「行政書士はAIに仕事を奪われて、もうオワコンなんじゃないか?」
「代替率93%という数字を見て、独立する勇気が出ない…」
「AIに勝てる行政書士って、具体的に何をすればいい?」
あなたは今、こんな不安を抱えていませんか?2015年に野村総合研究所とオックスフォード大学が発表した共同研究で「行政書士業務の93.1%がAIに代替可能」と試算されて以来、業界では何度も「行政書士はなくなる」という議論が繰り返されてきました。そして2025年以降、ChatGPTをはじめとする生成AIの実用化で、その不安は一気に現実味を帯びています。
そこで本記事では、以下の内容を整理して解説します。
- AI代替率93.1%という数字の本当の意味
- 行政書士の業務のうち「消える業務」と「伸びる業務」の境界線
- AI時代に行政書士が生き残る5つの道(具体戦略)
- 志師塾が提唱する『AI伴走士』という新しい職能
- 明日から始められる5ステップの実践プラン
この記事を読み終わるころには、「93%」という数字に振り回されず、あなた自身がAI時代に選ばれ続ける行政書士になるための道筋がはっきり見えているはずです。一緒に整理していきましょう。
1. 「AI代替率93.1%」の本当の意味|数字の裏にある真実
まず、不安の出発点になっている「93.1%」という数字を正しく理解しておきましょう。ここを誤解したまま戦略を立てると、進む方向を間違えます。
1.1 野村総研×オックスフォード大の研究データ
2015年12月、野村総合研究所がオックスフォード大学のフレイ&オズボーン両氏と共同で発表した研究では、日本の労働人口の約49%が10〜20年後にAIやロボットで代替可能と試算されました。士業の代替確率は次のとおりです。
| 士業 | AI代替確率 |
|---|---|
| 行政書士 | 93.1% |
| 税理士 | 92.5% |
| 弁理士 | 92.1% |
| 社会保険労務士 | 79.7% |
| 司法書士 | 78.0% |
| 弁護士 | 1.4% |
| 中小企業診断士 | 0.2% |
行政書士と中小企業診断士の差は、なんと約460倍。同じ士業でこれほど開きが出る理由は、業務の中身の違いです。
1.2 「職業単位」と「タスク単位」で結果が変わる
ただ、この数字を鵜呑みにするのは危険です。野村総研の試算は「職業単位」で代替可能性を出しています。実際の仕事は複数のタスクの組み合わせです。
その後、OECD(経済協力開発機構)の研究(Arntz et al., 2016)ではタスク単位で見ると、自動化リスクはOECD加盟国平均で約9%という、はるかに控えめな数値が示されました。
つまり「行政書士という職業がまるごと93%消える」のではなく、業務の中の93%相当の作業(書類作成・データ入力など)はAIに置き換わる可能性が高い、と読むのが正しい解釈です。
1.3 取扱業務は10年で7,000種から1万種以上へ拡大
もう一つ、重要なデータを紹介します。日本行政書士会連合会のデータによれば、行政書士が扱う書類の種類は10年前の約7,000種類から、現在は1万種類以上に拡大しています。
外国人在留資格、ドローン許認可、民泊届出、補助金申請、AI・DX関連の許認可…。法改正や社会変化のたびに新しい業務が生まれています。仕事が「減る」のではなく、「中身が入れ替わる」のが実態です。
1.4 2026年改正行政書士法でデジタル対応が職責に
2026年に施行された改正行政書士法では、行政書士の職責に「デジタル社会の進展を踏まえ、情報通信技術の活用その他の取組を通じて、国民の利便向上や業務の改善進歩を図るよう努めること」が明文化されました。
逆に言えば、紙とハンコの世界に閉じこもったままの行政書士は、法律的にも「やるべきことをやっていない」とみなされかねない時代に入った、ということです。
2. 「消える業務」と「伸びる業務」の境界線
では、行政書士の業務のうち、何が消えて何が残るのか。ここを切り分けないと戦略は立てられません。
2.1 AIに代替されやすい業務
AIに代替リスクが高いのは、おおむね以下の業務です。
- 定型フォーマットが決まっている書類のドラフト作成
- 同内容での更新申請(一定年数ごとの定期更新など)
- 議事録・報告書の文字起こしと要約
- 判例・法令・通達のリサーチ(一次調査)
- 契約書テンプレートの差し込み・チェック
- FAQ的な一次相談対応
こうした「誰がやってもアウトプットが大きく変わらない作業」は、生成AIが数分で7〜8割の品質を出してくれます。LegalOn CloudやLawFlowなどのリーガルテックツールも実用レベルに来ています。ここで人間が時給を取り続けるのは、現実的に厳しい。
