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公認会計士の営業3つのコツ|集客で「選ばれる理由」をつくる

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公認会計士の営業に、飛び込みやテレアポのような「売り込み型」のスタイルは向いていません。頑張るほど逆効果になることさえあります。それでも、営業なしに仕事は増えない。この矛盾を解くカギが、「売り込む前に、選ばれる理由をつくる」という発想です。

この記事では、先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・営業支援を専門としてきた志師塾が、公認会計士が売り込まずに顧客獲得するための営業のコツを3つに絞って解説します。先に全体像を示します。

  • コツ1:「どんな会計士なのか」を明確にする(ポジショニング)
  • コツ2:伝わる言葉で伝える。作業ではなく、相手の変化を語ります
  • コツ3:オンライン商談と初回面談を型にする(60分の進め方)

そのうえで、会計士がどこで見込み客と出会うのかという集客の入口、報酬の決め方、顧問や外部CFOへつなげる設計まで踏み込みます。志師塾はこれまでに3,200名を超える先生業を支援してきました(2026年8月16日確認)。読み終えるころには、「安いから頼まれる会計士」ではなく「あなたにお願いしたい」と指名される会計士になるための道筋が見えているはずです。まずは、公認会計士の営業が一般的な営業とどう違うのかから確認しましょう。

監査法人の看板が外れた瞬間から、自分の名前で選ばれる必要が出てきます。その名前をどうつくるか。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーで、組み立て方をご覧ください。

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1. 公認会計士の営業は、なぜ一般的な営業と違うのか?

公認会計士の営業とは、商品を売り込む活動ではなく、あらゆる接点を通じて会計の専門家としての信頼を感じてもらう活動です。物販の営業と同じ発想で動くと空回りします。なぜそうなるのか、構造から見ていきましょう。

1.1 飛び込み営業では顧問契約に至らない

仮に、あなたの事務所へ飛び込みで公認会計士が営業に来たところを想像してください。初めて顔を合わせ、たった数分の営業トークを聞いただけで、顧問契約を交わしたいと思うでしょうか。営業トークを聞きたいとすら思わず、追い返してしまう人が大半かもしれません。

理由は単純です。いきなりお願いされたところで、重大な会計業務を任せたいとは思わないからです。会計や税務は、会社の中身を丸ごと預ける仕事。信頼が生まれる前の売り込みは、どれほど熱心でも警戒されるだけで終わります。

1.2 監査法人では、営業を経験しないまま独立の日を迎える

公認会計士の営業には、他の士業以上に見過ごせない事情があります。多くの会計士は、キャリアを監査法人で始めます。監査は法律で義務づけられた業務であり、クライアントは組織の看板のもとに向こうから決まってくるもの。担当者が自分で顧客を探し、獲得する場面は、ほとんどありません。

この構造は、試験の段階から始まっています。公認会計士・監査審査会の令和7年公認会計士試験の合格発表の概要によると、最終合格者1,636人のうち「学生」および「専修学校・各種学校受講生」が999人で構成比61.1%。「会社員」は89人(5.4%)にとどまり、合格者の平均年齢は24.6歳でした。合格者の多くは、社会で物を売った経験を持たないまま資格を取り、営業の要らない職場へ入っていきます。

その環境で何年働いても、営業の経験値はゼロのままです。独立した瞬間、「顧客獲得」というまったく未経験の仕事が本業に加わります。営業が苦手なのは、あなたの性格や能力の問題ではありません。キャリアの構造がそうさせてきただけ。構造の問題なら、型を学べば埋められます。

1.3 税務顧問の土俵には、すでに8万人超の税理士がいる

独立した会計士の多くは、税理士登録をして税務顧問を収益の柱にします。ここで一度、土俵の広さを数字で確かめておきましょう。日本税理士会連合会の税理士登録者数82,310人(令和8年7月末日現在)。対して日本公認会計士協会の会員数等調では、公認会計士は38,264人(2026年7月31日現在)です。

