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数字とロジックで経営と現場をナビゲート 〜パートナーCFO・高森厚太郎さん~

今回お話を伺ったのは志師塾卒業生、プレセアコンサルティング株式会社代表取締役の高森厚太郎さんです。

高森さんは数字とロジックで経営と現場をナビゲートするパートナーCFOとして、ベンチャー企業などへの経営コンサルティングを行っています。その傍ら、デジタルハリウッド大学大学院客員教授、パートナーCFO養成塾頭等も務め、事業や個人のプロデュースに注力されています。

2017年7月にプレセアコンサルティング株式会社を設立した高森さんは、これまでの経営企画をはじめとした管理部門の豊富な経験を生かし、企業経営における外部経営参謀&パートナーとしてサポートをしています。

今回の取材を通じて高森さんのパートナーCFO事業、パートナーCFO養成塾への取り組みや思いについてお伺いしました。

1.パートナーCFOとして活躍

1.1 パートナーCFOは外部経営参謀&パートナー

高森さんはパートナーCFOとして活躍されています。パートナーCFOは数字とロジックで経営と現場をナビゲートする外部経営参謀&パートナーです。基本は事業計画策定をはじめとした経営企画的な業務から資金調達等の信用施策、業績のKPI管理等を行います。それだけではなく、人事総務や経理・財務等に関する相談にも対応できるようにバックオフィスの全部門を所掌します。

通常、パートナーCFOを依頼する企業は上場をはじめ、何らかのビジョンを持っています。例えば、上場を目指すなら、経理・財務プロパーの人材をいつ頃採用して、どういう社内規程を作る必要があるか等、ビジョン達成のために現時点でやらなければいけないことを示します。クライアントの成長戦略をナビゲートしつつ、経営効率を上げ、企業価値を向上させ、ビジョン達成に向けてサポートしていくことが求められます。

高森さんは金融機関出身であり、事業企画、経営企画を経験し、管理部長や取締役の経験もあるので、管理部門全般のさまざまな相談に対応することができるバックグラウンドをお持ちです。そのためパートナーCFOとしてクライアントである経営者から厚い信頼を得られているのです。

パートナーCFOの高森厚太郎さん

1.2 パートナーCFOが必要とされる理由

CFOには専門性の高いスキルが求められます。内部で育成するには長い年月が必要となります。内部育成が難しいため、CFO人材を外部から招くには高額な報酬が必要な場合が多く、中小ベンチャーにとってはハードルが高いです。そのため資金調達や経営管理といった高度な案件の発生頻度がそれほど高くない段階においては、外部のパートタイム人材に依頼するのが望ましく、ニーズも高いと考えられます。

また、企業が成長するにつれ、どんな経営者も、経営・事業・組織などがわかり、経営マターの調査分析・資料作成・内外調整などを一手に引き受けてくれる客観的かつ実用的な存在が、常駐でなくとも近くにいてほしいと思い始めるものです。ここにプロ社外CFO(パートナーCFO)の存在意義があるのです。

2. パートナーCFO養成塾の立ち上げ

2.1 パートナーCFO養成塾を始めたきっかけ

高森さんがパートナーCFO事業を始めて約3年経ち、現在、7社と契約しています。引き合いは多いのですが、クライアントが10社、20社と増えると、自分一人では対応できなくなります。引き合いがあるのにもったいないなと思ったときに、自分の仲間にノウハウを教えればよいのではないかと思い付きました」

元々、グロービスで講師や研修コンサルティングの豊富な経験があり、カリキュラムの作成や教えることが得意な高森さん。これらの経験を生かして準備をし、2019年1月からパートナーCFO養成塾を立ち上げました。

