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コーチの営業5つのコツ|売り込まず顧客を得る方法

コーチの営業5つのコツ|売り込まず顧客を得る方法

コーチとして独立したものの、体験セッションの申し込みが続かない。知人からの紹介で細々とつながってはいるけれど、価格の話になると弱気になる。かといって、売り込むような営業はしたくない。コーチの営業には、こうした行き詰まりがつきものです。ただ、その原因は営業スキルの不足ではなく、「コーチングを売ろうとしている」ことにあります。

この記事では、先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・営業支援を専門としてきた志師塾が、コーチが売り込まずにクライアントを得るための営業を、5つのコツに整理して解説します。コーチという仕事に特有の難しさ、ポジショニングによる「選ばれる理由」のつくり方、自己紹介と体験セッションの設計、法人と個人で分かれる営業経路まで、取り組む順番のとおりに並べました。

読み終えるころには、初対面の相手に何を言い、どの場で言い、次に何を提案すればよいかが手順として見えているはずです。まずは、コーチに「いわゆる営業」がなじまない理由から確認しましょう。

1. コーチに「いわゆる営業」がなじまない理由

コンサルティング業界などでは、営業活動は常識として行われています。ところが、専門サービス業を営む人にとって、いわゆる営業はありえません。専門家として知識やノウハウを提供する「先生」がベタベタの営業をすることは、サービスの価値そのものを損ないかねないからです。

1.1 「先生」が売り込むほど、コーチとしての価値は下がる

コーチは、クライアントから答えを一緒に探す相手として頼られる仕事です。その相手が「ぜひ契約してください」と頭を下げて回っていたら、どう見えるでしょうか。頼りたい気持ちは、そこで冷めます。頼れる存在として選ばれたいなら、追いかける側に回らないことです。

営業担当を雇って「売る人」と「コーチをする人」を分ける方法も、理屈の上ではあります。ただ、独立したばかりのコーチが営業のためだけに人を雇うのは、固定費の面で現実的ではありません。だからこそコーチの営業は、コーチ自身が「先生の立場のまま」できる形に設計する必要があります。

1.2 コーチの営業を難しくする4つの壁

売り込みがなじまないうえに、コーチという仕事には固有の壁が4つあります。ひとつめは、資格が必須でないこと。名乗った日から誰でもコーチになれるので、相手はあなたが本物かどうかを測る手がかりを持ちません。ふたつめは、サービスが目に見えないこと。受けてみるまで効果が分からなければ、比べる物差しは料金だけになります。

3つめは、「コーチング」という言葉そのものが相手に伝わらないこと。カウンセリングやコンサルティング、研修講師との違いが分からない人は珍しくありません。4つめが、知人・友人からの紹介で始まりやすいこと。ここが値付けを崩します。最初に「知り合い価格」で受けた金額は、あとから上げにくいものです。その一件が、あなたの相場として周囲に広まっていきます。

コーチの営業を難しくする3つの壁

1.3 コツ1:すべての人と話しているときが、コーチの営業のタイミング

では、コーチに営業がまったくないのかといえば、そんなことはありません。むしろ世の中のすべての人と話をしているときが、コーチの営業のタイミングです。会う相手が見込み客かどうかは、会った時点では分からないからです。

たとえば、仕事の関係で初対面の人と出会ったとします。そのとき、あなたはコーチらしく振る舞えたでしょうか。相手の話を引き出し、あなたの存在をきっちり印象付けられたか。それが営業です。名刺交換の直後にサービスの説明を始めることではありません。

2. コツ2:コーチの営業は「コーチングを売る」のをやめるところから

営業のタイミングが日常のあちこちにあると分かったら、次は何を言うかです。ここで多くのコーチが方向を間違えます。売るものを取り違えているからです。

2.1 相手が自覚している悩みに、解決を売る

コーチングの良さを説明しようとすると、話は手法に寄っていきます。傾聴、問いかけ、目標設定。ところが相手が困っているのは、コーチングが無いことではありません。部下が育たない。大事な決断ができない。やることが多すぎて時間が足りない。相手が自覚しているのは、こちらの悩みのほうです。

