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ホームページに問い合わせが来ないNG要素ワースト10と直す順番

ホームページに問い合わせが来ないとき、まず疑われるのは「デザイン」です。ところが、志師塾がこれまで支援してきた3,200名を超える先生業のホームページを見てきた経験からいうと、原因の大半はデザインの外側にあります。

この記事では、問い合わせが来ないホームページに共通するNG要素を、影響の大きい順にワースト10で並べます。各項目には「なぜ問い合わせが止まるのか」と「どう直すのか」をセットで添えました。判断の根拠にしているのは、志師塾の支援実績と卒業生125本のインタビュー、そしてGoogleが公開している検索の基本事項です。

読み終えるころには、あなたのホームページをどこから手を付けるべきか、その順番が決まっているはずです。

これから挙げる10項目はどれも今日あなたのホームページを開けば確かめられますが、上位3つは「誰に、何を言うか」という言葉の問題なので、抜けに気づけてもでは自分は誰に向けて何を書くのかという一行は、チェックリストでは埋まりません。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、その一行をどう決めるのかという手順から解説しています。

士業・コンサル・コーチの実例で、ホームページの1画面目に書く言葉の決め方が分かります

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まずは全体像を早見表で確認してください。

目次

1. ホームページに問い合わせが来ないNG要素ワースト10【早見表】

NG要素ワースト10の3層構造

まず結論から並べます。下の表は、志師塾が先生業のホームページを診断するときに見ている10項目を、問い合わせへの影響が大きい順に並べたものです。

順位 NG要素 問い合わせが止まる理由 最初の一手
1位 主語が「自分」の自己紹介型 相手の悩みに一言も触れていない 問題解決型に組み替える
2位 1枚のサイトで全員を相手にしている 訴求が薄まり、誰にも刺さらない 1人の小人さんに1つの専用サイト
3位 専門用語ばかりで読めない 自分の問題だと気づけずに離脱する 中学3年生が読める言葉にする
4位 ブログがない・更新が止まっている 検索の入口が増えず、資産にならない まず33記事・10万文字
5位 お客様の声・事例がない 強みがすべて自己評価に見える 長文の声を実名・写真つきで
6位 顔写真とプロフィールが薄い 誰に頼むことになるのか見えない 撮影を依頼し、全媒体で統一する
7位 料金の目安がどこにも書いていない 検討対象にすら入らない 「○○円~」「過去の事例」で出す
8位 検索キーワードを決めずに書いている そもそも検索結果に出てこない 1ページ1キーワードを先に決める
9位 問い合わせ導線が見つからない 行動する直前で迷子になる 全ページに導線、入力項目を絞る
10位 スマホで読みづらい・表示が遅い 本文に入る前に閉じられる スマホの1画面目を作り直す

1.1 なぜ「デザインが古い」はワースト10に入らないのか

ホームページの相談で最も多い言葉が「デザインが古いから作り直したい」です。しかし、デザインを整えても問い合わせが増えなかったという話も、同じくらい多く聞きます。

理由は単純で、デザインは「読む気を失わせない」役割しか果たさないからです。見た目が整っていることは、読み始めてもらうための最低条件にすぎません。読んだ先に「これは自分のことだ」と思える言葉がなければ、問い合わせボタンまでは届きません。

志師塾では、デザインやテイストをとことん磨き込むタイプのホームページを「自己満足型」と呼んでいます。サイトを作品にしたい人向けで、取り組むのはアクセスが集まるようになった最後でいい、という位置づけです。順番を逆にすると、きれいなのに誰も来ないサイトができあがります。

1.2 ワースト10の並べ方(影響の大きさ順にした理由)

この10項目は、大きく3層に分かれます。

  • 中身の層(1位~4位):誰に、何を、どの言葉で言うか。直せば効果が最も大きい
  • 信頼の層(5位~7位):任せていいと判断してもらう材料。あると背中を押せる
  • 作りの層(8位~10位):見つけてもらう・迷わせない仕組み。無いと土俵に上がれない

多くのホームページ改善は、作りの層から始まります。スマホ対応、フォームの改修、ページ速度。どれも必要ですが、中身の層が自己紹介型のままでは、改善の効果が数字に出ません。だから本記事は、あえて作りの層を下位に置きました。

1.3 自分のホームページをチェックする前に決めておくこと

チェックに入る前に、1つだけ決めてください。そのホームページで、どんな人に、どんな行動を取ってもらいたいのかです。

志師塾では、ターゲット顧客のことを「小人(こびと)さん」と呼びます。頭の中にその人が立っていないと、10項目のチェックがすべて「一般論としてどうか」になってしまい、判断できません。

