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【卒業生インタビュー】写真を通して、教えることの喜びを 杉浦弘樹さん

杉浦弘樹(すぎうらひろき)さんは、主に企業向け広告の撮影を行うフォトグラファーです。特にモデルや芸能人、タレントなどの人物撮影において、魅力を最大限に引き出す撮影を得意とされています。

フォトグラファーとは、写真撮影を専門として活動する写真家のことで、写真撮影に加えて動画制作も行うカメラマンと区別されています。

志師塾での学びを通じて、杉浦さんは念願の写真教室を実現させました。教育に強い関心を持っている杉浦さんは教育事業のさらなる拡充に取り組まれています。

杉浦さんの現在の活動、これまでの苦難、志師塾で得たもの、将来の展望である教育事業についてうかがいました。

1.やさしい写真教室代表フォトグラファー

1.1 企業向けに多彩な撮影活動を行う

15年前にフォトグラファーとして独立した杉浦さんは、企業向けの写真撮影を中心に活動してきました。独立後、しばらくは個人で活動を続けていましたが、2016年に株式会社fotoを設立し、法人化。2017年にはFOTO代官山スタジオを開業しました。

このスタジオは、撮影の場所貸しだけでなく、自身の撮影スタジオとしても広告撮影やモデル・タレント・俳優・アーティストなどの宣材写真撮影に活用されています。撮影された写真は、企業広告としてECサイトや公式HPなどに使用され、多くの消費者に被写体の魅力を伝えています。杉浦さんの活動のうち、企業の広告関連が8割を占めています。

一口に企業広告といっても、杉浦さんの活動は多岐にわたります。稲垣吾郎さんと二階堂ふみさんが主演を務めた映画「ばるぼら」に関する取材撮影や実写映画「るろうに剣心」の現場スチールオフィシャル撮影、「オードリーのオールナイトニッポンin東京ドーム」と「脱出ゲーム」のコラボポスターの撮影など、知名度の高い作品やイベントの撮影を手掛けてきました。

直近では、みなとみらいで開かれていた横浜フランス映画祭2024で記録写真を撮影されています。また、企業向けの案件が多いため、資生堂SEA BREEZEの公式HPイメージおよび商品撮影など、商品のイメージビジュアルの撮影も多く手掛けています。

1.2 教育事業を育てる

杉浦さんは以前勤めていたフォトスタジオからの依頼を受け、系列の写真学校で講師を務めた経験をお持ちです。プロのカメラマンになるための技術を惜しみなく伝え、9年にわたって生徒が巣立っていくのを見守ってきました。

結婚し子供ができてからはワークライフバランスを考慮して講師業を降りました。しかし、杉浦さんはもともと人に教えることが好きで、教育というものに強い情熱を持ち続けています。

その一環として、「楽しく覚えるデジタル⼀眼⼊⾨」(コスミック出版)を2022年に出版しました。この本では、やさしい写真教室の先生である「杉浦先生」が会話形式で初心者向けにカメラの使い方などを解説しています。

さらには、写真教室を開講しました。これまでの経験を生かして、生徒にカメラ技術をレクチャする事業です。最初は対面で行っていましたが、広告撮影を行う杉浦さんのスケジュール調整が難しいという問題が発生しました。そこで、オンライン学習教材の制作に取り組んでいます。これにより、生徒は時間を気にせず学ぶことができ、杉浦さんも時間の制約を受けることなく写真教室を開講できます。今後も教育事業に注力し、さらなる成長を目指しています。

2.写真の世界へ飛び込むのは25歳になってから

2.1 杉浦さんの教育の原点

杉浦さんは母が小学校の校長、叔母が中学校教諭、叔父が高校教諭という、教育と身近な環境で育ちました。この影響から、ご本人も人に何かを教えることに興味を持っていました。教育大学への進学を目指しましたが、受験でうまくいかず、工業系の大学に進むことになります。

もともとカメラとは無縁の生活を送っており、最初の就職先は東京にあるIT系企業でした。その後、退職して名古屋の実家に戻った際に、一眼レフを借りて写真を撮り始めたのがカメラとの出会いです。杉浦さんは直感でカメラの道に進むことを決意しました。

