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薬に頼りたくない人をサポートするヘッドスパで、女性の健康と美容師業界を守りたい~美容師 佐香智子さん~

階段を上ってサロンのドアを開けると、アロマオイルの香りに包まれます。ヘッドスパを受けるためにシャンプー台に移動すると、3分もしないうちに心地よい眠りに誘われ、目が覚めたときには身体の不調が和らぎ、疲労も回復優しい語り口に、心も浄化されます。

佐香さんは美容師です。2014年にご自身のサロン「ヘッドスパ オアシス」をオープンされました。主力メニューは店名のとおり、ヘッドスパ。リラクゼーションや美容を目的としたものではなく、髪と身体の健康に寄り添ったヘッドスパを施術されています。

なぜ美容師がヘッドスパ中心のサロンを開業されたのでしょうか。未病ケアとしてのヘッドスパを生み出した背景、サロンを軌道に乗せるために試行錯誤されたこと、美容師業界に対する思いや今後のビジョンについてお伺いしました。

1.東洋医学のヘッドスパを開業するまで

1.1 美容室でのハードワークで体調を崩す

佐香さんは美容師免許を取得した後、美容室での勤務をはじめました。営業時間中は常に立ち仕事、土曜日や日曜日も勤務のため友人の結婚式にも出席できないというハードワークがたたって、パニック障害とうつ病を発症してしまいます。当時はパニック障害という病名がなかったことから精神疾患という診断が下されました。

美容師法の規定により、精神疾患がある場合は美容師として働くことができません。疾患を治癒させるために複数の大学病院で診察を受け、処方された薬を服用したものの、症状は一向に改善しませんでした。

「いつになったら美容師として復帰できるのだろうか」佐香さんは、復帰の復帰の見込みが立たない不安に加え、薬の副作用で髪が抜けることに大きなショックを受けていました。

1.2 東洋医学との出会いは専門誌の隅に掲載されていた広告

ある日、美容師専門誌を眺めていると、隅に掲載されている1つの広告に目が留まりました。中国伝統医学である中医学のヘッドマッサージ。途中で発作が起こらないよう、付き添いの人と一緒に勉強会に参加したところ、中医学の先生は「施術を覚えて自宅でヘッドマッサージを続ければ症状は治るわよ」と。

半信半疑で試してみたところ、薬を常用しなくても発作が起こらずに済む程度まで、半年ほどで回復しました。

ところが、パニック障害を克服した後、今度は健康診断で結核と診断されてしまいます。再び中医学の先生のもとに行ったところ、パニック障害やうつ病が結核を引き起こしたことが分かりました。

病気にならないためには、病気の元となる原因を絶つことが大切であると知り、佐香さんは中医学の勉強を本格的に始めます。

佐香智子さんのヘッドスパ風景1

1.3 サブメニューのヘッドスパを看板商品とするために独立を決意

美容師として復帰した後、美容室のお客さまや同僚の美容師も、それぞれ身体の不調を抱えていることが分かりました。電車に乗ると息苦しくなる、人混みが苦手で会議に出ると具合が悪くなる、など。

中医学で学んだヘッドマッサージを必要としている人がたくさんいるのではないかと気づいた佐香さんは、美容室のオーナーに対してヘッドスパのメニューを提案しました。

しかし、美容室ではヘアカットやパーマ、カラーリングが主なメニューであり、ヘッドスパはあくまでサブメニュー。そこにリソースを充てることはできないとオーナーから言われてしまいます。

それなら自分でヘッドスパ専門のサロンを立ち上げようと決意し、2014年に「ヘッドスパ オアシス」を開業されました。

佐香智子さんのヘッドスパオアシス1

2.集客できても楽にならない経営

2.1 開業初年度の来客数は1か月で10人

開業した場所はJR中央線の三鷹駅、商店街を通り抜けたところ。勤めていた美容室で佐香さんを指名してくださっていたお客さまには、ヘッドスパ専門のサロンを開業することを一切伝えませんでしたので、東洋医学のヘッドスパ専門店という聞き慣れない看板も相まって、開業当初のお客さまはゼロ。