悪い例が「売上を上げたい」「たくさんの人に見てもらいたい」です。良い例は、ここまで具体的にします。「新宿で、起業直後の女性経営者が税理士を探すときに、当事務所に興味を持って電話で問い合わせてもらうこと」。この一文があるかどうかで、以下の10項目の答えはすべて変わります。

2. 【10位~8位】ホームページの「作り」で問い合わせを逃すNG要素

作りの層でやる4つの直し方

まずは下位3つ、作りの層です。効果の大きさは中位ですが、放置すると他の努力がすべて無駄になるという性質があります。

2.1 10位:スマホで読みづらい・表示が遅いホームページ

先生業のホームページは、業種によってはアクセスの8割以上がスマートフォンになります。総務省の情報通信白書でも、個人がインターネットを使う機器はスマートフォンがパソコンを上回る水準で推移しています。それにもかかわらず、確認作業をパソコンだけで済ませているケースが少なくありません。

Googleは、検索の基本事項(Google 検索セントラル)のなかで、ページがモバイル端末で問題なく表示・操作できることを前提に評価する考え方を示しています。読みづらいスマホ表示は、読者を逃すだけでなく、検索での評価にも効いてきます。

直し方は、スマホで自分のトップページを開き、最初の1画面だけを見ること。そこに「何をしてくれるサイトなのか」「誰向けなのか」が入っていなければ、そこだけを作り直します。全ページの改修より先に、1画面目です。

2.2 9位:問い合わせ導線が見つからないホームページ

読み終えた読者が「問い合わせてみよう」と思った瞬間に、ボタンが視界にない。これだけで、せっかく温まった人が冷めます。

よくあるNGは3つです。導線がトップページにしかない/連絡手段が電話番号だけ/フォームの入力項目が多すぎる。とくに3つ目は要注意で、項目を増やすほど途中で離脱します。

ただし、気軽すぎるフォームは本気度と出席率が下がる傾向もあり、ここはトレードオフです。志師塾のセミナー申込フォームでは、受講票を送る理由を添えて住所まで入力してもらっています。「何のために聞くのか」を書けば、項目数は多少増やせます。

あわせて、依頼の流れを1ページ用意してください。問い合わせの後に何が起きるかが分かるだけで、最初の一歩は軽くなります。

2.3 8位:検索キーワードを決めずに書いているホームページ

内容は良いのに検索から人が来ない。その多くは、どのキーワードで来てもらうかを決めずに書いているケースです。

GoogleのSEOスターターガイドでも、読者が実際に使う言葉で書くことが基本として挙げられています。見込み客が検索する言葉を先に決めて、それに答える1ページを作る。この順番が逆になっていると、誰の検索にも引っかかりません。

キーワード選定の入口は、特別なツールではなく検索結果ページです。検索結果の下段に出てくる関連キーワードをながめるだけで、見込み客が何と一緒に調べているかが見えてきます。そのうえで、単語1つでの上位表示はまず無理なので、3語・4語の複合キーワードまで絞り込むのが現実的な戦い方です。

3. 【7位~5位】ホームページで「信頼」が伝わらないNG要素

お客様の声でもらう6項目

ここからは信頼の層です。先生業のサービスは目に見えません。だからこそ、任せていいと判断する材料をこちらから用意する必要があります。

3.1 7位:料金の目安がどこにも書いていないホームページ

「ケースによって変わるので」と料金を伏せているホームページは多いです。しかし読者の側からすると、価格が分からないサイトは検討対象にすら入らないことがあります。比較している3社のうち2社が価格を出していれば、出していない1社は候補から落ちます。

読者が知りたいのは正確な見積りではなく、桁です。原則として目安は載せる。一概に決まらないなら「○○円~」や「過去の事例」という形にします。

例外は、BtoBで同業の誰も価格を出していない領域です。ライバルが価格を見せているなら自分も見せる。この基準で判断してください。

3.2 6位:顔写真とプロフィールが薄いホームページ

先生業は、サービスの前に人を選ばれる仕事です。にもかかわらず、イラストのアバターやハンドルネーム、スマホで撮った斜め上からの写真で済ませているページが目立ちます。

顔写真はカメラマンに撮ってもらう。費用ではなく投資と考えてください。そして、撮った写真はホームページ・SNS・名刺・セミナー告知のすべてで統一します。同じ顔に繰り返し触れるほど親近感が増すので、媒体ごとに違う写真を使うのは機会損失です。

