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補助金9000万円時代|支援単価5段階の作り方

補助金の上限が9,000万円になったからといって、あなたの支援単価が自動的に上がるわけではありません。上がったのは、顧客が背負う義務の年数のほうです。

2026年6月、新事業進出補助金は公募を終了し、ものづくり補助金と統合されて「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として再スタートしました。統合後第1回の申請受付期間は8月31日から9月30日。今まさに、顧問先から「うちも申請できますか」と聞かれ始めている時期です。

この記事では、補助金支援を扱う先生業(士業・コンサルタント・講師・コーチ)に向けて、次の3点を解説します。

  • 統合後の制度で「何が変わったのか」という事実整理(上限額・枠・賃上げ要件)
  • 成功報酬10〜20%という相場の外側で、支援単価を積み上げる5段階の設計
  • その5段階を、志師塾の「受注力7つの能力」でどう商品化するか

志師塾は先生業専門のビジネススクールとして、これまで3,200名を超える先生業の顧客獲得を支援してきました(実数3,295名/2026年8月確認)。補助金を切り口に事業を立ち上げた卒業生も多数います。その現場で見えてきたのは、「%で稼ぐ支援者」ほど、制度が成熟するほど苦しくなるという構造でした。

読み終えるころには、「9,000万円×15%=1,350万円」という単純計算の危うさと、その代わりに何を売るべきかが、はっきりしているはずです。まずは制度の現在地から整理します。

Table of Contents

1. 補助金上限9000万円時代の正体|統合後の制度で何が変わったか

統合後の補助金|3つの枠と上限額

単価の話に入る前に、制度の事実を押さえます。ここを間違えたまま顧問先に説明すると、信用を一発で失います。

1.1 新事業進出補助金は「終了」し、ものづくり補助金と統合された

中小企業庁のミラサポPlusによれば、新事業進出補助金は2026年6月をもって公募を終了し、ものづくり補助金と統合して「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」として実施されることになりました(出典: 中小企業庁 ミラサポPlus)。

ここが最初の落とし穴です。ネット上には、統合前の制度名で書かれた記事や、「2026年度から統合予定」と将来形で書かれたままの解説が大量に残っています。顧問先も、そういう古い記事を読んで相談に来ます。

制度名を正確に言えるかどうかは、この分野での第一印象を決めます。「新事業進出補助金ですね」と受けてしまった時点で、情報が半年前で止まっている専門家だと判断されかねません。

1.2 統合後の3つの枠と、上限9000万円の位置づけ

統合後の枠組みは、大きく3つに整理されています。

補助上限額 実施期間
革新的新製品・サービス枠 3,500万円 10か月
新事業進出枠 9,000万円 14か月
グローバル枠 9,000万円 14か月

申請は電子申請で、GビズIDが必須です。補助率は枠や事業者規模によって1/2〜2/3。申請にあたっては3〜5年の事業計画が求められ、そこには付加価値額の年平均成長率4.0%以上、給与支給総額の年平均成長率3.5%以上といった数値目標を織り込む必要があります。

つまり「9,000万円」は3枠のうち2枠の上限値であって、申請すれば誰でも届く数字ではありません。旧制度の時点でも、補助上限額は従業員数の区分によって2,500万円から9,000万円まで幅がありました。従業員5名の会社が9,000万円枠を語るのは、そもそも制度の読み違いです。

1.3 上限額が上がったのではなく「義務の年数」が伸びた

ここが、この記事でいちばん伝えたい構造です。

補助金は、採択されて終わりではありません。採択後は交付申請を行い、交付決定を受け、事業を実施し、実績報告を提出して、ようやく補助金が支払われます。さらにその後、5年間にわたる事業化状況報告が続きます。

加えて、補助事業終了後3〜5年で、付加価値額の年平均成長率4.0%、一人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円という水準の達成が求められます。未達の場合は補助金の返還を求められる可能性があります。

大幅賃上げ特例を使えば補助上限は500万円〜2,000万円上乗せされますが、その代わり要件はさらに重くなります。事業場内最低賃金の年額50円以上の引き上げと、給与支給総額の年平均6%以上の増加。しかも判定のタイミングは、第1回公募時は事業実施期間内でしたが、その後は補助事業終了後5年間へと長期化する方向で説明されています(この判定時期の変更については、公募要領の原本で最新の記載を必ず確認してください)。

整理すると、こうなります。

上限が9,000万円になったから、支援報酬の天井が上がったのではない。
上限が9,000万円になったことで、顧客が背負うリスクの年数が5年に伸びた。単価は、そこに対して上がる。

