facebook

弁理士のセミナー集客|依頼につなぐ4つの設計

弁理士のセミナー集客|依頼につなぐ4つの設計のアイキャッチ画像

弁理士が独立して直面する壁は、大きく2つあります。ひとつは、弁理士の仕事も、知的財産を活かすことで会社が得られるものも、世の中にあまり知られていないこと。もうひとつは、知ってもらったうえで関係を築き、実際の依頼につなげることです。

前者は市場をつくる話、後者は顧客をつかむ話。セミナーは、この2つを同時に進められる数少ない手段です。とりわけ後者、関係を依頼に変える場面で強く効いてきます。

先に、この記事で扱う4つの設計を並べます。

  • 設計1:誰に向けた会かを決める。テーマより先に、相手を決めます
  • 設計2:中身を「制度の授業」にしない。条文ではなく、相手の会社の話に寄せる
  • 設計3:告知の前に、届ける道はできていますか。Webとつないで人を集め、共催や支援機関の場も使います
  • 設計4:出口づくり。当日のプログラムの中に、次の一歩を置いておく

先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・顧客獲得支援を専門としてきた志師塾が、この4つを明日から手を動かせる粒度まで分解します。読み終えるころには、次に開く会の骨組みが見えているはずです。まずは、弁理士にとってセミナーがなぜ効くのか。そこから確認しましょう。

弁理士のセミナーには、他の士業にはない二重の役割があります。知財という仕事そのものを知ってもらう役割と、目の前の相手を依頼につなげる役割。この2つを1回の会にどう収めるかで、開いたあとの手応えが変わります。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーは、知られていない専門をどう知ってもらうかという、その手前の問いから始まります。

Web集客セミナーを見てみる

1. 弁理士のセミナー集客が効く4つの理由

弁理士のセミナー集客とは、知財の考え方を複数人に同時に伝える場をつくり、そこから個別の相談へ進んでもらう顧客獲得の手法です。いきなり個別相談に呼ぼうとして、うまくいかない。この壁にぶつかっている弁理士は少なくありません。理由は、相手の側に立てば見えてきます。

1.1 顧客から見ると「個別相談」はハードルが高い

ホームページやブログを整え、Web集客の型が回り始めると、見込み客は「弁理士がどんな仕事をしているのか」「知財を守ることに意味がある」というところまでは理解してくれるはずです。ところが、「では自分の会社にとって、それがなぜ得なのか」となると話は別。ここが、なかなか伝わらないところです。

そこで一人ずつ話す必要が出てくるわけですが、個別相談は無料であっても簡単には来てもらえません。一人きりで訪ねれば「営業をかけられるのではないか」「断るのに勇気が要るのではないか」と身構えるからです。金額はゼロでも、心理的な負担は決して小さくありません。断りにくさまで含めて、相手は事前に計算しています。

1.2 セミナーなら「複数いる」だけで参加しやすい

セミナーの強みは、参加者が複数いること。同じ立場の人が一人いるだけで、場の空気はまったく違うものになります。売り込まれる場ではなく学ぶ場だと感じられるぶん、営業感も出にくい。

参加者同士のやり取りが生まれるのも、見逃せない効果です。「うちも似た問題を抱えている」という声が出た瞬間、その話は他人ごとから自分ごとに変わります。あなたが何度説明するより、参加者の一言のほうが強く効く場面は珍しくありません。

呼ぶ側にとっても声をかけやすく、来る側にとっても足を運びやすい。実際に会える場としては、弁理士にとって最も現実的な選択肢です。

1.3 「弁理士」に「先生」の権威が上乗せされる

人前に立って専門家として話をすると、その人は聞き手にとって「先生」になります。もちろん、基礎的な知識や最低限の話し方といった裏付けは必要です。ただ、弁理士にはすでに確固たる立場があります。

弁理士という資格に、登壇者としての立場が重なる。ここで生まれる信頼の厚みは、名刺やホームページでは代えられません。Web集客で築いた関係に、セミナーが決定打として乗るという組み立てが、弁理士にとっての王道です。

弁理士の個別相談とセミナーの違い

1.4 ひとりで回している事務所ほど、まとめて会える場が要る

4つ目の理由は、顧客の側ではなく弁理士の側にあります。日本弁理士会の会員の分布状況(2026年3月31日現在)によると、主たる事務所として登録された全国5,210事務所のうち、弁理士が1人の事務所は3,793、全体の72.8%を占めます。2人までを合わせると83.7%。

弁理士の事務所規模の分布(日本弁理士会 会員の分布状況)

この数字が意味するところは、はっきりしています。営業のためだけに人を雇うのは、多くの事務所にとって現実的ではない。だとすれば、限られた時間で会える人数を増やすしかありません。1対1を10回積むのと、10人に1回まとめて会うのとでは、かかる時間がまるで別ものです。セミナーは、ひとりで動く弁理士のための時間の使い方でもあります

ちなみに同じ調査では、弁理士11,751人のうち特許事務所を経営している人は2,915人(24.8%)で、企業に所属する人が2,958人(25.2%)と最も多い。独立して事務所を構えている側は、実は4人に1人です。