売るのはコーチングではなく、解決です。「コーチングを受けませんか」ではなく「部下が自分で考えて動くようになるまで、3か月伴走します」。同じサービスでも、後者は相手の困りごとの言葉で書かれています。相手が自覚していない言葉で語ると、どれだけ良いサービスでも届きません

2.2 サービス名ではなく、成果と変化で語る

自分の仕事を、手法の名前を使わずに言い切れるでしょうか。「認知の枠組みを扱います」「目標設定のフレームで整理します」と言われても、相手の頭には何も浮かびません。浮かぶのは、変化の絵だけです。

「会議で一度も発言しなかった課長が、自分から提案を持ってくるようになる」「創業から10年たって初めて、社長が来期の方針を自分の言葉で語れるようになる」。手法は裏方に置き、変化を前に出す。この置き換えができると、コーチングという言葉を一度も使わずに仕事を説明できます。目に見えないサービスを、相手の頭の中で見えるようにする作業です。

売るものを変えると伝わり方が変わる

2.3 売り込む代わりに、相手の言葉を集める

コーチには、営業の場でそのまま使える武器があります。聴く力です。初対面の相手にサービスを説明する代わりに、「最近、いちばん時間を取られていることは何ですか」と聞いてみる。相手は話しながら自分の課題を整理し、あなたは相手が実際に使った言葉を手に入れます。

集めた言葉は、そのまま次の営業の材料になります。ブログの見出し、自己紹介の一言、体験セッションの案内文。見込み客が使ったとおりの言葉で書かれた文章は、同じ悩みを持つ人に刺さります。売り込みをやめると営業の材料が増えていく。この逆転が起きます。

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3. コツ3:コーチの営業の土台はポジショニング

何を売るかが決まったら、次は「なぜあなたなのか」です。ここを設計しないまま発信や交流会に出ても、大勢のコーチの一人として処理されて終わります。

3.1 どこにでもいるコーチのままでは、土俵に立てない

どんな仕事をしていて、あなたはどんな人で、何を得意としているのか。コーチングを営む事業主は、それを自分ではっきり認識し、短い言葉で説明し、裏づけとなる経験を持ち合わせている必要があります。さらに、そのアピールポイントがユニークであること。

「どこにでもいるコーチ」としてしか自己規定できていないなら、プロのコーチとして土俵に立てていません。そして最後の関門が、そのユニークさが顧客に評価されるものかどうかです。珍しいだけで誰も欲しがらない特徴なら、営業の武器にはなりません。

3.2 「誰の・どんな悩みを・どう解決するコーチか」で言い切る

こうしたポイントを見極めるために行うのが、ポジショニングです。ポジショニングとは、自分が顧客に最も評価されるポイントを見つけ出し、そこに自分を位置づけること。難しく考える必要はありません。「誰の」「どんな悩みを」「どう解決する」コーチなのか。この3つを言い切れれば、あなたの輪郭は浮かび上がります。

たとえば「二代目社長の事業承継の迷いに伴走するコーチ」「医療現場の管理職が部下と向き合えるようにするコーチ」といった一言(あくまで例です)。ここまで言い切ると、紹介したい相手の顔が浮かびます。「絞ると仕事が減るのでは」という不安は自然ですが、実際は逆です。絞るからこそ思い出してもらえます。「どんなテーマでもお受けします」は、相手の記憶の中では「何の専門家でもない」と同じ扱いになってしまいます。

3.3 目指すのは「その悩みなら、あのコーチ」という第一想起

ポジショニングのゴールは、見込み客の頭の中に「その悩みなら、あのコーチ」と最初に思い出される状態(第一想起)をつくることです。紹介も口コミも、ここから生まれます。経営者仲間の集まりで「幹部が育たなくて困っている」という話題が出た瞬間に、あなたの名前が挙がるかどうか。営業の勝負は、その場にいない時間に決まります。

数いる中の一人ではなく、オンリーワンの存在になる。志師塾では、ホームページやSNSといった道具に手を付ける前に、この設計を固める「ポジショニング先行」の考え方を大切にしています。道具は、選ばれる理由が決まってはじめて働きます。

