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【卒業生インタビュー】 日本人の金融リテラシーを高め日本全体を元気にしたい ~資産倍増アドバイザー山邉徳厳さん

今回お話をうかがったのは、志師塾卒業生の「資産倍増アドバイザー」山邉徳厳(やまべのりたか)さんです。

山邉さんは、生命保険会社などに勤務された後、2019年にファイナンシャルプランナーとして独立開業されました。現在は横浜市を中心に、個人および中小企業向けに資産形成や資産運用のアドバイスを行っています。

今回の取材では、山邉さんがどのような想いで活動されているのか、志師塾を選んだ経緯や志師塾で学んだノウハウとはどんなものか、そして今後目指したい方向性とは何か、などについて語っていただきました。

1.顧客視点で感じたモヤモヤが事業展開の源泉

1.1 やりたいことをやろう

「私のサービスは、個人向けに行っている資産運用アドバイスと中小企業向けに行っている確定拠出年金の導入コンサルティングの2本柱です」と丁寧に語り始めてくれたのは、横浜市でファイナンシャルプランナーとして活躍する山邉徳厳さんです。

▼山邉さんの主な事業

  • ①個人向けの資産運用アドバイス
  • ②中小企業向けの確定拠出年金導入コンサルティング

約15年間の生命保険会社での勤務や、生命保険会社の営業スタッフ向けの研修会社で勤務したキャリアを持つ山邉さん。40代以降の人生を考えた際、「次は自分がやりたいことをやろう」と決意し、2019年に独立開業しました。

「20代の頃、勤め先を石油会社から生命保険会社に移した時のことです。その生命保険会社では生命保険以外の金融商品も扱った幅広い提案を行っていく、という話を事前に聞いていたのですが、いざ入社してみると販売商品はほとんどが生命保険のみという状態でした。それならばと保険販売に注力して営業活動をしていましたが、顧客のことを考えるとやはり幅広い提案を行ってあげるべきだと、モヤモヤした気持ちはずっとありましたね」

この生命保険会社時のモヤモヤが、ファイナンシャルプランナー資格の取得、そして将来の独立開業へといざなうことになりました。

1.2 個人向け資産運用アドバイス

FP事務所での最初の事業は、個人向けからスタートしました。
「これはよく言われることですが、やはり日本人はお金に対しての意識が低いと感じます。積極的にお金を増やしていくという考えを国民皆が持たないと、日本全体が元気にならないと私は考えています。日本全体を元気にするためにも、私が資産運用をきちんと語れる存在になるべきだと思いました」

そんな想いもあって、山邉さんは毎月、個人向けに資産運用セミナーを開催しています。
「セミナーの主な対象者は女性です。自分なりに品質にこだわって磨いてきたので、その内容には自信があります。セミナー参加からご相談へと発展する割合も高く、現在の顧客の多くは個人の方が占めています

1.3 企業向けコンサルティング

2本目の柱である中小企業向けの確定拠出年金導入コンサルティングは、山邉さんが感じた、とある問題意識をきっかけに始められたそうです。

「現在、中小企業が従業員向け退職金制度として活用しているのは中小企業退職金共済が主なのですが、これでは退職金の長期的な資産運用ができません。これはよろしくないなと思いました」

「また、現在さまざまな業者が確定拠出年金の導入コンサルティングを行っていますが、私が問題に感じていることがあります。彼らは確定拠出年金の導入メリットとして、社会保険料の削減を訴求していますが、その案内だけではダメなんです。選択制確定拠出年金制度を活用する中小企業の場合、制度を導入した後に、従業員自身が確定拠出年金の掛け金とするのか、それとも今まで通り給料として受け取るのかを選択する必要があります」

導入メリットである社会保険料の削減につなげるには、従業員が確定拠出年金の掛け金の方を選ばないといけません。ところが、多くの中小企業では、制度を導入した後も、従業員は変わらず給与を選んでしまっています。理由は、経営者が業者の提案で確定拠出年金を導入するものの、従業員に正しく理解されていないからなのです」

この問題意識から、山邉さんは経営者と従業員双方の利益を考え、確定拠出年金の導入検討の際には、従業員向けの説明会を開いてもらうよう必ずリクエストをしています。そうすることで、確定拠出年金制度の魅力や掛け金を選択することの重要性を理解してもらえるといいます。
従業員アンケートを取ると、従業員のほとんどが制度を理解したうえで、導入してほしい、と回答してくれます。なので、とてもスムーズに導入へと進められるんです」

2.志師塾入塾前の課題感

2.1 セミナーの提供方法への関心

2019年5月にFP事務所を立ち上げた際、顧客開拓の手法としてセミナー開催を考えていた山邉さん。その手法を習得すべく、まずはセミナー運営に長けた事業者の下で修業することにしました。セミナーのサポートを通じてノウハウを蓄積し、いよいよ自分でもやってみようと決意したその時、世界全体を新型コロナウイルス感染症が襲いました。

ビジネス環境が一変する中、このままセミナーを展開するべきか、Web集客を充実させるべきか、それとも交流会などに活路を見出すべきか。コロナ禍での顧客開拓方法について、改めて思案することになりました。そして、2020年8月、山邉さんは志師塾のオンラインセミナーを知り、参加することになるのです。

「日本国内で新型コロナウイルス感染症が急拡大してから約半年のタイミングながら、志師塾はオンラインにもかかわらず、とても精度の高いセミナーを実施していました。集客ノウハウだけでなく、オンラインセミナーのノウハウも短期間でしっかり蓄積されているのがわかり、これは本物だなと感じました。これまでいろんな人のセミナーを見てきましたが、志師塾の五十嵐代表から学びたいなという気持ちになりました」

