
税理士のブログ集客がうまくいくかどうかは、1本目を書き始める前にほぼ決まっています。分かれ目は文章力ではありません。「誰に・何を書き・どこへ案内するか」という設計のほうです。「とりあえず何か投稿しよう」と始めたブログが顧問契約につながることは、まずありません。
先に、この記事の結論を並べます。
- ポイント1:書く前に「何を書くか」を決める。手がかりは、毎月の顧問先との面談の中にあります
- ポイント2:ブログとホームページの役割を分ける。受注に直結する情報をブログに置かない
- ポイント3:繁忙期を前提にした記事の型と、更新のペース配分
- ポイント4:ポジショニングと第一想起で、「選ばれる仕組み」に育てていますか?
この記事では、先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・顧客獲得支援を専門とし、これまでに3,200名を超える先生業を支援してきた志師塾が、この4つを明日から手を動かせる粒度まで分解して解説します。日本税理士会連合会・国税庁・中小企業庁が公表している数字も、あわせて見ていきましょう。
読み終えるころには、あなたのブログに足りなかったものと、次に書く1本のテーマがはっきりしているはずです。
目次
税理士の登録者は、全国で8万人を超えています。この人数の中では「税理士です」という名乗りが判断材料になりません。では何を足せば選ばれるのか。そこを先に知っておきたい方は、志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーをのぞいてみてください。
1. 税理士のブログ集客が「とりあえず投稿」で失敗する理由
税理士のブログ集客とは、記事を通じて見込み客と出会い、人となりを伝え、相談の入口まで案内する取り組みのことです。ブログは、気軽に情報発信を始められる便利な道具でもあります。SNSのような文字数制限はなく、ブログサービスに登録して画面上で文章を入力すれば、その日のうちにあなたの記事がWeb上に公開されます。費用がほとんどかからないのも、この道具のいいところです。
ただ、この手軽さこそが落とし穴になります。始めるのが簡単だからこそ、「何を書くか」「何のために書くか」の設計で、集客の成果が大きく分かれるのです。
1.1 手軽に始められるからこそ、戦略の差が出る
誰でも簡単に始められるということは、同業の税理士も同じように書いているということです。戦略のないまま思いつきで投稿しても、数多くのブログの中に埋もれてしまいます。「なんでもいいからとりあえず投稿しよう」と始めたブログは、たいてい長続きしません。続いたとしても、集客の道具としては力を持たないままです。
逆に言えば、書き始める前に設計を固めるだけで、多くの税理士ブログより一歩先に出られます。文章の上手さで差がつく世界ではないのです。
1.2 見込み客は、ブログであなたを品定めしている
税理士を探している人は、依頼の前に必ずと言っていいほど検索します。事務所のホームページを見比べ、ブログがあれば読み、「この人はどんな税理士なのか」を確かめてから、問い合わせるかどうかを決めるのです。会う前の品定めは、あなたの知らないところですでに始まっています。
ブログを書いていない税理士と、ブログから人柄が伝わってくる税理士。あなたが依頼する側なら、どちらに先に連絡するでしょうか。ブログは、この品定めの場面であなたの味方になってくれる数少ない道具です。
紹介で来た相手も、同じことをします。「知り合いの税理士を紹介するよ」と言われた人は、会う前に必ず名前を検索するもの。そこで何も出てこないと、せっかくの紹介が「とりあえず会ってみる」で止まります。ブログは、新規の検索流入だけでなく、紹介からの成約率にも効いてくるわけです。
1.3 宣伝ばかりのブログは読まれない
「とりあえずブログで宣伝しよう」という発想も危険です。読者は税理士の宣伝を読みたくてブログに来るわけではありません。自分の悩みへの答えと、「どんな人なのか」を知りたくて読みに来ます。
宣伝と営業案内ばかりのブログは、読者の知りたいことに何ひとつ答えていない状態です。開いた瞬間に閉じられて終わりです。まずはこの発想を切り替えること。それがブログ集客成功の第一歩になります。

1.4 税理士は約8万人。資格名だけでは見つけてもらえない
もうひとつ、数字で押さえておきたい前提があります。日本税理士会連合会が公表している税理士登録者数によると、令和8年7月末日現在の登録者は82,310人。税理士法人の届出数は、主たる事務所が5,319、従たる事務所が3,149となっています。
内訳を見ると、景色がもっと具体的になります。東京税理士会だけで24,756人、近畿税理士会が15,577人。この2会で全国の約半分を占めます。一方、北陸税理士会は1,475人、沖縄税理士会は540人です。都市部の税理士は、同じ地域の中に何千人ものライバルがいる状態で仕事をしていることになります。

この数字が示すことは単純です。「税理士です」と名乗るだけでは、見込み客の記憶に引っかかりません。地域名と資格名だけで並べられたとき、最後に残る判断材料は料金になります。ブログは、その比較の土俵からいったん降りるための道具です。
ここまで3つの理由を並べましたが、根っこは1本につながっています。見込み客は、税理士を「探して」いるのではなく、自分の悩みを解いてくれる人を探している。だから資格名では届かず、宣伝は読まれず、書かなければ思い出されません。次の章から、では何を書くのかに入っていきます。
2. 税理士のブログ集客は「何を書くか」で決まる
ブログのテーマ選びとは、見込み客が検索窓に打ち込む言葉から逆算する作業のことです。では、何を書けば集客につながるのでしょうか。答えを探すときの合言葉は「逆の立場で考える」です。あなたは税理士ではなく、税理士に依頼したいと考えている見込み客だとして、税理士のブログにどんな情報を求めますか?
