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【卒業生インタビュー】顧客志向が福祉業界を変える 放課後等デイサービスを支援するコンサルタント 西尾基成さん

西尾基成(にしおもとなり)さんは、石川県金沢市を拠点として全国の放課後等デイサービスを黒字化させるコンサルタントです。放課後等デイサービスとは、小学校~高校生で支援を必要とする障がいのある子供や発達に特性のある子供に対する福祉サービスです。皆さんに想像していただきやすく言うと障がいのあるお子様が通う学童のようなイメージとなります。

福祉を全くの未経験ではじめ、西尾さんは自身の施設を1,200万円の赤字から600万円の黒字化を成し遂げたご経験があります。そのノウハウを使い、現在は他の施設を人気施設にするためのコンサルティングを行っています。「子供の幸せのためには、施設の経営者や職員も幸せになるべき」というお考えをお持ちです。

今回は、成功体験をお持ちの西尾さんに、その秘訣と志師塾で学んだことをどのように活用されたのかをおうかがいしました。

1.施設を黒字化するための戦略

1.1 全くの素人から福祉の業界へ

西尾さんは、放課後等デイサービスの施設運営を2018年からはじめました。前職は飲食業であり、福祉とはかけ離れた業界からの転職です。最初は介護のケアマネージャーに相当する相談支援専門員のことも全く知らず、福祉関連のノウハウもありませんでした。はじめた施設は当初より経営難に見舞われます。

最初の2ヵ月間は施設を利用する子供は2人、その後、3ヵ月過ぎても子供は2人と変わらずでした。一方で職員は自身を含めて5人いる状況で、毎月150万円の赤字だったそうです。しかし、西尾さんは逆境においても成功させる強い自信がありました。

西尾さんは明確な戦略を持ち、普通の人には想像ができない行動をおこします。Googleの検索で、全国の県庁所在地名と「放課後等デイサービス」というワードで、検索順位が高い施設を調べいきなり電話しました。突然の電話で「自分の施設が潰れそうなので、どうしたら成功できますか」と助言を求めたのです。

電話した数は約250件でそのうち約40件はアドバイスをくれたそうです。「笑わせたら勝ちなんです」と西尾さんは笑顔で語ります。また西尾さんには、施設の商圏がかぶらないので競争相手と思われないだろうという冷静な見立てもありました。

1.2 顧客のニーズを想像する

西尾さんには、成功している施設には必ず共通点があるはずという確信がありました。ゴールへ向かい最短ルートで考える思考と熱意溢れる行動が、今後の活路を見出していきます。

成功している施設は集客を相談支援専門員などからの紹介ではなく、自社ホームページを活用し自力集客を行っていることがわかりました。徹底的にやる西尾さんは、ヒアリングした約40の施設のホームページの構成や内容などをすべて手書きで紙に書き写しその枚数は400枚を越えました。より深く分析するためです。

真似をすることの有効性については後に入った志師塾でも推奨されたようです。西尾さんは、入塾以前から志師塾に馴染む考えをお持ちでした。西尾さんが、分析した結果から取り組んだのは、集客が自動的にできるようなしくみ作りです。

例えば自社のホームページで障がいのある子供と一緒にいける遊び場を一覧で紹介すると、放課後等デイサービスに入る前(幼稚園・保育園等)から、障がいを持つ子供の保護者が遊び場探しのために自社ホームページを頻繁に訪れてくれるようになります。つまり該当保護者のためのポータルサイトを作り無料の有益情報を発信し続け、保護者になくてはならないホームページを構築することで施設の認知を上げるしくみを作りました。

その後、放課後等デイサービスを検討する頃になると、いつもお世話になっているホームページに「そう言えば放課後等デイサービスと書いてあったな」と思い出します。一番信頼でき、よく利用しているあの施設に問い合わせたくなり市内の1/4~1/5の保護者が最初に問い合わせてくれるそうです。

また自社ホームページでは、障がいがある子供に対して行う支援内容「療育」の知識や内容・指導方法を何百と紹介していました。すべて掲載することは他の経営者からは「この企画は失敗するだろう」と言われていました。なぜなら療育内容を載せると近隣の施設に真似されるからです。

しかし、西尾さんは、これは逆だと思いました。なぜならば、西尾さんのホームページで紹介している療育を真似して近隣の施設がホームページに掲載すると、西尾さん施設の真似をしていると公表することになるので他施設の真面目な職員が療育内容を掲載することができないのではないかと思ったのです。

狙いは的中し、真似ができないので近隣施設のホームページの内容はスカスカになっていました。そこがホームページの差別化につながりました。最終的には、療育の内容を約300個載せました。近隣の施設は真似ができない中、一方で全国の施設関係者がそのホームページを見にくるという突出した立ち位置を築いたのです。

