facebook

【卒業生インタビュー】 気持ちを楽にして会社を元気にする~女性社員マネジメントコンサルタント 塩崎真士さん~

合同会社笑人士(わろうど)の代表を務める塩崎真士さんは、エンジニア出身ながら、惣菜チェーンで店長やエリアマネージャーを務めた異色の経歴で、現場感覚と経営者の視点を併せ持つコンサルタントです。

JADA【日本能力開発分析】協会認定SBT1級コーチ、国家資格であるキャリアコンサルタント等の資格もお持ちです。

女性活躍が叫ばれている昨今ですが、特に中小企業ではあまり進んでいないのではないか、という感覚を抱いている方は多いのではないでしょうか。

塩崎さんに伺うと、男性の考え方が凝り固まっていて、具体的なやり方がわかっていないことが、女性活躍が進まない原因だと指摘します。さらに、男性はこうあるべきだ、女性はこうあるべきだ、という旧態依然とした考え方が存在する職場環境に悩んでしまう方に対して、気持ちを楽にしてほしいと伝えています。

「会社・職場の人間関係から起きる問題の解決をサポートしたい」という思いで、コンサルタント活動を行っている塩崎さん。

そのほかにもセミナー講師や講演、書籍出版などで活躍する塩崎さんの背景に、どんな経験があったのか、インタビューで深掘りし思い描く事業を伺います。

1. バックグラウンドである、エンジニアの経験

1.1 新居浜のエンジニアになる

生まれも育ちも、愛媛県新居浜市という塩崎さんは、「自分のやりたいことをやりたい」という思いを抱きながらも、特に強い興味もないまま地元の工業高等専門学校で学んでいました。

「父を喜ばせることが目的だった」と入学の理由を語る塩崎さん。入学後の目標を持てず、ほとんどの学生が目指していたエンジニアになろうとは全く思っていませんでした。

時はバブル崩壊直後の1990年代でしたが、クラスの学生30~40人に対して400社の募集があったほど、エンジニアにとっては売り手市場でした。卒業後の就職先をイメージしつつ東京の企業でインターンも経験しましたが、両親の心配もあり地元での就職を決めます。

1.2 自信になった半導体部品メーカーでの経験

自身の経験を生かそうと、数ある求人の中から選んだのは、地元の愛媛県新居浜市を本社とする半導体部品メーカーでした。

1990年代当時は、普及し始めた携帯電話や、高性能化したゲーム機向けに半導体の需要が高まっており、市場は盛況でした。リードフレームと呼ばれる、ICチップを載せる土台の部分を開発していた塩崎さんは、いくつかのプロジェクトをこなし、エンジニアとして着々と自信をつけていきました。

1.3 転職を考えるようになったきっかけ

半導体市場の活況の裏で、顧客からはコスト低減要求が高まり、日本の製造業は工場の海外シフトを始めます。塩崎さんが勤めていた企業でも、海外に工場を建設して従業員を派遣するようになりました。

塩崎さんも何度か海外に出張し工場立ち上げのサポートに取り組みました。

しかし、いよいよ自分が海外へ転勤となりそうなタイミングで、地元に残りたい思いと、「自分のやりたいことをやりたい」という幼少のころからの思いを実現するために、転職を決意します。就職してから11年が経過した31歳の頃でした。

女性社員マネジメントコンサルタントの塩崎真士さんのプロフィール

2. 異業種である惣菜チェーンへの転職

転職先に選んだのは、惣菜チェーン大手の株式会社クック・チャムでした。こちらも塩崎さんの地元に本社を構える企業です。

半導体のメーカーから、惣菜チェーンという異業種への転職でしたが、塩崎さんには不思議と自信があふれていました。前職での成功体験から、自分はどこでもやれるという思いがあったのです。

「当時は傲慢な人間だった」と振り返る塩崎さん。勢いよく入社しましたが、憧れていた店舗運営に携わることになって、その自信が打ち砕かれることになります。

2.1 転職直後の誤算

意欲満々だった塩崎さんは、転職後の活躍を期待されていましたが、早々に誤算がありました。

まず、必須となる惣菜の調理ができなかったのです。入社直後は店舗責任者として経験を積むのですが、店舗のマネジメントはもちろん、接客、レイアウトの管理、調理等すべてのことができる必要がありました。「炊飯器でご飯を炊くことすらできなかった」と、当時の苦境を思い浮かべます。

さらに店長として従業員とコミュニケーションをとる中で、企業文化の違いを痛感します。前職は男性が多い職場であったので、慣れてくると会話せずに非言語のコミュニケーションでも仕事ができる環境でした。いっぽう、クック・チャムは女性比率が高い企業で、当時の店舗では塩崎さん以外全員が女性でした。