2.1 顧客の立場で「読みたい記事」を考える
顧客の立場に立つと、見え方が変わります。「とりあえず何かを投稿しよう」と考えていた人でも、自分が読者なら、そのようなブログを読みたいとは思わないはずです。どのようなブログを書いている税理士なら依頼したいと思うか。この問いから記事を逆算するのが、税理士のブログ集客の出発点になります。
見込み客が読みたいのは、自分の状況に重なる話です。創業したばかりの経営者なら創業期のお金の悩み、相続に直面した人なら手続きの進め方。読者の顔を思い浮かべて書かれた記事だけが、読者に届きます。
手がかりは、日々の顧問先との面談の中にあります。経営者が税理士に本当に相談したいのは、税金の計算そのものよりも、資金繰り、銀行融資、役員報酬の決め方、利益の読み方、そして事業承継といった「お金にまつわる意思決定」です。顧問先から受けた質問は、まだ出会っていない見込み客が検索窓に打ち込んでいる悩みそのもの。ネタ帳は、あなたの月次面談の中にすでにあります。
ひとつ、実務的なコツを。面談の直後に、聞かれた質問をそのままの言葉でメモに残してください。あとから思い出そうとすると、専門用語に翻訳されてしまいます。「決算賞与って出したほうがいいんですか」という生の言葉こそ、検索されている言葉に近いのです。
2.2 人となりが伝わる記事が、問い合わせの入口になる
「どのような税理士なのか」が伝わるブログを読むと、読者はその税理士に連絡してみたくなります。少なくとも、顧客と税理士の距離はぐっと近くなるでしょう。税理士業は、数字を扱う仕事であると同時に、経営者の悩みを預かる信頼商売です。だからこそ、あなた自身の考え方や人となりを知ってもらえる記事を書く必要があります。
仕事への姿勢、顧客とのやり取りで感じたこと、税理士としてこだわっていること。こうした記事は、あなたの代わりに読者と関係を築いてくれます。会う前から「この人なら話しやすそうだ」と感じてもらえれば、問い合わせのハードルは大きく下がります。
とはいえ、日記を書けという話ではないのです。人となりが伝わるのは、「判断の理由」を書いたときです。「この場面ではこう考えて、こちらを選びました」と書けば、読者はあなたの物差しを知ることができます。ランチの写真ではなく、迷ったときの考え方。ここが分かれ目になります。
2.3 専門知識は「悩みの言葉」に翻訳して書く
専門知識を書くこと自体は悪くありません。問題は書き方です。税法の条文解説をそのまま載せても、読者には届きません。読者が検索するのは「インボイスで何が変わるのか」「役員報酬はいくらにすべきか」といった、悩みの言葉だからです。
専門用語はできるだけ噛み砕き、結論を先に、理由をあとに。「わかりやすく教えてくれる税理士」という印象は、それだけで同業との差別化になります。難しいことをやさしく語れる人は、読者の中で「頼れる先生」に変わっていきます。
翻訳の手順は、次の3つだけです。
- 顧問先が実際に口にした言葉を、そのままタイトルに置く
- 結論は最初の3行で言い切ってしまう。条件や例外は、そのあとに回します
- 専門用語を使うときは、初めて出てくるところだけ「(=○○のこと)」と一言添える
3つ目は地味に効きます。用語を全部やさしい日本語に置き換えると、かえって説明が長くなり、正確さも落ちるもの。用語は残したまま、初出だけ補う。これが読者にとっていちばん親切な形です。
2.4 「過去の数字」の解説より「未来の数字」の話を書く
書くテーマを選ぶうえで、押さえておきたい構造があります。税理士の仕事は、大きく2つに分けられます。記帳や申告のように「過去の数字を正確に整理する仕事」と、資金繰りや利益計画のように「未来の数字を一緒に考える仕事」です。前者は、クラウド会計の普及と自動化の進展で誰がやっても差がつきにくくなり、価格で比べられやすくなっています。後者は自動化できません。経営者の判断そのものに踏み込む仕事だからです。

この流れは、数字でも確かめられます。国税庁の令和6年度におけるオンライン(e-Tax)手続の利用状況等についてによると、令和6年度の法人税申告のオンライン利用率は89.1%で、前年度から2.9ポイント上がりました。所得税申告も74.1%(同4.8ポイント増)。相続税申告に至っては、令和2年度の14.4%から令和6年度は50.3%へ、4年で3倍以上に伸びています。

手続きが電子で完結する方向に進むほど、「正確に速く出せること」は当たり前の水準に近づいていきます。当たり前になったものは、価格で比べられる。手続きの解説記事だけを書き続けると、価格競争の側へ自分から歩いていくことになります。
では、経営者の側は税理士に何を求めているのか。中小企業庁の2020年版 小規模企業白書は、日常的な経営の相談相手について、企業規模を問わず最も回答が多いのは「税理士・公認会計士」だと報告しています。経営者はすでに、あなたを経営の相談相手として見ているわけです。にもかかわらず、ブログには手続きの話しか載っていない。ここに、大きなずれが残っています。
ブログでどちらを多く書くかは、あなたがどちらの税理士に見えるかを決めます。手続きの解説ばかりなら「安く正確にやってくれる人」。資金繰りや銀行対応、数字の読み方を経営者の言葉で語れば「経営を相談できる先生」。同じ実力でも、書くテーマで見られ方が変わり、届く問い合わせの質と単価も変わります。記帳の受託ではなく顧問としての相談につなげたいなら、未来の数字の話を意識して書いてください。