申請書という「紙」の対価で単価を上げようとすると、必ずどこかで頭打ちになります。しかし「5年間、この会社を返還リスクから守り切る」という役務は、まったく別の値付けができます。

2. 補助金支援の報酬相場と、成功報酬15%モデルの限界

9000万円×15%が成立しない3つの理由

次に、市場でいくらの値がついているのかを見ます。ここを知らないまま値付けすると、安すぎて疲弊するか、高すぎて選ばれないかのどちらかになります。

2.1 着手金5〜15万円+成功報酬10〜20%が主流

補助金支援の報酬体系として広く説明されているのは、着手金と成功報酬の二段構えです。

項目 説明されている水準 備考
着手金 5〜15万円 10万円前後の提示が多い
成功報酬 採択額の10〜20% 30%近い例もあると報じられる
成功報酬のみ型 混合型より5〜10pt高め 着手金ゼロのリスク分を上乗せ

たとえば補助金額1,000万円の案件なら、着手金15万円+成功報酬100〜150万円で、合計115〜165万円程度という試算が示されることがあります。

ただし、この相場には注意点があります。相場を説明している記事の多くが、補助金コンサルを提供している事業者自身によるものだという点です。公的な統計に基づく数字ではなく、「そう説明する事業者が多い」という水準だと理解しておくべきでしょう。

2.2 「9000万円×15%=1350万円」が絵に描いた餅になる3つの理由

上限9,000万円という数字を見ると、つい暗算してしまいます。9,000万円の15%なら1,350万円。1件で年収を超える。そう考えて補助金支援に参入する先生業は少なくありません。

しかし現実には、この計算は3つの理由でほぼ成立しません。

理由1:9,000万円枠に届く事業者が限られる

前述のとおり、上限額は枠と従業員数区分で決まります。あなたの顧問先の多くは、そもそも9,000万円枠の対象ではない可能性が高いでしょう。

理由2:成功報酬の計算基準が「入金額」だと大きく下がる

成功報酬の対象金額を、採択通知額とするのか、実際の入金額とするのか。ここは契約書で明確にすべき論点として、複数の解説で共通して指摘されています。補助金は採択後の経費実績に応じて支給されるため、実際の支給額が交付決定額より減ることがあります。入金額ベースで契約していれば、報酬も連動して下がります。

理由3:採択されるとは限らない

成功報酬モデルは、不採択なら着手金しか残りません。しかも不採択時に次回申請のブラッシュアップ対応が含まれるのかどうかも、事前に取り決めておくべき論点とされています。含めるなら工数は倍近くになります。

2.3 国が名指しで警告している「役務と乖離した高額報酬」

そして最も重要な事実がこれです。

中小機構は、認定支援機関に関する案内のなかで、悪質な業者の例として次のような行為を挙げ、注意喚起を行っています(出典: 中小機構)。

  • 提供するサービスの内容とかい離した高額な成功報酬等を請求する
  • 金額や条件が不透明な契約を締結する
  • 強引な働きかけを行う
  • 費用の水増しなど虚偽記載を教唆する
  • 作成支援者名を記載しないよう求める

さらに決定的なのが、事業計画は申請者自身が作成する必要があり、作成そのものを申請者以外が行うことは認められていないという点です。発覚した場合は不採択、採択取消、交付決定取消の対象となります。外部の専門家の立場は、あくまでアドバイスやブラッシュアップです。

この2つを重ねると、輪郭がはっきりします。

相場より高いことが悪いのではない。役務と報酬が乖離していることが問題視されている。そして、代筆という役務は、そもそも制度上認められていない。

つまり「申請書を書いてあげる対価として%を取る」というモデルは、単価の上限が低いだけでなく、制度の建て付けそのものと相性が悪いということです。

補助金支援に限らず、先生業が単価を上げられない原因は「売っているものが役務ではなく作業になっている」ことにあります。志師塾の無料セミナーでは、高単価で選ばれる商品設計と顧客獲得の型をお伝えしています。

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3. 補助金支援の単価5段階|%ではなく役務の階層で積み上げる

補助金支援の単価5段階|役務の階層

ここからが本題です。単価は成功報酬のパーセンテージで上げるのではなく、関与するフェーズを増やすことで積み上げます。

志師塾では、商品サービスづくりの中核を「手順・体系を作る3ステップ(ネタ出し→手順化→体系化)」と教えています。補助金支援も同じで、バラバラの作業を並べ替えて手順にし、階層として体系化したとき、はじめて「どこまでお願いするか」を顧客が選べる商品になります。