2.2 AIに代替されにくい業務
反面、次のような業務はAIには置き換えられません。
- 複雑な許認可案件のコンサルティング(入管・開発許可・建設業許可など)
- 行政機関との折衝・交渉・事前相談
- 事業者の状況に応じたオーダーメイドの戦略立案
- 補助金申請における事業計画の構築・採択後の伴走
- 相続・離婚・成年後見などの感情を伴う相談業務
- 外国人本人や家族との対話を要する在留資格対応
- 紛争予防(予防法務)・ADR関与
共通点は「個別事情の読み解き」と「責任を負った判断」が必要という点。AIは大量のデータからもっともらしい答えを出すのは得意ですが、「目の前のこの依頼者にとって何が最適か」を責任を持って決めることはできません。
2.3 志師塾の視点:AIは『処理』、人は『意味』
志師塾では、AIと人の役割をこう整理しています。
「AIは処理の相棒、人は意味の責任者」
仕事を「発案・企画・実行・評価」の4フェーズに分けると、AIは情報収集・たたき台作成・データ処理・分析を担えますが、人にしかできないのは「意志・判断・感情・責任」の4つです。
とくに実行フェーズには、資料を作るような「作業的実行」と、依頼者の心を動かしたり行政担当者と交渉したりする「関係的実行」の2種類があり、AIに奪われるのは前者だけ。後者は、人にしかできません。
この発想で自分の業務を棚卸しし直すと、「全部AIに奪われる」という恐怖は消えます。代わりに、「どこに自分の価値を集中させるか」という戦略の問いに変わるはずです。
3. AI代替93%の行政書士が生き残る5つの道
ここからが本題です。データと現場の動きを踏まえ、僕が見ている「行政書士が2030年に向けて生き残るための5つの道」を提示します。どれか1つでも、組み合わせでも構いません。
3.1 道①:許認可×コンサルティングへのシフト
1つ目は、もっとも王道のルート。書類作成代行から「許認可コンサルティング」へポジションを移すことです。
建設業許可・宅建業免許・産廃許可・風営法関連・薬機法関連など、複雑な許認可は、申請書を出す前段階の事業設計・要件整備・行政との事前協議が成否を分けます。ここはAIには絶対に踏み込めません。
具体的には、以下のようなサービス設計に変えていきます。
- 申請前コンサル(事業の要件適合性診断・組織体制設計・資金計画レビュー)
- 申請書類作成(AI活用で効率化)
- 取得後の継続サポート(変更届・更新・コンプライアンス)
「書類1通◯万円」から「年間顧問契約+スポット案件」へとモデルを変えるイメージです。志師塾では、こうした商品設計を「標準パッケージ化」と呼んでいます。コンサルでも標準商品を作ることで、価格・品質・再現性が高まります。
3.2 道②:外国人支援・入管特化
2つ目は、外国人支援・入管業務への特化です。日本で働く外国人労働者は2026年現在で200万人を超え、過去最高を更新し続けています。
在留資格変更・更新、技人国・特定技能・経営管理ビザ、永住・帰化など、行政書士の独占業務領域。外国人本人との直接コミュニケーション、家族の事情、雇用主の経営判断が絡むため、AIでは絶対に置き換えられない領域です。
むしろ、ここでこそAIを「翻訳・FAQ自動応答・初稿作成」に使い、人間は面談・戦略立案・行政折衝に集中する。AI×外国人支援はこれからの主戦場と言えます。
3.3 道③:相続・終活・予防法務へ
3つ目は、相続・終活・予防法務領域。日本の高齢化は2040年まで右肩上がりで進み、相続案件は今後10年以上、確実に増え続けます。
遺言書作成、遺産分割協議書、相続人調査、死後事務委任、家族信託の入口相談…。これらに共通するのは、感情と利害が交錯する「家族の物語」を扱う仕事だという点。AIに任せたら、依頼者は逃げます。
予防法務という考え方も重要です。弁護士は紛争が起こってからが出番ですが、行政書士はトラブルが生じる前に手を打つ。契約書、規約、覚書、合意書を整えることでクライアントを守る。AIにはできない「先回り」の仕事です。
3.4 道④:補助金・DX×AI導入支援
4つ目は、補助金とDX/AI導入支援。中小企業庁は2026年3月、従来の「IT導入補助金」を「デジタル化・AI導入補助金2026」に改称し、AIツール導入支援を強化しています。中小企業の現場でAI・DX投資が本格化しているということです。
ここで求められるのは、「制度を理解しながら、AI・DX活用の相談にも乗れる専門家」。補助金申請を入口に、その後のAI導入伴走、就業規則やデータガバナンス整備までワンストップで支援できる行政書士は、間違いなく希少価値が出ます。