税務顧問の市場には、すでに倍以上の人数がひしめいています。そこへ「会計士だから」というだけで入っていっても、差別化の決め手になりません。監査で鍛えた力をどの土俵で活かすのか。この選択を意識しないまま独立すると、気づけば価格の勝負に巻き込まれています。

1.4 公認会計士の営業は「信頼を感じてもらう」活動

セミナーやちょっとした場面で出会った人に、あらゆる接点を通じて公認会計士としての信頼を感じてもらう。それがあなたにとっての営業です。その場での振る舞いや雰囲気も、すべて営業に含まれます。

たとえばセミナー後の名刺交換で、いきなり売り込むのではなく、相手の状況を丁寧に聞いて短い助言を返す。その積み重ねが「この人になら相談できそうだ」という感触になり、後日の相談につながっていきます。営業の場は、商談の席だけではないのです。

ここで気をつけたいのが、監査で身についた習慣です。監査は誤りや不備を指摘する仕事ですから、経営者の話を聞いた瞬間に足りない点が目に付きます。ただ、初対面で指摘だけを返されると、相手は責められた気持ちになるもの。指摘とセットで「ではどうするか」を必ず添える。それだけで、同じ指摘が信頼に変わります。

1.5 価格で比べられる前に、価値を伝える

料金で選ばれた顧客は、より安い事務所が現れれば料金で離れていきます。顧問料の安売りには、続けるほど苦しくなる構造があるのです。目指すべきは、「安いから」ではなく「この人だから」と選ばれる状態。実力の差ではなく、伝え方の差です。ここを埋めるだけで、同じ実力でも受注の景色は変わります。

では、どうすれば信頼と価値が伝わるのか。志師塾の考える、営業の肝となる3つのコツを順番に見ていきましょう。

公認会計士の売り込み型営業と信頼型営業の違い

2. 公認会計士の営業のコツ1:「どんな会計士なのか」を明確にする

ポジショニングとは、無競争の状態で顧客に選ばれる独自の場所を見つけ、そこに自分を置くことです。3つのコツの土台になるのがこのポジショニング、次にそれを伝える言葉、最後に届け方としての商談の型。まずは土台から始めましょう。

公認会計士の営業3つのコツの流れ

2.1 同じ公認会計士は、一人もいない

あなたという公認会計士は、あなたしかいません。業務内容だけを見れば、他の会計士と同じに見えるでしょうか。実際は、どの業種の監査に長く入ったか、上場準備やM&A、内部統制のどんな場面に立ち会ったか、仕事に向かう姿勢やポリシー、ターゲットまで含めれば、あなたと同一の会計士は存在しません。すでにあなたは独自な存在であり、それがあなたのポジショニングの種です。

自分自身を「公認会計士」とだけ捉えているなら、もったいないことです。資格名はスタートラインであって、選ばれる理由にはなりません。あなたは、どのような公認会計士なのか。この問いへの答えが、あなた自身の価値になります。

2.2 「誰の・どんな課題を・どう解決するか」で言い切る

ポジショニングを言葉にするコツは、「誰のどんな課題を解決したいのか?」を明確にすることです。これがはっきりするだけでも、あなたの輪郭は浮かび上がります。

  • 「個人事業主のお悩み解決会計士」
  • 社会起業家を応援する公認会計士
  • 製造業の数字づくりに強い会計士。業種とテーマを掛け合わせる形も有効です

言葉に迷ったら、監査法人時代の経験を棚卸しするのが近道です。手を動かす順番は、次の3ステップにしてみてください。

  • ステップ1:担当した会社を書き出す。業種、規模、上場企業かベンチャーか、関与した年数
  • ステップ2:深く関わったテーマに印を付ける。上場準備、内部統制の構築、M&Aのデューデリジェンス、連結決算、再生局面の関与など
  • ステップ3:印を付けた経験と、独立を決めたときの問題意識を掛け合わせ、一文にする