プロフィールで肩書をどう名乗るかは、問い合わせ率を左右します。肩書・キャッチコピー・プロフィールの3点を整える考え方は、肩書・キャッチコピー・プロフィールで問い合わせが倍増する理由で詳しく解説しています。

3.3 5位:お客様の声と事例がないホームページ

「実績豊富」「丁寧に対応します」。この手の言葉がいくら並んでいても、書いているのが本人である限り、すべて自己評価です。第三者の言葉が1つもないホームページは、専門性が高く見えるほど「偉そうで信用できない」方向に振れてしまいます。

お客様の声は、一言コメントではなく読んでもらえる長さの文章でもらってください。長い文章は滞在時間を伸ばし、同じ悩みを持つ読者の自分語りになります。可能なかぎり実名と写真、難しければ地域と業種まで。

依頼するときは、こちらから項目を用意すると書きやすくなります。「受ける前は何に困っていたか」「受けて変化したこと」「出た成果(数字があれば)」「受けた後の状況」「どんな人物だったか」「人にすすめられるか」。この6項目です。声がまだ無い段階なら、パートナーや近い業種の方に推薦者の声を書いてもらう手もあります。

料金も実績も、出す前に「誰に向けて出すか」が決まっていないと、どの数字を見せるべきかが決まりません。安さで並ぶのか、専門性で選ばれるのか。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、価格を下げずに選ばれる見せ方を、士業・コンサルの事例で扱っています。

4. 【4位~2位】ホームページの「中身」を間違えているNG要素

ブログを10万文字まで積む手順

ここから上位です。直せば効果が最も大きく、逆に放置すると他を全部直しても問い合わせが動かない層です。

4.1 4位:ブログ記事がない・更新が止まっているホームページ

会社案内・サービス内容・プロフィール・お問い合わせ。この4~5ページだけで構成されたホームページは、構造的に検索に弱いです。固定ページは本でいえば前書きや目次にあたる部分で、増えていきません。

検索から人が来るようになるには、記事を積み上げる必要があります。志師塾が目安としているのはブログ全体で10万文字以上。1記事3,000文字なら33記事です。開業直後で時間があるなら一気に書き、その後は月2~4記事で十分です。毎日投稿は質が落ちるので勧めません。

そして、書く内容は業界では当たり前のことで構いません。当たり前のことでも、訪問者は知らないからです。1記事1,500~4,000文字、1つのテーマを掘り下げれば自然と3,000文字前後になります。ブログは消えものではなく資産です。何年経っても読まれる内容を、一次情報で書く。これが半永久的に効き続けます。

4.2 3位:専門用語ばかりで読者が理解できないホームページ

「経営者保証解除」「就業規則の整備」「遺留分侵害額請求」。業界では日常語でも、読者にとっては初めて見る言葉です。意味が取れない文章は、内容の是非ではなく自分に関係あるかどうかの判断ごと放棄されます。

志師塾が基準にしているのは、中学3年生でも分かるように書くこと。義務教育の9年間で常用漢字2,136字をすべて習うので、そこを上限に考えると自然に読みやすくなります。

専門用語を消す必要はありません。初出で「○○(=~のこと)」と一言添える。それだけで、同じ内容がまったく違う読み物になります。実際、ホームページには想定外の読者がたくさん訪れます。その「超これから客」にも伝わる言葉で書くことが、結果的に問い合わせの母数を広げる一手になります。

4.3 2位:1枚のホームページで全員を相手にしている

税理士事務所のサイトに、起業支援・相続・確定申告・税務調査が横並びで載っている。よく見る形ですが、ターゲット像が抽象化して、訴求力が落ちます。相続で困っている人にとっては「相続もやっている事務所」にしか見えません。

志師塾の考え方は「1人の小人さんに、1つの専用サイト」です。コーポレートサイトは会社のオフィシャルな顔として置き、集客は専用サイトで行う。たとえば起業支援なら「起業支援センター(運営:○○事務所)」として、起業の手順・起業形態・登記・創業資金・起業時の経理だけを取りそろえる。こうすると、起業を考えている人にとって「自分のためのサイト」になります。

この分け方には追い風もあります。Googleは1サイト1テーマの特化型サイトを評価する傾向があり、有益な情報が継続的に更新される専用サイトは、総合サイトより優位に立てます。サイト名も5W1Hで考え、名前だけで中身が伝わる形にしてください。地域性が強いなら「地域名+何をやっているか+センター/相談所」がひな型になります。

