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【卒業生インタビュー】「働く人が定着する職場」をつくる ―― 人事部立ち上げを支援する社会保険労務士・塚元雄平さん

今回お話を伺ったのは、ネクストステップ社会保険労務士事務所の所長を務める塚元雄平(つかもと ゆうへい)さんです。

塚元さんは、「働く人が定着する職場をつくる」ことを使命に、企業の労務相談や就業規則の整備などを行い、今後は人事部の立ち上げ支援にも力を入れていく予定です。

現在は製造業のグループ企業を顧問先に持ち、労務相談から労働基準監督署への対応まで幅広く支援。そんな塚元さんですが、社会保険労務士になるまでの道のりは決して平坦ではありませんでした。試験に挑戦すること10回。見事合格し、社会保険労務士事務所で実務経験を積んだ後、30代で独立しました。

塚元さんが志師塾で見つけた、自分らしいビジネスの形とは。これまでの歩みと、今後のビジョンについてお聞きしました。

1.「働く人が定着する職場」をつくる

1.1 労務相談から人事部の立ち上げまで支援

現在、塚元さんが力を入れているのが、企業の人事・労務に関する支援です。社会保険や雇用保険などの手続き、労務相談、就業規則の改定といった社会保険労務士の一般的な業務に加え、今後の柱として考えているのが「人事部立ち上げ支援」です。

対象として想定しているのは、従業員50人以上で、これから人を採用したい企業や、採用・定着に課題を抱える企業。経理や総務、労務などの事務を一人の担当者が抱えているような企業も支援対象です。

「評価制度をつくり直して離職率を下げ、社会保険料や退職金についても整備する。そして助成金も活用しながら、採用につなげていく。そんな流れで支援していきたいと考えています」

単に制度をつくって終わりではありません。企業の中に人事機能が根付き、採用した人材が定着するところまでを支援する。それが塚元さんの目指すコンサルティングです。

1.2 「塚元さんにお願いしたい」

現在の顧問先は、製造業のグループ企業です。実はこの企業とは、独立前から関わりがありました。

前職時代、塚元さんは労働基準監督署への対応などを担当。その仕事ぶりを見ていた顧客から、独立の話をした際に「直接、塚元さんにお願いしたい」と声をかけてもらったのです。グループ企業全体の顧問を任されることになりました。

それまで一つひとつ積み重ねてきた仕事が、独立後の顧客との縁につながったのです。

2.「人事に行きたい」から始まった社会保険労務士への道

2.1 人事に行くための「武器」が欲しかった

塚元さんが社会保険労務士を目指した原点は、新卒時代にさかのぼります。

「もともと人事部に行きたかったのです。新卒ですぐ人事に配属される会社はなかなかなくて。人事に行くための武器が欲しいと思って、社会保険労務士を目指しました」

最初に就職したのは、保険代理店の電話営業職。朝早くから夜遅くまで勤務する日々が続きました。長時間勤務を続けながらでは勉強時間の確保が難しいと思い、退職を決断しました。

2.2 10回の挑戦を経てつかんだ資格

退職後はアルバイトをしながら、社会保険労務士試験への挑戦を続けました。しかし、難関資格だけに簡単には合格できません。

朝6時から午後2時、3時ごろまで働き、その後に勉強する生活。科目ごとの基準点にわずか1点届かない。そんな年が続きました。挑戦すること10回、社会保険労務士試験に合格。長年目指してきた資格を手にしました。

3.実務経験から生まれた「自分の事務所」への思い

3.1 幅広い実務経験が現在の土台に

資格取得後は、社会保険労務士事務所で実務経験を積みました。社会保険などの手続きだけではなく、労働局や年金事務所の調査対応、コンサルティング、助成金申請など、幅広い仕事を任されました。

単に書類を提出するだけではなく、誰がいつ正社員になったのか、いつから申請できるのかなどを細かく管理し、企業と連携しながら申請を進めてきました。

こうした経験は、現在の社会保険労務士業務の大きな土台になっています。

3.2 「自分が関わる企業には、きちんとした支援をしたい」

一方、勤務時代にはさまざまな企業の労務に関わる中で、コンプライアンスや資格者としての責任について考える機会もありました。

「自分が関わる会社については、コンプライアンスをきちんと意識して、今の労務環境に合った取り組みをしていきたい」

そうした思いもあり、独立を決意。2025年8月、ネクストステップ社会保険労務士事務所を開業しました。

4.社会保険労務士の先輩から教えてもらった「志師塾」

4.1 アルバイト時代の店長が社会保険労務士の先輩に

塚元さんと志師塾との縁は、社会保険労務士試験の勉強をしていた時代にまでさかのぼります。会社を辞めた塚元さんは、以前働いていたマクドナルドにアルバイトとして戻りました。そこで出会った店長が、偶然にも社会保険労務士の資格を持っていたのです。その店長も後に独立。