お客さまが来店されても、1日に1人や2人。1か月に10人いらっしゃれば御の字という集客状況でしたので賃料の支払いにも困るようになり、やむを得ず、前職の美容室でアルバイトをはじめました。日中はサロンで勤務して、夕方から夜間は美容室でアルバイトという生活を、10か月ほど続けていたのです。

2.2 10人のお客さま一人ひとりと深く向き合う

来店してくださる10人のお客さまには、ヘッドスパに期待しているもの、東洋医学に興味を抱いた理由など、一人ひとりと向き合って丁寧なカウンセリングを実施しました。

東洋医学よりもインド医学のアーユルヴェーダに興味をもっているお客さまが多いことが分かるとアーユルヴェーダを勉強し、チネイザンと呼ばれるお腹のマッサージ方法を覚え、身体の不調の原因を探って血流を循環させるメニューを開発します。

不妊治療中のお客さまがリラクゼーションを目的として来店されると、女性ホルモンや妊活などの勉強をして、妊活に効果的なマッサージや食事、生活環境などをアドバイスしました。

佐香さんのサロンには、身体に不調をきたして病院に行っても、納得のいく十分な説明が得られないまま、処方された薬の服用や、市販薬の服用を続けている方が来店されました。そのようなお客さま一人ひとりの悩みや要望に真摯に向き合い、必要な知識やスキルを身につけながらヘッドスパのメニューを改良していきました。

その結果、身体の不調について分かりやすく説明してくれるという口コミが広がり、来店客数が徐々に増加します。1日12時間の予約枠は紹介だけで埋まり、1か月で120名のお客さまが来店されるようになりました。

佐香智子さんのお客様の声

2.3 採算を度外視したヘッドスパが招いた家庭の不和

集客には困らなくなったものの、当時のヘッドスパの単価は60分で5,000円。1日12時間の勤務をしても店舗の賃借料を支払うことができませんでした。

開業1周年で6,000円、2周年で7,000円と段階的に単価を上げることで、開業してから2年半後にようやく、サロンの売上だけで自分のお小遣い分の利益が出せるようになりました。

採算を度外視してサロンを運営できた理由は、配偶者が生計を担っていてくれていたからでした。しかし、サロンが繁忙になった時期はちょうどお嬢様が高校3年生で大学受験の年。佐香さんは1か月先まで予約が埋まっているため連日、帰宅時間が遅くなり、お嬢様は受験勉強のため不在。家に取り残されたご主人のストレスが溜まり、離婚することになってしまいました。

店舗の賃借料に加えて、生計費やお嬢様の学費などの支払いが、佐香さんの肩にのしかかります。借金も作りました。1年間でお休みがとれたのはお正月のみ。予約枠をさらに増やすことは難しく、単価の上げ方も分からず、途方にくれていたところ、知人の方から志師塾を紹介されました。

3.自らのサービスの価値を言葉で表現することで単価アップ

3.1 ピンチになったときは「チャンス」と叫ぶ

サロンでの施術が終わった夜、佐香さんは志師塾の「先生ビジネス構築セミナー」に参加しました。塾長の五十嵐さんが多額の借金を作りつつも現在はビジネスを軌道に乗せているという話を聞き、自分にもできるかもしれないと思います。

入塾の決め手になった言葉は、「ピンチを迎えたときにはチャンスだと叫びなさい」。驚いたものの、振り返ってみれば病気をしたとき、お客さまがゼロだったときなど、今までピンチだと思っていたときにチャンスが回ってきていました。

サロンの経営に行き詰っている今もチャンスが巡ってきているのかもしれないと思い、受講料を工面し、志師塾への入塾を決めました。

3.2 ヘッドスパの特長を言葉で表現する

入塾して最初に学んだことは、事業のコンセプトを明確にすることでした。ヘッドスパを提供するサロンは美容室やリラクゼーションサロンなど数多くあるなかで、具体的に誰に対して、どんなヘッドスパを、どのように提供するのか。ヘッドスパをしているとき、お風呂に入っているとき、四六時中考え続けて、一言でも思いついたら即座にメモに書き留めていました。