5. 【ワースト1位】主語が「自分」の自己紹介型ホームページ

自己紹介型を問題解決型に直す6手順

そして第1位。すべての文章の主語が「自分」になっているホームページです。問い合わせが来ないホームページの、ほぼすべてがここに当てはまります。

5.1 自己紹介型と問題解決型の違い

ホームページは大きく2種類に分かれます。

  自己紹介型 問題解決型
視点 自分目線 ユーザー目線
最初に書くこと ご挨拶・理念・資格・お知らせ 相手のお悩みへの問いかけ
語る人 自分だけ お客様が語っている
向いている用途 名刺に載せる・会社の実在証明 集客
集客力 △ 未来永劫アクセスは来ない ◎ 悩み解決度に応じて増える

開業直後に「ホームページくらい無いとまずい」という理由で自己紹介型を作るのは、現実としてあります。問題は、そのまま何年も置いてしまうことです。自己紹介型は言いたいことを言える一方通行の媒体なので、どれだけ更新しても集客には繋がりません。

Googleのフィロソフィーに「ユーザーに焦点を絞れば、すべてのことは後からついてくる」という一文があります。書きたいことを書けば自己満足で終わり、求められていることを書けばアクセスが集まる。自分目線からユーザー目線へ、視点を180度変える。これがホームページ作成で最も重要なマインドです。

5.2 自己紹介型になっているかを見分ける3つのサイン

診断は簡単です。自分のトップページを開いて、次の3つを確認してください。

  1. 1画面目に、相手の悩みの言葉が入っているか。「ご挨拶」「お知らせ」から始まっていたら自己紹介型です
  2. 文章の主語を数えて、「当事務所は」「私は」が多数派になっていないか
  3. 自分以外の人が語っている箇所があるか。お客様の声・推薦の言葉がゼロなら、全ページが自己評価です

とくに先生業で起きやすいのが、立派な資格・学歴・実績だけが前に出た「俺が俺がページ」です。資格や経歴は信頼材料として必要ですが、それは読者が「自分の悩みを解決してくれそうだ」と思った後に効く情報です。順番を間違えると、権威の押し付けになります。

5.3 自己紹介型を問題解決型に直す6ステップ

志師塾では、問題解決型ホームページを次の6ステップで組み立てます。

  1. 目的の明確化:どんな小人さんに、どんな行動を取ってもらうのか。これを一文で書きます
  2. コンセプト決定:何に特化した専用サイトにするか。サイト名まで落とし込みます
  3. コンテンツの抽出:お役立ち情報/提案の内容/提案を受け入れた未来の3つを揃える
  4. コンテンツの配置:サイトマップとレイアウトの設計(階層は3階層まで)
  5. 制作:自主制作か外注か
  6. 運用:アクセス解析を入れてPDCAを回す

トップページの並びは、訪問者の心理に沿わせます。キャッチコピー、お悩みごとの問いかけ、お客様の成果、成果の出る理由、無料オファー、サービス紹介、自己紹介、ブログ・お知らせ、よくある質問。自己紹介はこの位置です。先頭ではありません。

6ステップの具体的な進め方と、問い合わせが増えた実例は、集客できるホームページ作成6ステップで手順ごとに解説しています。

なお、制作手段については、先生業は自主制作を推奨しています。理由は更新スピードとコストです。外注すると10ページ程度で初期50~80万円、月額のランニングコストもかかり、何より気軽に更新できません。簡単に作れるツールもありますが、長い目で見れば集客効果と費用の面でWordPressが有利です。外注する場合でも、原稿は可能なかぎり自分で書いてください。小人さんの悩みを一番知っているのはあなただからです。

6. ワースト10から見える、ホームページに問い合わせが来る条件

問い合わせが来るホームページの条件

10項目を並べると、問い合わせが来るホームページの条件が浮かび上がります。

6.1 問い合わせはページ数ではなく「視点」で決まる

ページ数が多いホームページほど問い合わせが来る、ということはありません。10ページでも来るサイトがあり、50ページでもゼロのサイトがあります。差は視点が自分に向いているか、相手に向いているかの1点です。

志師塾の教材では、自己紹介型から問題解決型へ切り替えただけで、資料のダウンロード数が10倍以上になった税理士の事例を扱っています。やったことは、最初に問いかけを置き、次にお客様の声を置いて、お客様が語る構成に変えること。ページ数を増やしたわけではありません。

