横尾将司(よこおまさし)さんは、20代で税理士資格を取得後、税理士法人勤務、大企業の経理・税務業務担当、商社の起業(現在4社経営)を経て、2023年6月に横尾将司税理士事務所を開設します。
それぞれの職場と起業で培った知識・経験を活かし「経営者目線の利益UP税理士」として活動。小規模事業者を対象に、一般的な税理士業務だけでなく、経営者の課題解決に寄り添い、一緒に経営をサポートしています。
今回、横尾さんの税理士および経営者としてのこれまでの軌跡や、志師塾に入ろうと思ったきっかけ、そこで学んだこと、今後のビジョンについて、お話を伺いました。
1.豊富な経験と実績が一番の強み、経営者を支える若手税理士
1.1 経営者目線の利益UP税理士
2023年6月、過去の自分と同じように悩む経営者に会計税務支援もしたいという強い想いから 、横尾さんは税理士事務所を開業します。主なお客さまは中小企業や一人社長の法人などの小規模事業者です。
中小企業に合った資金繰り術をアドバイスすることで、これまでに多くの会社の事業の安定化に貢献し、コンサル初年度から100万円以上の資金繰り改善をいくつもの会社で達成しています。
しかし、現在に至る道のりは決して平坦なものではなく、数々の困難とそれを乗り越えた経験に支えられています。
1.2 簿記から始まる税理士への道
20代で税理士資格を取得して以来15年以上にわたり活躍する横尾さん。税理士を目指したきっかけは大学時代に履修した簿記の授業。 すべての事象が「勘定科目」で表現され、「借方」・「貸方」は必ず一致するという点に数学的な面白さを感じました。
そして税理士である担当教授の進言で受験した簿記3級は見事に独学で一発合格。この時の成功体験は、自分が数字と向き合う仕事に向いていると気づかせてくれるものでした。
それから進路を税理士と公認会計士に絞り、最終的に税理士を目指す決め手となったのは、「ある一冊の本に書かれていた『税理士は経営者の町医者的な存在で、そばでサポートする職業』この役割が自分には合っている」というものでした。
1.3 1円単位から億単位の取引まで、日本有数の大企業での経験
大学卒業後、横尾さんのキャリアは会計事務所で比較的小規模の会社を担当するところからスタートします。主な担当はIT系のスタートアップ企業や個人事業主など、比較的小規模でこれから成長していく会社でした。そこで税理士試験の学習過程で学んだ事例とは全く異なる、リアルな現場の状況を目の当たりにします。
会計事務所で経験を積むにつれ、横尾さんはより多くのお客様をサポートするために、今の自分に足りないものは一体何なのか、客観的に自分を見つめなおします。
こうして辿り着いた答えは事業会社への転職。「新卒で会計事務所に入ったため、どのように会社が回っているのか、組織構造や役割がイメージできていませんでした。経営者に数値的なアドバイスはできるけれども、そこに自分の知識・経験が伴っていない部分があると考えました」
東証一部(現在の東証プライム市場)上場の自動車メーカーに転職した横尾さんは経理部で働き、社員の1円単位の取引から世界中で200社を超えるグループ会社の億単位の取引まで、幅広く担当することになります。
この時の経験を「様々な規模の取引に携わることで一気に視野が広がりました。組織の役割や構造も学ぶことができました」と力強く語ります。
2.商社を起業して自ら経営者に
2.1 エンドユーザーとの接点を求めて経営者に転身
日本有数の大企業で経理の経験と実績を積み上げる横尾さん。しかし10年ほど働いた頃、キャリアの悩みに直面します。熟考の結果、横尾さんは「直接お客さまと関わり、ありがとうと言ってもらえる仕事をしてみたい」と感じ、長年勤めてきた会社を辞めて、輸入商社を起業します。
「これまで経理として、会計・財務・税務などに関するサービスで社長や株主に喜んでいただけた実績はありましたが、エンドユーザーに接することはありませんでした。そしてこれからもこのような形で働くことが良いのだろうかと熟考し、自身が直接エンドユーザーへ何かを提供し、喜んでいただけたら、それはきっと大きな喜びにつながるのではないかと思いました」
異業種での起業というチャレンジでしたが、会社は瞬く間に成長し売上高は5,000万円に到達しました。
2.2 大手志向が招いた資金繰りの苦労
順風満帆に思えた横尾さんの経営者としての船出は、やがて新型コロナウイルスの猛威によりたちまち暗雲が立ち込めます。世界中の物流がロックダウンにより麻痺してしまい、あっという間に商品の仕入れが叶わなくなったのです。
在庫の欠品は輸入商社にとって致命的です。そこで横尾さんはロックダウンが一時的に解除されるわずかな期間に、大量の仕入れを実行します。しかしそこに落とし穴がありました。大企業の感覚に慣れてしまっていたため、 仕入れを重視するあまり手元資金への意識が薄くなってしまったのです。
「これまでの失敗で得られた2つの点が今の自分を大きく成長させてくれたと思います。1つめは経営判断を大企業の思考で考えていたこと。2つめは会計税務サポート能力と会社経営能力は大きく違うということです」