それからは夜間の写真専門学校に1年間通います。この時期は写真に関すること以外は一切せず、昼間はカメラを使ったアルバイトを行い、ひたすら技術の向上に専念しました。その後、再び東京へ移り、フォトスタジオに入社します。

2.2 技を磨き、いざ独立へ

フォトスタジオでは、3回もの面接が行われ、撮影に対する熱意や技術を見極められた優秀な人材が入社してきます。全員がプロのカメラマンを目指し、高い志を持っています。スタジオには最大でも3年しか在籍できず、スタッフは独立を目指して技術を磨いていきます。杉浦さんもその一人であり、日々の研鑽に励みました。

日本の商業撮影をトップで走っているカメラマンが日替わりでスタジオを訪れるため、技術を「盗む」には絶好の環境でした。杉浦さんはスタジオでの勤務を通じて撮影の技術を高めていきました。チーフスタッフ、カメラマンアシスタントを経て、念願の独立を果たします。

2.3 人のつながりを大事にし、道を拓く

独立直後は、まだ生活ができるほどの仕事がありませんでした。勤務していたスタジオは場所貸し業ということもあり、直接撮影の案件をもらうことはできませんでした。杉浦さんはテレフォン・アポイントメントなどのアルバイトをしながら、知り合ったカメラマンのロケアシスタントとして働き、出版社などに写真を持って営業活動に赴く日々を送りました。独立してから1、2年は辛抱の時期でしたが、コツコツと努力を続けることで徐々に仕事が増えていきました。

その経験から、杉浦さんは人とのつながりを大切にし、さまざまな人に会うことが仕事の成功につながると実感します。フォトグラファーとしての仕事は技術だけでなく、営業力も求められることに気づきました。先述の講師業に携わることになったのはこの時期のことです。

元来、教えることが好きだった杉浦さんは、講師業に携わることで教育に対する熱意が再び強くなっていきました。フォトグラファーとしてのスキルと、教育に対する熱量を融合できないか。教育事業の立ち上げを模索しますが、この時点での杉浦さんはまだ具体的なアクションに落とし込むことができませんでした。

3.志師塾へ入り、念願の教育事業を実現する

3.1 写真教室と書籍出版を具現化するため入塾を決意

杉浦さんが志師塾へ入ろうと思ったのは、企業広告の撮影とは別に、新しく教育事業を行うためです。具体的には、自らのスタジオに生徒を集めて写真教室を開講する、というものでした。講師業の経験があったため、撮影だけでなく、人に教えることについても支障はありません。ただ、集客やPR、カリキュラム、料金体系などについては不明点が多くありました。それを志師塾で解消したいと杉浦さんは考えたのです。

そもそも志師塾の存在を知ったのは、知人に志師塾卒業生が2人いたからです。これまでの活動で培ってきた人脈がここでも役立ちました。それぞれから生の声を聞いたことで、杉浦さんは志師塾への関心を深めていきます。

また、入塾を検討する時点で入門者向け写真撮影の書籍出版の計画も進行中でした。しかし、書籍の執筆は思ったように進まず、編集者からの催促を受ける日々が続いていました。このままではいけないと感じた杉浦さんは、教育事業を行うためのノウハウを習得し、写真教室と書籍出版の二つを一緒に行おうと入塾を決断します。

3.2 段階を踏んでやることを推し進めてくれる

志師塾では、段階を踏んで行動するためのカリキュラムがあり、杉浦さんはこれに大きな助けを感じました。仕事に追われるなか、期限を設定し、タスクを明確にすることができたからです。杉浦さんは一歩ずつ確実に物ごとを進められるようになっていきました。

また、志師塾では徹底的に自己の棚卸しを行う課題があります。質問に答える形式で30,000字にもおよぶ文章を作ることが大変だったと杉浦さんはいいます。端的に回答するだけでは字数が足りません。付け足したり深掘りしたりと作業を進めていき、自分という人間に興味を持ってもらうにはどうしたらいいかと杉浦さんは頭を悩ませました。

