っていた松本さんは、なんと会社を飛び出し、自費でシカゴ大学のビジネススクールに通うことを決めます。当時小さかったお子さんを連れて、家族三人で再渡米ということになりました。

「大変な思いをして通っていたビジネススクールでは、松下流の経営の話を言っても話がまったく通じませんでした。当時、シカゴ大学では徹底的に理論で経営を行う、『合理的な経営』が主流だったのです。とはいえ、新理論を議論しあう生き生きとした学生の雰囲気の中、学びを深めてMBAを習得することができました

一方で、松下で学んだ「人を大切にする経営」と、シカゴ学派の「合理的経営」の相容れない点について、葛藤も持ち続けていました。

新事業開発コンサルタントの松本康一郎さん2

1.2 活躍を期待された企業人としてぶつかった壁

ビジネススクールを卒業したあと、知り合いの紹介でシンガポールの部品メーカーに勤務することになります。ビジネススクールでの総費用が、2,500万円もかかってしまい、何とかして回収しなければならないと必死だったそうです。

「そのメーカーにおいて初めての日本人社員だったこともあり、待遇がとてもよかったです。しかしながら、たった1年でアメリカの会社に買収され、事業整理のためあっという間に解雇されてしまいました。その後、失業者として日本に戻ることになりました」

1.3 失意の帰国から経営者の道へ

失意の帰国でしたが、ほどなくして外資系インフラ部品メーカーに声をかけられ、事業部長として働くことになりました。その会社では目覚ましい活躍をされたそうです。

「比較的良い成績を収めたことが評価され、同メーカーの日本支社長となりました。就任当時、利益率はマイナス22%と業績がかなり悪化しており、リストラが不可避という状況で、最終的には100人くらいの従業員にやめてもらうことになりました。しょうがないと割り切って、シカゴ流の合理的な施策を実行しました」

経営者として大きな判断をされた一方で、夜中に目が覚めるほど精神的に負荷がかかりました。なぜなら、合理的なリストラ策は、人を大切にする松下流の経営と正反対なやり方だったからです。

松下さんは、売上が下がった時でも、従業員をやめさせませんでした。工場の人間を営業に回すなど配置換えをして乗り越えたそうです。人の役割や強みがそれぞれにあって、マネジメントはそれを見極めて、力を発揮させていくことが大切だと教えています。

「そんな葛藤の中で改めて考えていたことは、一番の問題を明らかにすることでした。それは利益率がマイナス22%だったことです。赤字を解消するためには、売上を上げることが必要で、社会の役に立つために付加価値を求め続け、本気でやっていくことが大切だと心に刻んで突き進んでいったのです。問題を解決するためには、新しいものを作っていけるかどうかが重要で、やみくもにやるだけではなく、様々な理論などの武器を使って戦略を立てました」

こうして、「松下流の人間第一の経営」と「シカゴ学派の合理的な理論」をうまく融合させ、松本さん独自の経営手法が構築されていったのです。

新事業開発コンサルタントの松本康一郎さん3

1.4 経営者として出会えた感動

経営者として活躍の幅を広げていた松本さんは、旧財閥系企業との縁があり、グループ内企業のM&A案件の対応や、企業買収後のフォローの責任者として勤務することになりました。そこでは、あまり売上が良くなかった既存製品をどのように売っていくかが課題となっていました。さらに、本流ではない製品だったので、どのようにマーケティングするかも考える必要がありました。

「その時にプロジェクトチームを立ち上げて、若手の幹部候補向けの研修をすることになったのです。経営コンサルをされていた先生と一緒に、コーチングに近い内容でフレームワークを作りました。『うわべだけを取り繕った研修をしたくない』という明確な意思のもと、先生のコンサルに加えて、現場での経験とシカゴ大学で学んだ経営理論をもとに作りこんでいきました」

実際に研修をはじめると、最初は社内で反対もあったそうですが、研修を受けた社員の眼の色が変わる様子が明らかになっていくと、次第に賛同する声も大きくなったそうです。研修は1年間にわたって行われ、研修の卒業式では経営トップも参加し、とても感動してくれました。

研修の成果として、これまで営業をかけていても入り込めなかった会社に対して、難しい顧客要求を達成できるようになり、業績も向上できたそうです。評判を聞きつけた他のグループ企業でも、この研修が導入されることになりました。

1.5 企業経営者から個人事業主への転換

目覚ましい業績を上げたことが評価され、同グループ内の別会社の経営を立て直すよう依頼が舞い込みます。年間売上300億円ほどでしたが、8年連続赤字で10億円の債務超過があるという大変な状況でした。松本さんの奮闘の結果、前任の社長の貢献もありましたが、これまで培った経験を活かして就任初年度黒字を達成し、その後5年間は黒字継続しており、債務超過も解消されています。

しばらくして定年を迎え退任することになり、その後他社の経営を担ったこともありましたが、「自分の経験をお伝えして世界の役に立ちたい」と、念願だった個人事業を始めることになりました。

