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社労士のセミナー集客5ステップ|顧問契約につなげる型

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セミナーを開いてみたものの、集まったのは知り合いばかり。終わったあとに「勉強になりました」と言われて、それきり連絡が来ない。社労士のセミナー集客では、こうした空振りがよく起こります。

原因は、話し方の上手下手ではありません。「誰に何を話すか」と「終わったあとにどこへ案内するか」を決めないまま開いてしまうこと。ここが本当の詰まりどころです。席が埋まるかどうかは、告知文を書く前の設計でほぼ決まっています。集める工夫だけを重ねても、手応えは変わらないでしょう。

この記事では、先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・営業支援を専門としてきた志師塾が、社労士のセミナー集客を顧問契約につなげるまでの流れを5つのステップに分けて解説します。人が集まらない構造、テーマとタイトルの立て方、集客の導線、当日の台本、そして終わったあとの一歩まで、取り組む順番のとおりに並べました。

読み終えるころには、「とりあえずセミナーを開く」から抜け出す道筋が見えているはずです。まずは、つまずきやすい構造から確認しましょう。

席が埋まらないことより、社労士の方が本当に困るのは「開いたのに相談が生まれない」ほうでしょう。喜ばれて終わる会と、そのあと顧問契約まで進む会の違いは、当日の話し方ではなく設計にあります。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、その設計をどこから決めるのかを先生業の実例で解説しています。

Web集客セミナーを見てみる

1. 社労士のセミナー集客が「集まらない・決まらない」2つの壁

社労士にとってセミナーは、相性の良い集客手段です。人事労務のテーマは経営者の関心が高く、話せる中身も十分に持っている。それでも成果が出ないとき、たいてい2つの壁のどちらかでつまずいています。集める段階の壁と、決める段階の壁です。

1.1 無料の個別相談は、実は心理的コストが高い

顧客獲得のために、無料の個別相談を用意している社労士は多いものです。ただ、相談する側から見ると、初対面の専門家と1対1で向き合う場は簡単ではありません。執拗に勧誘されるのではないか、断りづらくなるのではないかという警戒が先に立ちます。

金銭的に無料であることと、相手にとって負担が軽いことは別の話です。行くまでの手間、断る気まずさ、時間の拘束。目に見えないコストを合わせると、無料相談のハードルはむしろ高いのです。

その点セミナーは、参加者が複数いるだけで空気が変わります。同じ悩みを持つ人が隣にいる場は入りやすく、売り込まれる感じも薄い。呼ぶ側にとっても声をかけやすい場になります。「一度、うちの労務を見てもらえませんか」と頼むより、「今度こういう会をやるので、よければ」と誘うほうが、はるかに言いやすいでしょう。

社労士の個別相談とセミナー、参加ハードルの違い

1.2 「何の社労士か」が決まっていないと、告知文が書けない

集まらないセミナーの告知文には、共通した特徴があります。「人事労務のお役立ち情報をお伝えします」のように、対象も持ち帰れるものもぼやけているのです。読んだ人は「自分に関係がある」と判断できません。そのまま画面を閉じられて終わりです。

見比べてみると、差ははっきりします。

見るところ ぼやけた告知文 絞れた告知文
タイトル 人事労務セミナー 最近の法改正と実務対応について解説します 従業員10名を超えた建設業の社長へ。就業規則を作る前に決めておく3つのこと
誰に向けた会か 書いていない 建設業・従業員10名超の経営者
持ち帰れるもの 「実務対応」とだけ 作る前に決めておく3つのこと
読み手の反応 自分ごとにならず、そのまま閉じる 自分に関係があると、すぐ分かる

後者は、対象も持ち帰れるものも1行でわかります。しかも読み手は、自分が当てはまるかどうかを一瞬で判断できる。絞られた告知文は、来てほしくない人を静かに遠ざける働きも持っています。

告知文が書けないのは、文章力の問題ではありません。その手前で「誰の、どんな悩みを、どう解決する社労士か」が決まっていないだけです。社労士は全国に大勢いますから、資格名だけでは選ぶ理由になりません。セミナー集客は、告知を書く前の設計で勝負がついています。

1.3 集客の失敗と受注の失敗は、原因が違う

もうひとつ押さえたいのが、2つの壁を混同しないことです。人が集まらないのはテーマと告知の問題。人は集まったのに相談につながらないのは、当日の構成とゴール設計の問題。原因が違うのに、どちらも「セミナーは効果がない」とひとくくりにされがちです。

実際、参加者に喜ばれた講師ほど「良い話だった」で終わらせてしまいます。次に進む道を用意していないからです。セミナーのゴールは受注ではなく、次の一歩へ進んでもらうこと。この前提を先に置くと、当日の組み立てが変わってきます。

どちらの壁でつまずいているかは、数字を2つ見れば切り分けられます。申込数と、終了後に個別の相談へ進んだ人数。前者が少なければテーマと告知、後者がゼロに近ければ構成とゴール設計。手を入れる場所を間違えないための、簡単な物差しです。

1.4 開業社労士の悩み、3番目に多いのが「顧客獲得の難しさ」63.7%

この詰まりは、あなただけのものではありません。全国社会保険労務士会連合会の2024年度 社労士実態調査で、開業社労士が職業生活で感じる不安やストレスを尋ねています(n=15,251)。最も多かったのは「必要となる専門的知識の深さと広さ」85.9%、次いで「業務上の責任の重さ」84.5%。知識と責任に次ぐ3番目が「顧客獲得の難しさ」63.7%で、「顧客との関係構築」も61.0%と並びます。