2.5 記事テーマは4つの引き出しから選ぶ
「未来の数字を書け」と言われても、毎回ゼロから考えていては続きません。志師塾がおすすめしているのは、テーマを引き出しにして持っておくことです。税理士の場合、次の4つで1年ぶんは埋まります。

| 引き出し | 中身 | 向いている読者 |
|---|---|---|
| 聞かれた質問 | 月次面談で実際に受けた質問に、1記事で1つ答える | 同じ場面にいる、まだ会っていない経営者 |
| 節目の意思決定 | 創業、法人成り、借入、増員、設備投資、事業承継 | その節目が今まさに目の前にある人 |
| 制度の変わり目 | 税制改正、電子帳簿、インボイス、補助金の公募 | 「うちはどうなるのか」を確かめたい人 |
| 業種のクセ | 自分が得意な業種の、その業種にしかないお金の話 | 同業のブログを読み比べている経営者 |
4つの中で、いちばん効きが早いのは「業種のクセ」です。「飲食店の人件費率、何%までなら耐えられるか」「美容室の面貸しと業務委託、税務でどこが違うか」。こういう記事は書ける人が限られるぶん、検索でも競合が薄くなります。志師塾にも、扱う業種や顧客像を絞ったことで問い合わせの質が変わった卒業生が何人もいる。7章で、税理士4人の実例を紹介します。
逆に注意したいのが「制度の変わり目」だけに寄せることです。改正ネタは検索需要が読みやすい反面、賞味期限が短く、大手の税務メディアが必ず先に出します。制度の話を書くなら、解説で終わらせず「では自分の顧問先ならどう判断するか」まで踏み込む。ここまで書けば、大手には真似できない記事になります。
4つの引き出しが埋まっても、まだ止まる場所があります。「自分は誰の、何の専門家として書くのか」が決まっていないと、テーマ選びは毎回振り出しに戻るからです。ここは記事の書き方の問題ではなく、位置づけの問題。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーは、この立ち位置を決めるところから始まります。書き方の話に入る前に、そこを一度そろえておくと、テーマ選びで迷う時間が減ります。
3. 税理士のブログ集客を成功させる導線設計
導線設計とは、記事を読んだ人が次にどこへ進むかを、書き手が先に決めておくことです。「人となりを知ってもらっただけで、受注できるわけがない」。そう感じた方もいるでしょう。そのとおりです。人柄がにじみ出るブログを書いても、サービス内容や料金といったビジネスの情報がなければ、依頼にはつながりません。ここで大切になるのが、ブログとホームページの役割分担です。
3.1 ブログとホームページの役割分担を決める
志師塾では、ブログにビジネスの情報を詰め込むことはおすすめしていません。ブログの役割は、見込み客との出会いをつくり、人となりを伝えること。サービス内容・料金・実績といった受注に直結する情報は、ホームページに載せる。この役割分担が明確なほど、それぞれの道具が力を発揮します。
ブログに営業色が混ざると、せっかく縮まった読者との距離がまた開いてしまいます。読み物は読み物として、商談の情報は商談の場所へ。分けるだけで、どちらも読みやすくなるものです。
3.2 ブログは「とっかかり」、受注はホームページで
ブログは集客のとっかかりです。検索やSNSからブログで出会った読者を、ビジネスの情報を載せたホームページへ案内する。この導線として機能させることが、税理士のブログ集客で一番大事なところになります。記事の最後に「詳しいサービス内容はこちら」と自然に案内するだけでも、導線は動き始めます。

受け皿になるホームページは、単なる事務所案内では力不足です。訪れた見込み客が「この人に相談したい」と感じ、問い合わせという行動を起こせる「顧客獲得型ホームページ」に整えておく必要があります。ホームページ側の作り込みについては、税理士のホームページで問い合わせを増やす5つの視点で詳しく解説しています。
案内の書き方にも、コツがひとつ。全記事の末尾に同じ文言を貼らないことです。創業期の資金繰りの記事なら「創業融資の相談メニュー」、相続の記事なら「相続の初回面談」。記事のテーマと着地先をそろえるだけで、クリックされる率は変わります。
3.3 道具をばらばらに使わず、つなげて使う
ブログだけでWeb集客が完成するわけではありません。ブログ、ホームページ、SNS、メルマガ。道具ごとに異なる役割を与えてつなげることで、はじめて集客の流れができあがります。ブログを頑張っているのに成果が出ない場合、原因は記事ではなく、この「つなぎ」が切れていることがほとんどです。
志師塾では、Web集客の進み方を7つのレベルで整理しています。名刺とチラシから始まり、身近な人への集客、ランディングページ、ステップメール、動画、SEO、そして広告。SEOは6番目です。順番を飛ばして記事だけを量産しても、受け皿が育っていなければ流れは止まります。全体の並べ方は税理士のWeb集客4つの手順にまとめました。
3.4 検索だけに頼らず、ブログへ人を連れてくる
ブログを開設した直後は、検索から人は来ません。記事が評価されるまでには、半年から1年かかるのが普通です。この期間をどう乗り切るか。答えは、検索以外の入口を先に用意しておくことです。
