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財務コンサル未経験が半年で顧問3件取る5手

「財務コンサルで独立したいが、実務経験がない」。この壁の正体は、気合や勉強量ではありません。制度上、未経験者が入れない扉が最初からひとつ決まっていることにあります。

それが認定経営革新等支援機関の認定です。認定基準には「法定業務1年以上を含む3年以上の実務経験」が明記されています(出典: 関東経済産業局「認定(更新)基準」)。半年で自力認定は物理的に不可能です。

ところが、ここで多くの人が結論を間違えます。「じゃあ3年待つしかない」。違います。認定を持っていなくても、公的な経営改善支援の実務に入り、顧問契約まで積み上げる道は制度側にきちんと用意されています。

この記事では、次の内容をお伝えします。

  • 財務コンサル未経験がぶつかる「認定支援機関の壁」の正確な中身
  • 認定なしでも最初の1件を作れる公的制度の使い方
  • スポット案件を顧問契約へ転換する制度上の階段
  • 半年で顧問3件を目指す具体的な5つの手順
  • 未経験ゆえの安値受注を避ける価格の考え方

志師塾は、士業・コンサルタント・講師・コーチといった先生業に特化したビジネススクールとして、これまで3,200名超(3,295名/2026年8月時点)の先生業を支援してきました。財務コンサルとして独立した卒業生も多数輩出しています。その現場で見えてきたのは、未経験者が詰まるのは「財務の知識」ではなく「顧客との接続経路」だということです。

読み終えるころには、あなたが半年でどこから手をつけ、誰と組み、何を成果物として出せばよいのかが具体的に見えているはずです。まずは、多くの人が誤解している「壁」の正体から整理していきましょう。

Table of Contents

1. 財務コンサル未経験がぶつかる本当の壁は「知識不足」ではない

認定経営革新等支援機関 認定3要件

財務コンサルタントとして独立を考えたとき、多くの人はまず「簿記を勉強しよう」「財務3表の読み方を学ぼう」と考えます。もちろん必要です。ただ、それだけでは顧問契約は取れません。

1.1 「財務コンサル 未経験」の検索結果が転職サイトで埋まっている理由

実際に「財務コンサル 未経験」で検索すると、上位を占めるのはマイナビ転職・doda・求人ボックスといった求人媒体です。このキーワードで情報を探している人の大半は「未経験から財務コンサルティングファームに転職したい人」であり、独立して自分で顧問先を持ちたい人ではありません。

この構造は、独立志向のあなたにとって重要な意味を持ちます。「未経験から独立して顧問を取る方法」を正面から解説している情報が、そもそもネット上にほとんど存在しないということです。だから遠回りをする人が多い。転職向けの記事を読んで「やっぱり経験がないと無理か」と諦めるか、逆に「営業テクニックさえあれば取れる」という別業界のノウハウを鵜呑みにして空回りするか、どちらかになりがちです。

1.2 認定経営革新等支援機関の3要件を正確に確認する

財務コンサルの世界で「入場券」のように語られるのが、認定経営革新等支援機関(以下、認定支援機関)です。中小企業の経営改善支援や補助金申請支援で、国が支援能力を認定した機関を指します。

認定(更新)基準は次の3つです。

要件 内容
1つ目:専門的知識 税務・金融および企業財務に関する専門的知識を有していること
2つ目:実務経験 法定業務1年以上を含む、3年以上の実務経験
3つ目:事業基盤 安定した事業基盤を有していること

この3つをすべて満たす必要があります(出典: 九州経済産業局 認定フロー)。1つ目の判定軸としては、税理士法人・税理士・弁護士法人・弁護士・監査法人・公認会計士・中小企業診断士に該当するかどうかが並びます。

申請手続きも即日というわけにはいきません。電子申請システムへ完全移行しており、GビズIDの取得に原則2週間程度かかります。しかも新規・更新の受付期間が決まっています(出典: 内閣府 沖縄総合事務局)。

1.3 「半年で認定を取る」は諦めてよい。切り替えるべき発想

実務経験3年という数字を見て、多くの人がここで止まります。ですが、止まる必要はありません。

重要な事実がひとつあります。公的な経営改善支援の現場は、認定支援機関1者だけで完結していません。認定支援機関が主体となって計画策定を進める際、その実務の一部を外部の専門家が担う構図は日常的に存在します。税理士事務所が財務コンサルの実務担当者を必要とする場面も、金融機関が「この社長の資金繰りを見てくれる人がいないか」と探す場面も、現実にあります。