同じ調査で「専門性の高い仕事ができる」に当てはまると答えた人は87.6%。専門性には手応えがあるのに、その専門性を届ける段階で詰まっているという構図が、数字にはっきり出ています。

開業社労士が感じる不安やストレスの上位項目(2024年度社労士実態調査)

知識を増やしても、この63.7%は動きません。動かせるのは、届け方のほうです。セミナーは、その届け方の中でも社労士の強みが最も素直に出る形になります。

2. 社労士がセミナーを開く目的は、講演料ではなく顧問契約

手順に入る前に、目的をはっきりさせておきましょう。ここを取り違えると、5つのステップは全部が的外れです。社労士のセミナー集客は、講演の仕事を増やすための活動ではありません。

2.1 執筆・講演業務は、社労士の売上の2.1%しかない

手がかりは、同じ実態調査にある受託業務範囲の内訳。平均値は、手続業務41.5%、労働及び社会保険に関する相談業務14.3%、給与計算業務14.2%、各種規程の作成・改定10.4%と続きます。

そして執筆・講演業務は2.1%、中央値にいたっては0.0%(n=14,469)。同じ調査で、執筆・講演業務の受託割合が0%だった事務所は78.5%。8割近い事務所で、講演は売上に一円も乗っていません。

「セミナーで稼ぐ」を目標にすると、この2.1%の枠を全国の社労士と奪い合うことになる。狙う場所が違うのです。

2.2 伸びているのは講演ではなく「相談業務」の需要

もうひとつ、5年前と比べた需要の変化を見てみましょう。「増えた」と答えた割合が最も高いのは労働及び社会保険に関する相談業務で71.5%。各種規程の作成・改定が66.2%、手続業務が59.1%と続きます。

反対に、執筆・講演業務は「増えた」26.4%に対して「減った」54.1%。8つの業務のうち減ったほうが上回ったのは、助成金業務(42.1%対43.6%)、その他(31.6%対38.1%)、そして執筆・講演業務の3つです。ただ、前の2つは差が1.5ポイントと6.5ポイント。27.7ポイントも減が上回っているのは、執筆・講演業務だけでした。

社労士の業務別に見た5年前と比べた需要の変化(2024年度社労士実態調査)

この2つの数字は、同じ方向を指しています。市場が求めているのは「話してくれる人」ではなく「相談に乗ってくれる人」。セミナーは商品ではなく、相談業務への入口だと位置づけたほうが、需要の流れに乗れます。

2.3 ゴールは労務顧問。契約形態別の売上は顧問が71.9%

では、入口の先にあるゴールはどこか。社労士の経営を安定させるのは、単発のスポット業務ではなく労務顧問という継続の関係です。実態調査でも、契約形態別の売上内訳は顧問契約71.9%、スポット28.1%。顧問が主流であることが数字にも出ています。

整理すると、社労士のセミナー集客の全体像はこうです。セミナーで「先生」として信頼を得ます。そこから、個別の相談へ進んでもらう流れ。相談を通じて会社の状態を把握したうえで、労務顧問という続きの関係へつなげていきます。この一本道を設計する作業が、これから見ていく5つのステップです。

この位置づけが決まると、1回あたりの目標も変わります。追いかける数字は参加人数ではなく、終了後に個別の相談へ進んだ人数。その先の顧問契約の件数。開催のたびにこの2つを記録しておけば、テーマを変えたときの効き目も、共催相手を変えたときの差も見えてきます。反対に参加人数だけを追いかけると、テーマがどんどん広く浅くなっていくので注意してください。

順番を守れば、集客の労力は減っていきます。逆に、テーマも導線も決めずに開催回数だけ増やせば、消耗するばかりで顧問先は増えないでしょう。では、最初の一歩から見ていきましょう。

3. 社労士が「誰に何を話すか」を決める(ステップ1)

ポジショニングとは、市場と他の社労士を見渡して、自分が最も評価される場所に立つことです。ここからが実際の手順で、最初に取り組むのがこのポジショニング。セミナーのテーマも告知文も集客先も、ここから決まってきます。

3.1 「社労士の○○です」では、席は埋まらない

あなたは、自分がどのような社労士かを一言で言えますか?「社会保険労務士の○○です」という名乗りは、正確ではあっても相手の記憶には残らないものです。大勢いる社労士の一人として処理され、名刺はファイルの中で眠ります。

ブランドのある社労士とは、人柄・仕事内容・専門知識の組み合わせが独特で、それが相手に伝わっている人です。組み合わせが独特であるほど他の社労士と区別され、その点が経営者から評価されるものであれば、あなたはオンリーワンの立ち位置を確保できます。

3.2 業種・規模・テーマの3軸で絞る

絞り方は難しく考えなくて構いません。業種(介護、飲食、建設、IT)、会社の規模(従業員10名前後、100名前後)、テーマ(採用と定着、労務トラブルの予防、助成金を入り口にした職場づくり)。この3軸のどこかで、自分の経歴と力になりたい相手が重なる場所を探してください。

規模の軸を選ぶなら、参考になる数字があります。実態調査によると、社労士が受託している顧問契約を従業員規模別に見たとき、29人以下が63.9%、30人以上99人以下が20.9%。社労士の顧客は、圧倒的に中小・小規模の会社です。「社員10名を超えて就業規則が必要になったところ」のように、規模の節目そのものを軸にする手もあります。