パートナーCFOの高森厚太郎さん

2.2 パートナーCFO養成塾の受講状況

パートナーCFO養成塾の受講生は、第一期が2019年1月スタートで14名、第二期が2019年8月スタートで19名と順調な伸びを見せました。2020年6月スタートの第三期では、facebook広告を使い大幅な増加につなげようと考えていたところ、新型コロナウイルスの感染拡大により緊急事態宣言が発出。当初、リアルでの開催を予定していましたが、2020年5月の集客用のオープンセミナーは全てオンラインで開催しなければなりませんでした。

集客や受講相談もオンラインで行い、果たしてオンラインで受講生が集まるだろうかという不安がありました。結局のところ、第三期はリアルが15名、オンラインが10名の計25名が受講し、コロナ禍の影響はあまりなく、むしろ受講生は増加しました。2020年6月末からリアルで開催しましたが、この決定をしたのは4月末で、緊急事態宣言が発出されている最中でした。そのため「本当にリアルで開催できるのか」という不安を抱えていました。

パートナーCFOの高森厚太郎さん

2.3 志師塾との出会い

高森さんは2019年4月から6月にかけて志師塾の先生ビジネスを構築する講座を受講しました。パートナーCFO事業やパートナーCFO養成塾も立ち上がって、これからどうやっていこうかと考えていた頃に五十嵐さんの講座の案内が届きました。

五十嵐さんの講座は以前に先生ビジネス構築セミナーを受講した際に魅力を感じており、この講座に受講料以上の価値を感じ、「これまで本などを参考に自分で考えてきたものを棚卸しして、コンセプトの確認をしようと思い、講座を受講することにしました」

「志師塾ではコンセプトづくりなどでワークシートを作成し、議論をしながら、どのようにチラシ等に落とし込んでいくかについて、具体例を交えながら話を聞くことができました。そのため志師塾流のメソッドを仕入れて新たな発見があり、自分の全ての事業について、それほど間違いがなかったことが確認でき、とても有益でした。自分の頭の中の整理もでき、応用も効くので、受講してよかったと思います」

その後、志師塾の「リアル営業講座」を受講。「人はこういう見方をしている」「その人たちにどう働きかけるといいのか」等の手法を入手できました。それにより世界が広がりセールスに対する苦手意識も払拭でき、実績も出せました。自分のできることが広がったことで、自分の器が広がり、余裕が持てるようになりました。

2.4 パートナーCFO養成塾のプロモーション

第一期は、事前に説明会を行い、facebookの友人に案内し、まなびのマーケットのストアカで集客用のセミナーを行いました。第一期の受講生は知り合いが多かったです。

第二期は、第一期で行ったことに加え、ホームページを作成しました。第二期の受講生は半数ぐらいが知り合いで、残りが知り合い以外の人でした。

第三期は、第二期で行ったことに加え、facebook広告やメルマガの発行をしました。このときには一人ではやり切れなかったので、Web系に強い知り合いにマーケターをお願いしました。第三期の受講生は、ほぼ知り合いはいなくなりました。

第三期の集客で効果があったのは、2020年5月に「中小・ベンチャー企業 CFOの教科書」という書籍を出版したことです。この本の出版が高森さんの認知度を高め、信頼感を高めるのに効果があったようです。現在、第7刷になりロングセラーで売れているので、第四期の集客でもこの書籍で認知度が高まり、裾野の広がりを感じるようになりました。

3. その他の事業への取り組み

3.1 新規事業の学校「サクラサクアカデミー」への取り組み

2020年10月から新規事業の学校 サクラサクアカデミーをスタートします。

高森さん一人ではなく、新規事業のプロである銀行時代の同僚とともに始めました。研修講師経験の豊富な高森さんが講座を作り、一部上場企業の経営者とのつながりを持つパートナーが受講生集めをするというように、役割分担をしていました。

結果として15名の定員が満席となり、受講生には大企業の経営管理的な人やベンチャー企業の経営者もおり、さまざまなキャリアの受講生を集めることができ、「面白い講座」になりました。