未経験者が取るべき戦略は、「認定を取ってから顧客を探す」ではなく「認定支援機関と組んで実務に入り、実績と経験年数を同時に積む」ということです。これが半年という時間軸で唯一機能する道筋になります。

事業コンセプトは「誰に・何を・どのように」の3要素で設計します。財務コンサル未経験者の場合、この「どのように」の部分、つまり顧客への到達経路を先に決めることが、半年の成否を分けます。知識は後からでも積めますが、経路がなければ知識を使う場所がありません。

2. 財務コンサル未経験の最初の1件をつくる公的制度

ポスコロ事業と405事業の使い分け

未経験者にとって最大の難所は「実績ゼロの状態で、社長に財務コンサル料を払ってもらう」ことです。この難所を、制度側が構造的に緩めてくれる仕組みがあります。

2.1 早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)とは

早期経営改善計画策定支援は、資金繰り管理や採算管理といった基本的な経営改善を必要とする中小企業を対象とした制度です。認定支援機関が資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰図などの策定を支援し、その計画を金融機関へ早期に提出することを端緒として、経営を見直してもらう建て付けになっています。

最大のポイントは費用負担です。専門家に支払う費用の3分の2を中小企業活性化協議会が負担します(計画策定:上限50万円、伴走支援:上限30万円/出典: 中小機構「経営改善計画策定支援事業」)。

社長側から見れば、自己負担は3分の1で済みます。「実績のない人に満額払うのは怖い」という心理的ハードルが、制度によって最初から下げられているわけです。

なお、この金額については注意が必要です。ネット上には「上限25万円」と記載しているページも残っていますが、これは制度改定前の情報である可能性が高い状態です。金額を顧客に説明する際は、必ず中小企業庁の最新の手引きを直接確認してください。早期経営改善計画策定支援に関する手引きは2026年3月31日改訂、経営改善計画策定支援(405事業)に関する手引きは2026年5月1日改訂と、いずれも継続的に更新されています(出典: 中小企業庁「早期経営改善計画策定支援」同「経営改善計画策定支援」)。

2.2 405事業(経営改善計画策定支援)との違い

もうひとつ、405事業と呼ばれる経営改善計画策定支援があります。こちらは金融支援を伴う本格的な経営改善が必要な企業向けです。同じく認定支援機関の支援費用の3分の2を中小企業活性化協議会が負担します。

項目 早期経営改善計画(ポスコロ) 経営改善計画(405事業)
対象企業 基本的な経営改善が必要な企業 金融支援を伴う本格的な改善が必要な企業
難易度 未経験者の入口に適する リスケ交渉等の高度な実務を含む
補助割合 費用の3分の2 費用の3分の2

未経験者がまず狙うべきは、明らかに前者のポスコロ事業です。金融支援を伴う本格的な再生案件は、金融機関との交渉やリスケジュールの実務が絡み、経験のない人が主担当を務められる領域ではありません。

2.3 補助上限額は「一律」ではない点に注意

405事業の上限額については、自治体ごとに表記が割れています。神奈川産業振興センターは「費用の一部(上限300万円)を国が負担」と記載し、鹿児島県は「専門家への支払費用の3分の2(上限200万円)を国が補助」に加えて県が計画策定費用の6分の1(上限50万円)を補助と案内しています。静岡県中小企業活性化協議会は「対象となる計画策定支援費用の総額は企業規模等により決まる」としています。

この違いは矛盾ではなく、企業規模等によって支援費用の総額枠が変わる制度設計だと理解するのが実態に近いでしょう。加えて自治体独自の上乗せ補助がある地域も存在します。

財務コンサルとして活動するなら、「全国一律の金額を暗記する」のではなく「自分の営業エリアの活性化協議会・自治体の最新案内を確認する」という姿勢が正解です。この確認作業自体が、認定支援機関や金融機関との会話で「この人はちゃんと調べている」という信頼につながります。