「絞ると仕事が減るのでは」という不安は自然なもの。実際は逆で、絞るからこそ思い出してもらえます。「手続きも助成金も労務相談も、何でもやります」は、相手の記憶の中では「何の専門家でもない」と同じ扱いになる。セミナーのタイトルも、絞れていれば自然に決まります。

3.3 掛け算で「1万人に1人」の場所をつくる

絞るときに使えるのが、掛け算の発想です。1万人に1人の特別な何かを探そうとしても、まず見つからないでしょう。100人に1人のものを2つ掛け合わせれば、それだけで1万人に1人になります。志師塾では、この考え方をニューコンビネーションと呼んでいます。

社労士なら、たとえば「介護事業所」という業種の軸と「採用と定着」というテーマの軸。どちらも単体では珍しくありませんが、重ねた瞬間に競合はぐっと減ります。前職で介護施設の現場を見ていた方なら、その掛け算は他の人には真似できません。

社労士のポジショニングは2軸の掛け算でつくる

軸を選ぶときの注意は2つ。分かりやすいこと。そして、相手の頭の中にすでに判断基準があること。専門家にしか違いが分からない軸で絞っても、経営者には届きません。軸を3つも4つも重ねるのも逆効果です。覚えられる数を超えると、結局ひとつも残りません。基本は2軸。ここが決まれば、セミナーのタイトルは半分書けたようなものです。

3.4 目指すのは「労務のことなら、あの先生」という第一想起

ポジショニングのゴールは、経営者の頭の中で「うちの労務のことなら、あの先生」と最初に思い出される状態(第一想起)をつくることです。紹介も口コミも、この第一想起から生まれます。経営者仲間の集まりで「人の問題で困っていて」という話が出た瞬間に、あなたの名前が挙がるかどうか。セミナーは、その状態を短期間でつくるための場でもあります。

志師塾では、告知ページやSNSといった道具に手を付ける前に、まずこの設計を固める「ポジショニング先行」の考え方を大切にしています。道具が働き始めるのは、選ばれる理由が決まってから。実際にやる業務まで絞る必要はありません。絞るのは、覚えてもらいたい場所だけです。入口をひとつにして信頼を得たあと、労務全般の相談が集まってくる。この順番が現実的でしょう。

とはいえ、「絞ると仕事が減るのでは」という不安は、理屈で説明されただけでは消えないものです。消えるのは、絞ったあとに依頼が増えた人を実際に見たとき。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、業種やテーマを絞って顧問先を増やした先生業の実例を、絞り方の手順とセットで解説しています。

4. 社労士のセミナーを申し込みたくなるテーマにする(ステップ2)

立ち位置が決まったら、次はテーマとタイトルです。ここでの判断基準はひとつ。「参加者が自分の言葉で悩みを言い表せるかどうか」。制度の名前ではなく、経営者の困りごとから立てます。

4.1 テーマは「制度」ではなく「経営者の困りごと」から立てる

社労士が立てがちなのが「○○法改正のポイント解説」というテーマ。中身は正しいのですが、経営者は法改正そのものに困っているわけではありません。困っているのは、人が採れないこと、辞めてしまうこと、残業やハラスメントの火種を抱えていることです。

その困りごとは、統計にもはっきり表れています。厚生労働省の令和6年度 個別労働紛争解決制度の施行状況(2025年6月25日公表)によると、総合労働相談は年間120万1,881件で5年連続の120万件超。その内訳は、労働基準法などの違反の疑いがあるものが20万7,619件、民事上の個別労働関係紛争の相談が26万7,755件です。

後者の相談内容を延べ件数で見ると、次の順に多くなっています。

社労士が知っておきたい民事上の個別労働関係紛争の相談内容の内訳(令和6年度・厚生労働省)

いじめ・嫌がらせ54,987件(17.4%)、自己都合退職41,502件(13.1%)、解雇32,059件(10.1%)、労働条件の引き下げ30,833件(9.8%)、退職勧奨25,604件(8.1%)。この5つだけで全体の6割近くを占めます。

この一覧は、そのままセミナーのテーマ候補です。「ハラスメントの相談が上がってきたときの初動」「辞める人が出たあとに社内で起きること」。制度名から入るより、はるかに自分ごとになります。

入口を変えるだけで、同じ中身でも見え方は変わるもの。「就業規則の改定解説」より「辞めない会社に変える就業規則の見直し方」。相手の言葉に翻訳したテーマは、それだけで申し込みが変わります。たとえば法定雇用率の引き上げをきっかけにした集客の考え方は、障害者雇用率2.7%を入口にした社労士の集客導線の記事でも取り上げています。

4.2 タイトルは「誰が・何を持ち帰れるか」で決まる

タイトルに入れるべき要素は2つだけ。誰に向けた会なのかと、参加すると何を持ち帰れるのか。「中小企業の経営者向け」「明日から使える3つの見直しポイント」といった一言があるかどうかで、申し込み率は変わります。

逆に避けたいのが、あおる言葉です。「知らないと大損」のような煽り文句は、その場の申し込みは取れても、集まるのは価格や不安で動く層になります。社労士のセミナー集客が狙うのは、その先の顧問契約です。長く付き合いたい相手が反応する言葉を選んでください。