女性従業員の場合、多くが自分の話を聞いてほしいという欲求を持っています。また、男性従業員がしゃべらないと、「何を考えているかわからない」、という印象を持たれるため、言語を使ったコミュニケーションの重要性を痛感しました。

2.2 大きな失敗

慣れない環境で奮闘していた塩崎さんでしたが、店長として働いていた店舗の売上は、前年から20%も下がってしまいました。

「早く実績を上げたいという責任感が強くて、周りの意見を聞かずに施策を進めていました。しかしながら、私が考えて実行したことが、独りよがりでお客様に受け入れられなかったことが売上減少の一番の理由でした。例えば、お客様の購買意欲を高めるためには、取扱商品の絞り込みや、商品のレイアウトが大切ですが、そのやり方を理解していなかったのです」

2.3 転んだ後に気付かされたこと

どうすれば良いのかわからない状況が続く中、研修の一環で、ある経営者の方の講演を聞く機会がありました。その方は人材育成がうまくいかず、同僚がどんどん離れていったという経験がありました。

状況を打破するために、思考を変えるメンタルトレーニングを行って、周りの人の良いところを引き出せるようになり、自分も楽しく仕事ができるようになったそうです。

塩崎さんは、その経営者の方の境遇が、自分と同じだと感じたそうです。そして、自分もしっかりと人を育てることができる人材になりたいと決意し、メンタルトレーニングを勉強して技術を身に付けました。

実際の業務では、人の良いところを見つけて、自分も楽しく仕事をすることで、しっかりとしたコミュニケーションがとれるようになっていきました。

2.4 メンタルトレーニングの目覚ましい効果

塩崎さんの変化によって店舗の売上も向上しました。

「もともと私は口うるさいタイプではありませんでしたが、自分が黙っていると、周りには緊張した雰囲気ができていました。自分から積極的にコミュニケーションをとることで、雰囲気が良くなりスタッフにもお客様にも良い効果が現れたのだと思います」

スタッフは経験豊富な主婦の方ばかりで、お客様の要望を理解している人材がそろっていることに気付き、課題だった商品の配置は、自分が関わらずにスタッフに任せるようにしました。配置だけでなく、メニューの選定や、メインの料理の準備等、ほとんど全部の仕事を任せるようにしました。

その結果、スタッフ全員が生き生きと仕事をするようになり、積極的に意見を言ってくれるようになりました。

女性社員マネジメントコンサルタントの塩崎真士さんとパーティ

店長時代の塩崎さん(上段左から3人目)、職場で開催された誕生日パーティーにて

3.現場に寄り添うマネージャーとしての経験を積む

その後、工場の生産性改善などの業務を経て、マネージャーとして本社に戻ることになります。失敗を乗り越え、再び現場のマネジメントを担当することになった塩崎さんの力が発揮されます。

3.1マネージャーとしての活躍

中国四国エリアで26店舗のマネージャーとして、各店舗の売上や利益の管理から、新規店舗立ち上げ、人材採用と教育等、多岐にわたる業務をこなしたそうです。そのなかで、12年間連続で売上対前年比100%以上を達成するなど、目覚ましい成果を上げます。

「人の力を引き出せたことが大きかったですね。周りの人にやってもらって、感謝と謙虚さを忘れないことを心がけていました。特に採用面には力を入れました」

「店長が良いと思う人材と、マネージャーである自分が良いと思う人材が異なることに気付き、同席して採用活動を行うようにしました。現場では、条件に合う方ならできるだけ早く採用したいもので、能力が低くても入れてしまうほど慌てがちです。そこに客観性を持たせることで有能な人材を確保することができたのです」

新しい採用活動により、従業員の入口管理をしっかり行うことで、離職率が下がり、人間関係や会社の雰囲気が格段に良くなったそうです。

3.2 心がけていたこと

塩崎さんのもとには、担当店舗の店長から、相談事の電話がよくかかってきたそうです。その数は一日に10本以上。内容は、売上や利益の悩みや、人材育成、人間関係、店長自身の問題(結婚、出産、責任感の強さからくる家庭内の不和)などの、多岐にわたる切実なものでした。

「今思うと、”塩崎なら相談できる”というような良い関係性ができていたのでしょうね。電話で解決することもありましたが、車で一時間以上かけてお店に行って話を聞き、現場を見ることもありました」と振り返るように、人に寄り添う親身なマネジメントを徹底していきました。

以前失敗してしまった「傲慢な自分」とは決別し、信頼関係がより強固なものになっていきます。

3.3 起業への思い

順調に経験を重ねてきた塩崎さんでしたが、幼少のころからの思いである、「自分のやりたいことをやりたい」という思いは強く、いずれは起業しようと考えていました。

幸いなことに、クック・チャムの藤田社長が、社員の中から100人の起業人を作るというビジョンを持っており、独立を推奨していたことも塩崎さんを後押ししてくれました。

「惣菜に関わる企業の中で、クック・チャムを知らないところはほとんどないと思います。大手企業もたくさん見学に来るほどで、ここで経営を学ぶ企業も多かったです。そのような環境で経験を積めたことが、今の事業に生きていますね」