志師塾では、この掛け合わせを「ニューコンビネーション」と呼んでいます。1万人に1人のものを一から生み出すのではなく、100人に1人のものを2つ重ねる。それだけで1万人に1人の立ち位置になります。「上場を目指す会社の管理部門づくりを支える会計士」のように(あくまで例です)、経験に根ざした一言は説得力が違います。できた一文は、知人に読んでもらって判定してください。「誰を紹介すればいいか」がその場で浮かぶかどうか。浮かばなければ、まだ絞れていないということです。

ポジショニングは、「あなたがどんな仕事をしたいのか」という信念に他なりません。それをきちんと顧客に伝え、顧客ニーズと合致したときに、はじめて受注が生まれるのです。反対に、ポジショニングにブレがあると、公認会計士の営業活動は成功しません。名刺、プロフィール、発信、自己紹介。すべての接点で一貫して伝え続けてください。

2.3 絞る軸は、業種・規模・テーマ・地域の4つ

何で絞ればよいのか迷ったら、次の4つの軸から2つを選んで掛け合わせてみてください。業種(製造、医療、IT、飲食)、会社の規模(創業期、上場準備期、承継期)、テーマ(管理会計、資金繰り、内部統制、M&A)、そして地域です。

4つ目の地域は、会計士にとって特に効きます。所在地の内訳は、直近の県別集計(2025年12月末)で見ると分かりやすい。日本公認会計士協会の会員数調(主たる事務所基準)によると、公認会計士37,729人(2025年12月31日現在)のうち東京都だけで21,655人。全体の57.4%が東京に集中しています。大阪府が4,016人、神奈川県が1,796人、愛知県が1,775人と続き、それ以外の道府県は残りを分け合う形です。1.3で挙げた38,264人とは集計時点が半年ずれているので、数字が少し違って見えます。

公認会計士の主たる事務所の所在地の割合(日本公認会計士協会 会員数調)

この偏りは、東京で戦う会計士には競争の激しさを意味します。地方や郊外に拠点を置く会計士にとっては、話が逆になる。「この地域で、この分野なら自分」という立ち位置が取りやすいと志師塾は見ています。統計が示すのは会計士の分布までですが、地域と専門テーマを掛け合わせれば、比べられる相手はそのぶん減るはずです。

決め方に迷ったら、これまでに受けた相談を紙に書き出し、業種と相談内容で並べ替えてみてください。すでに偏りがあるはずです。その偏りは、あなたが自然に選ばれてきた場所を示しています。

2.4 目指すのは「○○といえばあなた」という第一想起

ポジショニングのゴールは、見込み客の頭の中で「この課題なら、あの会計士さん」と最初に思い出される状態(第一想起)をつくることです。紹介や口コミは、この第一想起から生まれます。誰かが「経理と資金繰りで困っていて」と口にした瞬間に、あなたの名前が挙がるかどうか。ここが営業の分かれ目になります。

志師塾が大切にしているのは、発信やセールスの前にまずこの設計を固める「ポジショニング先行」という考え方です。テクニックを増やすより、順番を間違えないことのほうがずっと効きます。

注意したいのは、とんがりは放っておくと丸くなることです。半年から1年もすると、いろいろな依頼に応えているうちに打ち出しがぼやけてくる。定期的に自分の名乗りを読み返し、尖りが失われていないか確かめてください。

3. 公認会計士の営業のコツ2:伝わる言葉で伝える

伝達力とは、あなたの価値を、相手が一度で理解できて覚えていられる言葉に変える力です。ポジショニングが決まったら、次はそれを磨き上げます。どれほど高い専門性も、伝わらなければ存在しないのと同じだからです。