その体系が、次の5段階です。

3.1 段階1|適合診断・情報提供(入口をつくる)

最初の階層は、「そもそも御社は対象なのか」を判定する役務です。

統合後の補助金には、細かな対象外要件があると説明されています。たとえば、応募申請時点で従業員数が0名の事業者(役員のみは対象外)、新規設立・創業後1年に満たない事業者(新事業進出枠)、みなし大企業、直近3年の課税所得平均が15億円超の中小企業者、医療法人・認定NPO法人・政治団体・宗教団体など。これらの詳細は必ず公募要領の原本で確認してください。

ここでのポイントは、この診断を無料オファーまたは低額の入口商品として設計することです。

  • 「補助金対象判定チェックシート」を無料オファーにしてリストを取る
  • 30分の適合診断面談を無料または1万円で提供する
  • 診断結果を1枚のレポートにして渡す(成果物を見える化する)

志師塾では「知りたいものを、手に入るものに変換する」ことを商品設計の肝としています。「相談に乗ります」ではなく「適合判定レポートが手に入ります」と言い換えるだけで、次の段階に進む確率は変わります。

3.2 段階2|事業計画のブラッシュアップ支援(相場帯の主戦場)

第2階層が、いわゆる「申請支援」です。ただし前述のとおり、事業計画は申請者自身が作成するものであり、支援者の立場はアドバイスとブラッシュアップです。

だからこそ、ここでの役務を明確に言語化しておく必要があります。

やること 成果物
新事業の構想を引き出すセッション 事業構想整理シート
付加価値額・賃上げの数値計画づくり 3〜5年数値計画表
計画書ドラフトへのフィードバック 添削コメント一式
GビズID取得・電子申請の伴走 申請完了チェックリスト

着手金+成功報酬という相場の形を取るにしても、契約書には最低限この3点を明記します。

  1. 成功報酬の計算基準は交付決定額か入金額か
  2. 不採択時の再チャレンジ支援は含むか、別料金か
  3. 報酬の支払時期(採択時に半分、入金時に残りという分割設計も実務上使われています)

この明記そのものが、国が警告する「金額や条件が不透明な契約」との差別化になります。不透明な業者が多い市場では、透明であること自体が独自力になります。

3.3 段階3|交付申請・実績報告の実務支援(誰もやりたがらない領域)

ここから先が、相場記事にはほとんど出てきません。

採択はゴールではなく、スタートです。採択後には交付申請があり、交付決定を経て事業を実施し、経費の証憑を揃えて実績報告を出し、そこでようやく補助金が支払われます。

この工程は地味で、書類が多く、期限が厳格です。顧客企業の担当者にとっては、本業の合間にやる作業としては相当な負担になります。だからこそ、「採択後の事務工程を丸ごと引き受ける」という商品には、明確な需要があります。

値付けは成功報酬ではなく、工程別のフィーが向いています。

  • 交付申請支援:一式◯万円
  • 中間管理・証憑チェック:月額◯万円
  • 実績報告支援:一式◯万円

ここで生きるのが、志師塾の「ガチ時給」という考え方です。見せ時給(1時間あたりいくらと提示する金額)ではなく、営業時間も提供時間も全部含めた実際の時給で採算を検証する。補助金の事務支援は工数が読みやすいので、年間収益シートで時給を出しやすい領域でもあります。

3.4 段階4|5年間の伴走支援(返還リスクを守る顧問)

第4階層が、この記事の中心にあたる部分です。

補助事業終了後3〜5年で、付加価値額年平均+4.0%、一人当たり給与支給総額年平均+3.5%、事業場内最低賃金が地域別最低賃金+30円。これらを達成できなければ、返還を求められる可能性があります。大幅賃上げ特例を使っていれば、要件はさらに厳しくなります。

ここで顧客が抱えるのは、「9,000万円を受け取った代わりに、5年間の数値目標を背負ってしまった」という状態です。

この不安に対して提供できる役務は、申請支援とは質が違います。

  • 四半期ごとの付加価値額・給与総額のモニタリング
  • 目標未達の兆候が出たときの対策セッション
  • 事業化状況報告の作成支援
  • 新事業そのものの進捗管理と軌道修正