3.2 コロナ禍における企業研修事業

企業研修事業はコロナ禍で大きなダメージを受けました。研修講師はグロービス勤務時代から約20年のキャリアがありますが、コロナ禍でリアルの研修が全て中止になりました。一部はオンラインに振り替えて実施できましたが、2020年の企業研修は売上でいうと、何分の1くらいに減少してしまいました。

企業研修は大きなダメージを受けましたが、コンサルタント事業やパートナーCFO事業は、特段ダメージを受けていません。また、パートナーCFO養成塾については少し増えています。会社全体で見ると前年より微減で済んでおり、「リスク分散できてよかった」と感じています。

4. おわりに

4.1 現在の事業の課題

「外部に協力者はいますが、当社は個人会社のようなものと考えています。この場合、自分のキャパシティが会社のキャパシティとなってしまうと考えています。そのため、パートナーCFO養成塾をもう少し広げたいとか、パートナーCFOを世の中に知らしめていきたいと思ったときは、結局は自分のキャパシティにかかっています。自分の枠をどのように広げていくかが課題であると認識しています」

「会社は結局、経営者の器以上には大きくならないとよく言われます。そのため自分の会社を大きくする、より充実させたものにするためには、自分の器をもっと広げていく必要があります。その一環として志師塾の受講というのもあったのかなと思います」

パートナーCFOの高森厚太郎さん

4.2 将来のビジョン

会社のミッション、ビジョン、行動指針として下記を掲げています。

『ヤバい』(面白くて役に立つ)会社・人の目利きとプロデュースを役割とし、ポテンシャルを最大化した『らしい会社・人』であふれる世の中を実現する。

  • ・Anything amused (なんでも面白がる)
  • ・Be professional (プロフェッショナリズムの徹底)
  • ・Client success (カスタマーサクセスの追求)

「『ヤバい』(面白くて役に立つ)会社・人の目利きとプロデュースを役割とするというのがミッション。ポテンシャルを最大化した『らしい会社・人』であふれる世の中を実現するというのがビジョン。Anything amused(なんでも面白がる)、Be professional(プロフェッショナリズムの徹底)、Client success(カスタマーサクセスの追求)というのが行動指針と考えています」

「現在、行っている事業は上記と符号することであり、私が得意とする領域です。そのため、将来的にはこの方向でさらに拡充していきたいと考えています。現在の事業をもっと大きくしていきたいとは考えていますが、従業員を増やすことは考えていません。社外での協力者をさらに広げることができればよいと考えています」

「経営コンサルティング事業でいうと、質の進化を目指していきたいです。クライアントに対して、どういうソリューションを提供すると、より会社の成長につながるかを考えて事業を行っていきたいと考えています。これに対して、パートナーCFO養成塾については量の進化を目指していきたいです。講座の内容は完成しているので、受講生をさらに増やしていきたいと考えています。受講生を増やすことがパートナーCFOというものを世の中に出すことにつながっていくので、もっと受講生を増やしていきたいですね」

4.3 パートナーCFOの普及を目指して

「企業研修については約20年間という豊富なキャリアを持つ高森さん。マーケティングや会計・財務等の分野については、コンテンツがかなり豊富にそろっていますが、研修講師は高森さん一人しかいません。充実した研修のコンテンツをもっと活用できそうです」

「研修のコンテンツはあるので、ほかの人にライセンスを供与して研修講師をしてもらう方法が考えられます。また、ある程度の規模の会社で、コーポレートユニバーシティという方法で行うことも考えられます。高森さんは企業研修事業の拡充のために、この辺りのことを今後どのようにするかを考えていきたいと思っています」

「パートナーCFOという新たな事業を展開されている高森さん。中小ベンチャー企業の外部経営参謀&パートナーという立ち位置で活躍されています。社外のCFOとして経営者のさまざまなニーズに応えつつ、パートナーCFOを養成し増やしていきたい」

と話してくれました。中小ベンチャー企業での社外No.2、パートナーCFOが広く一般に普及する社会の実現を目指す高森さんのさらなる活躍に期待したい。

文:笹原和男(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

追伸

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