独立当初は集客に苦労していたというその先輩。しかし、しばらくすると事業が伸び始めます。「どうやって売れるようになったのですか?」塚元さんが尋ねたところ、返ってきた答えが「志師塾」でした。本を勧めてもらい、メルマガにも登録します。

4.2 志師塾での学びをスタート

その後、社会保険労務士事務所で働き始めた塚元さんでしたが、日々の仕事に追われ、志師塾に通う機会はないまま時間が過ぎました。

そして独立。そこでふと思い出したのです。

実際に志師塾で学び、事業を軌道に乗せていった先輩の姿を間近で見ていたからこそ、迷いはありませんでした。こうして、塚元さんの志師塾での学びがスタートしました。

5.3万字の自己棚卸しから生まれた商品

5.1 苦労した自己棚卸「3万字」

「自己棚卸3万字は結構きつかったですね。でも、商品設計をするための下地をつくっておくという感じなので、そこを終えて商品が決まってからは、宿題もそこまで大変ではなかったです」

これまで何を経験してきたのか。何が得意なのか。誰に、どんな価値を提供できるのか。過去を徹底的に棚卸しして、自分の商品をつくるための材料を集めていきました。

5.2 「人事部立ち上げ」という商品が形になる

志師塾では、講義だけではなく、メンターやコンサルタントと相談しながら、自分のビジネスを具体化していきます。

これまで培ってきた労務の知識。助成金申請の経験。もともと人事の仕事をしたかったという思い。そして、企業にとって大きな課題となっている採用と定着。それらを組み合わせて生まれたのが、「人事部立ち上げ支援」というサービスです。

評価制度や就業規則を整え、社員が定着する環境をつくる。さらに社会保険料や退職金についても考え、最後は助成金を活用して採用につなげていく。単発の手続きではなく、人事機能そのものを企業につくっていくサービスです。

志師塾での学びによって、塚元さんがこれまで経験してきたことが、一つの商品として形になっていきました。

6.同期から受けた刺激と、変わった考え方

6.1 行動する同期の存在

塚元さんが志師塾で刺激を受けたものの一つが、とにかく行動量の多い同期の存在でした。

「会社員時代よりも年商を上げたい」という目標を掲げ、交流会に積極的に参加し、AIを試し、ホームページを立ち上げる。次々と行動していく姿を見て、塚元さんも刺激を受けました。

同じように自分のビジネスをつくろうとしている仲間が身近にいることも、志師塾で得られたものの一つでした。

6.2 「今取れなくても、将来は取れる」

志師塾で変わったのは、商品だけではありません。考え方にも変化がありました。もともとポジティブな性格だったという塚元さんですが、以前より「自責」で物事を考えるようになったといいます。

「他人に原因を求めても、自分ではどうしようもないじゃないですか。それなら、自分がどういう行動をしていれば、その問題を回避できたのかを考えるようになりました」

「今、お客さんを取れなくても、将来的にはお客さんを取れるようになる。頑張っていれば、なんとかなるのかなと思うようになりました」

自分では変えられないことに目を向けるのではなく、自分にできることを考え、行動を続ける。志師塾での学びは、塚元さんの仕事に対する姿勢にも影響を与えています。

7.「方向性が定まっていない人」にこそ志師塾を

これから独立する人や、志師塾への入塾を考えている人に伝えたいことを聞くと、塚元さんはこう答えてくれました。

「これから開業する方や、独立を目指している方は行った方がいいと思います。自分のビジネスに対して曖昧な部分がある方は、それをはっきりさせるために行った方がいいと思います」

資格を取った。独立したい。でも、誰に何を提供すればいいのかわからない。自分の強みが何なのかも、うまく言葉にできない。そんな状態から、自分の過去を棚卸しし、強みを見つけ、商品として形にしていく。

塚元さん自身も、志師塾で「人事部立ち上げ」という一つの方向性を見つけました。

8.次のステージへ

塚元さんには、すでに次の目標があります。そのために、顧問先を増やすだけでなく、志師塾で設計したコンサルティングサービスも伸ばしていきたいと考えています。スタッフを採用し、現在の自宅兼事務所から、住居とオフィスを分けることも目標の一つです。

「顧問も増やしたいですし、高単価のコンサルも受けたい。従業員満足度調査や社会保険料の適正化に関する提案なども増やしていきたいですね」

採用した人が辞めてしまう。人事担当者がおらず、社長や一人の担当者がすべてを抱えている。制度はあるものの、うまく機能していない。そんな企業に寄り添い、「働く人が定着する職場」を増やしていくこと。企業と働く人、そして塚元さん自身の「次の一歩」は、まだ始まったばかりです。

文:植村 裕加(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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