2. 弁理士のセミナー集客を後押しする市場の構造

弁理士のセミナー集客を後押しする市場の構造とは、知財を必要とする会社の数と、実際に権利を取っている会社の数のあいだにある開きのことです。セミナーが効く理由が分かっても、そもそも需要があるのかが気になるところ。知財の市場は、公表されている数字を並べるとむしろ「まだ手が付いていない場所」として見えてきます。ここを押さえておくと、会のテーマも決めやすくなります。

2.1 全企業の99.7%が中小企業。それでも特許出願は16.0%

特許庁の特許行政年次報告書2025年版に、弁理士の市場をひとことで表す図があります。日本の全企業約338万社(2021年)のうち99.7%が中小企業。ところが、2024年の内国人による特許出願件数 約23.7万件のうち、中小企業が占めるのは16.0%(約3.8万件)にとどまります

弁理士の市場|企業数と特許出願件数に占める中小企業の割合(特許庁 特許行政年次報告書2025年版)

数の上では圧倒的多数を占める会社が、権利のほうにはほとんど出てきていない。この差は、需要がないことを示しているのでしょうか。そうではありません。守るものがないのではなく、守れることに気づいていない会社が大量に残っているということです。

気づいていない相手に、こちらから一社ずつ説明して回るのは骨が折れます。まとめて気づいてもらう場としてセミナーが効いてくるのは、この構造があるからです。

2.2 知財は「痛くなってから」では間に合わない

もうひとつ、知財に特有の時間の性質があります。労務や税務なら、問題が起きてから専門家に頼んでも間に合う場面が多い。是正勧告が届いてから、申告期限が近づいてから、相談すればよいわけです。

知財はそうはいきません。他社に先に出願されたあと、あるいは自社で公表してしまったあとでは、権利の取り方そのものが狭まります。真似されてから相談に来た会社に、弁理士ができることは限られる。痛みが出た時点では、打てる手が減っているのが知財の厳しいところです。

だから弁理士の集客は、困っている人を待つ形になりにくい。困る前の人に、困る可能性のほうを見せる必要があります。これは記事や広告では伝わりにくく、時間をとって話を聞いてもらえるセミナーが最も向いている領域です。売り込みではなく、順番の問題としてそうなります。

2.3 弁理士の3人に2人は関東にいる

地域の偏りも、会の開き方に直結します。先ほどの日本弁理士会の分布状況では、主たる事務所を関東に置く弁理士が7,840人で66.7%。東京都だけで6,381人、54.3%を占めます。関西は2,478人(21.1%)で、この2地域だけで9割近い。

弁理士の地域別分布(日本弁理士会 会員の分布状況)

裏を返せば、それ以外の地域の中小企業にとって、弁理士は「近くにいない専門家」です。相談したくても顔の見える相手がいない。ここは、オンライン開催で地理を越えるか、地域の商工会議所や支援機関の場に登壇するかで、そのまま空白が埋まります。

都市部で開くなら競合は多いものの、参加者を集めやすい。地方向けに開くなら競合は少なく、そのぶん一度覚えられると長く続きます。どちらを選ぶかは好みではなく、自分の顧客がどこにいるかで決まります。

2.4 求められているのは「手続きの人」ではなく「相談できる人」

弁理士に期待されている役割とは、手続きを正確にこなす人ではなく、事業の判断まで一緒に考える相談相手です。市場の話の最後は、その役割の変化。特許庁の産業構造審議会に出された資料「弁理士制度の現状と今後の課題」(令和6年1月)には、出願人側の声がそのまま載っています。出願の手続以外にも助言がほしい。出願以外の選択肢や、事業に応じた権利取得の支援まで求める声が並びます。

同じ資料の企業ヒアリングには、もっと直接的な指摘もあります。「現状、弁理士が特許庁への手続に特化したスキルしか身に付けていないことが多いのが課題」。手続きの正確さは前提であって、選ばれる理由にはならないという話です。

この期待のずれは、セミナーで埋められます。制度を正確に説明する場ではなく、「うちの場合はどう考えればいいか」を一緒に整理する場として設計する。すると参加者は、あなたを手続きの依頼先ではなく相談相手として覚えてくれるはずです。次の章から、その設計に入ります。

3. 弁理士のセミナー集客 設計1:誰に向けた会かを決める

弁理士のセミナーのターゲット設計とは、誰の・どんな悩みを・どう解決する弁理士かを1文で決めることです。ここからが実際の設計。最初に決めるのは、中身でも集め方でもありません。誰に向けた会なのか、という一点です。

3.1 「あなたは、どんな弁理士ですか?」に答える

志師塾のセミナー設計は、この問いから始まります。「誰の」「どんな悩みを」「どう解決する」弁理士なのか。この3つを言い切れれば十分です。

「町工場の技術を守る弁理士」「サービスを立ち上げる段階のスタートアップに伴走する弁理士」。こう絞ると、当てはまる経営者には強く届きます。絞ると参加者が減りそうに感じますが、実際は逆。「知財全般に対応します」は、相手の記憶の中では「何の専門家でもない」と同じ扱いになります。

志師塾ではこれをポジショニングと呼び、「無競争状態で顧客に選ばれる独自の場所を見つけること」と定義しています。違いを競うのではなく、競わなくてよい場所を探す作業です。