3.4 高くても選ばれる理由は、時間単価ではなく変化の大きさで決める

コーチの値付けは、時間で考えると必ず苦しくなります。1時間いくらで並べられれば、相手は安いほうを選ぶだけ。時間の長さは、コーチが提供している価値の中身ではありません。

見るべきは、その伴走によって相手に起きる変化の大きさです。幹部が一人立ち上がれば、社長の時間が空き、事業の伸び方が変わります。値付けの物差しを「時間」から「変化」へ移すと、価格の説明が変わります。半年の伴走で相手の会社に何が起きるのかを言葉にできれば、価格競争の土俵から降りられるのです。

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4. コツ4:コーチの価値を伝える言葉を持つ(自己紹介と体験セッション)

ユニークなポジションをアイデアにできたら、次はしっかり他人に伝わる言葉にする番です。ポジショニングの結果として生まれたキーワードや考えは、事業のすべてににじみ出なければいけません。そのためには、伝えるための言葉を磨き上げることです。営業という観点からは、まず自己紹介の言葉から作り上げましょう。

4.1 自己紹介は、経歴ではなく相手を主語にして組み立てる

自己紹介には、コーチという肩書きや、どういう経緯でコーチになったかという履歴の情報も要るでしょう。ただ、他人の経歴を聞かされても、それほど面白いものではありません。では、どうすれば面白くできるのか。ここには、いくつかの型があります。

ひとつめは、相手を主語にすること。「資格を取得し、これまで多くの方を支援してきました」ではなく「『部下に任せられない』という社長が、任せられるようになるまでを一緒に走ります」。主語が相手に変わると、聞き手は自分の話として受け取ります。

ふたつめは、変わる前と変わった後を並べること。「以前は毎晩12時まで自分で資料を作っていた部長が、今は部下の提案を選ぶ側になっています」。ビフォーとアフターを一組で語ると、目に見えないコーチングの成果が絵になります。3つめは、自分が乗り越えた壁を短く混ぜること。うまくいった話だけを並べると、相手との距離はむしろ開いてしまうのです。かつて同じところでつまずいた事実を添えるほうが、「この人なら分かってくれそうだ」という気持ちが生まれます。経歴が生きてくるのは、この共感の材料として使うときです。

組み立ての詳しい手順は、自己紹介だけで9割の仕事を獲得する4つのポイントの記事でも解説しています。

4.2 自己紹介は「口コミの原稿」になるまで磨く

磨いた言葉は、どの接点でも同じキーワードで使い続けます。名刺、プロフィール、SNS、セミナーの冒頭。接点ごとに名乗りが違う人は、何の専門家か覚えてもらえません。言葉の一貫性は、そのまま信頼の土台になります。

できを測る物差しは、ひとつだけ。あなたがいない場所で、聞いた人があなたを紹介できるかどうかです。「なんかコーチをやっている人」としか再現されないなら、その自己紹介はまだ長すぎるか、抽象的すぎます。紹介する側が一息で言える長さと、思い浮かぶ相手像。この2つがそろって、あなたの自己紹介は口コミの原稿として働き始めます。

4.3 体験セッションは「お試し」ではなく、現在地と行き先を確認する場

コーチの営業で最も成否が分かれるのが、体験セッションです。無料または低額で提供するこの場を「お試し」と位置づけると、相手は「良いセッションでした、ありがとうございました」と満足して帰っていきます。気持ちよく終わるのに、契約には進みません。

設計を変えましょう。体験セッションは、相手の現在地と行き先を一緒に確認する場です。今どこにいて、本当はどこへ行きたいのか。その間に何が挟まっているのか。ここを一緒に言葉にしていくと、相手は自分で距離の大きさに気づきます。売り込まなくても「一人では届かないかもしれない」という自覚が生まれる。これが、押さない営業の中身です。