1.3 念願の黒字化へ

その後、自社ホームページを解析すると、全国の人が療育の内容に困った時に習慣的にホームページを見にきてくれることがわかったのです。ブックマークからの集客が8割を超えることからもわかります。

戦略を考え、ひたすら行動に移したことの効果が出てきます。西尾さんは「みんなが成功しているパターンを分析しているので失敗する要素はなかった」とおっしゃいます。

はじめの1ヵ月はGoogle検索で表示されませんでしたが、SEO対策ブログを毎日アップすることで、毎週のようにページの検索順位が上がっていきました。最終的には3ヵ月で、検索の1番上に表示されるようになりました。

施設に通う子供は、8月からの開業3カ月間は2~3名しかいませんでしたが、徐々に増えていき開業半年後の翌年3月になる頃には毎日10人を超えるようになり、近隣施設では人気NO.1施設となっていたそうです。その後、1,200万円の赤字も解消に向かい年間で600万円以上の黒字化を達成したようです。

作成:西尾基成(アップオンコンサルティング)

2.先回りして顧客を喜ばすことが重要

2.1成功から次の展開へ

西尾さんの成功は近所でも評判になりました。そして同業で上手くいっていない仲間にもやり方を惜しむことなく教えました。それにより、皆、人気の施設になったそうです。

全国の約37.4%の放課後等デイサービスの施設は赤字です。苦しんでいる施設が多い中、西尾さん自身そして仲間が全国の人気施設に教えてもらえた再現性の高い方法で、その苦しみから抜け出すことができました。そこで「赤字で悩んでいる経営者さんたちを助けてあげたら」という仲間からの声をいただき西尾さんはコンサルタントになることを意識しました。

福祉の世界では経営者が給料をちゃんともらっていないケースも多いといいます。充実した施設にするにはお金が必要ですが、経営者が子供たちのために借金するようなこともあるようです。また職員も給料があまり高くありません。

参照:WAM Research Report『2020年度(令和2年度)児童系障害福祉サービスの経営状況について』(独立行政法人福祉医療機構 令和4年3月)

2.2 ニーズを掴みファンを作る

西尾さんは過去に様々な会社の役員等もご経験されていました。施設をはじめる前では、企業にお弁当を届ける会社の経営に参画し、9年間で売上げが約1億円の会社を約35億円規模の会社にしたご経験もあります。その時より、徹底してお客様の要望を拾い、喜ばせることでファンになってもらうことを心掛けていました。

例えば、お弁当屋なのにパンの販売も積極的に行いました。顧客の会社の発注は総務部の女性がまとめて行っていましたが、お弁当以外に「パンを食べたい」という女性のニーズを拾いました。そのような中、顧客先に競合他社がお弁当サービスの営業に来たとしても、いつも食べているパンが食べられなくなることを考えると、女性の方々が競合の提案を断り参入障壁になってくれるという読みもありました。

または決算期にコンビニで余ったカップ麺を食品卸の会社と組み、何百箱と買いました。それらを取引先の会社の部長に安く売ることを行いました。部長たちは、安価で買ったカップヌードルを夜食として社内で配るなどして部下に感謝されたようです。皆から感謝されるので、部長たちも喜び好評な企画となりました。

2.3 決定権者に響くこと

西尾さんはこのように決定権者を見定めて、喜んでもらえる企画を多く考えていました。同じことは、放課後等デイサービスの施設でも行いました。

例えば施設を2カ所利用している保護者が、朝、急に子供を預ける必要が出る場合があります。片方の施設は10時にならないと連絡ができないところ、西尾さんの施設ではLINEの公式アカウントを導入しさらに早朝より予約ができます。保護者は子供を送り出す時間までに問題を解決できます。このように保護者の困りごとに徹底して寄り添う、その絶対的なニーズを押さえていました。

西尾さんは、施設に来た保護者とも積極的に接点を持つようにしています。そこで、保護者の困りごとを聞く機会を作り、それを解消する取り組みを採用してきました。その姿勢により西尾さんのファンになる方も多く、口コミで新しいお客様を連れてきてくれます。広告費をあまりかけずに、集客ができるしくみを作り上げていました。

西尾さんは業務を『しくみ化』することで、利益を獲得し、人材や設備への投資によって、さらに売上げを伸ばしていく好循環のサイクルを意識されています。

作成:西尾基成(アップオンコンサルティング)

3.志師塾で学んだことで人生が変わる

3.1 目的を持ち志師塾へ

目の前のお客様に対するアプローチには自信があった西尾さんですが、自分のことを知らない全国の潜在顧客にアプローチする方法には苦戦をしていました。また自分の成功術はわかっていても、人に教えた時にもっと成功してもらうには勉強しなければいけないと思いました。

そのような時に目にした志師塾の広告で塾長に親近感が湧き、自分の売り出し方をもっと知るために志師塾の門を叩きました。熱意ある西尾さんは講師の目の前の一番前の机で学びました。講義では、事前動画を見て、本講義を受けていました。