3.2 絞り方は2軸の掛け算。持ち帰るものは1つに絞る

とはいえ、いきなり「唯一の場所」を探そうとすると手が止まります。志師塾が使うのは掛け算の発想です。1万人に1人のものを探すのではなく、100人に1人のものを2つ掛け合わせる。それだけで1万人に1人の場所になります。

弁理士なら、たとえば次のような軸が使えます。

  • 技術領域:機械、電気、化学、食品、ソフトウェア。前職の経験がそのまま軸になります
  • 相手の段階:創業前、資金調達期、海外展開期。段階が違えば知財の論点も変わる
  • 権利の種類:特許中心なのか、商標・意匠まわりが強いのか
  • 地域や業界のつながり。地元の産業集積や、前職の業界人脈も立派な軸です

弁理士のセミナーテーマを決める2軸の掛け算

軸を選ぶときの注意は3つ。分かりやすいこと、相手の頭の中にすでに判断基準があること、そしてライバルと同じ売りは売りにならないこと。軸を4つも5つも並べると、今度は相手が覚えられなくなります。並べる軸は2つまでにしておくのが基本です。

テーマが決まったら、その会で参加者が持ち帰るものを決めます。あれもこれもと詰め込むと、終わったあとに何も残りません。「自社の技術のどこを守るべきか、優先順位がつけられる」。この程度に絞り込むほうが、満足度も次の行動も生まれます。

持ち帰るものを決める作業は、そのまま告知文の材料にもなります。参加を迷っている人が見ているのは、講師の経歴ではなく「行ったら何が変わるか」だからです。1つに絞れていないテーマは、告知の段階ですでに弱くなっています。

3.3 出願の予定がある会社だけを狙わない

いま出願を考えている会社だけを集めようとすると、対象は一気に狭くなります。むしろ、まだ動いていない会社に「そろそろ考えないとまずい」と気づいてもらう場として設計するほうが、参加者は集まり、あとの関係も長続きするはずです。

知的財産の相談は、思い立った日に発生するものではありません。新製品を出す、取引先が広がる、資金調達で第三者に説明する。そうした節目に、はじめて必要になります。節目が来たときに真っ先に思い出してもらえる状態をつくるのが、セミナーのもうひとつの役割です。

ここで効くのが、志師塾でいう顕在ニーズと潜在ニーズの分け方。知財戦略は潜在ニーズで、そのまま掲げても人は集まりません。集客に使うのは「模倣されないか不安」「ブランド名を先に取られたら困る」といった顕在の悩みのほう。会の中で、その悩みの根がどこにあるかを示していきます。顕在の悩みで集めて、潜在の課題に気づいてもらう。この二段構えが、弁理士のセミナーの基本形です。

3.4 開催の形は、目的から逆算して決める

会場に集まってもらうのか、オンラインで開くのか。ここは好みではなく、目的から決めます。関係を一気に深めたいなら、対面のほうが確実です。休憩時間の雑談や名刺交換で得られるものは、画面越しでは代えられません。

まず知ってもらう段階なら、オンラインのほうが参加のハードルは下がります。地域を越えて集められるのも利点で、2.3で見た地域の偏りを逆手に取れるところ。知ってもらう段階はオンライン、決めてもらう段階は対面。この使い分けを持っておくと、迷わなくなります。

ここまでが、開く前に決める4つです。とくに3.2の絞り込みは、一人で考えるとどこまで絞ってよいのか分からなくなりがち。判断がつかないのは知識が足りないからではなく、自分の当たり前が外からどう見えるかを自分では測れないからです。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、業種の違う先生業どうしで軸をぶつけ合い、その物差しを外から借りる時間をとっています。

4. 弁理士のセミナー集客 設計2:中身を「制度の授業」にしない

弁理士のセミナーの中身づくりとは、制度の解説ではなく、相手の会社で何が起きるかを一緒に見る時間の組み立てです。集客がうまくいっても、当日の中身がずれていれば次にはつながりません。弁理士がやりがちな組み立てと、その直し方を見ていきます。

弁理士のセミナーを制度の授業にしない3つの工夫

4.1 制度解説から入らない

特許法の条文、審査の流れ、出願の手続き。正確な内容ではあっても、経営者が聞きたいのはそこではありません。参加者が知りたいのは「うちの場合はどうなるのか」という自分の話だからです。

制度の説明は短くまとめ、判断の目安と、放っておくとどうなるかに時間を使ってください。「この状態を放置すると、こういう形で持っていかれます」という具体像は、条文の解説より何倍も強く残ります。2.4で見た「手続以外にも助言がほしい」という声に応えるのも、ここです。

4.2 事例と作業で「自分ごと」に変える

知的財産の価値は、抽象的に語ると伝わりません。似た規模、似た業種の会社がどうなったのか。守った会社と守らなかった会社で何が変わったのか。事例の形にすると、参加者は自分に置き換えて考え始めます。

守秘義務に触れない範囲で、業種や規模をぼかしながら語る。ここが弁理士の腕の見せどころです。自分の案件が使いにくければ、公表されている審決例や判例、報道された事件でも同じ働きをします。大事なのは実名ではなく、聞き手が自分の会社を重ねられる粒度で語られているかどうか。

聞くだけの会は、終わると忘れられます。自社の技術やサービスを書き出してもらう、守りたいものに優先順位をつけてもらう。数分の作業を挟むだけで、参加者は自分の課題に気づきます。