「会計事務所時代、経営者の方に伝えていたアドバイスは会計事務の側面から大事なことでも、実際の現場では予期せぬトラブルでその通りにいかないケースが数多くあるんだと痛感しました。また小規模事業者は限られたリソースで物事を進めなければいけない。そのうえで大企業には真似できない、小規模事業者だからこそできることも数多くあると気づくことができました」
幸いにも、過去の実績によって、資金調達でき黒字倒産の危機を回避することができました。この時に痛感した資金繰りの悩みは、現在の横尾さんの活動の礎になっています。
3.志師塾での学びと仲間との出会い
3.1 先生業における仕組み作りの大切さ
輸入商社に続き輸出商社と教育業の会社を新たに立ち上げ、横尾さんは経営者としてのスキルを磨きます。同時に人脈は会社員時代とは比べ物にならないくらい広がり、多くの経営者仲間と出会います。
ある時、志師塾の卒業生から安定してお客さまを獲得し続けるには、「仕組み」を作ることが重要であり、その仕組み作りにおいて志師塾は他塾と比べて卓越していることを教えてもらいました。
税理士事務所の開業を控えていた横尾さんは、今自分に必要なのは志師塾のような経営塾であると考え、開業とほぼ同時に志師塾に入塾します。
3.2 分かりやすい説明とは専門用語を捨てること
もう一つ横尾さんが志師塾で感銘を受けたのは、教える側が専門用語を使わないということでした。
「志師塾では専門用語を使わず、誰にでもわかる簡単な言葉に置き換えて説明してくれます。例えばマーケティングでいうと「ペルソナ」や「ターゲット」という言葉がありますが、こういった専門用語を一切使わずに専門外の人にも分かりやすく説明してくれるのです」
「これは自分も大切にしていて、お客さまに何かをお伝えする時は極力簡単に、伝わる・分かりやすい言葉で説明することを心がけています」
3.3 売上や集客に悩んでいる先生は志師塾へ
「志師塾に入るまでは私が税理士として活動するビジネスモデルについて、ぼんやりとしたイメージはあったものの明確ではありませんでした。どのようにお客さまにアプローチして、何を決め手に選んでもらうのか、こういったプロセスが具体的ではなかったのです」
「志師塾では顧客獲得に必要なノウハウを体系的に学ぶことができます。誰に、何の商品・サービスを、どのように提供するか、志師塾で徹底的に検討したことにより、自社のサービスがお客さまに選ばれる理由を、説得力をもって表現することができるようになりました。その結果、顧問契約(低コスト・効率重視プラン、事業拡大支援プラン)と集客支援という現在の二つのサービスの作成につながったのです」」
また、多くの先生業の方が集客に苦手意識を持ち悩んでいますが、横尾さんはもともと経営者として培った集客能力を得意としていました。そのうえで志師塾での学びと実践により、クライアントがただ集客できるだけでなく、お客さまに伝わりやすく選ばれる理由を明確にするサポートができるようになりました。
「先生業の方は誰しもが自分の強みや、こうなりたいという姿を持っていると思います。ただし、それが抽象的で相手に伝わらず理解してもらえない人も少なくありません。現在、売上や集客が伸び悩んでいる人は志師塾で学ぶと良いでしょう」
志師塾から得たもう一つの財産は、幅広い人脈やコミュニティです。「会社員時代は先生業の方と出会うことはなく、志師塾のおかげで一気に交友関係が広がりました。志師塾生の中には、実際にお客さまになっていただいた方もいます」
さらに横尾さんは自らの強みである集客スキルを活かして、集客講座を立ち上げ、一般の受講生のほかに志師塾生にも学びの場を提供しました。これも志師塾が主催するコミュニティや、志師塾が提唱する1to1などの機会を活用して実現できたことです。
4.今後のビジョンと目標
4.1 独立まで遠回りをしたからできること
一般的な税理士は事務所でスキルを高め資格取得後に独立します。一方で横尾さんの場合は、税理士事務所で働いた後に事業会社でキャリアを積み、商社等の経営者を経て独立しました。
「私は一般的な税理士と異なり税務、財務だけでなく、集客など様々な経営課題の解決まで実体験をもとにサポートできます。通常よりも独立まで遠回りをしましたが、この経験があるからこそ、税理士である前に1人の経営者として、中小企業の社長と同じ目線で集客をサポートする。同時にお金を残すアドバイスを行うことでその会社の成長をサポートしたいと考えています」
4.2 すべての社長が決算書を読める世界を作りたい
前述の通り、横尾さんは輸入商社の経営で一時的なキャッシュ不足による黒字倒産の危機を経験しています。この時の要因を横尾さんは「目先の直感・判断に頼り、試算表という会社の健康状態を見て正しく判断できなかったため」と考えています。
そして、「実体験をベースにすべての社長が決算書を読める環境を作り、社長が手もとにお金を多く残せるようになることで本当にやりたい社会貢献が実現できる世の中を作りたい」と力強く述べました。
世の中の会社は99%が中小企業。同じ中小企業経営者として、経営の役に立ちたい、すぐ隣でサポートしたい。理想の世界を実現するために、これからも横尾さんの活躍は続きます。
文:杉本剛(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部
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