ここまでで、未経験でも入れる制度の入口があることは見えてきたはずです。ただ、制度を知っただけでは案件は来ません。「その制度を使いたい社長や認定支援機関に、どうやって自分を見つけてもらうか」という集客の設計が、必ず次の壁になります。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、実績が少ない段階からでも専門家として選ばれる打ち出し方を、先生業の実例で解説しています。

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3. 財務コンサル未経験が半年で顧問3件を取る5手

未経験から半年で顧問3件を取る5手

ここからが本題です。半年という限られた期間で、未経験からどう積み上げるか。志師塾が先生業のビジネス構築を支援してきた経験と、公的制度の設計から導いた5つの手順を示します。

3.1 【第1手】戦う市場を絞り込む(1か月目)

最初にやることは営業ではありません。どこで戦うかを決めることです。

志師塾が大切にしているのは「一点集中・全面展開」という考え方です。まず一点に集中して突破口を開き、そこから展開していく。財務コンサル未経験者の場合、この一点は次のように定めるのが現実的です。

  • 案件タイプ:早期経営改善計画策定支援(ポスコロ事業)の実務支援に絞る
  • 企業規模:年商1〜5億円程度、経理担当が1〜2名の中小企業
  • 業種:自分の前職・実務経験が活きる1業種(建設・製造・飲食・運送など)
  • エリア:足を運べる範囲(認定支援機関との協働が前提のため)

ここで多くの人が「絞ると仕事が減るのでは」と不安になります。逆です。絞らないと、認定支援機関から見て「何ができる人なのか分からない外部の人」になります。組む理由がない相手とは、誰も組みません。

理想の顧客像を具体化する方法として、志師塾の講座では「頭の中に小人を飼う」という発想を教えています。年商いくらで、従業員何名で、社長は何歳で、いま何に困っていて、夜どんなことを考えているのか。そこまで具体化された1人を頭の中に住まわせると、発信の言葉も提案の切り口も自然に定まってきます。「中小企業の社長」ではぼやけますが、「年商3億円の建設会社で、資金繰り表を作ったことがない58歳の二代目社長」なら、かける言葉が変わります。

3.2 【第2手】認定支援機関とのアライアンスを1件つくる(1〜2か月目)

これが半年の成否を決める最重要ステップです。認定を持てない以上、認定を持つ相手と組む。ここに全力を注ぎます。

探し方は難しくありません。中小企業庁が「認定経営革新等支援機関検索システム」を公開しており、そこには本事業の活用実績も掲載されています(出典: 中小企業庁「認定経営革新等支援機関」)。自分の営業エリアで実際に経営改善計画策定支援を動かしている税理士事務所・会計事務所・コンサル会社が、無料で名指しで分かるということです。

アプローチの際に間違えてはいけないのは、「仕事をください」と言わないことです。それでは下請けの営業になります。持っていくべきは次の3点です。

持っていくもの 中身
埋められる穴の提示 計画策定後のモニタリング・訪問対応など、認定支援機関が人手不足で手薄になりがちな工程
成果物サンプル 架空企業でよいので、資金実績・計画表やビジネスモデル俯瞰図を自作したもの
得意領域の一点 第1手で絞った業種・企業規模。「建設業の資金繰りなら分かります」の一点突破

独立初期のこの段階を、志師塾では「仮説検証」と呼びます。机上で100点を目指さず、30点でもいいから早く小人(理想の見込み客)のところへ持っていく。完璧な提案書を3か月かけて作るより、7割の資料で10人に会ったほうが、確実に前に進みます。断られた理由こそが、次の提案を作る材料になるからです。

3.3 【第3手】成果物を「作れる状態」にする(2〜3か月目)

未経験者にとってありがたいことに、この分野は「何を作れるようになればいいか」が公開されています。

早期経営改善計画策定支援で作成する主な資料は次のとおりです。

  • ビジネスモデル俯瞰図
  • 資金実績・計画表
  • アクションプラン
  • 損益計画
  • ローカルベンチマーク

さらに中小企業庁は「資金予定表かんたん作成ツール」(通常用・製造業用)を配布しています。練習素材と到達点が、すべて無償で手に入る状態です。

やるべきことはシンプルで、知り合いの中小企業や自分の前職の数字を使って、この5点を最低3社分作ってみることです。作ってみると、必ず詰まります。「この会社のビジネスモデルを1枚でどう描くのか」「入金サイトと支払サイトのズレをどう表現するのか」。この詰まりを潰す作業が、そのまま実務力になります。