気づいた人は、自分から相談したくなります。売り込まなくても次の一歩が生まれるのは、この構造があるからです。ワークは凝らなくて構いません。「いま自社で他社に真似されたら困るものを、3つ書き出してください」。この一問でも、手が止まる人と迷わず書ける人にはっきり分かれます。

4.3 話し方の上手さより、構成で決まる

登壇に苦手意識を持つ弁理士は少なくありません。話がうまくないから向いていない、と考えてしまう。ところが参加者の満足を決めているのは、話術ではなく構成です。

いま何の話をしているのか、なぜそれが自分に関係あるのか。この2つが常に分かる状態を保てば、多少たどたどしくても中身は届きます。専門家に求められているのは流暢さではなく、迷わせないことです。むしろ言葉を選びながら話す姿は、誠実さとして受け取られます。

組み立ての基本形はいたって単純です。「よくある勘違い」から入り、「放っておくとどうなるか」を見せ、「では何から手を付けるか」で閉じる。この3つの順番を守るだけで、聞き手は最後までついてきます。

4.4 満足度は100点ではなく80点を狙う

意外に思われるところですが、志師塾が顧客獲得型セミナーで勧める満足度は80点前後です。100点の会は、参加者に「よく分かった。あとは自分でやってみます」と思わせてしまう。丁寧に教えるほど、相談が減っていく反転がここにあります。

知財はこの反転が起きやすい分野です。制度をきれいに説明しきると、聞き手は「調べれば自分でも出願できそうだ」と受け取る。ところが実務で難しいのは手続きではなく、何をどこまで権利にするかの判断のほう。説明すべきは手順ではなく、判断の難しさそのものです。

志師塾の言い方では、コンテンツは幅広く浅くではなく狭く深く。そして空白を意図的に残す。全部を渡さないのは出し惜しみではありません。参加者が「ここから先は一人では決められない」と気づける形に、あらかじめ整えておくということです。

5. 弁理士のセミナー集客 設計3:Webとつないで人を集める

弁理士のセミナー集客の土台づくりとは、告知を出す前にWebで関係を作っておくことです。セミナーは、開けば人が来るものではありません。集客の土台にあるのは、開催前のWeb。

5.1 セミナーは「単体」で成立しない

Web集客の型を通じて仕事の中身を理解してもらい、親しみを持ってもらった相手に案内するからこそ、人は集まります。関係がまだない相手をいきなり集めようとすれば、費用も労力もかさむばかりです。

入口のつくり方は弁理士のホームページ集客で解説しています。ブログやFacebookまで含めた全体像は、弁理士の集客方法にまとめました。

順番を間違えると、空回りするのは告知のほうです。志師塾がWeb集客の道筋をレベル1から7まで並べているのも、この順番のためです。名刺とチラシ、身近な人への案内、そこからランディングページやメルマガへ。セミナーは、この積み上げの上に乗せると一気に効きます。

5.2 告知文は「制度名」ではなく「困りごと」で書く

「特許出願の基礎セミナー」では、まだ困っていない人の手は止まりません。「取引先に技術を持っていかれないために、今できること」。困りごとの言葉で書くほど、当事者の目に留まります。

言い換えの手がかりは、これまでに受けた相談の第一声にあります。「これ、特許になりますか」「同じような商品が出てきて困っている」「名前を先に取られたらどうなりますか」。相談者が実際に使った言葉は、そのまま告知文の見出しになります。専門家が整えた言葉より、素のままの一言のほうが届く場面は多いものです。

5.3 少人数でも開き続ける

参加者が数名でも、開催をやめないこと。回を重ねるほど話は磨かれ、集客の勘所もつかめてきます。10人集めた1回より、3人ずつの5回のほうが、結果的に依頼は増えるのです

志師塾が顧客獲得型セミナーで勧める規模も、8名以下。多くても15名程度です。人数が少ない回には、少ないなりの強みがあります。一人ひとりの状況を聞きながら進められるので、その場で個別の話に踏み込める。大人数の会では絶対にできないことです。

開催が続いていること自体も、次に呼ぶときの信用になります。年に4回でも、3年続けば12回。「あの先生は毎年やっている」という認識は、告知文をどれだけ工夫しても短期では作れません。

5.4 他の士業や支援機関との共催を使う

ひとりで集めることにこだわらないのも、ひとつの手です。中小企業診断士、税理士、行政書士。同じ経営者を相手にしていて、扱う領域が重ならない相手とは組みやすい関係にあります。

「新しい事業を始めるときに、お金と契約と知財で気をつけること」。こうしたテーマなら、それぞれの専門家が持ち場を語れます。集客の負担は分かれ、参加者にとっては一度で複数の答えが得られる会になる。志師塾ではこれをJV(ジョイントベンチャー)と呼びます。相手の見込み客の前で話す形が「目玉モデル」です。

公的な受け皿も広がっています。2023年3月、特許庁・日本弁理士会・INPIT(工業所有権情報・研修館)・日本商工会議所の4者が、知財経営支援ネットワークの構築に向けた共同宣言を交わしました。同年12月の第2回連絡会議で共有されたのは、その具体的な取組状況です(出典は2.4と同じ特許庁の資料)。商工会議所や支援機関に登壇する道は、制度の側から用意されているということです。地域会の活動に顔を出すところから、話は動き始めます。