また、打ち出す対象を思い切って絞った結果、切り替え直後に高額案件を受注した事例もあります。削って尖らせると、同じ情報量でも刺さる。これが専用サイトの力です。

6.2 E-E-A-Tは4つセットで効く

Googleの検索品質評価ガイドラインでは、ページ品質の評価でE-E-A-Tが重視されています。中身は、経験(Experience)・専門性(Expertise)・権威性(Authoritativeness)・信頼性(Trust)の4つです。最新の考え方はGoogle 検索セントラル ブログで随時公開されています。

この4つは、1つでも欠けると互いの価値を打ち消し合います。

要素 意味 欠けると起きること 掲載するもの
経験 現場の汗 専門性が机上の空論に見える 事例紹介、失敗談、開発秘話、活動実績
専門性 学びと技の磨き 経験が体験談で終わる ブログ、独自メソッド、資格、小冊子
権威性 外部からのお墨付き すべてが自己評価に見える お客様の声、推薦、メディア掲載、登壇実績
信頼性 任せる安心感 偉そうで信用できないと思われる プロフィール、事務所情報、価格、返金・保証

ワースト5位から7位は、この表の「権威性」と「信頼性」が丸ごと抜けた状態です。専門性だけを積み上げても問い合わせに繋がらない理由は、ここにあります。

6.3 ホームページを直す順番(上位3つ→信頼→作り)

最後に、手を付ける順番です。

  1. 今週:小人さんを1人決め、目的を一文で言語化する(1位・2位の前提)
  2. 今月:トップページの1画面目を、お悩みへの問いかけに書き換え(1位)
  3. 今月:お客様の声を3名に依頼する(5位。6項目のひな型を添えて送る)
  4. 3か月:料金の目安と依頼の流れを公開します。顔写真も撮り直し(6位・7位・9位)
  5. 6か月:キーワードを決めてブログを33記事・10万文字まで積む(4位・8位)

注意してほしいのは、最初から完璧なホームページは作れないということです。6割できたと感じたら公開してしまってかまいません。公開して運用が始まってからが本番で、Googleアナリティクスとサーチコンソールを入れてPDCAを回しながら育てていきます。問い合わせがゼロの状態から月10件まで積み上げる流れは、初心者でもできる集客サイトの勝ちパターンにまとめています。

7. 志師塾卒業生は「誰に何を言うか」をどう決めたか

ワースト1位と2位は、結局「誰の、どの悩みに答える専門家なのか」を言葉にする作業です。これは業種を問いません。ホームページそのものの話ではありませんが、打ち出しの決め方という点で参考になる卒業生を3名紹介します。

7.1 肩書を変えて暗黙知を前に出した/中小企業診断士・稲谷誠人さん

稲谷誠人さんは、慶応義塾大学商学部を卒業後、大和銀行(現りそな銀行)で融資渉外・融資審査・事業再生・債権回収など幅広い業務を約30年にわたり経験。2010年度に中小企業診断士試験に合格し、2019年に独立しました。

注目したいのは名乗り方です。稲谷さんは自分を「銀行とのつき合い方アドバイザー」と称しています。「中小企業診断士です」では伝わらない価値が、この肩書だと一言で伝わります。

「私は銀行に約30年間勤務していました。そのため銀行員が何を考えているかが、手に取るように分かります」。銀行員の思考という本やインターネットには載っていない暗黙知は真似されにくく、そのまま差別化要素になります。現在は新規融資・借り換え・経営者保証解除の支援に加え、週2回ほど大阪府よろず支援拠点で経営相談を担当しています。

ちなみに経営者保証については、中小企業庁も「経営者保証に関するガイドライン」の活用を呼びかけており、個人保証に依存しない融資への流れがあります。公的な方針の変化は、そのまま小人さんの悩みの変化です。自分の専門領域に関わる制度の動きを追っておくと、ホームページに書くテーマが見つかります。

7.2 3万字の自己棚卸しから商品が生まれた/社会保険労務士・塚元雄平さん

塚元雄平さんは、ネクストステップ社会保険労務士事務所の所長。社会保険労務士試験に10回挑戦して合格し、事務所で実務経験を積んだ後、30代で独立しました。

志師塾での学びで苦労したのが3万字の自己棚卸し。そこから形になったのが「人事部立ち上げ支援」という商品です。想定する対象は、従業員50人以上で、これから採用したい企業や、採用・定着に課題を抱える企業。誰に向けたサービスかが、ここまで具体的になっています。

