中川りえ（なかがわりえ）さんは、「サロンコンサルタント」として、クライアントの開業支援をされています。中川さんご自身が整体師としてサロンを開業され業績を向上させた経験をもとに、開業予定の方やすでに開業されている方へのアドバイスや、スクールの講師といった講師業を営まれています。
今回、中川さんがサロン経営者からサロンコンサルタントになり志師塾に入ったきっかけ、志師塾で学んでからの取り組みと成果、今後のビジョンについて、お話をうかがいました。
１．「クライアントの開業を支援する」中川さんのお仕事
中川さんは、「サロンコンサルタント」として、多くのクライアントに対してコンサルティングをされています。中川さん自身は、現役の整体師で、現在もサロンで施術をされています。
「私のお店は、既存のお客様のリピート率が高く、長年通っていただけるお客様が多いです」ご自身の経験を踏まえ、「サロンを開業したい」、「開業しているのだけれどもなかなかうまくいかない」という治療院、エステサロン、リラクゼーションサロンといったクライアントの方達に向けてコンサルティングされています。
「できるだけ経費をかけずに、集客をしていくところが特徴の一つとしてあります」大手の集客サイトで集客をするとなると、月に何万円、ともすると10万円近くの経費がかかります。まだ売上が立つ見通しが立っていない開業当初の人にとって、大手の集客サイトを利用するのは費用面で厳しいです。中川さんは、「開業したい」方たちに向けて大手の集客サイトを使わずとも集客する方法をアドバイスします。
中川さんのクライアントの方たちが今現在集客する際に使われているツール、たとえばホームページやSNSでの集客についてコンサルティングします。具体的には、クライアントさんがSNSに投稿したら投稿内容の添削を行い、状況に応じてアドバイスを行っています。
中川さんはコンサルティング経験が豊富で、特にSNS集客を得意。「クライアントの９割がSNS集客を求めてこられます。私自身も８年間コンサルタントとして、広告無しのSNSのみで集客しています。自分の経験も踏まえてSNSの使い方を、具体的にお伝えしています」
２．サロン経営者からコンサルタントへ
2.1 集客のノウハウをつかんだサロン経営者時代
現在はたくさんのクライアントを抱えておられる中川さんですが、24歳でサロンを開業した当初は月5,000円の売上だったといいます。そこで、「売上を上げるための方法は、誰かに聞いた方が早い」と思い、行動力のある中川さんはお住まいのある三重県から、東京の治療院の先生のところに週一回の頻度で通い、サロン運営の仕方等ノウハウを数多く学びます。
中川さんは、先生から学んだノウハウや知見を活かして、着実に売上を向上させていきました。「４か月目に月商100万円、1年かけてリピート顧客を増やして月商200万円、メニューを変えることによって月商300万円。高額メニューを作ったことや整体師のための講師業も含めて月商400万円、32歳頃には月商約660万円、つまりは年商換算で8,000万円の売上を上げることができました」
2.2 サロンコンサルタントとしてのスタート
中川さんは40歳になったころ、「人生の折り返し地点に来たから、何か新しいことを始めようかな」とFacebookを始めます。それまでSNSはそれほど使っていなかったとのことですが、Facebook内で起業されている方やFacebookを使って集客している方に興味を持つようになったそうです。中川さんは、これまでチラシやホームページで集客していたので「Facebookを使って集客ができる」ということを知り、衝撃を受けました。
そして、Facebookで見つけた、ある女性の先生が主催されている起業塾に入塾します。中川さんは、先生から「サロンコンサルタントをしてみたら」とすすめられて、サロンの集客を支援するコンサルティングを始めます。中川さんは、ご自身の今までの実績を発信し続けることによって、SNSを用いて延べ2,300名の方をコンサルティングするまでになります。
３．志師塾で学んだからこそできたこと
3.1 きっかけはFacebook広告
中川さんは、お金には特に困ってはいなかったとのことですが「今後さらにビジネスを伸ばしていくためにはどうしたらいいのだろう」と考えていた矢先、Facebookで志師塾の広告がよく目に入ってきたといいます。最初はあまり気にはかけていませんでしたが、何度か広告を目にするうちに、「何か自分に関係あるかもしれない」と思い始めます。志師塾のホームページを開いてみると、「お客様になる人との関係性を築く」という言葉が目に入ってきました。その言葉は、中川さん自身が整体師として非常に大事にしてきた想いと同じでした。
「志師塾にお世話になると、私の中の何かが変わるかもしれない」中川さんはそう思い、塾長五十嵐さんのFacebookでの投稿をひんぱんにチェックするようになります。「五十嵐先生にお世話になりたい」「どうして五十嵐さんの周りには多くの人が集まっているのだろう」とだんだん興味がわいてきました。
以前入っていた起業塾は、講師やメンターが女性で構成されていたこともあり、「サロンはどうしても業界的に女性目線となってしまう。今後のビジネス拡大のヒントを得るためには、男性の目線でアドバイスが欲しい」と中川さんはそう考えて、志師塾の受講を決意します。その後セミナーに参加して「これだ」と思い、即入塾を決めたそうです。
3.2 五十嵐先生の「伝え方の上手さ」に感動して
中川さんは、志師塾の講座を受けるため、三重県にある自宅から東京まで通いました。授業の中身もさることながら、五十嵐先生の立ち振る舞いや説明の仕方に、感銘を受けたそうです。