5.5 紹介が生まれる会にする

集客の経路として最後まで効き続けるのは、参加者からの紹介です。志師塾では、紹介はメリットではなく感情から生まれると考えています。自慢したくなる、感謝を伝えたくなる、面白くて誰かに話したくなる。この3つが揃うと、頼まなくても紹介は動き出します。

弁理士のセミナーで作りやすいのは「面白さ」です。身近な商品が実はどう守られているか、有名な模倣事件の内側、名前だけで勝負が決まった話。参加者が飲み会で話したくなるネタを1つ入れておくと、その話は勝手に運ばれていきます。

加えて、終わったあとに「どんな方を紹介すればよいか」を一言添えること。「新しい商品名を決めようとしている社長さんがいたら、声をかけてください」。ここまで具体的なら、紹介する側も探せます。「良い会社があったら」では、相手は探しようがありません。

6. 弁理士のセミナー集客 設計4:出口をつくる

弁理士のセミナーの出口設計とは、当日のプログラムの中に個別相談への案内を組み込んでおくことです。4つ目は、その当日のあとの設計。ここが抜けていると、良い会だったで終わってしまいます。

6.1 個別相談への案内を、当日の中に組み込む

セミナーで最後のひと押しができれば、個別相談に進んでもらうことは難しくありません。参加者はすでに「先生」と認識してくれているからです。案内は終了後ではなく、当日のプログラムの中に置きます。

会ったあとの進め方は弁理士の営業術でくわしく触れています。売り込みではなく、「この人にお願いしたい」を確認してもらう場として設計するのがコツです。

日程まで当日中に決めてしまうと、さらに歩留まりが上がります。「後日ご連絡します」で終わった相手のうち、実際に連絡をくれる人がどれだけいるか。数えたことのある人なら、この差の大きさは想像がつくはずです。

6.2 個別相談は問題を明らかにする場。価格は最後に出す

せっかく個別相談まで進んだのに、そこで話が終わってしまう。この詰まり方には、はっきりした原因があります。いい話をどんどんしてしまうと、最後に「ありがとうございます、一度自分でやってみます」で終わります。4.4で見た100点の会と同じ構造です。

志師塾は、個別相談を6つのステップで運びます。

弁理士がセミナー後の個別相談を運ぶ6ステップ

  • 関係性の想起:「セミナーはいかがでしたか」から入り、教える・教わるの関係を立て直す
  • 個人的な関係構築:現在から過去へ、そして未来へ。事業を始めた動機まで遡ると、相手の構えがほどけます
  • 目的の合意:「今日は問題点をはっきりさせるところをゴールにします。よろしいですか」
  • 問題の深掘り:なぜそうなっているのかを縦に掘り、他にありませんかと横に広げる
  • 本気度の確認:「それを本当に解決したいと思われていますか」と、相手の言葉で言ってもらう
  • 選択肢の提示。提案ではなく、自分で進める道と伴走してもらう道を並べて渡します

知財の相談で効くのは、4つ目です。「その技術、他社が同じことを思いつく可能性はどのくらいありますか」「もし来年、同じ商品名で出されたら何が起きますか」。答えを教えるのではなく、相手に考えてもらう。自分の口から出た危機感だけが、行動につながります

金額の話も、この順番の中にあります。価値の話が済んでから価格。順番を逆にすると、どれだけ丁寧に説明しても交渉に見えてしまいます。先に金額を出した瞬間、比べる物差しは金額だけになるからです。

志師塾が値付けの目安にしているのは、提示する価格の3倍のメリットを相手に示せるかという基準。50万円の仕事なら、150万円ぶんの意味を説明できるかどうかです。示せるならその価格で通ります。示せないなら、価格が高いのではなく説明する材料が足りていない。知財は、この材料が作りやすい分野です。取られたときに失うもの、押さえておいたときに開ける道。どちらも金額に換算できます。

金額を出す前に、相場の目安を先に置いておく手もあります。「同じ内容を海外まで含めて進めると、一般的にはこのくらいです」。基準が置かれたあとの数字は、いきなり出された数字より受け取られ方が変わります。

6.3 出願で終わらせず、続く関係にする

出願は、依頼としては単発になりがちです。ところが知財は、事業が動き続ける限り論点が出続ける領域でもあります。新製品ごとの検討、他社の動きの監視、契約に潜む落とし穴の確認。

「相談できる弁理士がいるから、思い切って動ける」と感じてもらえる型を持てば、依頼は点ではなく線になります。年に一度の知財の棚卸し、四半期ごとの他社動向の共有。会う理由をこちらから用意しておくと、関係は自然に続きます。

弁理士がセミナーから継続の関係までをつなぐ流れ

6.4 AIで準備の手間を減らす

告知文の下書き、当日の資料、参加者への案内メール。準備まわりの作業はAIを使えば大きく短縮できます。浮いた時間を中身の作り込みに回せば、セミナーの質そのものが上がる。取り入れ方は弁理士のAI活用術で解説しています。