4.3 「解決策の全部」ではなく「入口の一歩」を約束する

もうひとつのコツは、約束する範囲を欲張らないことです。「人事労務のすべてがわかる」と言われても、参加者は本気にしません。「採用がうまくいかない原因を3つの視点で切り分ける」くらいの一歩なら、想像がつきます。

約束を絞るほど、当日の中身は締まってくるものです。内容が絞れているセミナーほど満足度は高く、終わったあとに「うちの場合はどうなんでしょう」という個別の相談が出てきます。この一言こそ、次につながる合図です。

社労士のセミナーで申し込みが集まるテーマの立て方

4.4 告知文は「1文目で2文目を読ませる」

テーマが決まっても、告知文で止まる方は多いものです。ここには型があります。志師塾がコピーライティングの原則として伝えているのは、「1文目の目的は、2文目を読ませること」という一点。一気に読ませる流れを、滑り台にたとえています。

社労士の告知文に効く要素は、次の4つです。

  • ターゲットの明確化:「従業員10名から50名の建設業の経営者へ」と、読み手を名指しする
  • 持ち帰れるものの提示:参加後に何ができるようになるのかを、行動の言葉で書く
  • 数字で具体性を出す。「3つの視点」「30分でできる点検」のように、規模を想像させる
  • 問いかけで始めてみる。「求人票、去年から一度も直していませんよね?」

この4つを1文目から順に置くだけで、告知文の読まれ方は変わります。反対に、事務所紹介や自分の経歴から書き始めた告知文は、まず最後まで読まれません。読み手が知りたいのは、あなたの経歴ではなく自分の悩みが解けるかどうかだからです。経歴は、信頼の裏づけとして後半に置きましょう。

5. 社労士のセミナー集客の導線を4本持つ(ステップ3)

セミナー集客の導線とは、紹介・発信・共催・オンラインという4本の入口のことです。テーマが決まったら、人を集める段階に入ります。1本の導線に頼るとその年の調子に振り回されますから、社労士のセミナー集客では複数の入口を持っておきましょう。

導線 何が強いか いつ効くか
紹介・既存顧客・士業ネットワーク すでにある信頼をそのまま使える 開業直後から
SNS・ブログでの発信 会う前に人柄と専門性が伝わる 成果が出るのは半年から1年先
共催セミナー 相手の名簿へ一気に届く 自分の名簿がないうち
オンライン開催 商圏が全国に広がり、運営も軽い 一人事務所・遠方の相手

5.1 紹介・既存顧客・士業ネットワーク

最も確実な入口は、すでに関係がある人たちです。顧問先の経営者、過去に手続きで関わった会社、税理士や中小企業診断士、金融機関や保険の担当者。経営者と日常的に接する隣接分野の専門家は、労務の相談を受けても自分では解決できません。

ここで効いてくるのが、ステップ1で決めた立ち位置です。「労務の話が出たら渡せる先」として覚えられていれば、紹介は自然に流れ込みます。開業して間もない時期ほど、この種まきが後で効いてきます。

紹介を増やすときに、名簿の数を追いかけたくなるものです。ただ、紹介が動くのはメリットがあるときではなく、感情が動いたとき。薄い100人より、濃い10人です。誰かに話したくなる尖りがあるか、感謝がきちんと伝わっているか。この2つが揃っている相手なら、セミナーの案内は勝手に転送されていくでしょう。

5.2 SNSとブログで「会う前の信頼」を積む

2本目は発信です。専門分野の記事を書きため、SNSで人柄と専門性を伝えておくと、告知を出したときの反応が変わります。初めて見た人が申し込むのは、その一回の告知文だけを読んだからではありません。過去の発信を見て「この人の話なら聞いてみたい」と思うからです。

書くテーマに迷ったら、ステップ2で見た相談内容の一覧をそのまま使ってください。痛みの渦中にいる経営者が検索する言葉と、あなたの記事の見出しが重なるかどうか。ここが発信の当たり外れを決めます。経営者との接点をつくりやすいFacebookの使い方は、社労士のFacebook集客の記事で詳しく解説しています。

発信とセミナーを、別々に育てる必要はないでしょう。1回分の台本は、そのまま何本もの発信になります。話した内容は、章ごとに切り出せばそのまま記事になります。当日のスライドを1枚ずつ画像にして、SNSへ回すのもいいでしょう。録画があるなら、質疑応答の部分だけを短い動画に。

この使い回しには、集客以外の効き目もあります。動画を見た人は、会う前からあなたの話し方と人柄を知っている。初回の面談が「品定めの場」ではなく「確認の場」に変わるのです。人事労務の分野は毎年のように制度が動きますから、同じ台本を毎年少し直して出し続けるだけでも、発信のネタは切れません。

5.3 共催セミナーは「目玉モデル」で組む

3本目は共催です。税理士、行政書士、保険代理店、業界団体。同じ経営者を顧客にしていて競合しない相手と組めば、告知の届く範囲が一気に広がります。

組み方には、志師塾が3つの型として整理しているものがあります。

  • 目玉モデル:相手が持つ名簿に対して、あなたが目玉の講師として登壇する。集客は相手、中身はあなた
  • パッケージモデル:相手のサービスに、あなたの労務チェックを組み込んでもらう
  • 回遊魚モデル:相手からあなたへ、あなたから相手へと、顧客が行き来する導線をつくる

