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行政書士のセミナー集客4手順|相談が生まれる設計

行政書士のセミナー集客4手順|相談が生まれる設計

行政書士の依頼は、必要になった人が自分で探すところから始まります。だからWebの入り口は欠かせません。ただ、その入り口だけで戦うと、いつも「今すぐ頼みたい人」の取り合いになります。

セミナーの役割は、そことは違います。まだ困っていない人、あるいは困っていることに気づいていない人に、先回りして会えるのがセミナーです。相続も、許可の更新も、外国人の採用も、必要になる前から知っておきたい人がいます。

この記事では、先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・顧客獲得支援を専門としてきた志師塾が、行政書士のセミナー集客を4つの手順に整理して解説します。先に全体像を示しておきましょう。

  • 手順1:誰に向けて開くかを決める(事業者向けか、個人向けか)
  • 手順2:集客は自力ではなく共催で組む
  • 手順3:話す中身を「制度の説明」から「判断の分かれ目」へ変える
  • 手順4:その場で個別相談につなぐ

まずは、行政書士にとってセミナーがどういう位置づけの手法なのかを確認しましょう。

1. 行政書士のセミナーは「まだ困っていない人」に会う手法

セミナーを開こうと考えたとき、多くの方は「何人集まるか」を先に気にします。ただ、人数の前に決めておきたいのが役割です。ここを取り違えると、続ける理由を見失います。

1.1 検索で来る人と、セミナーに来る人は別の層

「建設業許可 費用」と検索する社長は、すでに動いています。期限があり、依頼先を探している。一方、セミナーの会場に座っている人は、まだ動いていません。「そろそろ考えたほうがいいのかな」という段階です。

この違いは、そのまま設計の違いになります。検索から来た人には料金と日数を示せば足りますが、セミナーに来た人にはまず「これは自分に関係のある話だ」と気づいてもらう必要がある。売り込む場ではなく、気づいてもらう場だと考えてください。

1.2 依頼までに時間がかかる。だから積み上がる

セミナーで会った人が、その日のうちに依頼してくるとはかぎりません。相続の話を聞いた方が実際に動くのは、半年後かもしれないし、数年後かもしれない。すぐに数字が出ないので、途中でやめてしまう行政書士は多くいます。

ただ、時間がかかることは弱点ではありません。必要になった瞬間に思い出してもらえれば、そこには比較も相見積もりもないからです。セミナーは第一想起をつくる手法だと考えると、続ける意味がはっきりします。

1.3 多くの人が「集まらない」で止まる

とはいえ、現実には最初の壁が高いのです。会場を押さえ、告知を出し、当日を迎えたら参加者が2人。この経験で心が折れる方は少なくありません。

原因は内容ではなく、集客を全部自分で背負ったことにあります。開業まもない行政書士に、集客の名簿はありません。だからこそ、集める力を持っている相手と組むのです。この点は手順2で詳しく扱います。

もうひとつ知っておきたいのが、人数の少なさは失敗ではないということ。5人の会場で1人が相談に進めば、その回は十分に働いています。行政書士の1件あたりの報酬を考えれば、大人数を集める必要はありません。むしろ少人数のほうが一人ひとりの事情を聞けるので、相談につながりやすくなります。

2. 手順1:誰に向けて開くかを決める

最初に決めるのは、対象です。行政書士の仕事は事業者向けと個人向けが混ざっているので、ここを曖昧にすると内容も告知もぼやけます。

2.1 事業者向けなら、期限と改正がテーマになる

建設業、産廃、運送、飲食、風営法。許認可を必要とする業種の経営者にとって、関心が高いのは次の3つです。

  • 期限のあるもの:許可の更新、決算変更届、外国人スタッフの在留期間。うっかり失効すると事業が止まる
  • 制度が変わるもの:法令の改正、要件の見直し、新しい補助金の公募。何がどう変わるかを早く知りたい
  • 広げたいとき:新しい業種を始める、営業所を増やす、外国人を採用する。事前に何が要るかを知っておきたい

どれも「知らないと困る」話です。だから、宣伝色を出さなくても人が集まります。

2.2 個人向けなら、相続と遺言が中心になる

個人向けで最も開かれているのが、相続と遺言のセミナーです。参加者は自分の親のことを考えている50代から60代、あるいは自分の終い方を考えている70代以上。会場に足を運ぶ習慣がある層でもあります。