2. 志師塾との出会い

2.1 個人事業に向けた下準備

もともとは、自分は経営者だからコンサルが向いているか疑問がありましたが、いろいろ考えをめぐらす中で、現場で成果を上げてきた社内研修や、コーチングに関する仕事をやりたいと考えるようになりました。個人事業を始めるにあたって、志師塾に出会ったきっかけと講座に参加した感想を伺いました。

「個人事業を実際に運営していく方法を理解するために、学ぶ場が欲しかったのです。調べた中で、志師塾が一番オーソドックスで信頼感があったので、代表に連絡してセミナーから参加することになりました。志師塾では、自分の過去を振り返り、弱みや強みを明確化し、何をやるべきかはっきりさせることができました

その後、チラシやWebマーケティングの基本を学び、どのように集客につなげていくかを考え、実際にホームページを立ち上げて運用を開始されています。また、参加されている方は若い方が中心で活気があり、税理士や美容系など様々な職種の方が多く、雰囲気もよかったそうです。

2.2 事業の方向性の決定

セミナーを受ける中で、松本さんが立ち上げる個人事業の方向性が定まっていきます。

事業としてやるべきことは、新規事業開発支援だということが明確になりました。新規事業開発というと、ゼロイチの発想になりがちですが、より企業の強みが発揮できる既存事業、既存市場に注力し、そこからできるだけ近いところで、収益を上げていく方法ということです。

松本さんは、様々な規模の企業で経営に携わった経験から、大企業のロジックや中小企業の動きを把握しており、その経験を活かすため、規模は問わず製造業の会社をターゲットにしています。

新事業開発コンサルタントの松本康一郎さん4

3. 将来に向けて

3.1 これからやっていきたいこと

「会社の売上を上げるために、人の能力を最大限発揮させることが重要だと考えています。ほとんどの会社では、持っているポテンシャルを十分に発揮できていません

経営者の視点で熱く語る松本さんに、これからどのようなことをやっていきたいか、具体的なことを伺いました。

「そうですね。私が構築した研修の一部をご紹介します。まず、経営者の方に協力をいただきながら、プロジェクトチームを作り会社のエースとなる人材を集めて、クロスファンクショナルチームを作ってもらいます。フレームワークを使って、これまでの経営を振り返り、どのような経営戦略をとっていたのか考えることから研修はスタートします」

「次に、やりたい事業は何なのかを考えます。既存事業のビジネスモデルを変えてみるとか、発想を広げていくのです。簡単な例を挙げますと、コストの低減施策として品質を担保したうえで海外調達比率を上げることや、建築用資材である銅線のコストを下げるために、より廉価なアルミ線を採用する、などといった感じです。さらに、アルミは軽量なので、作業者にも優しく、女性登用推進もできるといった副次的な効果もあります」

「このように、市場は変わりませんが、製品の中身を少し変えることで、新たな道が開けるといったことが往々にしてあるのです」

さらに、経営幹部の働きかけにより、研修は濃密なものになっていきます。

「経営幹部にはアドバイザーとして参加してもらい、新規事業に関する月一回のプレゼンを行います。アドバイザーは親身になって否定せずにサポートを行い、状況に応じて適切な有識者の紹介などを行うことで、研修参加者のロードブロックを取り除いていきます。そうすると、どういうことが起こると思いますか?チームごとに進捗の差が出てくるのです」

「一番の肝はVOC(Voice of Customer)なので、経営幹部から『いいね』と言われるけど、前に進めない事態も発生します。さらに、研修参加者には日常業務に加えて経営幹部の前で発表させられる、というプレッシャーもかかります。こういった経験は経営者が感じる『経営の修羅場』と同じで、プロジェクトを通して体験できます

この研修で得られた成果を使うことで、これまで話が前に進まなかったお客様からもアドバイスももらえるようになり、アイディアを成熟させることで契約がもらえ大きな成功体験に繋がっています。松本さんの豊富な経験によって練り上げられた研修プラットフォームは、企業にとって、従業員の成長と新たな気づきを得られる貴重な機会となるでしょう。

3.2 おわりに 「あの感動を一緒に味わいたい」

「修羅場を乗り越えることは大変だけど、やりきることで成長していく。それが一番やりたいことなのです」

新事業開発コンサルタントの松本康一郎さん5

実際に、研修を通して修羅場を乗り越えた人材は、その多くが経営幹部になっているそうです。「君はできる」と信じ切って言葉をかけること、励ますこと、そして力を発揮できる場を与えることが、松下流では大切にされています。実際に松下さんは中学卒業したての人に、工場を建てさせたこともあるそうです。「教育にはロジックも必要ですが、実践の場を与えてやらせてみることが重要だ」と松本さんは語ります。

「この研修を乗り越えた暁には、誇張抜きにして涙が出るほどの感動が得られます。ぜひ、多くの方にその感動を味わってほしいですね」

経営の経験と理論を併せ持つ松本さんは、日本の製造業の活力を湧きたたせる心強いコンサルタントとして、これからもクライアントに伴走していきます。

文:齋藤宏晃(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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