商品づくりには「知りたいものを、手に入るものに変換する」という原則があります。社長が本当に欲しいのは「財務の知識」ではありません。「来月の資金がショートしないという確信」「銀行に説明できる1枚の資料」です。成果物という形で手に入るものを提示できるかどうかが、単価と成約率を分けます。

3.4 【第4手】金融機関ルートを開く(3〜4か月目)

ここが、多くの財務コンサル記事が触れていない盲点です。

早期経営改善計画策定支援の手続きの起点は、実は社長でも認定支援機関でもなく金融機関です。取引金融機関(メイン行または準メイン行)に事前相談し、連名の利用申請書に事前相談書を添えて中小企業活性化協議会へ提出する流れになっています。神奈川産業振興センターの案内でも「まずはメインの金融機関に相談」と誘導されています。

これが意味するのは、財務コンサルの営業導線は「社長への直販」だけではなく「金融機関からの紹介」というルートが制度上組み込まれているということです。支店の担当者は、取引先の資金繰りに不安を感じたとき、相談できる専門家を探しています。

ただし、いきなり支店に飛び込んでも門前払いです。順序としては、第2手で組んだ認定支援機関が持っている金融機関との接点に、同行させてもらう形が現実的です。1回の同行で顔と名前を覚えてもらい、2回目以降で「あの案件、どうなりましたか」と自分から報告に行く。この積み重ねが紹介経路になります。

ここで思い出したいのが、紹介についての鉄則です。「紹介をもらうチャンスを狙う」のではなく「紹介を出すチャンスを狙う」。トップクラスの営業パーソンほど、自分が紹介を出す側に回ることを常に探しています。金融機関の担当者に対しても同じです。あなたが「この社長、御行で融資の相談をされたいそうです」と情報を持っていける関係になれば、返報性は自然に働きます。

3.5 【第5手】スポットを顧問に転換する(4〜6か月目)

そして最後、顧問契約への転換です。ここも制度が味方をしてくれます。

早期経営改善計画は、計画策定から1年間フォローアップする建て付けであり、伴走支援の費用も補助対象(上限30万円)になっています。「計画を作って終わり」ではなく、「作った計画を回していく」ところまでが制度の想定内です。

この構造を営業の言葉に翻訳すると、こうなります。

「計画は作りました。ただ、計画は作った瞬間から現実とズレていきます。ズレたときに毎月一緒に見て、手を打つところまでやらないと、この計画は引き出しにしまわれて終わります。伴走支援も補助の対象になっていますので、この1年間、月1回のモニタリングをご一緒させてください」

そして1年のフォローアップ期間が終わる頃には、あなたはその会社の数字を12か月分見てきた人になっています。社長にとって「うちの数字を一番よく知っている外部の人」になっているのですから、そのまま顧問へ移行する提案は自然です。

4. 財務コンサル未経験でも安く受けてはいけない理由

認定支援機関に持ち込む3つの手土産

未経験者が最も陥りやすい罠が、値付けです。「実績がないから安くしよう」という発想は、短期的には案件を取れても、中長期では自分の首を絞めます。

4.1 国は「支援能力」を認定しているが「料金体系」は認定していない

ここは明確な事実です。関東経済産業局は、認定は支援機関の支援能力を認定するものであって、料金体系を認定するものではないと明記しています(出典: 関東経済産業局「経営革新等支援機関について」)。

「公的制度に乗る=安く働かされる」という思い込みは、制度上の根拠がありません。補助の上限額は決まっていますが、その枠内でどう値付けするかは当事者の判断です。

4.2 「ガチ時給」で価格を検証する

価格を考えるときに使ってほしいのが、「ガチ時給」という指標です。見せかけの単価ではなく、準備・移動・資料作成・議事録・フォローの連絡まで含めた実労働時間で割った、本当の時給を出します。

たとえば月次モニタリングを月3万円で受けたとします。訪問2時間、往復移動2時間、事前の数字分析3時間、報告資料作成3時間、事後のやり取り1時間。合計11時間。ガチ時給は約2,700円です。この水準では、事業として続きません。