削るのは作業で、削らないのは相手を見る時間です。この線を引いておくと、道具の入れ替えに振り回されずに済みます。

なお、セミナーの前に顧客獲得の土台をひととおり押さえておきたい方は、先生業に共通する考え方をまとめた無料の書籍「先生業の顧客獲得を成功させる7つの能力」(一部ダウンロード)をご活用ください。セミナーを開くのはまだ先という方の、最初の一歩としてどうぞ。

Amazonランキング2部門No.1の著書を、
無料進呈キャンペーン期間中 (一部ダウンロード)

「先生業の顧客獲得を成功させる7つの能力」

  • ビジネスとして見た時の、先生業の3つの特性
  • 先生業のハマる5つの罠
  • 究極的には、先生業に求められる能力は2つしかない
  • 安定的に高額で顧客獲得し続ける7つの能力など

Amazonランキング2部門No.1の著書

7. 弁理士がセミナー当日を組み立てる台本と、次に生かす振り返り

弁理士のセミナーの台本とは、話す順番を「聞き手の気持ちがどう動くか」で決めた設計図のことです。4つの設計が決まったら、あとは当日の運び方。弁理士の場合、内容の正確さは心配いりません。手を入れるべきは、その並べ方のほうです。

7.1 台本は4部構成で組む

志師塾が顧客獲得型セミナーで使う台本は、共感、問題提起、ノウハウ、誘導の4部構成です。弁理士のセミナーに当てはめると、こうなります。

弁理士のセミナー台本 4部構成の組み立て

  • 共感:「知財が大事なのは分かるが、何から手を付ければいいか分からない」。参加者が言えずにいることを、こちらから言葉にします
  • 問題提起:気づかないまま進むとどうなるか。公表してしまってからでは遅い、先に出願されたら戻せない。ここが弁理士のセミナーの山場です
  • ノウハウ:判断の目安を渡す。何を守り、何は守らなくてよいか。全部を教え切らず、考え方の骨組みだけを渡します
  • 誘導。ここまで見えたところで、自社の場合はどうなるかを一緒に見る場を案内する

時間配分で言えば、問題提起に最も時間をかけます。ノウハウを厚くしたくなる気持ちは分かりますが、動機のできていない相手に手順を渡しても、資料が増えるだけで終わってしまいます。

7.2 「なぜ買う・なぜあなた・なぜ今」を先回りする

参加者が動かない理由は、たいてい3つ。志師塾では、この3つで断られる理由を先に洗い出し、台本に埋め込んでおきます。

なぜ買うのか。知財に費用をかける意味が見えていない相手には、取らなかった場合に失うものを金額で見せるのが早道です。なぜあなたなのか。ほかの特許事務所と何が違うのかには、3.2で決めた2軸がそのまま答えになります。なぜ今なのか。知財はここが最も答えやすい。公表前、他社の出願前、取引開始前。動くべき期限は制度のほうが決めてくれています

この3つのうち、弁理士がいちばん語り落としやすいのは2つ目です。技術の話は流暢でも、自分の話になると急に控えめになる。ここは事務所の紹介ではなく、どんな相談を受けてきた人なのかを事実で語れば十分です。

7.3 1回目から完成させない。毎回1つだけ直す

初回の会が思ったように運ばないのは、ごく普通のことです。問題は、そこで「向いていない」と結論を出してしまうこと。台本は回すたびに整っていくもので、最初から整うものではありません。

直し方にはコツがあります。1回につき直すのは1箇所だけ。全体を作り直すと、何が効いたのか分からなくなるからです。冒頭のつかみを変えた回、ワークの問いを変えた回、締め方を変えた回。1つずつ動かせば、どこが効いたかが残ります。

志師塾の言い方を借りれば、まずは型を徹底的に真似るところから。うまくいっている人の構成をそのまま借りて、そこから少しずつ自分の形に寄せていく。いきなり自己流で組むと、うまくいかなかったときに直す手がかりがありません。

7.4 数えるのは参加人数ではなく、次に進んだ人数

振り返りで見る数字は、3つで足ります。申し込んだ人数、当日来た人数、そして個別相談へ進んだ人数。参加人数だけを追いかけると、集客が上手で受注のない会が量産されます

3人来て2人が個別相談に進む会と、20人来て誰も進まない会。事業への貢献は前者が上です。それでも人数のほうが目に見えるので、つい多いほうを成功と感じてしまう。記録の項目を先に決めておくのは、この錯覚を防ぐためです。

さらに、進まなかった人に何が足りなかったかを1行だけ書き残しておく。「金額の話をする前に帰られた」「関心はあったが決裁権がなかった」。この1行が、次の回の直しどころになります。

8. 弁理士のセミナー集客に生きる志師塾卒業生3人の実例

ここで紹介する3人は、いずれも志師塾で学んだ弁理士です。4つの設計が実際にどう形になるのか、公開済みのインタビュー記事から引いて見ていきます。

8.1 遠山敬一さん|「起業家向け知財コンシェルジュ」に絞って独立した

メーカーの知財部と大手特許事務所で実務を積み、米国法科大学院の知財プログラムにも留学。米国弁理士資格試験にも合格した遠山敬一さんは、海外の特許権取得と活用のスキルに自信を持っていました。設計1の絞り込みで難しかったのは、まさにその強みをいったん脇に置くことだったといいます。