女性社員マネジメントコンサルタントの塩崎真士さんの講演会

4. 独立後の活動の幅を広げる

様々な経験をされて、念願だった独立を実現された塩崎さん。活動の幅を広げていく中で、志師塾と出会うことになります。

4.1 縁はコンサルタントのつながりから

起業からしばらくして、顔を売るために様々なコンサルタントの方と出会ったという塩崎さん。お話を聞いたり、書籍を読んだりする中で、コンサルタントの経験が詰まったセミナーを受講してみたいと考えるようになりました。

そして、人と人とのつながりから志師塾に出会います。塩崎さんは愛媛県在住のため、Web集客セミナーに参加した後、先生ビジネス開発講座のオンライン校への受講を決めました。

4.2 志師塾で学んだこと

志師塾では、自らのポジショニング分析や、サービスのコンテンツ作りを学んだそうです。

集客からサービス提供までの一連の流れの中で、いかにしてお客様を継続的に引き付けるかを理解し、盛りだくさんの演習や課題を通して、具体的なやり方を定着させることができました。また、講師の方と1on1で相談もできて、そこで課題が明確化されたことも良かったと振り返ります。

さらに、自分では思ってもいなかったような、自らの強みを気づかせてくれたことは、塩崎さんにとって大きな収穫でした。

起業当初は「人材育成をお手伝いする」、と特にターゲットを絞らずにいたそうですが、自分のとるべきポジショニングを検討していく中で、女性と男性の職場で経験を積んだことが強みだと、周りの方から指摘されて気づくことができたそうです。

女性社員マネジメントコンサルタントの塩崎真士さんの講演会2

5.現在の事業

5.1 事業の特徴

塩崎さんが手がける事業について伺いました。

「事業の中心は、企業の顧問契約でのコンサルや研修、スポットの講演です」

「社長からよく相談されるのは、将来幹部になる社員が積極的に部下とコミュニケーションをとるように教育してきたのに、なかなか実行できない、といったことです。テクニックやツールを習得しても、やった方がいいのはわかるのに、やらない理由を作って実行できないことが多いと思いますが、私はそのような人の背中を押すことというか、やる気にさせてモチベーションを上げることをミッションとしています。将来的には、メンタルトレーニングの活用者が多い、アスリートの支援にも取り組みたいと考えています」

5.2 モチベーションを継続させることのポイント

「モチベーションを継続させるためには、習慣化して、意識を無意識に変えることが大切です」と語る塩崎さん。

具体的には、”考える→書く→行動する”を繰り返すことで、思考を習慣化し無意識に行動できるようになるといいます。実際のコンサルタント活動においては、自分で考え行動して成果を上げる、自立型人材になることを目標に設定するように働きかけます。

「受講されたリーダーの行動が変わった。積極性が高まった。生産性が43%、店舗売上が37%上がるなどの効果があった」との社長の感想があるように、受講者の反響も大きいようです。

5.3 競合にはない、「笑人士」の強みとは

「ご縁があるすべての方々と私自身が、ワクワクして楽しく笑って、夢・目標を叶えていけたら」そんな塩崎さんの想いを社名の「笑人士」に込めています。

最後に、セミナーやコンサルを生業とする競合が多く存在する中で、「笑人士」の強みを伺いました。

「私には男性中心の会社と女性中心の会社で現場のマネジメントを経験した強みがあります。コンサルファームの出身の方は実際の現場の経験が少ないはずで、現場の中で、社員はもとより20~70代の幅広い年代のパートさんの気持ちを理解している方は少ないと思います。私は企業の社長さんの現場の悩みに共感して寄り添ったご支援ができます」

現場やマネジメントで、いくつもの成功と失敗を味わった塩崎さんは、現場感覚で経営者に寄り添い、夢と目標を実現していきます。

文:齋藤宏晃(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

追伸:士業・コンサル・講師・コーチ・セラピストなどの先生業の方は、仕事を獲得する「受注力」を高めることで、安定的に高額な仕事を受注できるようになります。

年商1,000万円以上を目指したい士業・コンサル・講師・コーチ・セラピストなどの先生業の方は、塩崎さんも学んだWebを活用し、高単価で安定的に顧客獲得するためのノウハウを、学んでみてくださいね。

先生業のためのWeb集客セミナー

関連キーワード

PAGE TOP
MENU
体験セミナー

TEL:03-5937-2346

カスタマーサポート(9:00 - 18:00 土日祝日除く)