逆算するなら、次のように考えます。

項目 考え方
目指す年商 まず数字で決める(例:1,200万円)
稼働可能時間 営業・学習・事務を除いた実支援時間(例:年1,000時間)
必要なガチ時給 1,200万円 ÷ 1,000時間 = 12,000円
1社あたり月額 月11時間かかるなら、13万円前後が必要ライン

この数字を見て「未経験で13万円は無理だ」と感じたなら、下げるべきは価格ではなく、1社あたりの投下時間か、提供する成果の設計です。訪問を隔月にする、資料を定型化する、成果物の範囲を明確に区切る。ここを設計せずに値下げだけすると、忙しいのに儲からない状態に固定されます。

4.3 段階的な値上げを前提に設計する

とはいえ、1件目から満額を取れる人は稀です。実績ゼロの段階では、モニター価格からのスタートで構いません。ただし条件が2つあります。

  • 期間を区切る:「初回の3か月はモニター価格、4か月目から正規価格」と最初に伝える
  • 対価をもらう:値引きの見返りに、成果の数字と顧客の声(実名または業種名での掲載許可)をもらう

顧客の声と数字が揃えば、2社目の提案は格段に通りやすくなります。1社目は売上を取りに行くのではなく、2社目以降の武器を取りに行く案件だと位置づけてください。

5. 財務コンサル未経験が半年で成果を出すための実行管理

5手の中身が分かっても、実行できなければ意味がありません。志師塾が受講生を支援する中で見えてきたのは、成果が出ない理由は2つしかないということです。

5.1 成果が出ない理由は「戦略の誤り」か「行動量不足」のどちらか

志師塾のインテンシブプログラムでは、成果が出ない原因を明確に2つに分けています。

  • 思考:戦略(方向性)が間違っている。全体設計を「先生ビジネスフレームワーク(SBF)」で整理し直す
  • 行動:行動量が不足している。「集中実践ブック」で高速PDCAを回す

財務コンサル未経験者の半年に当てはめるなら、1〜2か月目で成果ゼロなのは正常です。ここは仕込みの期間だからです。3か月目を過ぎても認定支援機関との接点が1件もできていないなら、それは行動量の問題です。逆に、20件アプローチして1件も反応がないなら、それは戦略(絞り方・打ち出し方)の問題です。この切り分けを毎月やってください。

5.2 打率と打席数に分解する

成果は「打率」と「打席数」に分解して考えます。

半年で顧問3件を目指すとき、成約率を仮に3割とすれば、提案(打席)は10回必要です。提案に至るまでの面談を3回に1回とすれば、面談30回。面談につながるアプローチが5回に1回なら、アプローチ150回。この逆算をしていない人は、「頑張っているのに結果が出ない」という感覚だけで消耗します。

数字にしてしまえば、月あたりアプローチ25回。週6回。1日1件強です。やれない数字ではありません。

5.3 断られる理由を先に潰す

財務コンサル未経験者が断られる理由は、実はパターン化しています。

断られる理由 先回りの打ち手
実績がないから不安 成果物サンプルを見せる。認定支援機関との協働体制を明示する
顧問税理士がいるから不要 「過去の記帳」と「将来の資金の動き」は別業務だと切り分けて説明する
費用が出せない 公的制度で自己負担が3分の1になる設計を提示する
いま急ぎではない 資金繰り表を1枚作って見せ、3か月後の残高を可視化する

セミナーや個別相談を設計するときは、「断られる理由の事前つぶし込み」を必ず行ってください。断られてから慌てて反論するのではなく、相手が断り文句を口にする前に、その論点を自分から出して解消しておく。この順序が成約率を大きく変えます。

5.4 個別相談では解決策を出しきらない

最後にひとつ、未経験者ほど陥る罠を挙げておきます。志師塾で「教えたがり病」と呼んでいるものです。

財務の勉強をしてきた人ほど、社長を前にすると全部教えたくなります。「この比率がこうで、この改善策があって」と。ところが親切に教えれば教えるほど、社長は「ありがとう、自分でやってみます」となります。ボランティアで終わるわけです。