掲げているのは「働く人が定着する職場をつくる」こと。評価制度をつくり直して離職率を下げ、社会保険料や退職金も整備し、助成金も活用しながら採用につなげる。制度をつくって終わりではなく、人事機能が根付くところまで支援する設計です。この一文があれば、ホームページの1画面目に何を書くかは迷いません。

7.3 広告では埋まらない距離に気づいた/弁護士・永井一弘さん

永井一弘さんは、大阪・船場北浜で1999年に開設した「おあしす総合法律事務所」を運営。弁護士4名が所属し、民事を中心に家事・刑事まで幅広く対応しています。

永井さんは、士業の仕事を川の流れにたとえます。会社設立は司法書士や行政書士が上流、税務申告の税理士が中流、そして弁護士は最下流。「重大な問題が発生しないかぎり、弁護士に相談することはないでしょう」。

ここで示唆的なのが、数の変化です。日本弁護士連合会の公表データによれば、弁護士の数は2000年に全国で約1万7千人だったものが、2021年には4万3千人を超えました。それでも「身近に感じている人はまだ少ない」のが実情です。永井さんは、テレビCMや駅の看板のような大規模広告を打っても、相談する側からは本当に信頼できるのか分かりにくいと指摘しています。

これはホームページにそのまま当てはまります。認知されることと、信頼されることは別です。志師塾でのワークショップを通じて「弁護士という仕事で自分がやるべきは、人を助けることである」と再確認し、その志を軸に活動されています。

3名に共通しているのは、媒体を作り替える前に「誰の、どの悩みに答える専門家なのか」を言葉にしていることです。あなたのホームページも、直す前に決めるべき順番があります。その順番と、決めた言葉をWebに載せる手順は、志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーで解説しています。

ホームページの問い合わせについて、よくある質問

Q1. ホームページを公開してから、どのくらいで問い合わせが来ますか?

検索から安定して人が来るには、一定量の文字数と時間が必要です。志師塾が目安にしているのは10万文字・半年。公開直後から来るのは、リアルで会った人がサイトを見て連絡してくるケースです。この2つは別の導線なので、分けて考えてください。

Q2. コーポレートサイトを問題解決型に作り替えるべきですか?

作り替える必要はありません。コーポレートサイトは会社のオフィシャルな情報掲載の場として置いたまま、集客用の専用サイトを別に立てるのが基本です。別ドメインで、サービス内容が分かる独自ドメインを取るのが望ましい形です。

Q3. 業者に外注すれば問い合わせは増えますか?

デザインは整いますが、それだけで増えるとは限りません。先生業のマーケティングを理解していない業者だと、ご挨拶とお知らせが並ぶ自己紹介型になりがちです。外注する場合も、小人さんの設定と原稿は自分で用意してください。

Q4. SNSを頑張れば、ホームページは要りませんか?

役割が違います。SNSや交流会は、自分というパーソナリティを知ってもらい関係性をつくる場で、商売色は好まれません。一方ホームページは、商売の情報を堂々と載せられる場であり、関係性のできていない不特定多数にも価値を届けられる唯一の媒体です。SNSからのリンクは、すべてホームページに向けてください。

まとめ:ホームページの問い合わせを増やす最初の一手

問い合わせが来ないホームページのNG要素を、影響の大きい順に10個並べてきました。あらためて整理します。

  • 1位~4位は「中身」。主語が自分になっている、対象を絞っていない、専門用語ばかり、記事が積まれていない。ここを直さないと他の改善が数字に出ません
  • 5位~7位は「信頼」。お客様の声、顔写真とプロフィール、料金の目安。第三者の言葉が1つもないと、強みはすべて自己評価になります
  • 8位~10位は「作り」。キーワード設計、問い合わせ導線、スマホ表示。無いと土俵に上がれません

最初の一手は、新しいページを作ることではありません。小人さんを1人決めて、目的を一文で書くことです。「新宿で、起業直後の女性経営者が税理士を探すときに、電話で問い合わせてもらう」。この粒度まで書ければ、10項目の直し方は自動的に決まります。

ホームページは、自分の子どもと同じです。時間をかけて育てると、自分の分身になって働いてくれます。6割できたら公開して、数字を見ながら育てていってください。

この記事は、先生業専門のビジネススクール「志師塾」が執筆・監修しています。志師塾では、士業・コンサルタント・コーチ・講師といった先生業の方を対象に、これまで3,200名を超える方の顧客獲得を支援してきました。卒業生のインタビューは125本を公開しており、業種ごとの打ち出しの決め方や集客の実例を確認いただけます。

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