社労士の共催セミナー3つの組み方

社労士がまず狙うなら目玉モデルです。「採用と資金繰り」「労務と税務」のように、2つの視点から語れる会は参加者にとっても価値があります。

組む相手の探し方にもコツがあります。理想の顧客が、すでにお金を払っている先から逆に引くのです。建設業を狙うなら建設業許可を扱う行政書士や重機のリース会社、飲食店なら食材のベンダーや厨房機器メーカー。同業や近い士業だけを見ていると、候補はすぐ尽きます。

共催で大事なのは、集客の分担を最初に決めておくことです。どちらが何人集めるのか、当日の時間配分はどうするのか。ここを曖昧にしたまま進めると、片方だけが負担を抱えて続きません。

5.4 オンライン開催で、商圏を全国に広げる

4本目はオンラインです。移動がない分、参加者は気軽に申し込めます。地方の社労士が首都圏の経営者を集めることも、その逆もできるのがオンラインの強みです。反面、画面越しでは人柄が伝わりにくいので、顔を見せる時間を長めに取り、質問を受ける場面をあえてつくるといった工夫が要ります。

運営の負担も見落とせません。実態調査によれば、開業社労士の事務所は「1人」が56.4%で、従業員総数の平均は2.7人。会場を押さえ、資料を刷り、受付に立つところまで一人で回す前提なら、オンラインのほうが続けやすい場面は多いはずです。リアルとオンラインは、どちらが良いかではなく、テーマと相手と自分の体力で使い分けるものと考えてください。

4本の使い方は、時期によって変わります。開業して間もない時期は、紹介と共催の2本に寄せるのが現実的でしょう。自分の名簿がないうちは、他人の名簿を借りたほうが早いからです。発信は同時に始めておくものの、成果を期待するのは半年から1年先。ここを混同すると、反応が出ないまま更新をやめてしまいます。

軌道に乗ってきたら、比重を発信とオンラインへ移していきます。紹介と共催は相手の都合に左右されますが、発信は自分の意思だけで積み上がる資産だからです。4本すべてを同時に全力で回そうとすると、たいてい全部が中途半端になります。いま強い1本と、これから育てる1本。同時に走らせるのは2本までにしておくと続きます。

ここまでが、人を集めるまでの話。この先の当日と事後の設計に入る前に、先生業の顧客獲得そのものの土台を押さえておきたい方もいるでしょう。無料の書籍「先生業の顧客獲得を成功させる7つの能力」(一部ダウンロード)に、その土台をまとめてあります。セミナーに参加するのはまだ早いという方の、最初の一歩としてどうぞ。

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6. 社労士が当日「先生」として信頼を積む(ステップ4)

顧客獲得型セミナーとは、売る場ではなく「この人になら相談できる」と認識してもらう場です。当日の目的は、契約を取ることではありません。ここを外すと、どれだけ人が集まっても次につながらないでしょう。

6.1 セミナーは「教える場」であって「売り込む場」ではない

人前で専門家として話すことは、それ自体があなたを「先生」にします。基礎的な知識と落ち着いた話し方で説明するだけで、参加者との関係は横並びから一段変わるのです。社労士という肩書に「先生」としての信頼が乗ることで、あなたは価格で比べられにくい存在になっていきます。

だからこそ、途中でサービスの説明を長々と挟むのはもったいない。売り込みが始まった瞬間、参加者の中であなたは先生から営業担当に戻ります。案内は最後に短く。それで十分です。

参加者が複数いることも活かしましょう。質疑応答で誰かが口にした悩みに、別の参加者がうなずく。その瞬間、「困っているのは自分だけではない」という安心が生まれ、相談へのハードルが下がります。講師が一方的に話し続ける90分より、参加者が一度でも声を出した90分のほうが、終わったあとの反応は明らかに違います。

6.2 台本は4部構成で組む

当日の流れは、その場の勢いで決めないでください。志師塾が顧客獲得型セミナーの台本として教えているのは、次の4部構成です。

社労士のセミナー台本4部構成

  1. 共感:参加者がいま抱えている状況を、こちらの言葉で描く。「求人を出しても応募が来ない」「採った人が半年で辞める」。ここで「そうそう」と思ってもらえたら、あとの話は入ります
  2. 問題提起:その状況の原因が、本人の思っている場所とは違うことを示す。応募が来ないのは給与の額ではなく、求人票の書き方と受け入れ体制かもしれない
  3. ノウハウ:原因に対する打ち手を、その場で試せる粒度まで落として渡す
  4. 誘導:残った課題を整理し、次の一歩を案内する。ここは短く

この順番には理由があります。共感を飛ばしてノウハウから入ると、正しいのに刺さらない話になる。問題提起を飛ばすと、参加者は「知ってる話だった」と受け取ります。順番そのものが、聞き手の心の動きに合わせて設計されているのです。

90分の会なら、時間の配分はこう考えてみてください。共感に10分から15分、問題提起に15分から20分、ノウハウに40分前後、誘導は5分あれば足ります。やりがちなのは、ノウハウを厚くしすぎて共感と問題提起を削ること。中身は濃いのに反応が薄い会は、たいていこの形になっています。前半の25分は、聞く姿勢をつくるための投資だと考えてください。

6.3 満足度は100点ではなく80点前後を狙う

意外に思われるかもしれませんが、志師塾ではセミナーの満足度は100点狙いではなく80点前後を目安にとお伝えしています。100点の会にしてしまうと、参加者は「これで自分でやってみます」と帰ってしまうからです。

