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【卒業生インタビュー】 福祉を魅力ある世界にしたい ~ピンチはチャンスの心がけで改革に取り組む社会福祉士・大澤和子さん~

今回お話しをうかがったのは、新潟県新発田市で社会福祉士事務所SORAを運営する志師塾卒業生の大澤和子さんです。

大澤さんはケアマネージャーとしてのキャリアを活かしつつ、介護の相談だけでは補えないシニアの方々の様々な悩みに対して、終活サポート全般のサービスを提供しています。

福祉・介護の業界における現状の課題に直面しつつも、ご自身ができることの可能性を手探りし、魅力ある福祉の世界実現に向けて歩んでいる大澤さん。ピンチをチャンスと捉え、すべての結果は自己責任という志師塾の教えを実践し、前向きに活動されている現状をうかがいました。

1.終活サポートというお仕事

大澤さんは大学卒業後、介護の施設で約5年間実務を経験されケアマネージャーの資格を取得し、その後15年間ケアマネージャーとして組織に所属し介護保険に携わるお仕事をされてきました。

その後、2019年にケアマネージャーとして独立しましたが、志師塾在学中の2023年に社会福祉士事務所を立ち上げています。現在のお仕事は終活サポートというシニアの方の終活全般のご相談を受けるサービスを提供しています。

具体的には、シニアの「おひとり様」の様々な悩み(認知症になった時に誰も支援してくれる人がいない、亡くなった後にお墓にどうやって入るか、遺言書の書き方が分からない、など)やシニアのご親族様の悩みに対するコンサルティング・サービスの提供、成年後見人の引き受け等です。

今後は、法人向けの福利厚生サービスや、介護をする側の人のためのサービスの提供なども取り揃えていく予定です。

2.福祉・介護業界の課題とその中での独立

2.1 福祉・介護業界の課題

福祉・介護業界は、もともと老人福祉制度、老人保健制度と2種類の高齢者への制度があり、措置として行政が対応していましたが、2000年に介護保険法が施行され、高齢者の介護を社会全体で支え合う仕組みが制定され運用されてきました。

制度創設以来20年以上が経過しサービス利用者は3倍以上に増加し定着していますが、今後国内の高齢化はさらに進み、65歳以上の人口は2042年頃まで増加、75歳以上の人口は2055年までに全体の25%を超えることが予想されています。それに伴い介護職員の確保が必要なため、国による介護職員の処遇改善等の対策が進んでいますが、まだ十分な人材確保のめどがたっていないのが現状です。

人手不足が進むとやりがいをもって仕事に取り組んでも、人手不足により現役の方が業務過多になるため、悪循環に陥ってしまう可能性があります。今後現役世代の人口の急激な減少も見込まれるため、財源の問題から、国による対策だけでなく、民間や地域全体によるケアが求められています。

2.2 ケアマネージャーとしての独立

大澤さんは施設・組織で働いていた19年間、相談実績は延べ1万件以上に達し、クレームもほとんどなくケアマネージャーとしての経験を蓄積されてきました。一方、長く組織で働かれていく中で、ご自身の考え方と組織のやり方にギャップが生じたこともあり、2019年に組織を出て独立されます。

独立後は、それまで培った周りの方との関係性等も活用し、営業活動をしなくてもお仕事の依頼を頂ける状況で、順調に業務を進めてこられました。一方で、介護保険制度は様々な制約(介護保険ではこれができるけどこれはできない等の制限)があり、高齢者の抱えている悩みは介護だけではなくもっと幅広いのに、介護のことだけしか解決できないもどかしさもありました。

また、ケアマネジメントは高齢者への相談援助・現場での実務が主な仕事です。そのため本来ならば現場に多くの時間を費やしたいですが、膨大な書類の処理も求められ、事務作業に多くの時間を費やさなければなりません。続けているうちに「私のやりたいことは本当にこれだったのか」との迷いも生じてきました。

さらに、組織で働いているときは安定して一定の収入を得ることができます。一方、ケアマネージャーは国からの介護報酬のみのため、組織で働くより収入は下回ることが多く、安定もしていません。もちろんそれを承知で独立したので収入面は納得していたのですが、介護報酬の給付を抑えようとしている国の方針や、将来的にケアマネージャーという資格が今後も継続されるのかという不安もあり、副業を含めて新しいことへの挑戦が必要だと思うようになりました。

しかし、大澤さんは新たな挑戦のために必要なビジネスモデルや集客などの検討に取り組んだ経験や知識はそれまで全くありません。そのような中、さまざまな勉強会やセミナーなどを調べるうちに出会ったのが志師塾でした。

2.3 社会福祉士事務所の立ち上げ

大澤さんは2022年9月に志師塾に入塾し、1年間のカリキュラムの期間中である2023年5月に社会福祉士事務所を立ち上げます。高齢者に対する専門的な相談窓口だけではなく、様々な悩みをトータルでみてくれる高齢者に寄り添ったワンストップ相談窓口の提供を目指したものでした。