「あれもこれも、なんでもできます」となって絞り切れなくなる。経験が豊かな人ほど起きる詰まり方です。志師塾では理想の顧客像を「小人さん」と呼び、誰に向けるかを削りに削って決めていきます。遠山さんが最後にたどり着いたのが「起業家向け知財コンシェルジュ」という名乗りでした。

この名乗りは、遠山さん自身の現状認識から出ています。「知的財産について相談できる人が身近におらず、そもそも知的財産の保護・活用のエキスパートが弁理士であることを知らない方も多いのが実態です。そのような敷居の高さが問題だと考えています」。2.1で見た「守れることに気づいていない会社」の話と、そのまま重なる言葉です。扱える範囲を全部見せる形から、起業家向けの知財コンシェルジュという1本へ。名乗りを変えたあとは、独立前の段階から学び仲間や紹介による依頼が増えていきました。手応えを得て、2022年4月に横浜市で遠山総合特許事務所を開所しています。詳しくは遠山敬一さんのインタビュー記事をご覧ください。

8.2 木村高明さん|「こんなものが特許になるのか」を伝え続けて相談を増やした

至誠国際特許事務所の木村高明さんは、中小零細企業の知財を調査から登録、紛争解決、外国出願まで一貫して支援しています。独立当初はマーケティングの経験がなく、中小企業からの案件受注に苦戦したそうです。理由も本人が言語化しています。「中小企業では特許に関する意識が低く、特許取得の必要性を理解させる必要がある」。

その解き方として木村さんが選んだのが、発信で意識を底上げすることでした。名刺交換した相手全員にメルマガを送り、内容は制度の解説ではなく「こんなものが特許になるのか」という気づきに寄せる。「潜在化しているヒントを顕在化したアイデアにさせ、相談件数を増やすことを心がけています」。設計2で見た組み立てが、そのまま発信の形になっています。

実際に「こんなアイデア、特許になるのですか」という相談から、海外ビジネスにつながる特許が生まれた例もあるとのこと。今期は売上6,000万円以上を達成されています。木村高明さんのインタビュー記事で詳しく読めます。

8.3 須藤修三さん|待つ営業をやめ、人と会う場に出続けた

MTS国際特許事務所の須藤修三さんが名乗っているのは、知財の収益化コンサルタント。転機は、事務所の危機でした。主要クライアントとの関係を担っていたパートナー弁理士が亡くなり、売上が3分の1以上も減少。「仕事は待っていればくる」というスタンスだった事務所には、集客のノウハウが残っていませんでした。

志師塾で学んだあと、須藤さんはネットワークを広げる側に回ります。Facebookの投稿は連続1,000回を超え、経営者のテニス交流会、弁理士会の委員会、異業種交流会にも積極的に参加。「さまざまな情報発信手段を使用しコミュニティに参加したことでご縁を頂くことができ、特許だけでなく新たに商標等の仕事も幅広く頂けるようになりました」と語っています。扱う分野も広がりました。特許を軸に、約5年前からは商標の調査と出願、令和3年からは補助金コンサルタントへ。入口は1つから3つになっています。設計3の「人が集まる場に出ていく」を、地道に積み上げた形です。

いまはセミナーとYouTubeを常に回せるサイクルにすることを目標に置いています。須藤修三さんのインタビュー記事に、その経緯が詳しく載っています。

8.4 3人に共通していたこと

顧客層も専門も、3人はばらばらです。それでも共通点がありました。

  • 知財を「事業の言葉」に翻訳している:起業家の差別化要素、中小企業のマーケット独占、収益化。3人とも制度の言葉で語っていません
  • 会う場を自分で作りに行っている:メルマガ、交流会、委員会。待つのをやめた時点が、それぞれの転機になっています
  • 絞ってから広げた:入口はひとつに絞り、受注してから扱う範囲を広げる。この順番が3人とも同じです

同じ志師塾の弁理士では、山田成喜さんも、2023年6月に志師塾を受講してから、1to1の面談を250回以上、名刺交換を約1,300枚まで積み上げています。会う回数を先に増やしたという点で、3人と同じ道です。

※上記は志師塾を受講された方の実例です。同様の成果を保証するものではありません。

4人が最初に変えたのは、話し方でも資料でもありませんでした。知財を、相手の事業の言葉に置き換えたこと。この翻訳ができた人から、相談が入り始めています。では、あなたの専門をどう置き換えるか。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、その翻訳を4人が通ったのと同じ順番で進めていきます。

9. 弁理士のセミナー集客でよくある質問

弁理士のセミナー集客について、志師塾によく寄せられる質問を6つにまとめました。値付け、人数、登壇への苦手意識、開催の形、守秘義務、依頼までの時間。よく聞かれるところから並べています。

9.1 弁理士のセミナーは無料と有料、どちらがよいですか?

個別相談への入口として使うなら、無料か数千円までに抑えるのが現実的です。知財はそもそも関心の薄い分野なので、参加のハードルを上げると人が集まりません。有料にすれば本気度は上がるものの、そのぶん人数が絞られ、当日の期待値も跳ね上がります。まず無料で回数を重ねて台本を磨き、集客が安定してから有料へ切り替える。この順番がいちばん扱いやすい形です。

9.2 参加者が2〜3人しか集まりません。開催する意味はありますか?