在留資格や国際結婚をテーマにする道もあります。この場合、対象は日本人の配偶者や受け入れ企業の担当者になることが多いでしょう。参加者の言語や事情がばらつくので、対象をどちらかに寄せておくと話しやすくなります。

相続をテーマにするなら、話せる範囲の線引きを先に決めておきましょう。遺言書の作成支援、相続人と財産の調査、遺産分割協議書の作成までは行政書士の仕事です。ただ、不動産の名義変更は司法書士、相続税の判断は税理士、相続人のあいだで争いが起きていれば弁護士の領域になります。会場では必ずこの質問が出ます。「うちはどこまでお願いできますか」。ここを曖昧にしたまま進めると、参加者は不安を持ち帰ることになる。反対に、引き受けられる範囲と任せる相手をその場で言い切れる行政書士は、相談の一次窓口として選ばれます。

2.3 テーマは「手続き名」ではなく「困りごと」で立てる

告知の見出しでよくあるのが「相続手続きの流れ」「建設業許可の基礎知識」。正確ですが、これでは足が向きません。手続きの名前は、参加を決めるきっかけにならないからです。

立て方を変えましょう。「実家をどうするか、家族で話す前に知っておくこと」「元請けから許可を求められたときに、まず確認する3点」。参加者がすでに抱えている状況を、そのまま見出しにするのです。専門分野の決め方に迷っている方は、行政書士の集客方法8選もあわせて読んでみてください。

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3. 手順2:集客は自力ではなく共催で組む

行政書士のセミナー集客で、いちばん効くのがここです。自分ひとりで人を集めようとするから苦しくなる。すでに人を持っている相手と組めば、負担は大きく変わります。

3.1 事業者向けの共催相手を見つける

事業者向けなら、候補は近くにあります。商工会議所や商工会、業界の協同組合、元請け企業の協力会。どこも会員向けの勉強会を定期的に開いており、講師を探しているのです。

持ちかけ方は簡単で、「会員の方が困りやすい手続きについて、30分お話しします」と伝えるだけ。無料で引き受ける形が多くなりますが、その場に立てること自体が価値です。参加者から見れば、団体が呼んだ講師という時点で信頼が前渡しされています

3.2 個人向けの共催相手を見つける

個人向け、とくに相続では、同じ層に接している事業者がたくさんいます。金融機関、不動産会社、葬儀社、保険の代理店、地域の福祉の窓口。自治体の市民講座も入り口になります。

ここで大切なのは、相手にとっての利点を先に用意すること。金融機関は顧客への情報提供の場がほしい、不動産会社は相続がらみの相談を受けたときに任せられる相手がほしい。自分が話したいことではなく、相手が困っていることから入ると話が進みます。

持ちかけるときに、大きな実績は要りません。「この地域の相続で、ご相談の多い3つの点をお話しします」と中身を具体的に伝えるほうが通ります。断られても関係は残るので、半年後にもう一度声をかければいいのです。

3.3 共催の条件は、先に文書で決めておく

組む相手が決まったら、条件を書面にしておきましょう。費用の負担、当日の役割、参加者名簿の扱い、そして相談につながったときの取り扱い。ここを口頭で済ませると、後で気まずくなります。

とくに注意したいのが、紹介や報酬のやりとりです。士業には業務や報酬に関わる規律があり、扱いを誤ると本業に響きます。判断に迷う形を提案されたときは、所属する会に確認してから進めてください。断りやすい関係を最初につくっておくほうが、長く組めます

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4. 手順3:話す中身を「制度」から「判断の分かれ目」へ変える

集まってもらえたら、次は中身です。ここで多くの行政書士が同じ落とし穴にはまります。丁寧に説明するほど、相談が生まれなくなるという落とし穴です。

4.1 説明だけで終わると「勉強になりました」で終わる

制度の説明が上手な行政書士ほど、この壁にぶつかります。要件を漏れなく並べ、流れを図にして、質疑にも丁寧に答える。参加者は満足して帰り、そして誰も相談してきません。