志師塾では、伴走支援における役割を「火付け役・知見を与える・マネージャー・進捗管理・コーチング」の5つに整理しています。5年伴走はまさにこの5役の複合です。数字を管理するだけなら記帳代行と変わりませんが、経営者を動かし続ける役割まで含めると、月額顧問として十分な単価がつきます。

そして重要なのは、この段階がリピート商品だという点です。新規顧客を1件獲得するコストは、既存顧客から受注するコストの約5倍かかると言われます。段階4は、段階2で獲得した顧客をそのまま継続顧客に変える設計です。

3.5 段階5|新事業の経営顧問・次の資金調達(本丸)

最上位の階層は、補助金から離れます。

顧客が本当に手に入れたかったのは補助金ではなく、新市場への進出そのものです。補助金は入口にすぎません。

  • 新事業の販路開拓・マーケティング支援
  • 組織づくり・採用・評価制度の設計
  • 次の資金調達(融資・別制度の活用)
  • 中期経営計画の策定と実行

ここまで来ると、もはや「補助金の先生」ではなく「この会社の経営パートナー」です。単価は補助金支援の枠を超え、案件単位・年間契約単位の設計になります。

志師塾が繰り返し伝えているのは、「なぜ買うのか」だけでなく「なぜあなたから買うのか」に文字で答えられる状態をつくることです。段階1から段階4まで一緒に走った相手にとって、段階5であなた以外を選ぶ理由はほとんどありません。ここで初めて、無競争の状態が生まれます。

3.6 5段階の全体像を一枚で持つ

段階 商品 課金形態 顧客が買う理由
1 適合診断・情報提供 無料〜低額 対象かどうか分からない
2 事業計画ブラッシュアップ 着手金+成功報酬 通る計画にしたい
3 交付申請・実績報告実務 工程別フィー 事務作業が回らない
4 5年伴走・KPI管理 月額顧問 返還が怖い
5 新事業の経営顧問 高額顧問・PJ単位 新事業を成功させたい

この5段階を並べたとき、成功報酬15%という発想がいかに狭いかが分かります。%を争っているのは段階2だけです。

4. 補助金支援を「受注力7つの能力」で商品化する

補助金支援を商品化する4ステップ

5段階の階層を描いても、売れなければ絵に描いた餅です。ここからは、志師塾の「先生ビジネスを成功させる受注力7つの能力」に沿って、実際に受注する形に落とし込みます。

4.1 独自力|「補助金の先生」から降りる

補助金支援は参入者が多く、そのままでは差別化できません。志師塾が教えるのは「一点集中・全面展開」と「ニッチでNo.1」です。

切り口の例を挙げます。

  • 業種で絞る:製造業の設備投資に特化、飲食の多店舗展開に特化
  • フェーズで絞る:採択後の5年伴走に特化(=段階3〜4専門)
  • テーマで絞る:賃上げ要件のクリアに特化した人事コンサル型

とくに2つ目の「採択後専門」は、市場がほぼ空いています。相場記事も競合サイトも、視線が申請までで止まっているからです。誰も見ていない場所に一点集中するのが、志師塾でいう尖んがりポジショニングです。

4.2 商品力|手順と体系を見える化する

前章の5段階が、そのまま体系図になります。志師塾では「手順はマストで、体系はなくても売れるが、あったほうが提案しやすい」と教えています。

補助金支援で体系図が効くのは、顧客が全体像を持っていないからです。「いま我々はここにいて、次はここです」と一枚で示せると、それだけで信頼が跳ね上がります。

そして必ず成果物を明記します。志師塾の卒業生である弁護士・片岡邦弘さん(外国人労務特化型)は、チラシにサービスの成果物をはっきり書いたところ、顧問契約をした顧客から「成果物がハッキリと記載されており、誠実な人だと思った」と言われたと報告しています。片岡さんは開業1年半で年商3,000万円ペースに到達しました。

補助金支援でも同じです。「申請をサポートします」ではなく、「適合判定レポート」「3〜5年数値計画表」「四半期モニタリングレポート」と書く。士業ほど成果物の明記を避けがちですが、そこが差別化ポイントになります。

4.3 高額力|ガチ時給と年間収益シートで検証する

補助金支援は工数が読みやすい分、採算の検証がしやすい領域です。

志師塾の年間収益シートでは、商品ごとの単価×数量から年商を出し、営業時間と提供時間を足した投下時間で割って時給を算出します。ここで見落とされがちなのが営業時間です。新規開拓の場合、営業時間と提供時間が同程度かかることも珍しくありません。