体験セッションの3ステップ

4.4 押し売りはしない。ただし、次の提案は必ず言葉にする

ここでつまずくコーチが少なくありません。押し売りをしたくないあまり、次の提案を口にしないまま終えてしまう。相手は「で、どうすればいいのか」が分からないまま帰ります。提案しないのは、親切ではありません。必要だと見立てたなら、必要だと伝えるのが専門家の仕事です。

言い方はむずかしくありません。「今日お話しした状態から抜けるには、月2回で3か月ほどの伴走が要ると考えています。ご希望なら、内容と費用をお伝えします」。押しつけではなく、専門家としての見立てを述べるだけ。断られてもいいという前提で言葉にすれば、口調は自然と落ち着きます。口下手なままでも成約につながる対話の運び方は、口下手でも成約率が上がる対話術の記事が参考になります。

5. コツ5:コーチの営業経路は、法人と個人で分かれる

言葉が整ったら、次はどこで誰に会うかです。コーチの場合、相手が法人か個人かで経路がはっきり変わります。両方を同じやり方で追いかけると、どちらも中途半端になります。

5.1 法人は、紹介・実績・言語化の3つで決まる

企業のエグゼクティブコーチングや管理職研修は、窓口の担当者が「社内を説得できるか」で決まります。決裁の場に、あなたは同席していません。だから紹介・実績・言語化の3つがそろっている必要があります。

紹介の出どころは、経営者や人事担当者と日常的に接する隣接の専門家(研修会社、コンサルタント、社労士など)です。実績は、社名を出せなくても「製造業/300名規模/課長層を対象」といった形なら語れます。言語化は、提供する内容と進め方、成果の測り方を書面にすること。「やってみないと分かりません」では、社内の決裁は通りません。回数、テーマ、確認の方法を先に紙の上で見せられるようにしておきましょう。

5.2 個人は、発信と体験の積み重ねで決まる

個人が相手なら、経路は発信と体験です。悩みを検索した人があなたの記事にたどり着き、考え方と人柄に触れ、体験セッションに申し込む。この流れを作るのが、ブログ・SNS・セミナーの役目です。

媒体には役割分担があります。ブログは人となりと専門性をじっくり伝える場、SNSは親しみと拡散を担う場、ホームページは信頼の看板。それぞれの使い方はコーチのブログ集客コーチのセミナー集客の記事で解説しています。なかでもセミナーは、1対多で信頼を作ったうえで体験セッションへつなげられるので、コーチと相性のいい経路です。

5.3 単発セッションを、継続契約と法人契約へ育てる

コーチの経営を安定させるのは、単発のセッションではなく継続の関係です。単発を積み上げる限り、毎月ゼロから集め直すことになります。営業が苦しく感じられる本当の理由は、ここにあります。

最初の契約から「3か月」「6か月」と期間で設計し、その期間で目指す変化を先に握っておく。区切りが来たら、達成できたことと次のテーマを一緒に確認し、続けるかどうかを相手に選んでもらう。更新は、お願いするものではなく、成果を確認した先に置くものです。個人のクライアントとの伴走が、その方の会社との法人契約に広がっていく流れもあります。目の前の一人と成果を出すことが、次の法人案件の入り口になる。実際の広がり方はコーチの成功事例インタビューで確認できます。

6. まとめ:コーチの営業は「売り込み」ではなく「思い出される設計」

コーチの営業5つのコツを、順番に沿って整理しました。

  • コツ1:売り込み型の営業は捨てる。すべての人と話す場面が、コーチの営業のタイミング
  • コツ2:売るのはコーチングではなく、相手が自覚している悩みの解決
  • コツ3:土台はポジショニング。「誰の・どんな悩みを・どう解決するコーチか」で言い切る
  • コツ4:自己紹介は口コミの原稿になるまで磨き、体験セッションでは次の提案を必ず言葉にする
  • コツ5:営業経路は法人と個人で分ける。単発セッションを継続契約と法人契約へ育てる

売り込まない営業は、何もしない営業ではありません。選ばれる理由を設計し、相手の言葉で語り、体験の場で現在地と行き先を確認して、単発の依頼を継続の関係へ育てていく。この順番で取り組めば、料金で比べられる立場から抜け出し、「あなたにお願いしたい」という声が届くようになります。

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