3.1 自己紹介は「口コミの原稿」になる

自己紹介で伝えた言葉は、その場限りのものではありません。相手があなたを誰かに紹介するとき、そのまま「口コミの原稿」として使われます。紹介する側は、あなたの実績を細かく覚えていないもの。覚えているのは、あなたが自分で名乗った短い一言だけです。

「社会起業家を応援する会計士さんがいてね」と語り継がれるのか、「会計士さんがいてね」で終わるのか。差がつくのは、専門性の高さではなく、渡した言葉の覚えやすさ。あなたの代わりに歩き回ってくれる言葉を持てれば、営業は一気に楽になります。

3.2 肩書きは「専門領域+一般名称」で組み立てる

志師塾では、肩書きを「あなたの価値を1秒で伝える言葉」と位置づけ、専門領域+一般名称という公式で組み立てます。「公認会計士」だけでは一般名称しかなく、独自のコンセプトが乗りません。前に専門領域を1つか2つ足して、13文字前後に収めるのが目安です。

組み立ての例を挙げます。「創業期の資金繰りに強い公認会計士」なら、専門領域はテーマ軸。「製造業の管理会計コンサルタント」なら、業種軸とテーマ軸の掛け合わせです。会計士という資格名は広く知られているので、一般名称としてそのまま使えるのが強みでもあります。

肩書きの下には、25文字前後のキャッチコピーを添えます。ここで大事なのは、あなたの強みではなく相手が手に入れる状態を書くこと。「内部統制構築の専門家」は強みの説明ですが、「人が増えても社長が現場を見なくて済む会社に」なら、相手の未来の説明になります。胡散臭く聞こえそうなら、根拠を一文添えてください。

3.3 「高くても選ばれる理由」を言葉にする

価格で比べられないための最終的な答えは、「高くても、この人にお願いしたい」と思ってもらえる理由を、先に言葉で用意しておくことです。コツは、資格や業務内容ではなく「相手の変化」を語ること。「会計顧問として決算をご支援します」ではなく、「数字が月次で見えるようになり、資金繰りの不安に先手を打てる経営に変わります」。手に入る未来が具体的に見えるほど、料金は判断材料の中で小さくなっていきます。

言い換えの練習は、いま使っているサービス名を並べるところから始めてください。「決算・申告」は「銀行に説明できる決算書になる」。「内部統制の構築支援」は「人が増えても社長が現場を見なくて済む体制になる」。作業名を、相手が手に入れる状態に置き換えるだけで、伝わり方は変わります。

3.4 外部CFOは、相手の変化を語りやすい土俵

この「相手の変化」を語りやすい領域のひとつが、CFO(最高財務責任者)の支援です。中小企業や創業まもない会社の多くは、常勤のCFOを雇う余裕がありません。そこで外部の会計士が月次の経営会議に入り、資金繰りや管理会計、金融機関・投資家への説明を支える形が受け皿になっています。監査で培った「数字の裏を読む力」がそのまま活き、毎月の継続関与になるため事務所の経営も安定する。監査法人出身という経歴が、この土俵では強い信頼の根拠に変わります。

この受け皿には、まだ空きがあります。中小企業庁の2025年版 中小企業白書・小規模企業白書の概要によると、同族企業(15,367社)で社外取締役を登用しているのは9.9%。所有と経営が分離した企業の26.4%と比べて、外部の目が入っていない会社が圧倒的に多いことが分かります。

同じ資料の別の集計は、もっと示唆的です。同族企業のうち、取締役会も社外取締役もない会社で「部門・製品別のコスト管理」に取り組んでいるのは23.1%。これに対し、取締役会と社外取締役の両方がある会社では38.2%。外部の目が入っている会社ほど、財務の打ち手が実際に動いているという傾向です。ここで測られているのは社外取締役がいるかどうかであって、会計士が外部CFOとして関与した効果そのものではありません。それでも、外部の目がある会社とない会社で、財務の打ち手の実行率には15ポイントほどの開きがついています。あなたが外部から入る意味を考える材料としては、十分な数字です。