この視点で5段階を見ると、面白いことが分かります。

  • 段階2(申請支援)は、営業時間が重い=時給が下がりやすい
  • 段階3〜4(採択後)は、既存顧客への提案なので営業時間がほぼゼロ=時給が跳ね上がる

新規顧客の獲得コストは既存顧客の約5倍と言われます。だからこそリピート商品の設計が欠かせません。申請支援だけで走り続けると、毎年ゼロから営業し直すことになり、時給は永遠に上がりません。

4.4 決定力|個別相談で「教えたがり病」に注意する

補助金は情報量が多く、専門家ほど個別相談の場で制度説明を延々としてしまいがちです。志師塾ではこれを「教えたがり病」と呼び、契約から遠ざかる典型として戒めています。

個別相談の目的は、解決策を提示することではなく、関係性を構築して問題点を明らかにすることです。

補助金相談の場面なら、こう聞きます。

  • 「新事業で、5年後にどこまで行きたいですか」
  • 「もし賃上げ目標が未達だったら、御社にとって何が困りますか」
  • 「採択後の事務は、どなたが担当される想定ですか」

この3問だけで、顧客は段階4・段階5の必要性に自分で気づきます。押し売りではなく、自己説得です。

4.5 集客力|制度改定は最大の集客タイミング

統合後第1回の申請受付は8月31日から9月30日。この期間の前後は、検索需要が一気に立ち上がります。

志師塾が推奨する顧客獲得導線は「集めて・教えて・売る」です。補助金テーマは、この型と極めて相性がいい。

  1. 集める:「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 対象判定チェックシート」を無料オファーにする
  2. 教える:顧客獲得型セミナーで「9,000万円の裏にある5年間の義務」を伝える
  3. 売る:個別相談で段階1の適合診断へ、そこから段階2以降へ

ここで大事なのは、セミナーを顧客獲得型にすることです。情報提供型セミナーは「勉強になりました」で終わります。顧客獲得型は、共感→問題定義→ノウハウ→バックエンド誘導という流れで、行動させることを目的に設計します。

補助金セミナーで最も効く問題定義は、まさにこの記事のテーマです。「申請の話しかしていない支援者に頼むと、5年後に困りますよ」という一点。

4.6 仲間力|1人で5段階を持たない

段階1から5まで全部を1人でやろうとすると、確実に破綻します。数値計画は診断士、労務・賃上げ要件は社労士、契約は行政書士や弁護士、実務作業は事務スタッフ。

志師塾では相互紹介やジョイントベンチャーを重視し、リストホルダーとコンテンツホルダーの掛け合わせで考えることを教えています。補助金支援は複数専門家が組みやすい領域なので、「補助金伴走チーム」としてパッケージ化するのも一手です。

5. 補助金支援で単価を上げる前に確認すべき5つの実務ポイント

最後に、実務上の注意を整理します。ここを飛ばして単価だけ上げると、事故が起きます。

5.1 制度情報は必ず公募要領の原本で確認する

この記事で挙げた締切時刻、上限額の区分、賃上げ特例の判定期間、対象外要件などは、民間の解説記事を経由した情報を含みます。顧問先に説明する前に、必ず中小企業庁・中小機構が公開する公募要領の原本で確認してください。

制度は年度ごとに変わります。「去年こうだったから」で話すのが、この分野でいちばん危険な習慣です。

5.2 事業計画は申請者本人が作るという原則を守る

繰り返しになりますが、事業計画の作成そのものを申請者以外が行うことは認められていません。発覚した場合、不採択・採択取消・交付決定取消の対象になります。

支援者の役割はブラッシュアップです。この線を守ることは、顧客を守ることでもあります。「うちは代行しません。一緒に作ります」と最初に言い切れる支援者が、結果的に信頼されます。

5.3 成功報酬の計算基準を契約書に書く

交付決定額か、実際の入金額か。減額があった場合はどうするか。支払時期はいつか。不採択時の再申請対応は含むか。

これらを書面にしておくことは、国が問題視する「金額や条件が不透明な契約」を避けるうえでも重要です。

5.4 支援報酬が補助対象になるとは断定しない

旧制度の対象経費には専門家経費という項目がありましたが、申請支援料そのものが補助対象になるかどうかは、公募要領で個別に確認すべき事項です。「補助金で支援料も出ますよ」といった安易な説明は、後で大きなトラブルになります。確認できていないことは、断定して伝えない。これが専門家の基本姿勢です。

5.5 限定性は使ってよいが、煽らない

補助金には締切があるので、限定性は自然に発生します。志師塾でも「限定性のないセールスはセールスではない」と伝えていますが、それは限定する理由を説明できる場合に限ります。