この時の印象が忘れられず、新型コロナウイルス感染症の猛威が少し落ち着いた2021年10月、山邉さんは志師塾への入塾を決意します。

2.2 マーケティングを学ぶ必要性

「私は石油会社と保険会社での勤務経験が中心なので、マーケティングの経験は豊富ではありません。もちろんお金を払って専門家にマーケティングを支援してもらう手もありますが、私はマーケティングは経営の基本だと思っているので、自らある程度基礎的なところを学ぶのは必要だと考えていました」
山邉さんの考えは、自らが先生ビジネスを成功させる受注力を開発し顧客獲得のしくみを作り上げる、という志師塾のコンセプトと見事に合致していました。

3.志師塾での学び

3.1 気づきを与えてくれる異業種の仲間たち

山邉さんが参加した「先生ビジネス開発講座」は2021年12月から始まりました。1年間のプログラムは大きく2つに大別されます。前半6ヶ月は「開発期」と呼ばれる知識を得て受注力を伸ばす期間であり、後半6ヶ月は「実践期」と呼ばれる学びを実践し顧客獲得のしくみを作り上げる期間です。

「私が参加した第72期は、原則リアル開催で講座が展開されました。私にとってはそれがとても良かった。講義で知識を得るだけでなく、同期の仲間と密に触れ合えたことが研修成果を高めてくれました」

山邉さんと同期の入塾者は総勢25名。毎回課される課題は5人ごとに分けられたチームで進めていきます。チームを組んで能力開発にあたるのは、個人単位で進めるよりも進捗が良くなるうえ、相互で刺激し合うことにもつながり、成果を早く実感できるためです。山邉さんのチームには建築士や社労士、アナウンサー、不動産会社経営者といった、自身とは異なる業界の方々が参加していました。

「私たちのチームは、週に1回オンラインミーティングを行いました。進捗状況を確認することで、チームメイトの頑張りがわかり刺激になるんです。それに自分と異なる業界の人たちだからこそ言える意見があって、それが自身にはない着眼点だったりして、とても参考になりました」

同じ職種同士の交流では得られない刺激や情報を得られるように、志師塾ではキャリアや業種がバラバラな人たちとチームを組むことも多く、その点に満足する受講生がとても多いのだそうです。山邉さんはこの同期たちとの絆を大事にしており、卒塾した現在も2ヶ月に一回集まって情報交換をしています。

3.2 棚卸で再認識した自分の生き方

「先生ビジネス開発講座」で最初に行うのは、塾生自身の人生を振り返る棚卸作業です。普段は忙しさからそうした機会もなかなか持てない塾生たちですが、志師塾でじっくり時間をかけて自身の人生を振り返るよう命じられるのです。
「棚卸をしていて、小学生の頃に生徒会副会長に立候補して、全校生徒がいる場で演説をしたことを思い出したんです。そして、その時緊張せずワクワクしたことも。その記憶から、やっぱり私は人前で話すことが好きなんだ、セミナー営業はやりたいことなんだ、と気づけたんです」

山邉さんがこの記憶を呼び起こすことになったのは、「30,000字で自分の人生を振り返る」という志師塾から与えられた課題があったからこそでした。このアプローチとチームメイトとのやり取りにより、自身の過去と脳内を整理することにつながりました。
そして、自身のやりたいこと、やれること、他者との差別化なども突き詰めて考えた結果、山邉さんは「資産倍増アドバイザー」という自身のオリジナルコンセプトを考案しました。想いを詰め込んだ言葉だったといいます。

3.3 講師との個別相談で気づけたもの

自身のコンセプト以外にも、志師塾のおかげで、これまで想定していなかった集客方法を知ることができたという山邉さん。後半6ヶ月間の実践期では、講師との個別相談機会を積極的に活用していきました。

「セミナーにおけるチラシ作りの重要性や作成方法、交流会での自身の売り込み方法、確定拠出年金のマーケティング方法など、講師との個別相談で教えていただきました。この時も、やはり彼らはマーケティングのプロだなと実感しましたね。このノウハウは今とても役に立っています」

4.学びの実践と今後の展望

4.1 多様な顧客開拓手法の実践

独立当初は口コミや紹介が中心的な顧客開拓手法だったものの、志師塾での学びを機に、多様な顧客獲得方法があることを知った山邉さん。今ではセミナーや広告出稿、生命保険会社の営業マンとの連携やオンライン勉強会の開催、経営者交流会への参加など、さまざまな顧客開拓手法に積極的に取り組んでいます。

「経営者とは直接会うべきだとの考えに至り、経営者交流会には複数の団体に参加しています。志師塾では、やるなら3つやれ、と教わるんですね。その教えを忠実に守っています。ネットワークが着実に広がっていくことを実感しています」

4.2 今後の展望

顧客開拓手法を広げ手応えを感じたことで、もう少しスピード感をもって事業展開したい、と考えるようになり、卒塾後に5ヶ年の事業計画を作成してみたそうです。

「生命保険業界の未来を見通し、金融商品販売ビジネスがこの先どうなっていくか、手数料ビジネスがどうなっていくか、を考えました。そして、顧客ニーズの変化を考え、今後は投資アドバイザー業にも進出すべく、今はそのための準備を考えています。金融商品に関する深い知識や継続的なサポート体制も不可欠でしょう。5ヶ年計画を作ったことで、その基盤をこの5年間で作ろうと決心することができました

山邉さんの言葉には、志師塾との出会いによって、顧客獲得方法を学ぶにとどまらず、「資産倍増アドバイザー」の未来をよりクリアに見通せた成長実感が、端々に感じられました。山邉さんのさらなるご活躍が、筆者は楽しみでなりません。

文:小野慎介(中小企業診断士/株式会社シナリオメイク代表取締役)/編集:志師塾編集部

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