あなたに頼むと何が手に入るのか。なぜ他の会計士ではなく、あなたなのか。この2つの問いに、相手の言葉で答えられるよう準備しておきましょう。それができたとき、料金を決めるのはあなたです。

ここで難しいのが、自分の肩書きを自分で眺めても、それが市場でどう見えているかまでは映らないことです。同じ地域・同じ専門を名乗る会計士と並べたとき、あなたの一言はどこが違って見えるのか。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、この肩書きとキャッチコピーの組み立て方を、先生業の実例と並べる形で解説しています。なお、口下手でも成約率を高める商談の進め方は、成約率が倍増する対話術の記事で詳しく扱っています。

4. 公認会計士の営業のコツ3:オンライン商談と初回面談を型にする

初回面談とは、売り込みの場ではなく、相手の数字から現在地を一緒に確かめる60分のことです。ポジショニングと言葉が固まったら、最後は届け方です。オンラインでの商談は、いまや当たり前の選択肢になりました。移動時間がゼロになるぶん活動量を増やせて、商圏も全国に広がります。画面越しでどう信頼を届け、初回の60分をどう使うか。ここを押さえられるかどうかで、成約率は変わってきます。

この内容を動画で確認したい方は次のYouTubeを、文章で読みたい方はこのまま読み進めてください(動画時間:8分40秒)。

4.1 オンライン営業のメリットと注意点

公認会計士がオンライン営業をするメリットは、大きく2つあります。1つは、会うハードルが下がること。お互いに移動が要らないため、リアルよりもアポイントが取りやすくなります。もう1つは、距離感が近くなること。1対1で画面に向き合う形になるので、話しやすい雰囲気をつくりやすいのです。

注意点は、リアルで会う場合よりも、信頼関係の構築が難しくなることです。画面越しでは五感の情報が伝わりにくく、人柄や熱意が届きづらくなります。このハンデを前提に、伝え方を少し工夫しましょう。

4.2 オンライン営業を成功させる3つのポイント

画面越しでも信頼を届けるためのポイントは、次の3つです。

  • 電話をイメージして、はっきり話す
  • ジェスチャーはリアルより大きめに
  • 画面から少し離れれば、目線は自然に合います

公認会計士のオンライン営業を成功させる3つのポイント

1つ目は話し方です。画面との距離が近いぶん、囁くような小声になりがちですが、それでは声が聞き取りにくくなります。電話で話すときのような、メリハリのある声を意識してください。2つ目はジェスチャー。画面の中では動きが実際より小さく見えるので、オンラインでは少し大げさなくらいでちょうどいい

3つ目は目線です。画面の中の相手の顔を見つめると、カメラより低い位置を見ることになり、相手からは目線が合っていないように見えてしまいます。解決策は簡単で、パソコンから少し距離を取ること。距離を取るほど、相手の表情を見たままカメラ目線に近づき、印象がよくなります

チャット機能も、会計士の商談とは相性のよい道具です。相手が話した課題のキーワードをメモして画面で共有し、途中で振り返る。人には、自分が口にした言葉と矛盾しない行動を取ろうとする心理があります。これが「一貫性の法則」です。「先ほど資金繰りが不安とおっしゃっていましたね」と自分の言葉を返された相手は、提案を自分ごととして聞くようになります。

4.3 初回面談60分の進め方を決めておく

話し方以上に成約率を左右するのが、60分の使い方です。会計士の面談には、他の士業にはない強みがあります。数字という共通言語を、その場で開けること。これを活かすなら、面談の前に直近の試算表を1期分だけ送ってもらってください。相手の手間はほとんどかからず、こちらは当日その場で価値を出せます。