総務省の令和6年通信利用動向調査報告書(世帯編)によると、過去1年間にインターネットで利用した機能・サービスは「SNS(無料通話機能を含む)の利用」が79.0%で最も高く、「検索サービスの利用」が76.6%、「ホームページやブログの閲覧、書き込み、または開設・更新」が55.4%と続きます。検索とSNSは、ほぼ並んで使われているということです。
ですから、記事を公開したらそこで終わりにしないでください。手順は次のとおりです。
- 公開したら、その日のうちにSNSで一言添えて流す。記事の要点を1行だけ書き足すと反応が変わります
- 顧問先や知人に「こんな記事を書きました」と個別に送る。数は少なくても、読まれる確率は検索より高い
- メールマガジンを持っているなら、そこに載せる。既に関係のある人に読んでもらうほうが、紹介につながりやすい
- 関連する過去記事から、新しい記事へリンクを張っておく
検索は、あとから効いてくる入口です。SNSとメールは、今日から効く入口。両方を同時に走らせるのが、独立して間もない税理士の現実的な進め方になります。
4. 税理士のブログ集客を軌道に乗せる記事の書き方
相談につながる記事とは、悩みの言葉で始まり、次の一歩で終わる構成を持った記事のことです。設計が固まったら、次は記事づくり。とはいえ、身構える必要はないでしょう。押さえるところを押さえれば、特別な文才がなくても読まれる記事は書けます。ここでは、タイトルの付け方、記事の型、続け方の3つに絞ってお伝えします。
4.1 タイトルで「誰のための記事か」を示す
読者は、タイトルを見て読むかどうかを一瞬で決めます。「近況報告」「税制改正について」のようなタイトルでは、誰のための記事かが伝わらないままです。「創業1年目の経営者が知っておきたい○○」のように、対象と中身がわかるタイトルを付けましょう。検索されたい言葉をタイトルに入れることは、SEO(=検索結果で上位に表示させるための工夫のこと)の面でも基本になります。
タイトルづくりで迷ったら、次の3つが入っているかを見てください。
- 誰に:業種、規模、状況のどれかを言葉にする(「従業員10名を超えた会社の」)
- 何が分かるか:読み終えたときに手に入るものを書く(「役員報酬の決め方」)
- 数字:手順の数、金額、期間。ひとつ入るだけで具体性が上がります
3つ全部を詰め込むと長くなりすぎます。「誰に」だけは必ず入れて、残りはどちらか一方。この配分が読みやすいところです。
4.2 記事の型を決めて、書く時間を短くする
記事の型とは、書く順番をあらかじめ決めておく骨組みのことです。毎回ゼロから構成を考えていると、1本に何時間もかかります。型を1つ決めてしまえば、あとは中身を入れ替えるだけ。
ただ、型を使う前に確かめておきたいことがひとつ。その記事を一言で説明できるかどうかです。「インボイスと電子帳簿と補助金の記事」としか言えないなら、型に流し込む前に3本へ分けたほうが読まれます。
1記事1テーマがそろったら、あとは骨組みに沿って書くだけです。相談につながる記事の型は、次の5ブロックになります。

- 悩みの言葉:顧問先が実際に口にした言葉で始める。「決算前に慌てるのは、もう嫌だ」
- 結論:答えを先に出す。読者は結論を保留されると離脱します
- 理由と条件:なぜそうなるのか。当てはまらないケースも正直に書く
- 場面:実際の相談で、どう判断したか。守秘義務に触れない粒度まで加工します
- 次の一歩:読者が今日できることを1つだけ。ここが導線の出口になります
4番目の「場面」は、税理士にとって扱いが難しいところでしょう。顧問先の話は、業種・規模・時期をずらし、本人が読んでも特定されない粒度まで落としてから書いてください。迷ったら、その一文を顧問先が読んで困らないかで判断する。これがいちばん確かな基準になります。
5番目の「次の一歩」を空欄のまま公開している記事は、驚くほど多いものです。読み終えた人が何もできない記事は、信頼を集めても仕事にはつながりません。相談の申し込み、チェックリストの配布、メール講座の登録。その記事の読者にちょうどよい一歩を、必ず1つ置いてください。
4.3 繁忙期を前提に、続けられる仕組みをつくる
ブログ集客は、1本の名作より継続がものを言います。書く曜日を決める、記事の型を決めてしまう、完璧を目指さない。続けるための工夫が、そのまま成果への近道です。
税理士ならではの工夫として、繁忙期を前提にした計画も欠かせません。確定申告期や決算の集中する時期に無理な更新計画を立てても、続かずに挫折するだけです。忙しい時期の分は閑散期に書きためておく。年間の業務の波に合わせた無理のないペース配分が、継続の鍵になります。

配分の一例を挙げます。12月から3月は新規の執筆を止め、予約投稿の在庫を吐き出すだけにする。4月から6月は、翌年の繁忙期ぶん10本が目標。7月から11月は、月2本を目安に新しいテーマへ広げていきます。年間で20本強。これでも3年続ければ、記事は60本を超える計算です。
最近は、AIに下書きや構成案を手伝わせて、執筆の負担を減らす税理士も増えてきました。仕上げの「自分の言葉」だけは人が担い、作業はAIに任せる分業です。ただし、AIが書いた文章をそのまま公開するのは避けてください。制度の説明が古かったり、判断の部分が一般論に流れたりするからです。たたき台をAIに作らせ、事実確認と判断は自分で入れる。この線引きが要ります。税理士業務でのAIの取り入れ方は、税理士のAI活用術で詳しく解説しています。