「五十嵐先生の『伝え方の上手さ』にビックリしました。『選ばれる言葉』や教えているときの『姿勢』は、私がスクールの講師として活動していく中で、お手本になるところがたくさんありました」
3.3 志師塾で「強み」を再認識できた
志師塾では「自分の志はなにか」「自分の強みはなにか」と自己棚卸を行います。そして、「自分のサービスの何をとがらしていくのか」と自身の事業コンセプトについて考えます。中川さんは、今一度自分と向き合う中で、長年仕事をするうえで忘れていた初心や、マインドの部分で「足りていない」と思うところがみつかったとのこと。
志師塾での授業を通して受講生仲間からたくさんのフィードバックをもらいました。「自分の強み」については、複数の受講生からのフィードバックが似通った内容だったといいます。中川さんは、改めて「皆さんからフィードバックいただいたところが自分の強みなのか」と自分自身を再認識できたそうです。
3.4 志師塾でできた多くの人脈
志師塾の受講生は、いわゆる先生業で、士業・コンサル・講師・コーチです。中川さんもコンサルであり講師ですが、税理士、社労士、弁護士といった中川さんが普段関わりのない受講生仲間の話を聞くことは、「自身の足りない部分を補っていただける」感覚でたいへん刺激的だったとのこと。受講生仲間は、法律の知識等、中川さんが知らないことについて、惜しみなく教えてくれたといいます。
中川さんは、ご自身のクライアントに対してセミナーを実施される時に、志師塾で知り合った先生にお願いすることもあります。2024年１月９日に開かれたセミナーでは、先生方に融資や雇用に関しての授業を展開いただき、受講された皆さんにとって、たくさんのことを学べる有意義な会になったそうです。
3.5 フォロワーへのアプローチが、うまくいった！
志師塾では、「１to１」という一人ひとりと向き合うことが、仕事や紹介につながることを学びます。中川さんは、長年整体師としてお客様の悩みに耳を傾け、一人ひとりのお客様と向き合ってきました。SNSを使ったサロンコンサルティングでもお客様の声に応えてきましたが、フォロワーの方々一人ひとりと向き合ってこなかったということに気づきます。
そこで、中川さんは「『１to１』をSNSでうまく活用できないか」と考えます。「SNSでつながっているフォロワーさんと、１対１でいろいろとメッセージのやり取りをすることが、売上につながるのではないか」と考えました。そして、志師塾受講後８カ月くらいをかけて、約400名のフォロワーとの「１to１」に取り組みます。
実際の取り組みとしては、フォロワーにメールを送り、やり取りを数往復しました。中川さんが取り組んでいるマーケティング手法を発信することにより、「セミナーをぜひ受講したいです」といった反応があったといいます。中川さんは、志師塾で五十嵐さんとの面談で「3,000万円の売上アップを目標にします」と伝えていました。ところが、志師塾受講後７カ月で6,500万円と、目標としていた売上金額の２倍を超える額を達成することができました。
中川さんは、フォロワーさんと丁寧に向き合うことで売上アップに成功したことから、人との関係性構築の重要性を実感したといいます。「自分が取り組んだことを、クライアントの皆さんに自信を持って伝えるということができるようにもなりました。クライアントの方たちも今、非常に売上が伸びています」とにっこり笑う中川さん。自信がうかがえました。
４．今後のビジョン
志師塾で多くの気づきや学びを得ることができた中川さんですが、今後のビジョンについておうかがいしました。
4.1 「サロン業界を盛り上げていきたい」
まず一つ目は、サロン業界を盛り上げることです。
「今後もサロンを開業したい方や運営されている方のサポートに、全力で取り組んでいきたいです」「今、主催しているスクールをより規模の大きなスクールとして展開していけるような取り組みをしていきたいです」と中川さんはいいます。今までは女性の自立支援といった、女性のサポートをメインにされていましたが、最近は男性の方からもサロン開業の相談依頼がくるようです。「性別問わず、自立支援だけでなくサロン業界を盛り上げていけるようなものを楽しみながら作っていきたい」と、意気込んでおられました。
4.2 「つぶれない起業家を育てたい」
中川さんには、もう一つのやりたいことがあります。それは、「つぶれない起業家を育てる」ことです。
SNSで起業した人のうち成功する人は１割程度で、結局続かずに会社員やパートに戻ってしまう方も多いとのことです。
「私ひとりで運営していくのではなくて、志師塾で知り合いになった方々にサポートしていただいて、みんなでつぶれない起業家を増やしていく取り組みを始めたところです。集客はこれから１年の間に固めていけたらいいなと思います」そういってにっこり笑う中川さん。これからも楽しみながら、新しいことに挑戦してみるそうです。
５．志師塾を考えている方へのメッセージ
最後に、志師塾への入塾を考えられている方に卒業生としてのメッセージをいただきました。
「『今から何か起業したい』という方はもちろんですが、既に何か起業されている方でも、新たな風を吹かせたい、新たな刺激が欲しいという方には、志師塾は非常にいい環境ではないでしょうか。志師塾は様々な業種の方が集まる場所なので、『そんな世界があるのか』と、自分が見たことのない新しい世界が見える場所です。私も、今までの自分の凝り固まった思考がするすると、ほどかれていくのを感じました。ですので、新しい自分に出会いたい、自分のビジネスに新しい風を吹かせたいという方には、異業種の方々との人脈を築けるということも含めて、ぴったりだと思います」
文：植村裕加（中小企業診断士）／編集：志師塾編集部
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