個別相談の目的は、解決策を提示することではありません。関係性を構築し、問題点を明らかにすることです。「なぜそうなっているのですか」「他にはありませんか」と掘っていき、社長自身に「これはまずい」と気づいてもらう。人は他人に説得されたことより、自分で言葉にしたことのほうを信じます。

6. 志師塾卒業生の事例

ここまで手順を見てきましたが、「本当に未経験から積み上がるのか」という疑問は残るはずです。志師塾では、実名・具体数字つきの成功事例インタビューを125本以上公開しています。その中から、財務コンサル未経験者が参考にできる事例を紹介します。

6.1 資格ゼロ・実績ゼロから上場企業20社の顧問になったコンサルタント

志師塾の卒業生の中には、資格も実績もない状態からスタートし、上場企業20社の顧問契約を獲得したコンサルタントがいます。詳しくは資格0実績0のコンサルが上場企業20社の顧問になった方法にまとめています。

この事例で注目すべきは、資格や過去の肩書ではなく、「誰のどの問題を解決する人なのか」というポジショニングを先に固めた点です。財務コンサル未経験のあなたにとっても、第1手で示した「絞り込み」がいかに効くかを裏づける実例になります。

6.2 半年で退職率90%減・売上50%増を実現した人事ビジネス

もうひとつは、半年で中小企業の退職率90%減!売上50%増を実現した人事ビジネスの事例です。半年という短い期間で、顧客企業に明確な数字の成果をもたらしています。

財務コンサルも同じで、顧問契約が継続するかどうかは「社長が数字の変化を実感できるか」にかかっています。資金繰り表を作っただけでは継続しません。「先月末の預金残高が、半年前より○百万円積み上がった」という事実を、あなたの言葉で社長に見せられるかどうかです。

6.3 数字ではなく「社長を動かす」ことが本業になる

そしてもうひとつ、財務コンサルを続ける中で必ず突き当たるテーマがあります。正しい計画を作っても、社長が動かなければ何も変わらないという現実です。

ここで効いてくるのが、伴走支援の鉄則です。「心配されると不安になる、信頼されると勇気が出る」。数字の悪いところを指摘して詰めるほど、社長は身構えます。逆に、社長自身が「これをやる」と口にした言葉を拾い、それを信じて進捗を確認していくほうが、行動は続きます。

自己実現メンタルコーチとして活動する平真理子さんのインタビューでは、人がどう動くかという領域に踏み込んだ支援の考え方が語られています。財務という数字の領域で仕事をする人ほど、この視点は武器になります。

7. まとめ:財務コンサル未経験の半年をどう使うか

最後に、5手を改めて整理します。

時期 やること 到達点
1か月目 【第1手】戦う市場を絞る 業種・規模・エリア・案件タイプが1行で言える
1〜2か月目 【第2手】認定支援機関と組む 協働できる相手が1件確保できている
2〜3か月目 【第3手】成果物を作れるようにする 5種類の資料を3社分作った経験がある
3〜4か月目 【第4手】金融機関ルートを開く 支店担当者と名前で呼び合う関係が1つある
4〜6か月目 【第5手】スポットを顧問に転換する 伴走支援から顧問への提案を実際に出している

認定経営革新等支援機関の実務経験3年という要件は、確かに壁です。ですが、その壁の手前に「認定支援機関と組んで実務に入る」という通路が確かに存在します。そして早期経営改善計画策定支援という制度は、社長の自己負担を3分の1に下げ、伴走支援まで補助対象とすることで、未経験者が最初の1件を作り、それを継続契約へ育てる階段をあらかじめ用意してくれています。

難所は財務の知識ではありません。認定支援機関・金融機関という「接続点」をどう作るか、そして自分が何屋なのかをどう伝えるか。この2点だけです。

8. 関連記事もあわせて

財務コンサルとしての独立・顧問獲得を考えるうえで、あわせて読んでおきたい記事を紹介します。

ここまで読んでいただいて分かるとおり、財務コンサル未経験の半年で本当に難しいのは、財務の知識ではなく「認定支援機関にも社長にも、自分が何屋で何ができるのかを伝えること」です。ポジショニングと伝え方が定まらないまま数を打っても、打席には立てません。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、実績が少ない段階から専門家として選ばれるための打ち出し方と、顧客獲得の導線設計を、先生業の具体例で解説しています。

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