誤解のないように補っておきます。出し惜しみをしろ、という話ではありません。「全部話したら仕事がなくなる」と心配して薄く話すと、残るのは「一般論だった」という印象だけ。ノウハウは惜しみなく渡す。ただし、意図的に空白を残す。この2つは両立します。

空白のつくり方は簡単です。コンテンツを広く浅くではなく、狭く深く組むこと。「就業規則のすべて」ではなく「辞める人が出る会社の就業規則で、必ずずれている3か所」。深く話せば話すほど、参加者は「うちの残りの部分はどうなんだろう」と考え始めます。知識と、その会社に合わせて判断することは別物です。就業規則の考え方を全部話しても、あなたの会社にどう当てはめるかは残る。そこが社労士の仕事になります。

6.4 断られる理由を、先回りして台本に埋め込む

終了後に相談へ進まない理由は、その場で言葉になりません。だから、先回りしておくのです。志師塾では、断られる理由を3つに分けて洗い出し、台本に埋め込むよう伝えています。

  • なぜ買うのか:そもそも労務にお金を使う必要があるのか。ここは事例と数字で埋めるところ
  • なぜあなたなのか:他の社労士ではいけない理由。ステップ1で決めた掛け算が、そのまま答えになる
  • なぜ今なのか。来期でも構わないのではないか。制度の施行時期や、放置したときに増える負担で答えます

この3つに、台本のどこかで触れているか。触れていなければ、参加者は「良い話だった」で帰ります。1つずつ独立した章にする必要はありません。共感のパートで「なぜ今」に、ノウハウのパートで「なぜあなた」に触れておく。埋め込む場所を決めておけば、当日あわてずに済みます。

7. 社労士がセミナー後を顧問契約につなげる(ステップ5)

労務顧問とは、単発の手続きを請け負う関係ではなく、会社の労務を継続して見続ける契約のことです。最後は、そこへ向かう「終わったあと」の設計。ここを用意しているかどうかで、同じ内容のセミナーでも結果はまるで変わります。

7.1 ゴールは受注ではなく「次の一歩」

その場で契約を決めてもらう必要はありません。用意するのは、無理なく進める次の一歩です。セミナーで信頼が積み上がったあとなら、初対面での個別相談とは違って、心理的なハードルはぐっと下がっています。

次の一歩は、重さの違うものを3種類そろえておくとよいでしょう。

  • 軽い:当日の資料の完全版や、社内で使えるチェックリストを後日メールで送る。連絡先を残してもらう口実になります
  • 中くらい:30分から60分の個別相談。「御社の場合はどうか」を一緒に見る場だと伝えれば、警戒されにくいもの
  • 重いもの。簡易な労務チェックや就業規則の点検を、期間と範囲を区切った仕事として受ける

3種類あると、その日の温度に合わせて選んでもらえます。1種類しか用意していないと、そこに乗らなかった人は全員そのまま帰ってしまう。ここで気をつけたいのが、セミナーの構成そのものです。知識を伝えて終わる構成のままだと、どれだけ良い話をしても次に進む道が現れません。ステップ4で見た4部構成の最後に誘導を置いてあるのは、このためです。

7.2 個別相談は「教える場」ではなく「問題をはっきりさせる場」

次の一歩として個別相談を用意しても、そこで同じ失敗が起きます。良い話をどんどんしてしまい、最後に「先生ありがとうございます。1回自分でやってみます」と言われる。個別相談は、解決策を教える場ではありません。問題点を明らかにし、解決したいという意欲が高まる場です。

社労士のセミナー後の個別相談6ステップ

志師塾が整理している進め方は、次の6つです。

  1. 関係性の想起:「セミナー、いかがでしたか」から入る。教える側と教わる側という関係が、ここで戻ります
  2. 個人的な関係構築:現在の話から過去へさかのぼり、また現在へ。創業のきっかけまで戻ると、相手は自然に心を開いてくれます
  3. 目的の合意:「今日は御社の問題点をはっきりさせるところをゴールにしますが、よろしいですか」と最初に握る
  4. 問題の深掘り:「なぜですか」で縦に掘り、「他にはありませんか」で横に広げる。同じ話が巡り始めたら、そこが最深部
  5. 本気度の確認:「それは本当に問題だとご自身で思いますか」と尋ねる。本人の口から出た答えが、そのあとの行動を決めます
  6. 選択肢の提示。「ご自身で進める方法もありますし、私が伴走することもできます。どうされますか」と、提案ではなく選択肢を置く

途中で「で、どうすればいいんですか」と解決策を求められることもあります。そこで即答しないのがコツです。「もう少し状況を見せてください」と診断に戻る。全部答えてしまえば、相談は無料の講義になって終わります。

7.3 スポット業務は「入口」、労務顧問は「続きの関係」

セミナーから生まれた依頼が、就業規則の見直しや助成金の申請だけで終わってしまう。よくある展開です。手続きや助成金の仕事は接点として優秀ですが、そこで関係を閉じてしまうともったいない。スポット業務は入口、労務顧問は続きの関係と最初から決めておくだけで、一つひとつの案件の意味が変わります。

納品するときに「この頻度で入退社が続くのは、採用より定着に原因があるかもしれません」と一言添える。それだけで、あなたは手続きを頼む人から経営の相談ができる先生に変わります。定型業務をAIやクラウドソフトで時短し、浮いた時間を対話に回す進め方は、社労士のAI活用の記事で解説しています。