他の受講生と違うのは、本講義を受ける前に、事前動画内で紹介された内容に関連する行動を先に実行してしまうとのことです。そうすることで、本講義を受けた時に自分のどこがダメだったかの理解がしやすくなります。また、反芻しながら講師に質問できるので質問のレベルもあがります。

3.2 まずは自分自身のコンセプト作り

志師塾での一番の学びは、自分のコンセプト作りが十分にできていなかったことを痛感したとのことです。

コンサルティングをする場合、多くの人に自分のことを知ってもらう必要があり、自分が何をしている人間かを確実に伝えなければなりません。自分は何者なのだろうかと見つめなおし、今まで人生の山や谷を考える。例えば、困難にあった経験から、立ち直った話のようなストーリーテリングが上手くできるようになったとのことです。その結果、自分自身のコンセプト作りがないと商品が売れないが、それを徹底すると売上げが作れることを掴めました。

自分のコンセプト作りの後にその内容をまとめたチラシを作るという講義でも、西尾さんは独自の行動をしていました。実践として見込み客に、まだ白紙の段階でチラシを持っていき、どのような内容のコンサルティングサービスがあれば買いたいかを書いてほしいと聞いたそうです。

結果として、聞いた内容をサービスに反映させてすぐにサービスが売れてしまいました。西尾さんは志師塾で学んだことを、実際のアウトプットで繰り返し、自身のスキルを磨いていました。

現役志師塾の塾生のコーチングやコンサルティングを行う機会があるようですが、その際、最初に「学ぶにあたりビフォア・アフターをちゃんと考えて、アフターに至るための計画をちゃんと見えるようにしてください」とアドバイスをしているとのことです。アフターの姿である結果に対して、何をしたらよいかをよく考えることになるので、自分を売り込むためのチラシは作りやすくなります。

3.3 志師塾が違うところ

西尾さんは志師塾の講義を受け身ではなく、自ら実践することで自分の中に落とし込み、さらに今までのご自身の経験からの成功法則と照らし合わせて活用していました。「志師塾は自分の人生を変えてくれたところ。本当に感謝しています」と西尾さんはおっしゃいました。

また「ある程度、自分という軸があれば、あとは志師塾に任せればよい」ともおっしゃいます。志師塾が大好きなあまり「五十嵐塾長を除いて、日本で一番志師塾を愛する男、西尾です」と自己紹介するようです。

志師塾では、自分のコンセプト作りから、WEBでの発信の方法など実際に売り出すための表現の方法も教えていただけます。志師塾以前に受けたことのある様々なセミナーでは、技術的な面ばかり教えてくれることが多かったそうです。人は技術論から入ると具体的で安心してしまいますが、西尾さんによると志師塾はそこが明確に違うとのこと。

まず自分の想いを明確にして、深く自分自身を棚卸するというところからはじまります。自分がどのような人間かを客観的に見てもらうため、塾の同期からのアドバイスも重要です。いろいろな意見をもらい、自分という人間のコンセプトをさらに磨いていきます。そうしてできたコンセプトがあれば、それを上手く表現できるチラシが作れ、自分を売り出してビジネスにつなげていく導線ができていきます。

3.4 コンサルタントとして全国へ

自分の周りの手の届く範囲でお客様や同業者を喜ばせてきた西尾さんは、志師塾に入塾したことでさらに活躍の可能性が広がりました。WEB等も活用し全国の自分を知らない人への発信方法を獲得し、より多くの人を喜ばせることができるようになったのです。

自分で計画を作り志師塾へ行き学んだ結果、売上げが立てられることが証明されたので、西尾さんは自身の運営していた施設を売却しました。それは志師塾で、自信がつき、全国で活躍できるコンサルタントとしてやっていけると思ったからです。

4.今後への想い

西尾さんの今後の目標は、全国の放課後等デイサービスを日本中の子供にとって良い施設にしたいとのことです。売上げの積み上げ方や、顧客満足の向上方法を教えてあげて経営者にももっと幸せになってほしいという想いもあります。

職員にとって良い環境は子供にとっても良い環境になります。「業界として皆が潤うようにしたい。自分が我慢すればよいという気持ちを変えてあげたい。当たり前のことをすれば、利益があがり、職員も喜ぶ。特殊ではない、当たり前の業種にしていきたい」と西尾さんは熱意を込めておっしゃいました。

西尾さんのご経験やスキル、それをバックアップする志師塾の理念やノウハウが、大きな力となって今後の業界をさらに良い方向に変えていくのかもしれません。その延長にある未来では、きっと、より多くの人が幸せになっていると言えるのではないでしょうか。

文:吉原正剛(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

年商1,000万円以上を目指したい士業・コンサル・講師・コーチ・セラピストなどの先生業の方は、西尾さんも学んだWebを活用し、高単価で安定的に顧客獲得するためのノウハウを、学んでみてくださいね。

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