事業再構築補助金、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金、IT導入補助金…。単に「申請書を書く人」ではなく、「事業を設計し、採択後の実行も伴走する人」になることが鍵です。
3.5 道⑤:『AI伴走士』として顧客のAI活用を支援する
5つ目が、僕が一番推したい道。『AI伴走士』としてのポジションです。
志師塾が運営する一般社団法人AI伴走士協会では、AI活用のレベルを3段階で整理しています。
- レベル①:使いこなす(自分の業務をAIで効率化)
- レベル②:教える(顧客にAI活用法を伝える)
- レベル③:伴走する(顧客のAI導入と業務変革を継続支援)
多くの行政書士はレベル①で止まっています。でも本当の差別化は、レベル②③に進むこと。「AI・顧客・先生業の三位一体」で成果を出す、という考え方です。AIは処理の相棒、顧客は意思決定者、行政書士は両者をつなぐ伴走者。
例えば、こんなサービス設計が考えられます。
- 許認可業務のAI伴走支援(書類作成AIの導入+月次セッション)
- 中小企業向けAIガバナンス相談(情報管理・著作権・利用規程の整備)
- 補助金×AIマイGPT構築(クライアント専用の補助金申請AIを納品)
「AIに仕事を奪われる行政書士」ではなく、「AIを使う人を支援する行政書士」。視点を反転させれば、AI時代こそ追い風になります。
4. 5つの道に共通する『生き残り3要素』
5つの道はそれぞれ違って見えますが、根っこの成功要素は共通しています。3つだけ押さえてください。
4.1 ポジショニング:何でも屋からの脱却
「何でもやります」の行政書士は、AIにも同業者にも勝てません。志師塾では「とんがりポジショニング」と呼んでいますが、特定の小人(理想の見込み客)と問題に絞り込むことが起点です。
「外国人飲食店オーナー専門の風営法・在留資格行政書士」のように、誰の・どんな悩みを・どう解決するかを言語化する。ここがブレている限り、何を学んでも刺さらないし、何にAIを使うかも決められません。
4.2 顧客獲得導線:集めて・教えて・売る
2つ目は集客導線。志師塾では「集めて・教えて・売る」という3ステップで顧客獲得を仕組み化することを推奨しています。
- 集める:ブログ・SEO・SNS・紹介で見込み客リストを増やす
- 教える:無料オファー・メルマガ・セミナーで信頼関係を築く
- 売る:個別相談で高額商品(コンサル・顧問契約)を提案する
「お願いされて売れる」状態を作ることが、価格競争から抜け出す道です。AIで効率化した時間を、この導線づくりに投資すべきです。
4.3 商品設計:高額商品を持つ
3つ目は商品設計。書類作成1通単価のビジネスは、AIで価格破壊が進みます。生き残るには、30万円〜数百万円の高額バックエンド商品を持つことが欠かせません。
許認可コンサル、年間顧問契約、補助金パッケージ、AI伴走支援サービス…。Before/Afterのギャップが大きい商品ほど、価格は上げられます。「書類を作る」ではなく「事業を前進させる」商品を設計しましょう。
5. AI時代の行政書士が踏み出す5ステップ
戦略を頭で理解しても、行動しなければ何も変わりません。明日から踏み出せる5ステップをまとめます。
5.1 ステップ1:業務一覧シートで棚卸しする
まず、自分の業務をすべて書き出します。集客・営業・サービス提供・CS・マネジメントの5領域に分け、1業務ずつ「AI適合度(高/中/低)」「顧客価値(高/中/低)」を評価する。志師塾では「AI活用業務マトリクス」と呼んでいる手法です。
右上(AI適合度・高×顧客価値・低)はバッサリAIに任せる。左上(AI適合度・低×顧客価値・高)は人間が集中する。この仕分けが戦略の出発点です。
5.2 ステップ2:AIを『使いこなす』レベルに到達する
次に、ChatGPT・Gemini・Claudeなど主要LLMを実務で使いこなせるようにする。志師塾では、プロンプト設計の独自フレームとして『B-R-A-I-N(ブレーン)』を提唱しています。
- Brief:ワンフレーズの依頼書(目的)
- Role:AIに演じさせる役割
- Audience:対象読者
- Instructions:仕上げのルール・条件
- Notice:出力形式の指定
この5ブロックを意識するだけで、プロンプトの精度は劇的に上がります。書類のドラフト、メール返信、ブログ記事、議事録…。ありとあらゆる文書作成業務に応用できます。
5.3 ステップ3:マイGPTで業務を仕組み化する