佐香さんは美容分野のポータルサイトにサロンの情報を掲載し、予約を受け付けていました。そこで、サロンの紹介文を毎週変えることで、予約状況や新規顧客・常連客の反応を調査することにしました。

お客さまからの率直なご意見や、志師塾メンバーからのアドバイスを踏まえて生まれた言葉が「薬に頼りたくない人、薬をやめられない人をサポートするヘッドスパ」でした。

佐香智子さんのヘッドスパ風景2

3.3 コンセプトが明確になったことで単価が3倍に向上

サロンに来店してくださるお客さまは、身体の不調を抱える方が多くいらっしゃいます。頭痛を緩和させるために鎮痛剤を服用している、仕事でパソコンを使うけれどもドライアイがつらいから目薬をさしている、胃が痛いけれども病院に行く時間がないから市販薬の胃薬を常用しているなど。

皆、市販薬に頼ることで、自らの身体の不調をごまかしながら仕事を優先させていました。そのような生活を続けていると、かつての佐香さんのように、いつしか身体が悲鳴を上げて病気になってしまいます。

病気になる前に東洋医学のヘッドスパで身体の不調を整えることで、薬に頼らない身体づくりをしましょう。「ヘッドスパ オアシス」では、「薬に頼りたくない人、薬を辞められない人をサポートするヘッドスパ」をご提供しています。

このように、自らが提供するサービスの効用を言語化し、価値を言葉で見える化した結果、60分のヘッドスパの単価を15,000円まで上げることができました。

お客さまはポータルサイトでサロンの紹介文を読んで高額のヘッドスパを予約し、施術を受けてお代を支払い、結果に納得して次回また予約を入れてくれます。

佐香さん自身も、単価が上がったことで、施術のベースを替えていないにもかかわらず十分な利益を確保できるようになり、1週間に1回はお休みがとれるようになりました。

4.女性の健康を守り、美容師の社会的地位の向上を目指す

4.1 ヘッドスパによる未病ケアを広めたい

コンセプトが明確になったことで、ヘッドスパの効用が誰にでも伝わるようになり、施術を求めるお客さまが増加しました。自分ひとりではすべてのお客さまを受け入れることが難しくなったため、身体の不調を抱えるお客さまが1人でも多く改善できるよう佐香さんは美容師向けの講座の開講に向けて準備をすすめています。

講座を受講した美容師は、病気になる前段階の不調をヘッドスパで整えられるようになります。全国の美容師が技術を習得することで、美容室に定期的に通う若い女性が、美容師との何気ない会話のなかで身体の不調について相談し、ヘッドスパを受けて不調を改善し、市販薬に頼らなくても済むようになることを目指しています。

佐香智子さんのヘッドスパオアシス2

4.2 美容師の社会的地位を向上させたい

なぜ佐香さんは美容師向けの講座を開設するのか、その背景には美容師業界に対する問題意識もあります。美容師になるためには、厚生労働省が指定している美容学校に2年間通って衛生管理や美容保健、技術などを学んだうえで、美容師免許国家試験に合格することが必要です。

時間や費用をかけて免許を取得し、美容室に就職した後は、拘束時間が長いものの賃金が低いため、独立する人が多くなります。その結果、美容室の軒数が増加し、競争が激しいので集客のために単価を下げるという悪循になっています。

これを断ち切るために、美容師が予防医学を学んで美容室を未病ケアの場にすることで、美容室の価値を高め、美容師自身が健康で働き続けられる社会をつくることを目指しています。

女性や美容師の健康を守るとともに、美容師の価値を高めて社会的地位を向上させるために、1人でも多くの美容師に「薬に頼りたくない人、薬を辞められない人をサポートするヘッドスパ」の技術を伝えたい。そう話す佐香さんの眼差しは、身体の不調を自覚しているものの、市販薬の服用を続けても症状が改善しない女性たちをやさしく見つめていました。

文:黒澤優(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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