やりたいことははっきりしていましたが、改めて自分自身と向き合うことで明瞭なビジョンを描くことができるようになりました。

3.3 仲間とつながり、仕事にもつながる

同期生とのつながりができたのも大きな収穫です。志を持つ受講生同士の出会いの場としてもよかったと杉浦さんはいいます。撮影とは全くかかわりのない異業種の集まりを通じて、お互いにいい刺激を与えあう関係を築きました。

同期生の会社のHP写真を撮るなど、仕事にもつながっています。同業だけでなく、異業種でも人脈を広げることに成功しました。同期生とのネットワークは志師塾卒業後も続いています。

3.4 写真教室も書籍出版もカタチに

志師塾での学びを通じ、杉浦さんは自身の考えを具体的な行動に移せるようになります。チラシを作成してPRを行い、実際に生徒をスタジオへ集めて写真教室を開催しました。フォトグラファーや元講師としてのスキルだけでなく、杉浦さんの柔らかい物腰もあり、生徒からは高い好評をいただいています。

一方で、実際にやってみて課題も見つかりました。教室に入ってきてもらう集客に改善の余地があると杉浦さんは考えています。営業活動を絶えずやっていくことの重要性を認識しました。

また、書籍の執筆には企画段階から2年半かかったものの、出版まで進めることができました。撮影の仕事に追われて執筆が進まない時期がありましたが、志師塾をきっかけに見違えるように前進していきます。

できあがった書籍では、杉浦さんが写真撮影の楽しさやノウハウをわかりやすく伝えています。表紙に「やさしい写真教室」と銘打たれている通り、カメラに不慣れな初心者の方でも撮影のコツを学ぶことができるよう、細部にまで配慮した構成になっています。同書は紙の本だけでなく電子書籍にもなっており、多くの人に読まれています。

かつては教育大学を目指し、教えるということに強い関心を持っていた杉浦さんは、撮影の世界で教育事業を展開させました。志師塾に入塾したおかげでマインドセットが変わり、具体的な行動に落とし込めるようになりました。教育への情熱が写真教室や書籍出版という形で具現化されました。

4.教育事業を拡充させる

4.1 人を集め、育てる

志師塾での学びを経て、杉浦さんは教育事業をさらに充実させています。その一つがカメラマンの派遣です。企業広告を多く手掛けている杉浦さんにとっては、企業の広告予算の執行される年度末が多忙になります。案件が立て込んでくると、同じタイミングで撮影を行わなければならない場面が出てきます。撮影という性質上、杉浦さんの裁量で業務を平準化するのは難しく、嬉しい反面、悩ましいところがありました。

しかし、撮影は人の個性が出やすい仕事なので、他の人に仕事を振ることが難しい仕事です。顧客の立場からしても、この人だからこそ頼んでいる、というのがあります。杉浦さんの代わり、というのは簡単に務まりません。それでも、他のカメラマンでもできる仕事については、杉浦さんは講師時代の教え子をアサインしています。

長年、生徒を見てきた杉浦さんにとっては、教え子たちは何が得意で、どういうことができるのかを見極めるのは難しいことではありません。教え子にとって最適な現場を割り当てることで、撮影品質を保つだけでなく、仕事の確保や撮影機会の提供を行っています。これも教育事業の一環です。

杉浦さんは信頼できるカメラマンを数名集めてグループを組織し、仕事を割り当てていけばまとまった動きができる、と考えています。こういった動きを一つずつ実行に移していけるのも、志師塾を通じて身に付けてきたスキルです。何をどうしたらいいのかわからない、と悩んでいた以前の杉浦さんの姿はもうありません。

4.2 入塾を検討されている方へ

最後に、志師塾への入塾を検討されている方へのメッセージをいただきました。

写真教室では集客やPRの方法がわかりませんでした。書籍出版では何度も編集者に催促されたまま2年半かかってしまいました。しかし、志師塾に入ったおかげで写真教室も書籍出版も実現できました。志師塾ではやりたいことを実際に形にしていく進め方やカリキュラムがしっかりしています。何をどうしていったらよいか、というところをわかりやすく教えてもらえますので、一人ではどうにもならない、という方には特におすすめしたいですね」

文:石川慶成(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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