開始してみて初めて、高齢者の多岐に渡る領域に専門的なアドバイスを1人で提供するには時間も労力も足りないことに気づきます。専門的な領域へのアドバイスを専門家でない大澤さんが提供してよいのか、本当に高齢者のためになっているのか、自問自答することになりました。

立ち上げた事務所では、毎月定期的に家賃など固定費が約20万円もかかってきます。ご自身の方針が定まらない中で収入も安定せず、固定費だけが出ていく日々です。危機感が増し大いに焦ってしまう状況ですが、このような状況で役に立ったのは志師塾の教えだったと大澤さんは言います。

3.志師塾の教え

3.1 ピンチはチャンス

収入が安定しない中で固定費の負担が大きく、貯蓄も底をつきかけているという危機でも、大澤さんの心は大きくはブレなかったそうです。その理由をうかがったところ「すべての結果は自己責任」という志師塾の教えのおかげとのことでした。

以前は何かトラブルが起きるとどこか人のせいにしていたところがあったのですが、現在はそのように思わなくなったようです。すべての結果を自己責任と捉えると、良い結果にするために自分がどうすればよいのか考え、考えて行動することにより状況は変わっていきます。

ピンチの状況は、懸命に考えて今後状況がよくなるためのチャンスであると捉えられるようになります。「こんな状況だけど、どうやったら黒字になるか考え続けていられるのは、志師塾に入ったおかげです。志師塾に入らなかったら新しい事業をやめていたでしょう」

ピンチはチャンスと半ば強引にでも思い込み、今の状況でできることを徹底的に考えるとともにその状況を楽しみ、今後の活動に注力されているようです。

3.2 教えの活用

志師塾のカリキュラムは、ビジネスを継続させる力などが体系的に学べる素晴らしい内容ですが、人脈のつくり方、知り合った後の関係性の作り方もそのうちの一つです。一回会っただけではもちろん関係性をつくることは難しく、その後どのようにして関係性を作っていくか、具体的に示唆の富んだ内容も教わります。

大澤さんが人脈形成で実践したことは、異業種メンバーとの勉強会でした。現在進めているシニアのおひとり様の終活に対するサービス提供は、よくない見方をすると怪しいサービスと思われてしまいます。実際、大澤さんがサービスを開始した当初は、周りから怪しいサービスと思われていたようです。

そのように怪しいと思われている状況の中で、もともと苦手である積極的な売り込みをしてもますます怪しいと思われるだけです。そのため、お客様がどのように受け取るか把握し、自分のやっていることを肌感覚で理解してもらうため、無料の終活セミナーを開催したり、勉強会を立ち上げて一緒に勉強することを始めました。

勉強会を有意義なものにするために、司法書士や弁護士の先生、また市議会議員の方にも参加を依頼し、さまざまな地域の課題の共有や、参加者同士がネットワークを構築する機会も提供しています。そのような方々とどのようにお知り合いになったのかうかがいました。

「私は積極的にいろいろな人と知り合って多方面に人脈を築けるタイプではないですが、リサーチしてこの人とつながりたい、つながることが必要だと思った時は、できることは何でもやります。そのおかげで、数は多くないですが、良い人脈に恵まれています」との回答でした。

ご自身の課題認識を明確にし、現状を変えようと動かれる中で想いが伝わり、関係性が構築できているのではと感じます。このような関係性を構築することで、大澤さんが中心となり勉強会参加者同士のネットワーク構築の媒介もできているようです。志師塾の教えを大澤さんの強みとともに活用されています。

4.将来にむけて

4.1 福祉を魅力ある世界にしたい

福祉・介護の世界は、人手が足りず、忙しいわりに給料が安くてきついというイメージが先行しているかもしれません。そのようなイメージが先行するとこの業界に入ろうとする人が少なくなり、サービス全般が低下するという悪循環になってしまいます。

一方、福祉の世界で個人事業主でも優れたサービスを提供したり、公的な制度を使わなくてもある程度生活ができるくらい稼げることが示せれば、その業界の仕事に魅力を感じる人も増え、やりがいをもって働く人も増えていき、サービスの向上にもつながります。

そのような良い循環が構築できると地域全体が活性化し、福祉が魅力的な世界として認知されることも考えられます。大澤さんはこのように福祉の世界を魅力ある世界にしたいと考えています。

4.2 地域発展のために事務所を軌道にのせたい

大都市圏では、福祉・介護の世界で独立して事務所を開いている法人や個人事業主もいると思いますが、新潟県新発田市では、このような事務所は大澤さんの事務所のみとのことです。まずは、独立した事務所として終活サポートや手がけるサービスを地に足がついた形で提供し信頼を得ながら経営を成り立たせることが第一歩となります。そのために専門家との提携も進めています。

また、自主勉強会等により弁護士や司法書士等の専門家の先生や市議会議員の方々と意見交換することで、地域全体の課題を共有し、地域が課題解決に向けて動いていくことも進めたいと考えています。

まだまだ種まきの段階ですが、ピンチはチャンスを地で行かれ、この状況を楽しんでいるようにも見受けられました。今後の大澤さんのご活躍が楽しみです。

文:大島隆裕(中小企業診断士/東京協会城東支部所属)/編集:志師塾編集部

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