3つ目は、自分専用AIアシスタント「マイGPT」の構築。例えば「建設業許可ヒアリングGPT」「在留資格判定GPT」「補助金事業計画ドラフトGPT」のように、自分の業務に特化したGPTを作っておくと、業務スピードが数倍に跳ね上がります。
マイGPTの中に、自分の経験・ナレッジ・テンプレートを入れ込む。これが、ただAIを使う行政書士と、AIを武器にする行政書士の分かれ目です。
5.4 ステップ4:5つの道から1つを選び、商品を設計する
第3章で挙げた5つの道のうち、自分の経験・関心・地域特性に合うものを1つ選びます。そして、フロントエンド(無料相談・セミナー)とバックエンド(高額コンサル・顧問契約)の2階建てで商品を設計する。
大切なのは、30点でいいから一度小人(理想の見込み客)に持っていって反応を見ること。志師塾ではこれを「仮説検証」と呼んでいます。机上で100点を目指すより、検証して直すほうが圧倒的に早く、当たります。
5.5 ステップ5:『教える・伴走する』レベルに進む
最後は、AI活用レベルを「教える」「伴走する」に引き上げる。クライアント企業向けにAI導入セミナーを開催する、業界団体で勉強会を主催する、月次セッションで継続支援する。
ここまで来ると、「AIに仕事を奪われる行政書士」から「AIを使って顧客の事業を伸ばすパートナー」へ完全に変身します。これがAI伴走士の世界観です。
6. 志師塾卒業生の事例|『正しい脳の使い方』を伝える伴走支援
「専門スキル×伴走支援」で独自のポジションを築いた志師塾卒業生の事例を1つ紹介します。
自己実現メンタルコーチの平真理子さんは、「満足した人生を送りたい人に、正しい脳の使い方を教える」というコンセプトを掲げ、卒業後に独自の道を切り開きました。詳しいインタビューは下記をご覧ください。
【卒業生インタビュー】満足した人生を送りたいあなたに「正しい脳の使い方」を教えます! ~自己実現メンタルコーチ・平真理子(たいらまりこ)さん~
業種は違いますが、行政書士にとっても示唆は大きいです。「単に手続きを代行する人」ではなく、「依頼者の人生や事業の意思決定を支える人」になれるかどうか。これがAI時代の伴走支援者に共通する勝ち筋です。書類は誰がやってもAIで作れる時代だからこそ、人としての価値を磨いた人が選ばれます。
7. よくある質問(FAQ)
7.1 Q. 結局、行政書士は将来なくなりますか?
A. 職業としてはなくなりません。日本行政書士会連合会の登録者は約5万人で、過去10年で増えています。改正行政書士法でデジタル対応が職責に明記されたとおり、制度的にも存続前提の議論が進んでいます。ただし、書類代行だけで食っていくスタイルは確実に厳しくなります。
7.2 Q. AIが苦手なベテランでも追いつけますか?
A. 追いつけます。むしろ、業務知識と人脈を持っているベテランがAIを覚えると最強です。AIはツールに過ぎず、それを「どう業務に組み込むか」は経験値の世界。志師塾の受講生にも50代・60代で大きく結果を出した方が多くいます。
7.3 Q. 何から手をつければいいですか?
A. まずChatGPTの有料版(月額20ドル)を契約し、自分の業務で1日30分使う習慣を作ること。並行して、専門領域の絞り込み(ポジショニング)と高額商品の設計を進めましょう。学ぶ場としては、フロントセミナーで全体像をつかむのが一番早い、と僕は思います。
7.4 Q. 競合が多い業務に今から参入しても勝てますか?
A. 「業務×地域×切り口」で絞れば勝てます。例えば「建設業許可」だけだと競合だらけですが、「東京都内のリフォーム会社専門」「外国人経営者の建設会社専門」などに絞れば、いきなり競合が激減します。志師塾でいう「とんがりポジショニング」です。
8. まとめ|AI代替93%は『脅威』ではなく『地図』
長くなったので最後に整理します。
- 「AI代替率93.1%」は職業単位の数字。タスク単位なら自動化リスクは1割程度
- 消えるのは定型書類作成。残るのは判断・交渉・伴走
- 生き残る5つの道:①許認可コンサル ②外国人支援 ③相続・予防法務 ④補助金・DX ⑤AI伴走士
- 共通する勝ち筋は、ポジショニング・集客導線・高額商品設計の3つ
- 明日から踏み出す5ステップで、AI伴走士というポジションへ進む
「93%」という数字は、見方を変えれば「どこに自分の価値を集中させるべきか」を教えてくれる地図です。AIに奪われる業務が明確だからこそ、奪われない業務に資源を集中できる。脅威ではなく、戦略の出発点です。
あとは、行動するかどうか。ここから先は、一人で悩むより、同じ志を持つ仲間と進めたほうが早く、確実に変わります。
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