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【卒業生インタビュー】 ビジネスに求められる能力を大喜利で楽しく育む 〜大喜利ファシリテーター・山本ノブヒロさん〜

みなさんは大喜利と聞くと何を思い浮かべますか?

落語家やお笑い芸人が数名並んで、あるお題に対して面白い回答をしていく。テレビや劇場ではそんな光景が映し出されますね。

今回ご紹介する大喜利ファシリテーターの山本ノブヒロさんは、その大喜利を通して社会人に求められる能力育成などの研修をされています。大喜利を使ってどのように能力研修をするのか、そう疑問に思われる方もいるかもしれません。

山本さんの大喜利を活用した研修と、それを拡散するために志師塾をどう活用されたのか、山本さんの開発した「大喜利メソッド」をご説明いただきながら紹介したいと思います。

1. 大喜利のチカラをビジネスの世界に

1.1 大喜利メソッドを活用したビジネス研修

「大喜利はお笑いのコンテンツとしてテレビで見る方が多いと思います。ですが、研修の目的は、私自身が面白いことを言う、アイデアを提供したりする事ではないんですね」と山本さんは真顔で話します。アイデアの創発力の開発や、発想力・表現力の向上という研修もできるそうなのですが、今取り組んでいるビジネス研修の目的は別にあるようです。

その目的とは、参加者自身がお題にボケるという行為を通して、コミュニケーションスキルや本質を問う力、課題発見・解決する力を磨くこと。研修は新人から管理職まで幅広く取り組まれていて、最も人気が高く評判も良いのはリーダー管理職向けの研修なんだそうです。

その際に、山本さんは研修を活性化させるために独自の「大喜利メソッド」を用います。それは「ボケるメソッド」「ウケるメソッド」「問うメソッド」「場作りのメソッド」の大きく4つからなるそうで、さらに細分化すると20を超えるといいます。

「良いボケが良いウケを呼び、それはお題に常に左右され、ボケを飛び交いやすくするためには場作りが必要になります。つまり、これらのメソッドは別々のものではなく相互に作用しているわけです。元々は、自分がよりボケやすく、より面白いものを探すために考えたメソッドなんですが、仕事の会議やアイデア創発、コミュニケーションの場作りに使ったりできないかと考えビジネス研修に活用しています」

山本さんは研修の他にアイデア創発セッションなどの監修もされています。しかし、これらの商材も形が異なるだけで、本質は大喜利メソッドの活用と大喜利ファシリテーション「お題にボケる」の効果や魅力をお届けすることと変わりはないのだと教えてくれました。

1.2 大喜利ファシリテーターとは

 私たちは、常日頃ファシリテーションという言葉を「会議の議事進行を円滑に勧める道具」という意味で使っていないでしょうか。山本さんはファシリテーションの原義は便利化・最適化であり、大喜利ファシリテーションという概念もそうであると語ります。

「大喜利ファシリテーションは、相手や目的、状況に応じて、最適なお題、ルール、MCを用意して、最も効果の高い大喜利体験をお届けすることなんです。具体的には、会社の中でコミュニケーションが低いなら、お互いにもっと興味が出るような大喜利を提供し、営業担当者が客先で雑談を苦手としているなら雑談力がアップするような大喜利を提供する。目的と状況に合わせ大喜利を組み替えて研修を提供しています」

山本さんは、大学で教育社会学や学習環境デザインを学んでいましたが、当時は将来のことまで考えていなかったそうです。ところが、そこでの学びが大喜利ファシリテーションにはとても生きていると振り返ります。

大喜利ファシリテーターの山本ノブヒロさん2

2.B to C から B to B、B to Gへ

2.1 志師塾に応募したきっかけは…

山本さんと志師塾の出会いは、志師塾の運営会社が提供しているバーチャルオフィスに興味を持ったことから始まります。その際、担当者から志師塾のオープンセミナー(先生ビジネス構築セミナー)を勧められ、興味を持って参加したそうです。

その時のセミナーが、志師塾代表五十嵐さんの「自分の持っているものをどのように相手に届けるか」という内容で、山本さんの琴線に触れます。

「大喜利で研修を始めようとしていた時期で悩んでいました。お問い合わせをいただいて仕事につながることはあったのですが、どのようにしたらもっと多くの人へ届けられるか試行錯誤していたからです。ですからこのセミナーを聞いて、自分だけで考えるのではなく、先生ビジネス開発講座に参加して人に指導されたり考えたりするのもいいかもしれないと思い志師塾に入塾しました」

そこから山本さんの志師塾での学びが始まります。

「士業、先生業と一言でいってもいろいろなジャンルのいろいろな個性、世代の同期がいます。彼らと同じ課題に取り組んで、時には助け合ったり競争相手になったり。自分のビジネスを世に出したいとかそのビジネスをスケールさせたいという共通目的のもとに学び合いができた事が刺激的で良かったです」

志師塾では受注力を伸ばすための知識だけでなく、スキルを高めるための実践の場も用意されます。「作ったチラシを誰かに見せてくるというセッションもあったんですよね。机上で学ぶ知識だけでなく実際にチラシを作成する中で、試行錯誤していかなければスキルは身につかないということを教えてくれました。実践できた人間だけがその成果を得られると自分自身で感じることが大切なんでしょうね」