7.4 顧問料は「作業の対価」ではなく「相談できる安心の対価」

顧問契約を作業量で説明すると、「今月は何も頼んでいないから」と減額の話になりがちです。顧問の価値は作業ではなく、何かあったらすぐ相談できる、問題が起きる前に手を打ってもらえるという安心にあります。労務トラブルは、起きてから対処すると大きな時間と費用がかかる。だから予防の伴走には、手続き代行とは別の物差しの価値が付きます。

社労士がセミナー後を顧問契約につなげる3つの設計

何社まで持つかも、先に決めておきましょう。実態調査によると、1事務所あたりの顧問契約社数は平均33.2社、中央値10.0社。この幅のどこに自分を置くかで、1社あたりに必要な単価は変わります。年に何回セミナーを開き、そこから何社を顧問にすれば目標に届くのか。逆算しておけば、開催のペースも自然に決まってくるはずです。

この形で顧問先を増やした社労士は、志師塾の卒業生にも数多くいます。次の章では、実際にセミナーを軸にした3人を見ていきましょう。

8. 社労士のセミナー集客を実践した志師塾卒業生3人の実例

ここで紹介する3人は、いずれも志師塾で学んだ社会保険労務士です。5つのステップが実際にどう形になるのか、公開済みのインタビュー記事から引いて見ていきます(受講された方の実例です。同様の成果を保証するものではありません)。

8.1 石井隆介さん|商工会議所と共催で、セミナーを紹介の道具に

「中小企業を守り抜く侍社労士」として、労務サポートに加えて補助金申請支援と融資支援の3つを柱に活動する石井隆介さん。顧問先は120社、サポート実績は300社以上にのぼります。

開業後しばらくは補助金サポートで売上を立てていましたが、投下時間に比べて単価が低いことに限界を感じたそうです。そこで志師塾で作り上げたのが、採用定着セミナー。

効き方が、ステップ3で見た共催そのものです。付き合いのある税理士から、半年以上前に見たセミナー動画の内容を、自身の顧客向けに話してほしいと依頼される。商工会議所でも1か月に何回かセミナーを行い、そこから新たな連携先が生まれる。「税理士さんからの紹介をもらわないといけない」という思い込みから抜けられたことが大きかったと語っています。

交流会で使う1分自己紹介の締めくくりも、セミナーです。「(中略)30人未満中小企業の経営者さんがいらっしゃいましたら、私の方までご紹介ください。通常1万円の採用定着セミナーを、今でしたら無料でご紹介していますので」。セミナーを、紹介者が渡しやすい手土産に変えているわけです。詳しくは石井隆介さんのインタビュー記事をご覧ください。

8.2 田邊雅子さん|月2回のワークショップで150名以上と接点をつくる

神奈川県横浜市で、グロースサポート社労士事務所と株式会社グロースサポートの代表を務める田邊雅子さん。従業員6名を抱えながら、人事労務面で企業を支援しています。

開業当初は、どうやって顧問先を見つければよいかすら分からず、開店休業の状態だったそうです。志師塾に入ってから異業種交流会やダイレクトメールに取り組み、事業が軌道に乗るまでに約2年から3年。ここで田邊さんが徹底したのが、依頼を選ぶことでした。従業員と会社の両方を大切にしたいという考えに共感してもらえない相手には、思い切って断る。ステップ1の絞り込みを、受注の場面まで貫いた形です。

いまは中高年のキャリア支援へと展開し、「100年キャリア見える化ノート」という冊子をもとに月2回ほどワークショップを開催、これまでに150名以上が参加しています。1回あたりの人数は多くありません。それでも、続けることで接点は積み上がる。田邊雅子さんのインタビュー記事で、その道のりを読めます。

8.3 吉元康裕さん|セミナーの中身を、動画と支部研修に回す

東京都江戸川区でYUTOLI社会保険労務士・FP事務所を開業した吉元康裕さん。従業員100名以下の中小企業に企業型確定拠出年金(企業型DC)を広める社労士として活動しています。手続きの顧問や給与計算を行わない、という珍しい立ち位置です。

吉元さんの進め方で参考になるのは、セミナーを1回で終わらせないこと。セミナー講義の内容をYouTubeにアップして発信力を高め、所属する東京都社会保険労務士会江戸川支部では研修委員として、会員向けに企業年金や退職給付の講義を実施しています。中学校や高校への出前授業にも参加。

同業や隣接分野に向けて話すことも、遠回りに見えて近道です。志師塾では、専門を絞って発信を続けている先生業ほど「その分野の話が出たときに真っ先に思い出される」状態をつくりやすいと見ています。吉元康裕さんのインタビュー記事には、3つのキャッチコピーを掲げるに至った経緯も載っています。

8.4 3人に共通していたこと

専門分野も、開催の規模もばらばらです。それでも、はっきりした共通点が3つ。

  • セミナーを商品にしていない:3人とも、講演料そのものを目的にしていません。石井さんは紹介の道具に、田邊さんは接点づくりに、吉元さんは信頼の蓄積に使っています
  • 1回きりで終わらせていない:動画、支部研修、共催、定例のワークショップ。同じ中身を、形を変えて何度も出す
  • 名乗りを先に決めている。侍社労士、100年キャリア、企業型DC。誰に何を話す会なのかが、看板の時点で決まっている

3人が最初に変えたのは、話し方でも会場の押さえ方でもありませんでした。自分は誰の何に強いのかを、相手に伝わる言葉にし直したこと。順番がここから始まっている点で、3人は同じです。

その一文を自分で書こうとすると、たいてい途中で止まります。同業に見せても「いいと思いますよ」で終わってしまうからです。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、業種の違う先生業どうしで言葉が通じるかを確かめる進め方を、実例つきで解説しています。

9. 社労士のセミナー集客でよくある質問

9.1 セミナーは有料と無料、どちらがよいですか?