5. 税理士のブログ集客を「選ばれる仕組み」に育てる
選ばれる仕組みとは、記事を書くほど「この悩みならこの税理士」と思い出される状態が積み上がっていく設計のことです。ここまでの内容に、もうひとつ上の視点を足していきます。
5.1 ポジショニングを先に固める
ポジショニングとは、無競争状態で顧客に選ばれる独自の場所を見つけることです。ブログのすべての記事は、「あなたが何の専門家か」を伝える接点になります。だからこそ、書き始める前に「誰の・どんな悩みを・どう解決する」税理士なのかを固めておきたいところです。志師塾では、発信のテクニックより先にこの設計を固める「ポジショニング先行」の考え方を大切にしています。
ポジショニングが決まっていれば、記事のテーマ選びで迷うことはないでしょう。逆に決まっていないと、記事がばらばらの方向を向き、何の専門家か伝わらないブログになってしまいます。
ここで多くの方が引っかかるのが、「絞ると仕事が減るのでは」という不安でしょう。志師塾がお伝えしているのは、実際にやる業務まで絞る必要はないということです。絞るのは、お客様に認知してほしい場所だけ。創業支援を入口に信頼を得たあとで、資金繰りや事業承継の相談を受けるのは自然な流れになります。入口を一点に決めることと、仕事の幅を狭めることは、まったく別の話です。
5.2 100人に1人を2つ掛けて、1万人に1人の場所をつくる
とはいえ、いきなり「唯一の存在になれ」と言われても手が止まります。志師塾がおすすめしているのは、100人に1人のものを2つ掛け合わせるという考え方です。それぞれは珍しくなくても、2つ重なれば1万人に1人。約8万人の税理士の中でも、ライバルはほとんどいなくなります。
| 軸1(誰に) | 軸2(何に強い) | できあがる位置づけ |
|---|---|---|
| 美容室・サロン | 開業時の資金計画とコスト管理 | その業界の数字のクセを知っている税理士 |
| 従業員10名を超えた会社 | 役員報酬と社会保険の設計 | 組織が変わる節目に呼ばれる税理士 |
| 賃貸物件を持つ個人オーナー | 相続と不動産の税務 | 物件と家族の両方を見られる税理士 |
| 創業3年以内の一人社長 | 融資と資金繰りの伴走 | 銀行との付き合い方まで相談できる税理士 |
軸の選び方には、3つだけ注意があります。分かりやすいこと。見込み客の頭の中にすでに判断基準があること。そして、ライバルと同じ売りにしないこと。軸を4つも5つも並べると、相手は覚えられません。2軸が基本と考えてください。
「誰に」の切り口は、業種だけではありません。規模、時間帯、趣味、年齢、そしてタイミング。先生業の世界には、「社員が10名を超えて就業規則が要るようになった会社」とタイミングで絞る社労士や、「朝の通勤時間帯だけを引き受ける」と時間帯で絞るカウンセラーがいます。税理士なら、決算月、創業からの年数、借入の有無。どれも軸になります。
絞り込みの軸が決まったら、2.4で見た「書くテーマ」と重ねてみてください。いまの自分がどこに立っているかが見えてきます。

顧客を絞ったうえで未来の数字を語る位置が、指名で相談が来る場所です。反対側、つまり顧客を広く取って手続きの解説だけを書いていると、残る判断材料は地域名と料金だけになります。いまの自分の記事は、どこに置かれているか。ここから確かめてみましょう。
5.3 「○○といえばあなた」という第一想起をつくる
第一想起とは、見込み客の頭の中で「この悩みといえば、あの人」と最初に思い出される状態のことです。ブログを続ける先にあるゴールは、ここにあります。同じテーマで記事を書きためるほど、この想起は強くなっていきます。紹介や口コミも、この第一想起から生まれるものです。
アクセス数の多さより、「誰にどう思い出されるか」。ブログ集客の成果は、この物差しで測ってください。
税理士ならではの視点を、ひとつ添えます。税理士への相談は、思い立って生まれるものではありません。節目で生まれます。会社をつくる、人を雇う、借入をする、店を増やす、代を譲る。ということは、第一想起を取りたい相手は経営者本人だけではないということです。その節目に立ち会う人の頭の中にも、居場所が要ります。金融機関の担当者、社労士、司法書士、事業を紹介する不動産会社。この人たちは、あなたより先に節目を知る立場にいます。ブログの読者として、この層を意識して書いた記事が、あとから紹介を運んでくることは珍しくありません。
5.4 目指すのは顧問契約と、長いお付き合い
税理士のビジネスの強みは、顧問契約という継続の形があることです。ブログで出会い、人となりで信頼を育て、ホームページで相談につなげ、顧問契約で長く伴走する。単発の相談で終わらせず、この流れまで描いておくと、1人の読者との出会いが何年分もの付き合いに変わっていきます。
顧問契約のもうひとつの特徴は、一度始まると長く続きやすいことです。税理士の変更には、資料の引き継ぎや関係の作り直しといった手間がかかるため、経営者は簡単には乗り換えません。だからこそ、1人の顧問先との出会いは、その後何年も続く売上と信頼の土台になります。記事を書きためるという時間のかかる投資が十分に割に合うのは、この構造があるからです。
この計算は、一度やっておく価値があります。顧問料が月3万円で、平均して7年続くとすれば、1件あたり252万円。ブログから年に2件の顧問契約が生まれるなら、記事を書く時間の見え方はまるで変わってきます。ブログを「今月の問い合わせ数」で評価すると、たいてい早すぎる時期にやめてしまう。見るべきは、そこから始まる関係の長さのほうです。
