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副業がバレない方法はある?会社に知られる4つの経路と揉めない進め方

「副業が会社にバレない方法はあるのか」「住民税でバレると聞いたけれど本当か」。会社員のまま副業を考えると、まずこの不安が浮かぶ方は多いはずです。

先にお伝えすると、この記事は「バレない方法」を紹介する記事ではありません。副業が会社に知られるのはどんな経路なのかを公的な情報で確認し、会社と揉めずに副業を続ける進め方を整理します。

先に要点をまとめます。

  • 副業が会社に知られる主な経路は、住民税、社会保険の手続き、本人の発信、周囲の人からの話の4つ
  • 住民税の「自分で納付(普通徴収)」は納付方法の選択で、税額は変わらず、選んでも特別徴収になる場合がある
  • 厚生労働省のガイドラインでは、会社は原則として副業を認める方向で検討することが求められている
  • 隠して始めるより、就業規則を確認して届出・許可を取るほうが、結果的にリスクは小さい

志師塾は、士業・コンサルタント・コーチ・講師といった「先生業」に特化したビジネススクールです。本記事も、専門知識を活かして会社員のまま副業を始めたい方を想定して書いています。

目次

1.副業は会社にバレる?まず押さえたい前提

1.1 「バレない方法」を探すほど、リスクは大きくなる

副業について調べると、「バレない方法」という言葉をよく目にします。しかし、隠すことを前提に始めた副業は、知られた時点で「無断でやっていた」という事実が残ります。

問題になりやすいのは副業そのものより、ルールを確認せずに隠していたことです。上司や人事との信頼関係が崩れると、本業の評価にも響きかねません。

また、副業が軌道に乗るほど、発信や人とのつながりは増えます。隠し続けるための手間は、副業を育てるほど大きくなっていきます。

1.2 厚生労働省が示す、会社の基本的な考え方

厚生労働省の「副業・兼業の促進に関するガイドライン」では、裁判例を踏まえ、企業は原則として副業・兼業を認める方向とすることが適当だとしています。

副業を禁止したり、一律に許可制にしたりしている企業には、本業に支障があるかを精査したうえで、原則として副業を認める方向で検討することが求められています。

さらに同ガイドラインでは、副業・兼業に関する相談や自己申告をしたことで、不利益な取扱いをすることはできないとされています。

出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)

つまり、副業は「隠れてやるもの」ではなく、会社と話し合いながら進めるものとして位置づけられています。

2.副業が会社に知られる主な4つの経路

では、副業はどこから会社に知られるのでしょうか。公的な情報で仕組みを確認できるものと、日常の中で起きやすいものを合わせて、主な経路は次の4つです。

副業が会社に知られる主な4つの経路(1 住民税の特別徴収、2 社会保険の手続き、3 本人の発信や名刺・Webサイト、4 同僚・取引先・顧客からの話)

2.1 住民税の特別徴収

会社員の住民税は、原則として会社が給与から差し引いて納める「特別徴収」です。総務省は、特別徴収税額の通知が会社と、会社経由で会社員に送られると説明しています。

住民税の所得割は、前年1月1日から12月31日までの所得で計算されます。副業の所得がある場合、手続きによっては、その分の住民税も給与からの特別徴収にまとめられます。

出典:総務省「個人住民税」

そのため、給与以外の所得があることが、住民税額を通じて会社に伝わる可能性があります。仕組みの詳細は3章で確認します。

2.2 社会保険の手続き

副業先にも雇用され、両方の会社で健康保険・厚生年金保険の加入要件を満たす場合は、本人が「被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出します。

日本年金機構によると、2つの会社の報酬を合算して標準報酬月額を決め、保険料は報酬に応じて按分されます。決定した標準報酬月額と保険料額は、それぞれの事業所へ通知されます。

この場合は手続き上、本業の会社が副業先での勤務を把握することになります。雇用される形の副業は、会社に伝わる前提で考えるのが現実的です。

2.3 本人の発信や名刺・Webサイト

先生業の副業では、ブログやSNS、ホームページ、セミナーの告知などで発信することが欠かせません。実名や顔写真を出せば、同僚や取引先の目に触れることもあります。

集客のための発信と、隠すための配慮は両立しにくいものです。発信を前提とする副業ほど、最初から会社に伝えておくほうが動きやすくなります。

2.4 同僚・取引先・顧客からの話

副業の顧客やセミナーの参加者が、勤務先の関係者とつながっていることもあります。本人が話していなくても、人づてに伝わる場合があります。

特に本業と同じ業界で副業をする場合は、取引先とのつながりが重なりやすくなります。後で触れる「競業」や「秘密保持」の観点でも、事前に整理しておきたい点です。

3.住民税の徴収方法について公式情報で確認できること

3.1 副業分を「自分で納付」にする手続き

副業分の所得に係る住民税を自分で納付したい場合は、確定申告期限内に確定申告書を提出し、第二表の「給与、公的年金等以外の所得に係る住民税の徴収方法」で「自分で納付」を選びます。