「9月30日が締切なので、逆算すると準備期間はこれだけです」は事実に基づく限定性。「今だけ特別価格」は理由のない限定性。前者を使ってください。

6. 志師塾卒業生の事例|単価が変わる瞬間に起きていること

単価5段階の設計は、補助金支援に限った話ではありません。志師塾では、業種を問わず「作業を売る」から「変化を売る」への転換が起きたとき、単価が動いています。

6.1 弁護士・片岡邦弘さん|成果物の明記で顧問契約へ

前述の外国人労務特化型弁護士・片岡邦弘さんは、チラシに「サービスを受けたときの成果物」をはっきり書いたことで、顧客から「誠実な人だと思った」と評価され、顧問契約に至りました。開業1年半で年商3,000万円ペースに到達しています。

片岡さん自身が「他の士業の例を見ても、しごく曖昧にしている人のほうが多いと思います」と述べているとおり、成果物を明記するというシンプルな行動が、そのまま差別化になっていました。補助金支援で「四半期モニタリングレポートをお渡しします」と書けるかどうかは、これと同じ構造の話です。

6.2 箏回想士・渡部佳奈子さん|志を語り続けて紹介が回り始めた

箏回想法という独自の領域で活動する渡部佳奈子さんは、営業が得意なタイプではありませんでした。それでも「おじいちゃん・おばあちゃんの笑顔が見たい」という志を語り続けたことで、同期の仲間が営業に同行したり、協会設立を後押ししたりと、周囲が動き始めます。

結果として、復興庁の助成金採択、内閣府の青年コアリーダーとしての海外派遣決定、地域の医師会・看護協会との接点獲得などが立て続けに実現しました。本人は「志師塾で教わった1分自己紹介、プロフィール、志宣言のみで実現できました」と報告しています。

補助金という制度知識だけで勝負すると、知識の量で競うことになります。志を語れる支援者は、知識ではなく関係性で選ばれます。

6.3 自己実現メンタルコーチ・平真理子さん

「正しい脳の使い方」を軸に、満足した人生を送りたい人を支援する自己実現メンタルコーチ・平真理子さんの歩みは、志師塾の卒業生インタビューで詳しく紹介しています。専門性をどう言語化し、どう自分の商品にしていったのかという過程は、補助金支援に取り組む先生業にも参考になるはずです。

【卒業生インタビュー】満足した人生を送りたいあなたに「正しい脳の使い方」を教えます! ~自己実現メンタルコーチ・平真理子(たいらまりこ)さん~

7. 関連記事もあわせてご覧ください

補助金支援の単価設計と合わせて読むと、全体像がつかみやすくなる記事をまとめました。

8. まとめ|補助金9000万円時代に単価を上げる本質

この記事の要点を整理します。

  1. 制度は変わった。新事業進出補助金は公募を終了し、ものづくり補助金と統合して「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」になった。統合後第1回の申請受付は8月31日〜9月30日
  2. 上限9,000万円は2枠のみ。革新的新製品・サービス枠は3,500万円。従業員数区分でも上限は変わる
  3. 変わったのは金額ではなく年数。補助事業後3〜5年で付加価値額+4.0%、給与+3.5%などの達成が求められ、未達なら返還の可能性がある
  4. 「9,000万円×15%」は成立しにくい。入金額ベースでの減額、不採択リスク、そして国が「役務と乖離した高額報酬」を名指しで警告している
  5. だから単価は%ではなく階層で上げる。適合診断→計画ブラッシュアップ→交付申請・実績報告→5年伴走→経営顧問の5段階
  6. 収益の重心は採択後にある。段階3〜4は既存顧客への提案なので営業時間がかからず、ガチ時給が跳ね上がる

%で稼ぐ支援者が制度側から警戒され始めた今こそ、5年間を一緒に走り切れる先生業の単価が上がる局面です。申請書という紙ではなく、5年後の会社の姿を売る。それが、補助金9,000万円時代の単価設計です。

ただし、5段階の商品を設計できても、それを届ける導線がなければ受注にはつながりません。「集めて・教えて・売る」という顧客獲得の仕組みを持っているかどうかが、最終的な差になります。

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※本記事の制度情報は執筆時点の公開情報に基づいています。補助上限額、申請期限、賃上げ特例の判定期間、対象外要件などの詳細は、必ず中小企業庁・中小機構が公開する公募要領の原本でご確認ください。

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