あります。人数が少ないほど、当日の運び方を自由に変えられるからです。3人なら、冒頭で一人ずつ困りごとを話してもらい、その場でプログラムの重心をずらせます。「御社の場合は」と名指しで例を差し替えられるのも少人数ならでは。終わりに個別相談の日程をその場で押さえれば、次に進む人はむしろ増えます。少人数の会は、規模を落とした会ではなく、進め方を変えた会です。

9.3 人前で話すのが苦手です。それでもセミナーは向いていますか?

向いています。満足を決めているのは話術ではなく、台本の設計だからです。初回にまず用意するのは、スライドではなく時間配分。60分の会なら、共感に10分、問題提起に20分、ノウハウに20分、個別相談の案内に10分。この割り振りから始めてみてください。スライドは1枚1メッセージにすると、60分で20枚前後に収まります。覚えるのはセリフではなく、この配分。いま自分がどこを話しているか分かっていれば、言葉に詰まっても聞き手は迷いません。

9.4 オンラインと対面、どちらから始めるべきですか?

オンラインから始めると、回数を重ねやすくなります。ただ、画面越しでは関係が薄くなりがち。埋める工夫は3つあります。定員を10名までにして全員の顔が見える状態を保つこと。冒頭で一人ずつ名乗ってもらい、カメラを付けたまま進めてもらうこと。そして後半に、一人ずつ質問を受ける時間を10分とること。この3つを入れると、オンラインでも「話した」という感覚が残ります。対面へ切り替えるのは、依頼まで一気に運びたくなった段階から。

9.5 守秘義務があるので事例を話せません。どうすればよいですか?

公表されている材料に置き換えてください。審決例や判例、報道された模倣事件は、どれも同じ働きをします。自分の案件を使う場合も、業種と規模をぼかせば十分に伝わる。聞き手が求めているのは実名ではなく、自分の会社を重ねられる粒度です。「従業員20名ほどの部品メーカーで、こういうことが起きました」。この程度でも、参加者は自分に置き換えて考え始めます。

9.6 セミナーから依頼が来るまで、どのくらいかかりますか?

知財は、決まるまでの時間が長い分野です。新製品を出す、取引先が広がる、資金調達で説明を求められる。そうした節目が来て、はじめて相談になります。だから狙うのは即決ではなく、節目のときに真っ先に思い出される状態。名簿を残し、年に数回は接点を持ち、開催を続ける。半年から1年の単位で積み上がっていくものと考えてください。

10. まとめ:弁理士のセミナー集客は「会える場」をつくること

弁理士のセミナー集客で押さえるところを、4つに整理しました。

  • 設計1:誰に向けた会かを先に決める。2軸の掛け算で絞り、持ち帰るものは1つに
  • 設計2:制度の授業にしない。事例と作業で自分ごとに変え、満足度は80点を狙います
  • 設計3:集客の土台はWeb。困りごとの言葉で告知し、共催と支援機関の場も使う
  • 設計4:個別相談への出口を当日の中に置き、続く関係に育てていく

この4つの下敷きになっているのが、市場の構造です。全企業の99.7%が中小企業なのに、特許出願に占める割合は16.0%。守れることに気づいていない会社が、まだ大量に残っています。そして知財は、痛みが出てからでは打てる手が減る分野。気づく前の人に会う場が要るのは、そのためです。

加えて、特許事務所の72.8%は弁理士がひとり。営業に人は割けません。まとめて会って、まとめて気づいてもらう。セミナーは、その制約の中で選べる数少ない手です。

明日からの一歩として、この3つを試してみてください。

  1. これまでに受けた相談を、業種と相談内容で並べ替えて自分の偏りを確かめる
  2. 見えてきた偏りを2軸に置き換えて、「誰の・どんな悩みを・どう解決する弁理士か」の一文にまとめます
  3. 相談者が実際に口にした一言を3つ書き出して、次の告知の見出し候補に

4つの設計は、回すほど翻訳が上手くなります。知財の話を、相手の事業の言葉へ置き換える。その1回目をどう組むかで、ひとりで会える人数は変わってきます。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、先生業の実例をもとに、その1回目の組み立て方を扱っています。

ひとりで事務所を回しながら、依頼を増やしたい弁理士の方へ

人を雇わずに会える人数を増やす。そのためには、場のつくり方そのものを設計するしかありません。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーで、その組み立て方を確かめてみてください。参加費は無料です。

Web集客セミナーの詳細・お申し込みはこちら

あわせて読みたい記事です。

>> Web集客ノウハウ一覧へ戻る

この記事について

監修:志師塾(株式会社エクスウィルパートナーズ)。士業・コンサルタント・コーチ・講師といった「先生業」に特化した集客・顧客獲得支援を行い、これまでに3,200名を超える先生業の方を支援してきました。本記事は、弁理士の受講生・卒業生への支援で得た知見と、日本弁理士会「会員の分布状況」および特許庁「特許行政年次報告書2025年版」「弁理士制度の現状と今後の課題」の公表資料をもとに構成しています(公的データの確認日:2026年8月30日/支援人数の原本確認日:2026年8月16日)。掲載した卒業生の成果は個人の実績であり、同様の成果を保証するものではありません。

PAGE TOP
MENU
体験セミナー

TEL:03-5937-2346

カスタマーサポート(9:00 - 18:00 土日祝日除く)