2.2 法人向け事業に取り組んで

山本さんは、2019年より大喜利メソッドの法人向け事業を始めました。今までは講座参加者個人にアプローチをしていましたが、法人向けの事業には個人向けとは違った大変さがあるようです。

「市民講座に人を呼ぶ時は、その人の興味を喚起して興味を満たせばいいんですが、法人案件を受注しようと思うなら、当然ですが法人の決裁を取らなければならないんです。だから、目の前の担当者ではなくて、その向こう側にいる決裁者にまで納得させられる発信力がないと成約につながらないんです」

法人営業の場合、研修内容を説明する相手は法人の担当者であって、決裁権限をもっている人はその場にはいません。でも、決裁者に研修の良さが伝わらなければ成約が得られないので、そのために向こう側にいる顔も見えない決裁者にどうやって首を縦に振ってもらえるように伝えるかは常に課題となります。

そんな法人向け事業への取り組みとして、山本さんはウェブサイトの改編に取り組んでいます。

「法人向け研修に関して、ウェブサイトを通じてどう見せるかを考えています。僕は、相手が求めているところにパズルのピース(相手の求めているもの)を届けることが全てだと思っています。具体的には、活動やメソッドを掲載したサイトと別に、先方のニーズごとのランディングページ(訪問者のアクションを誘導することに特化した縦長のレイアウトのページ)を作ろうと思っています」

例えば、離職防止やコロナ禍での社内コミュニケーション、課題発見能力やOODAループに特化するなど時代の趨勢を反映させた内容が、相手が求めるものに合致しているか常に考えているそうです。この点はご自身もまだ完成には至っておらず、油断せずに注力をし続けたいといいます。

2.3 経済産業省のワークショップを監修して

山本さんは、企業向けだけでなく経済産業省に対しても大喜利を使ったワークショップを監修しています。「2025年に開催される大阪万博に関して、地元大阪以外の関西在住の方に対して参加型のイベントとして大喜利ワークショップを企画しました。別の仕事で一緒になったコンサルタントの方に大喜利を使って万博を盛り上げられませんかと相談されたのがきっかけです。企画を練って経済産業省にプレゼンに行きました」

行政との取引で一番気をつけることは信頼なんだそうです。万博の件にしても、ただスケッチブックを持参して実演するだけでなく、15〜6ページのスライドからなる提案資料を持参して丁寧に説明しました。

「役所に出しても納得してもらえるような資料が作れるか見られていたと思います。また、他の人と比較された時にこの人は信頼できる先生だなとか、この人に任せても大丈夫だなとか思われるマナーについても求められたと感じました」

それらはB to B取引で求められるものと同じだ、と考えているそうです。新規の会社さんからの契約をとる時も全く同じことが言えます。そのために資料、身だしなみや態度を含めてこの人と仕事しても恥ずかしくないと思われるように取り組んでいるといいます。

大喜利ファシリテーターの山本ノブヒロさん3

3.大喜利メソッドで日本を救う

3.1 これからの日本に必要な人材は「ボケ型人材」

「僕は、ボケは提案であり感性の発信であると思っています。そのボケを、『これ、面白くありませんか?』とスベるかもしれない覚悟で発信してくれる人がいるから世の中が反応して動いていくわけです。その感性を発信できる人間のことを、僕は『ボケ型人材』と呼んでいます」

山本さんは、これからの日本においてはボケ型人材が不可欠であると説きます。

「世の中に感性を発信できる人間を増やすことは、変化に対応するために必要なことです。いろいろなものが混在し、ルールもどんどん変わっていく昨今、マルバツで答える問題の価値は下がってきています。つまり、答えがひとつに固定されるものから日々変化するものに変わったんです。では正解のない問いに対して具体的には何をすればいいのか。それは、納得解をひたすら探し続けること、最適解をひたすら更新することだと思います」

変化する答えを見つけるためには、クリティカルシンキングによって「これで本当にいいのか」ということを客観的に問い続けることが求められます。そこで求められるものが、提案することだと山本さんはいいます。自分が今思っていることを発信できる人材を、ビジネスシーンだけでなく地域や学校にも広めていきたいと考えているそうです。

3.2 老若男女に大喜利を体験してもらうための講座「ひなどり」

山本さんはボケ型人材を育成するため、学校や教育現場からの依頼については積極的に取り組むようにしているそうです。若い世代に感性を育んでもらうことは自己肯定感を高めることにもつながっていて、高校の授業や大学キャリアセンターでの活用もされています。

「なるべく多くの人に大喜利体験を通して、提案することの楽しさや大切さを身につけて欲しいと本当に思っています。ですから、どんなに忙しくても一般の方向けの体験講座「ひなどり」は続けていきます」

山本さんは2018年からこの講座を続けており、多種多様な人々に大喜利の魅力を広く届けるための大切な場であると考えています。また、毎回新しい参加者との出会いがあるため日々がチャレンジであり、自分の大喜利ワークショップの質を担保するためにも必要不可欠なものになっていると語気を強めます。

「どんな方が参加するかわからない講座で、僕の持っているノウハウを相手にお届けできるかを常に試し続けます。この講座の質を担保し続けることが、ボケ型人材を本当に広めるために僕が継続すべき研鑽だと思うんです」

大喜利ファシリテーターの山本ノブヒロさん4

文:石川一仁/編集:志師塾編集部

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