顧問契約が目的なら、初回は無料か少額で構いません。ねらいは参加人数ではなく、終了後に個別の相談へ進んでもらうことだからです。有料にすると参加者の本気度は上がりますが、集客の難度も上がります。開催に慣れるまでは、無料で回数を重ねて台本を磨くほうが早いでしょう。石井隆介さんのように、通常1万円のセミナーを紹介経由の方だけ無料にする形にすれば、価値を下げずにハードルだけを下げられます。

9.2 参加者が1人だけ、あるいはゼロでした。どうすればよいですか?

1人なら、その回は個別相談だと思って進めてください。台本どおりに話したあと、そのまま「御社の場合は」に入れるので、むしろ次につながりやすい形です。ゼロだったときは、告知を届けた先と告知文のどちらがずれたのかを切り分けます。届いた人数が少なければ導線の問題、届いたのに申し込みが無ければ告知文の問題。案内した相手には「今回は日程を変えます」と一言入れておくと、次の回の反応が変わってくるでしょう。

9.3 話すのが得意ではありません。それでもセミナーは向いていますか?

向いています。参加者が求めているのは話芸ではなく、自分の会社に当てはまる情報だからです。落ち着いて基礎から説明するだけで、専門家としての信頼は積み上がります。むしろ流暢な人ほど売り込みに聞こえることがあるので、口下手は不利になりません。心配なら、一方的に話す時間を短くして、質疑応答とワークの時間を長めに取ってください。

9.4 セミナーのテーマが思いつきません。どう探せばよいですか?

制度の一覧ではなく、経営者の痛みの一覧から探します。厚生労働省の個別労働紛争の統計では、相談内容の上位はいじめ・嫌がらせ、自己都合退職、解雇、労働条件の引き下げ、退職勧奨の順。この5つはそのままテーマ候補です。加えて、自分がこれまでに受けた相談を業種と内容で並べ替えてみてください。偏りがあるはずで、その偏りがあなたの得意な入口を示しています。

9.5 共催セミナーは、相手にどう持ちかければよいですか?

最初の一言は「一緒にやりませんか」ではなく、相手の顧客が何を持ち帰れるかから入ります。「御社のお客様に、採用でつまずく前に決めておくことを30分でお話しできます」という言い方なら、相手も自分の顧客の顔を思い浮かべやすいでしょう。先に決めておくことは3つ。集客の分担(何人ずつ集めるか)、当日の時間配分、参加者の連絡先をどちらが持つか。3つ目でもめる例が多いので、最初に口に出しておいてください。断られても関係は切れません。時期が合わなかっただけ、ということも多いからです。半年後にもう一度声をかけてみましょう。

9.6 セミナーから顧問契約まで、どのくらいかかりますか?

その場で決まることはまれです。セミナーから個別相談へ、個別相談から簡易な労務チェックや就業規則の見直しといったスポット業務へ、そこから労務顧問へ。この階段を上がるのに、数か月から1年かかることも珍しくありません。だからこそ効いてくるのが、終わったあとの一歩を用意しておくことと、開催を単発で終わらせないことの2つ。

10. まとめ:社労士のセミナー集客は「決まってから集める」

社労士のセミナー集客を、5つのステップに分けてお伝えしました。

  • ステップ1:誰に何を話すかを決める。業種・規模・テーマのうち2つを掛け合わせる
  • ステップ2:制度ではなく、経営者の困りごとからテーマを立てる
  • ステップ3:集める入口は紹介・発信・共催・オンラインの4本
  • ステップ4:当日は売り込まない。共感から誘導までの4部構成で組む
  • ステップ5:終わったあとの一歩を用意し、労務顧問へつなげる

順番を逆にすると、うまくいきません。集める工夫から入っても、誰に何を話すかが決まっていなければ告知文は書けないからです。決めてから集める。この順番さえ守れば、セミナーは社労士にとって最も相性の良い集客手段になります。

明日からの一歩として、この3つを試してみてください。

  1. これまでに受けた相談を、業種と内容で並べ替えて偏りを確かめる
  2. 業種の軸とテーマの軸を1つずつ選ぶ。掛け合わせた名乗りは、紙に1行だけ
  3. その名乗りで話せる会のタイトルを、「誰が・何を持ち帰れるか」の形で3案つくる

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次の1回を開くときは、参加人数の代わりに2つの数字を記録してみてください。終了後に個別相談へ進んだ人数と、そこから生まれた顧問契約の件数。この2つが動いていれば、設計は当たっています。とはいえ、1回目から動くことはまれ。どこを直せば動き出すのかは、他の先生業がどう直したかを見るのが早道です。

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この記事について

監修:志師塾(株式会社エクスウィルパートナーズ)。士業・コンサルタント・コーチ・講師といった「先生業」に特化した集客・顧客獲得支援を行い、これまでに3,200名を超える先生業の方を支援してきました。本記事は、社会保険労務士の受講生・卒業生への支援で得た知見と、全国社会保険労務士会連合会・厚生労働省の公表資料をもとに構成しています(公的データの確認日:2026年8月26日/支援人数の原本確認日:2026年8月16日)。

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