実際に、Webからの発信を武器に顧客獲得を実現した税理士の取り組みは、税理士の成功事例インタビューで読めます。あなたの一歩先を行く同業の姿は、何よりの教材になるはずです。
ただ、顧問契約という長い付き合いを受け止めるのは、ブログではなくホームページの側です。ブログで人となりを伝えても、着地先が事務所案内のままなら相談は生まれません。志師塾では、その受け皿になる顧客獲得型ホームページの設計書テンプレートを無料で用意しています。セミナーはまだ早いという方の、最初の一歩としてどうぞ。
集客型ホームページに変えて問い合わせを3倍にする
先生業のための顧客獲得型ホームページ
設計書テンプレート
- ・先生業のホームページに必要な「デザイン・必要情報」が分かる
- ・非公開のサンプルサイト(3種類)を見ながら、サクサク作成できます
6. 税理士のブログを検索とAIに見つけてもらう
税理士ブログのSEOとAI対策とは、1記事1キーワードで狙う言葉を先に決め、定義と数字を添えて書くことです。ここまでは「何を書くか」の話でした。最後に、書いた記事を見つけてもらうための手当てを押さえます。難しいテクニックは要らないのです。税理士が押さえるべきところは、3つに絞れます。
6.1 1記事1キーワードで、狙う言葉を先に決める
記事を書く前に、「この記事はどの言葉で検索されたいか」を1つ決めてください。「税理士 創業融資 相談」のように、2語か3語の組み合わせが現実的な狙い目です。「税理士」の1語だけで上位を取ろうとしても、大手の税務メディアや検索サイトが並んでいて、個人の事務所が割り込む余地はほとんどありません。
決めた言葉は、タイトル、見出し、本文の冒頭に自然に置きます。ただし、詰め込むのは逆効果です。同じ言葉が不自然に並ぶ文章は、読者にとって読みにくく、検索エンジンからの評価も上がりません。読みやすさを優先し、言葉は結果として入っている状態を目指す。これが正しい順番になります。
6.2 地域名は、入れる記事と入れない記事を分ける
税理士のブログでよく議論になるのが、地域名を入れるかどうかです。志師塾の考え方は、記事の役割で分けるというもの。
- 地域名を入れる:事務所紹介、料金、相談の流れ、対応エリアなど、依頼を検討している人が見るページ
- 地域名を入れない:ノウハウ記事。「役員報酬の決め方」に地域名を足しても、検索する人はいません
- 使い分ける理由:ノウハウ記事で全国から読者を集め、依頼のページで地域の人を受け止める、という二段構えにするため
登録者が東京だけで24,756人という数字を思い出してください。都市部で「地域名+税理士」の上位を取りにいくのは、かなりの長期戦になります。ノウハウで見つけてもらい、人となりで選んでもらう。この道のほうが、個人の事務所には現実的です。
6.3 AIに引用される書き方を、いまから入れておく
読者の入口は、検索エンジンだけではなくなりました。生成AIに「創業融資の相談は誰にすればいいか」と尋ねて、返ってきた答えの中の名前を頼りに問い合わせる人が出てきています。AIの回答に引用されるかどうかは、これからの分かれ目のひとつです。
引用されやすい書き方には、はっきりした特徴があります。
- 見出しの直後に「○○とは、〜です」という定義を1文置く。AIはこの形をそのまま引き写します
- 言い切る。語尾を濁した文は、答えとして使われません
- 数字と出典はセットで。一次情報を持つ記事ほど先に引かれる
- 見出しを、読者が尋ねる形に寄せる(「創業融資の相談は誰にする?」)
この4つは、人が読むときにも読みやすい書き方です。AI向けに特別な文章を用意する必要はありません。丁寧に書いた記事が、そのままAIにも拾われると考えてください。
7. 税理士のブログ集客に活きた志師塾卒業生4人の実例
ここまでの内容が、実際にどう形になるのか。志師塾で学んだ税理士4人の歩みを紹介します。4人に共通するのは、発信の量を増やす前に「何の専門家として書くか」を決め直したことです。いずれも公開済みのインタビュー記事から引いています。
7.1 宇佐見紘且さん|「美容業しかやらない税理士」と名乗る
名古屋市出身の宇佐見紘且さん。2019年7月に独立され、いまは「美容業しかやらない税理士」として、美容室経営者に創業支援から税務申告、経営分析、資産運用、事業承継までを一気通貫で提供しています。
開業当初は、飲食業と美容業の2業種を対象にしていました。新参者が顧問契約を取るには、新規開業率の高い業界を狙うほうがよいと考えたためです。そこから対象を2業種から美容業1つへ絞り込みました。専門性を高めたほうが経営者の役に立てると判断したからです。5.2で見た「業種で絞る」を、実際に選んだ例といえます。
志師塾で得た気づきは、絞り方そのものではありませんでした。「何故買うのか」「何故あなたから買うのか」という問いに、「美容業・飲食業に特化しているから」としか答えられなかったこと。業種を絞っただけでは、選ばれる理由になっていなかったのです。そこから「業界を変えたい」というビジョンを前に出す自己紹介へ変えたところ、相手の反応が明らかに変わったと語っています。詳しくは宇佐見紘且さんのインタビュー記事をご覧ください。
7.2 村川雄三さん|元国税調査官という経歴を、ベネフィットに翻訳した