理由は単純です。「よく分かった」と感じた人は、自分でやってみようとするからです。伝えるべきは手順そのものではなく、どこで判断を誤ると差し戻しになるか、そこを外すと何が起きるかのほう。窓口で追加を求められやすい点や、書き方ひとつで結論が変わる場面を見せると、任せたほうが早いと伝わります。

4.2 手を動かしてもらう時間を必ず入れる

聞くだけの時間が続くと、話は他人事のまま終わります。10分でいいので、参加者に書いてもらう時間を入れましょう。

相続なら、自分の家族関係を紙に書き出してもらう。許認可なら、自社が要件を満たしているかを表で確かめてもらう。書き始めた瞬間に「うちの場合はどうなるのか」が生まれます。この問いこそが、個別相談の入り口になるのです。

用紙は当日配ってください。事前に送ると、その場で手が動きません。書き終えたところで「気になった点は、あとで個別に伺います」と添えておけば、質問を持ち帰らせずに済みます。

4.3 不安をあおらない

相続や許認可のセミナーでは、脅す形の話し方が使われることがあります。放置すると大変なことになる、期限を過ぎたら取り返しがつかない。短期的には反応が出るかもしれません。

ただ、この道は行政書士には向いていません。扱っているのは家族の事情や事業の根幹であり、あおって取った依頼は、あとで関係が続かないからです。事実を淡々と示し、判断は相手に委ねる。誠実さがそのまま差別化になるのが、この仕事の良いところでもあります。

5. 手順4:その場で個別相談につなぐ

最後は出口です。ここを設計していないと、良いセミナーをしても何も残りません。

5.1 案内は最後の5分ではなく、最初に置く

終了間際に「個別相談も承っています」と言い添える形をよく見かけます。もったいない置き方です。時間切れの雰囲気の中では、誰も申し込みません。

冒頭で伝えておきましょう。「今日は一般的な話をします。ご自身の事情に踏み込んだ話は、このあとの個別相談で伺います」。こう言っておけば、聞きながら質問をためてもらえます。当日その場で申し込める形にしておけば、取りこぼしも少なくなるはずです。

5.2 オンラインと対面を使い分ける

オンライン開催は、参加のハードルを下げてくれます。全国から人が来られるので、対応地域を限らない分野なら有効でしょう。反面、その場の空気や雑談から生まれる相談は減ります。

行政書士の場合、地域の許認可を扱うなら対面のほうが確実です。役所の運用は地域ごとに違い、そこを話せることが強みになるからです。相続も、地元の不動産や金融機関と組むなら対面が向いています。どちらか一方に決めず、テーマで選び分けてください。

5.3 一度で終わらせず、次の場につなげる

その日に相談まで進まなかった人も、名簿の中に残ります。ここを放置しないでください。次のセミナーの案内や、制度が変わったときの短い連絡を続けていれば、必要になった日に思い出してもらえます。

1回で成果を求めると、話し方が売り込みに寄ります。年に数回でも続けるほうが、結果として依頼は増えていくものです。話した内容は、そのまま他の発信にも使えます。当日の資料をブログ記事に直す、出た質問を動画のネタにする。1回分の準備が、何本もの発信に化けるわけです。ほかの手法との組み合わせは行政書士の営業行政書士のFacebook集客の記事も参考になります。実際に仕事を広げた行政書士の話は、行政書士の成功事例インタビューで読めます。

6. まとめ:行政書士のセミナーは「気づいてもらう場」

行政書士のセミナー集客を、4つの手順でお伝えしました。

  • 手順1:対象を事業者向けか個人向けかに決め、テーマは困りごとで立てる
  • 手順2:集客は自力ではなく共催。相手の利点から持ちかける
  • 手順3:制度の説明ではなく、判断の分かれ目を見せる
  • 手順4:個別相談の案内は冒頭に置き、その場で申し込める形にする

セミナーは、すぐに数字が出る手法ではありません。それでも、必要になった瞬間に名前が挙がる状態をつくれるのは、この場の強みです。会って話した人は、検索して見つけた人より覚えていてくれます

明日から手をつけるなら、この3つからどうぞ。

  1. 自分の専門分野で「まだ困っていない人」が誰かを、一文で書いてみる
  2. その人たちが集まっている団体・会社を3つ挙げ、連絡先を調べる
  3. 30分で話せる内容を、見出し3つだけ紙に書いてみる

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