変わるのは納付の方法だけで、納める住民税額は変わりません。

3.2 「自分で納付」を選んでも特別徴収になる場合

ただし、「自分で納付」を選んでも、希望どおりにならない場合があります。たとえば、給与以外の所得がマイナスの場合や申告の内容によっては、給与からの特別徴収になることがあります。

このように、徴収方法の扱いは自治体や所得の種類、申告の内容によって異なります。お住まいの市区町村の案内を必ず確認してください。

3.3 徴収方法の選択は「会社に伝えなくてよい理由」にはならない

普通徴収は、あくまで住民税の納め方の選択肢です。勤務先の就業規則で副業の届出や許可が定められているなら、納付方法にかかわらず、そのルールに沿って手続きをすることが前提になります。

税金の手続きと、会社への届出は別のものとして考えましょう。迷ったときは、市区町村の税務担当や税理士に確認してください。

4.会社が副業を制限できる4つの場合

会社と揉めないためには、会社がどんな場合に副業を制限できるのかを知っておくことも大切です。

厚生労働省のガイドラインでは、裁判例で副業の禁止・制限が認められた場合として、次の4つを挙げています。

  1. 労務提供上の支障がある場合
  2. 業務上の秘密が漏洩する場合
  3. 競業により自社の利益が害される場合
  4. 自社の名誉や信用を損なう行為や、信頼関係を破壊する行為がある場合

厚生労働省の「モデル就業規則」(令和7年12月版)の第70条でも、労働者は勤務時間外に他の会社等の業務に従事できるとしたうえで、届出に基づき、同じような4つの場合に禁止・制限できる規定例が示されています。

モデル就業規則の解説では、ここでいう副業・兼業には、雇用される形だけでなく、事業主として行うものや業務委託なども含むとされています。個人で講師やコンサルタントとして活動する場合も、届出の対象になりうると考えておきましょう。

5.会社と揉めない副業の進め方5ステップ

ここからは、会社と揉めずに副業を始めるための手順を5つのステップで整理します。

会社と揉めない副業の進め方5ステップ(1 就業規則と労働契約を確認、2 副業の内容を整理、3 上司・人事に相談し届出・許可、4 時間と健康を管理、5 確定申告と住民税の手続き)

5.1 就業規則と労働契約を確認する

厚生労働省のガイドラインでは、副業を希望する労働者は、まず勤務先の副業に関するルール(労働契約、就業規則等)を確認する必要があるとしています。

確認したいのは、副業が認められているか、届出制か許可制か、どんな場合に制限されるかの3点です。社内規程が別にある会社もあるので、人事部門にどこを見ればよいか聞くのも一つの方法です。

5.2 副業の内容を書き出して整理する

相談の前に、副業の中身を言葉にしておきましょう。厚生労働省が公開している「副業・兼業に関する届出様式例」では、次のような項目が挙げられています。

  • 副業・兼業の形態(雇用か、非雇用か)
  • 非雇用の場合は業務の内容
  • 雇用の場合は、事業所の名称・事業内容、従事する業務内容、契約期間、所定労働時間など

雇用される副業の場合、本業と副業の労働時間は原則として通算されます(労働基準法第38条第1項)。労働時間の管理に関わるため、雇用の副業は特に事前の届出が欠かせません。

5.3 上司・人事に相談し、届出・許可を得る

内容を整理できたら、会社のルールに沿って届出や許可申請をします。ガイドラインでは、労働者と企業の双方が納得感を持って進められるよう、十分にコミュニケーションをとることが重要とされています。

相談の際は、本業に支障を出さない時間の使い方、秘密情報を使わないこと、競合しないことを自分から説明すると、話が進みやすくなります。

5.4 本業に支障を出さないよう、時間と健康を管理する

ガイドラインでは、労働者が自ら業務量や時間、健康状態を管理する必要があるとしています。他の事業場の業務量や健康状態を会社に報告することも、有効だとされています。

副業を始めると、平日の夜や休日に作業が集中しがちです。本業でのミスや遅刻が増えると、「労務提供上の支障」として制限の理由になりかねません。

5.5 確定申告と住民税の手続きを正しく行う

国税庁によると、給与を1か所から受けていて、その全部が源泉徴収の対象となる会社員は、給与所得と退職所得以外の所得の合計額が20万円を超える場合に確定申告が必要です(確定申告をすれば税金が還付される人は除きます)。