東京国税局で長く「相続と不動産」の専門部隊に所属し、2023年に独立された村川雄三さん。17年間の国税勤務のなかで、10,000件以上の相続税申告から調査先を選んできた経験を持っています。
提供するサービスには、確かな自信があったそうです。それでも独立直後は、営業経験ゼロ、集客ノウハウゼロ、紹介してくれる人もゼロという三重苦だったといいます。「経歴はすごいですねと言われますが、契約には結びつきませんでした」。
転機は、伝え方を組み替えたことでした。「元国税調査官です」ではなく、「私は国税での税務調査の経験があるからこそ、税務署が疑問を持ちにくい適切な申告書を作成できます」と伝える。経歴を語るのをやめて、相手に起きるいいことを語る形に変えたわけです。ゼロが3つ並んでいたところから、顧客獲得の経路が「紹介」という1本立ち上がりました。成約率も上がり、サービス価格を安売りせずに顧客が増える状態へ変わっています。2.3で触れた「悩みの言葉に翻訳する」を、自己紹介でやった例です。村川雄三さんのインタビュー記事に、その過程が詳しく残っています。
7.3 横尾将司さん|「未来の数字」を軸に置いた税理士
20代で税理士資格を取得後、税理士法人、上場企業の経理、そして商社の起業を経て、2023年6月に事務所を開設された横尾将司さん。肩書きは「経営者目線の利益UP税理士」です。中小企業や一人社長に資金繰りをアドバイスし、コンサル初年度から100万円以上の資金繰り改善を、いくつもの会社で達成しています(受講された方の実例です。同様の成果を保証するものではありません)。
この位置づけは、自身の経験から生まれたものです。輸入商社を経営していた時期に、コロナ禍の仕入れ判断で手元資金への意識が薄くなり、黒字倒産の危機を経験しています。「試算表という会社の健康状態を見て正しく判断できなかった」。この痛みが、いまの「すべての社長が決算書を読める世界をつくりたい」というビジョンにつながっています。
志師塾では、誰に・何を・どのように提供するかを徹底的に検討し、「自社のサービスがお客さまに選ばれる理由を、説得力をもって表現することができるようになりました」と語っています。その結果できあがったのが、顧問契約の2プランと集客支援という現在の2つのサービスです。2.4で見た「未来の数字を書く」を、事業そのものの軸にした例といえます。横尾将司さんのインタビュー記事で読めます。
7.4 門脇頼介さん|ブログを書いても結果が出なかったところから
2018年に29歳で税理士試験に合格し、2021年に独立された門脇頼介さん。いまは兵庫県で「ひとり経営専門コンサルタント」という肩書きを税理士に足し、スモールビジネスの経営者を支援しています。
この記事のテーマにいちばん近いのが、門脇さんの独立直後です。「自分でホームページを作ってブログも書いたりしてみましたが、すぐに結果が出るものでもなくて悩みました」。手を動かしていなかったわけではありません。足りなかったのは、自分の売りや強みが決まっていなかったことでした。
志師塾で最初に取り組んだのは、自分の過去の棚卸しです。やりたいこととやりたくなかったことを洗い出すなかで、スモールビジネスに寄り添うことが自分にとっての幸せだと定まり、そこから「ひとり経営専門」というキーワードにたどり着きました。この言葉を軸に自己紹介を変えたところ、問い合わせにつながる導線がゼロだった状態から、その響きにひかれて商談が始まる顧客が出てくるところまで動きました。書く量ではなく、名乗りを変えたことが最初の一歩だったわけです。門脇頼介さんのインタビュー記事もあわせてどうぞ。
7.5 4人に共通していたこと
専門分野も、顧客層も、経歴もばらばらです。それでも共通点がありました。
- 「税理士です」と名乗るのをやめた:4人とも、税理士の前か後ろに、自分だけの言葉を足しています
- 2軸の掛け算で場所を決めた。美容業×経営支援、相続×不動産、税理士×経営者経験、税理士×ひとり経営
- 言葉が先、発信は後。門脇さんも村川さんも、発信を増やす前に名乗りを変えました
- 自分の過去を掘り直してから決めている。思いつきで作った言葉ではないので、ぶれません
宇佐見さんの「業種を絞っただけでは選ばれる理由になっていなかった」という気づきは、そのまま多くの税理士ブログに当てはまります。専門を掲げること自体は、まだ入口にすぎないのです。その専門を選んだ理由まで書いて、はじめて読者の記憶に残ります。
では、あなたが専門を選んだ理由は、ブログの自己紹介1本ぶんの長さで書けるでしょうか。ここで手が止まる方は少なくありません。自分の経歴は自分にとって当たり前すぎて、どこが売りなのかは本人がいちばん見えていないからです。だから、いったん他人の目を通す必要があります。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、この4人が通ったのと同じ問いの立て方を、先生業の事例に当てはめながら解説しています。
8. 税理士のブログ集客でよくある質問
8.1 税理士のブログは、何から始めればよいですか?
「誰の・どんな悩みに強い税理士なのか」を一文で決めるところからです。この一文が決まると、記事のテーマは自動的に絞られます。順番を逆にすると、更新は続いても方向がばらけ、何の専門家か伝わらないブログになります。
8.2 ブログはどのくらいの頻度で更新すべきですか?