6.先生業の副業で特に気をつけたいこと

6.1 本業の知識を使うときは、秘密情報との線引きを決める

士業・コンサルタント・講師などの先生業は、本業で培った知識や経験がそのまま副業の強みになります。一方で、本業で知った顧客情報や社内のノウハウを使えば、秘密保持の問題になりかねません。

「一般に公開されている知識と自分の経験」と「会社の情報」を分けて考え、相談時にその線引きを伝えておきましょう。

6.2 本業と同じ分野なら、競合しない範囲を明確にする

ガイドラインでは、会社の正当な利益が侵害されない場合には、同じ業種・職種でも副業を認めるべき場合も考えられるとしています。

そのため、対象とする顧客や提供するサービスが本業とどう違うのかを説明できるようにしておくことが大切です。

6.3 発信は会社の了承を得てから本格的に始める

先生業の副業は、発信によって見込み客と出会うことで成り立ちます。会社の了承を得てからであれば、実名での発信も堂々と行えます。

限られた時間で見込み客と出会う発信の方法は、志師塾のAI時代の先生業Web集客セミナーで扱っています。AIを活用して、集客にかかる時間を減らす方法も解説しています。

7.会社の兼業制度を活用して活動を広げた卒業生の事例

会社の制度を使って、堂々と副業に取り組んでいる卒業生もいます。

榎本正樹さんは、ソニーでオーディオ設計業務に携わりながら、「ロボット学習クリエイター」として、ロボット&プログラミング教室「プリマヴェーラ・ロボティクス」を東京都内で5校展開しています。

ソニーには50歳以上の社員に兼業や副業を許可する制度があり、榎本さんはその制度を使って、母校の大学での講師業務やものづくりコンサルティングも担当しています。

志師塾には、教室の生徒数が年々減っていく危機感を持っていたときに入塾されました。仕事をしながら課題に取り組む中で、自分の頭の中が整理でき、やるべきことが見えてきたと話しています。

【卒業生インタビュー】子供達の脳力を伸ばすロボット学習クリエイター 榎本正樹さん

会社のルールの範囲で活動していれば、本業で培った経験を副業の強みとして隠さずに打ち出せます。会社に認められた副業は、発信も人脈づくりも遠慮なく進められるのが大きな利点です。

8.副業がバレることに関するよくある質問

8.1 副業の所得が20万円以下なら、手続きは何もしなくてよいですか?

20万円は、所得税の確定申告が必要かどうかの基準です。住民税の申告が必要かどうかは別に確認が必要なので、お住まいの市区町村の案内を確認してください。

また、所得の金額にかかわらず、会社の就業規則で届出や許可が定められていれば、その手続きは必要です。

8.2 会社に副業を申告したら、不利な扱いを受けませんか?

厚生労働省のガイドラインでは、副業・兼業に関する相談や自己申告を行ったことで、不利益な取扱いをすることはできないとされています。

不安な場合は、まず「副業を検討している」という段階で人事部門に相談し、会社の考え方を確認するとよいでしょう。

8.3 就業規則で副業が禁止されている場合はどうすればよいですか?

まずは、禁止なのか、許可制・届出制なのかを正確に確認しましょう。そのうえで、副業の内容が本業に支障を出さないことを説明し、許可を得られないか相談するのが基本です。

会社のルールを確認せずに始めることは避けてください。判断に迷う場合は、勤務先の人事部門や社会保険労務士などの専門家に相談しましょう。

8.4 業務委託や個人事業の副業でも、会社への届出は必要ですか?

厚生労働省のモデル就業規則の解説では、副業・兼業には事業主として行うものや、請負・委託・準委任契約で行うものも含むとされています。

実際に届出が必要かどうかは、勤務先の就業規則の定め方によります。雇用でない副業も対象になりうると考えて、規程を確認しておきましょう。

9.まとめ

副業が会社に知られる経路と、揉めない進め方のポイントを振り返ります。

  • 主な経路は、住民税の特別徴収、社会保険の手続き、本人の発信、周囲の人からの話の4つ
  • 住民税の「自分で納付」は納付方法の選択で、税額は変わらず、特別徴収になる場合もある
  • 厚生労働省のガイドラインは、会社に原則として副業を認める方向での検討を求めている
  • 就業規則の確認、届出・許可、本業に支障を出さない管理が揉めないための基本

「バレないか」を気にしながら続ける副業は、発信も人脈づくりも思うように進みません。会社に認められた状態で始めることが、副業を長く育てる近道です。

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