頻度より、続く形かどうかで決めてください。目安は月2本です。週1本を掲げて3か月で止まるより、月2本を3年続けるほうが記事は積み上がります。確定申告期や決算集中期は新規の執筆を止めて閑散期の書きだめを出す、という年間配分を先に決めておくと、繁忙期に自分を責めずに済みます。
8.3 税理士のブログ集客は、成果が出るまでどのくらいかかりますか?
検索から人が来るまでは、半年から1年かかるのが普通です。だからこそ検索だけに賭けず、公開した記事をSNSで流す、顧問先や知人に個別に送る、メールで配る、といった入口を同時に走らせます。1年目は「紹介された人が検索したときに読まれるもの」として使うくらいが、ちょうどよい期待値です。
8.4 ブログとホームページは、両方必要ですか?
両方必要です。役割が違うからです。ブログは見込み客と出会い、人となりを伝える場所。ホームページは、サービス内容・料金・相談の流れを載せて問い合わせを受け止める窓口です。ブログに料金表を並べると読み物としての力が落ち、ホームページに日記を載せると信頼の受け皿として弱くなります。分けて、つなぐ。これが基本の形になります。
8.5 WordPressとアメブロ、noteのどれで始めればよいですか?
長く資産にしたいならWordPressです。自分のドメイン(=インターネット上の住所のこと)に記事がたまるので、書いた本数がそのまま事務所サイト全体の評価につながります。アメブロやnoteは始めるのが速い反面、記事の置き場所は他社のサービスの中で、仕様や方針が変わればまとめて影響を受ける可能性があります。すでにアメブロで読者がいるなら、そちらは告知用に残し、本体はWordPressで持つ。この二本立てが現実的でしょう。
8.6 事務所名義と個人名義、どちらで書くべきですか?
一人で事務所を回しているなら、個人名義のほうが届きます。読者が選んでいるのは事務所ではなく「誰に相談するか」だからです。職員を抱える事務所でも、記事の末尾に書いた人の名前とプロフィールを出すだけで、読み手の受け取り方は変わります。事務所名義でよいのは、料金や対応エリアのような、誰が書いても中身が同じページ。人となりを伝えるための記事は、名前を出して書いてください。
8.7 記事は何本くらい書けば成果が出ますか?
本数より、同じテーマに何本集まっているかで見てください。ばらばらのテーマで50本より、1つの専門領域に20本ある状態のほうが、検索でも第一想起でも強くなります。目安としては、狙う領域ごとに10本。まずはここを最初の目標に置くとよいでしょう。
9. まとめ:税理士のブログ集客は「設計」から始める
税理士のブログ集客のポイントを、4つに絞ってお伝えしました。
- 「とりあえず投稿」をやめ、書く前に設計を固める。登録者82,310人の中で、資格名は判断材料になりません
- 顧客の立場で「何を書くか」を決める。人となりと「未来の数字」の話を届けること
- ブログからホームページへの導線をつくる。検索だけに頼らず、SNSとメールも入口にする
- ポジショニングと第一想起で「選ばれる仕組み」に育てるところが、ブログ集客のゴールです
ブログは、コストをかけずに始められて、続けるほどあなたの資産になる集客の道具です。ただし、成果が出るかどうかは書き始める前の設計で決まります。この記事の順番どおりに、まずはあなたのブログの設計から見直してみてください。
最後に、明日から手をつけられる3つを挙げておきます。
- 直近3か月の月次面談で受けた質問を、聞いたままの言葉で書き出す
- その中から「一番力になれた」と感じた相談に印を付け、共通する人と場面を一文にまとめます
- その一文を、名刺・プロフィール・ブログの自己紹介の3か所でそろえる
ここまでやれば、次に何を書けばよいかは自然に決まってきます。料金で比べられる税理士ではなく、「この悩みなら、あの先生」と思い出される税理士を目指しましょう。
あわせて読みたい記事です。
- 税理士の集客は売り込み不要|顧問先が増える4つの経路|ブログ以外の入口もまとめて知りたい方へ
- 税理士が独立開業に成功!年収・開業費用・事前準備を徹底解説|独立前後にそろえておくもの
- AI検索でブログ集客は終わる?|生成AIの回答に引用されるには何が要るか
まとめで挙げた4つのうち、いま自分に足りていないのはどれか。実は、書き続けている人ほど自分では判定しにくいところです。テーマが弱いのか、ホームページへの導線が切れているのか、そもそも位置づけが決まっていないのか。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーは、その見分け方から入って、ブログとホームページの役割分担、顧問契約までを一本の道筋で扱います。
料金で比べられる税理士から抜け出したい方へ
志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、税理士をはじめとする先生業が、価格ではなく専門性で選ばれるまでの流れを実例つきで解説しています。この記事の4つのポイントのうち、土台になる位置づけの決め方と、ホームページへのつなぎ方まで扱います。参加費は無料です。
>> 次へ:税理士のホームページで問い合わせを増やす5つの視点
この記事について
監修:志師塾(株式会社エクスウィルパートナーズ)。士業・コンサルタント・コーチ・講師といった「先生業」に特化した集客・顧客獲得支援を行い、これまでに3,200名を超える先生業の方を支援してきました。本記事は、税理士の受講生・卒業生への支援で得た知見と、日本税理士会連合会・国税庁・中小企業庁・総務省の公表資料をもとに構成しています(公的データの確認日:2026年8月26日/支援人数の原本確認日:2026年8月16日)。