公認会計士の初回面談60分の進め方

60分の型は、おおよそ次のとおりです。

  • 最初の5分:今日のゴールを伝える。「売り込みではなく、数字から御社の現在地を整理する時間です」と先に言い切ります
  • 次の20分:現状を聞く時間。事業の中身、資金繰り、社内の経理体制、いまの決算・申告の頼み先、社長が一番気になっていること
  • 次の15分:試算表を画面共有して一緒に見ます。ここで気づきを1つだけ返せているか。「この費用の増え方だと、来期の資金繰りはこの月が山になります」のように、時期まで示すのがコツ
  • 次の10分:そのまま放置した場合に起きることと、打てる手の選択肢を並べる。自社でできることと、伴走が要ることの線を正直に引きます
  • 最後の10分:形(スポット・顧問・外部CFO)と費用の提示。金額は言い切って、そのあと黙る。説明を重ねるほど、自信のなさが伝わるからです

この型の肝は、真ん中の15分にあります。無料の初回相談と決定的に違うのは、その場で持ち帰れる発見が1つあるかどうか。数字を見て一言返せる会計士は、それだけで「この人は違う」と伝わります。指摘で終わらせず、どうするかまで添えるのを忘れないでください。

4.4 提案せず、選択肢を出して相手に決めてもらう

最後の10分でやりがちなのが、良い提案をしようとして話しすぎることです。志師塾では個別相談を「解決策を教える場ではなく、問題点を明らかにして、解決したいという意欲を高める場」と定義しています。中身を全部渡してしまうと、相手は満足して「ありがとうございます、まず自分でやってみます」と帰っていく。親切のつもりの説明が、いちばん成約を遠ざけます

代わりに使うのが、選択肢の提示です。「ご自身で進めていく方法もありますし、難しければ毎月伴走して一緒に片付けていく形もあります。どうされますか」。提案ではなく、選択肢。決めるのは相手だという前提に立てば、押し売りの気配は消えるはずです。

その手前で、本気度を確認する一言も入れておきましょう。「いまお話しいただいた資金繰りの件、ご自身では本当に問題だと感じていますか」。ここで相手が自分の口で「はい」と言えば、そのあとの提案は自分ごととして聞かれます。人は、自分が口にした言葉と矛盾しない行動を選ぶからです。

5. 公認会計士の集客の入口と、紹介が生まれる仕組み

公認会計士の集客の入口とは、人脈からの紹介・他士業や金融機関との連携・自分の発信の3つです。3つのコツを押さえたら、次は入口の話。そもそも、見込み客とどこで出会うのか。毎回ゼロから探す状態から、相談のほうから来る状態へ。ここまで来ると、料金で比べられる場面はぐっと減ります。

5.1 会計士の集客の入口は、大きく3つ

公認会計士の場合、入口は大きく3つに整理できます。どれかひとつに頼ると、案件の波がそのまま収入の波に変わってしまう。3つとも細くていいので、動かし続けておきましょう。

  • 人脈からの紹介:監査法人時代の同期や先輩、担当した会社の経理部門の方。年月が経つほど、その人たちは経営や管理の中枢にいます。近況を伝える連絡を、年に一度でも絶やさないことです
  • 他士業・金融機関との連携:税理士、社労士、弁護士、銀行やベンチャーキャピタルの担当者。「どんな相談が来たら自分を思い出してほしいか」を具体的に伝えておくと、紹介は動き出します
  • 自分の発信:ブログ、セミナー、勉強会。会う前に専門性が伝わる状態をつくる入口

公認会計士の集客の入口3つと、そこで渡すもの

入口ごとの手の付け方は、公認会計士の集客6つの方法で手法別にまとめています。ホームページで受け止める形をつくりたい方は、公認会計士のホームページの作り方もあわせてどうぞ。

5.2 紹介は「お願い」ではなく「感情」で生まれる

「良い会社があったら紹介してください」。このお願いで紹介が動くことは、ほとんどありません。志師塾では、紹介は感情で生まれると考えています。メリットがあるだけでは人は動かないからです。

会計士が使いやすい感情は、次の3つでしょう。

  • 自慢:「あの人、上場準備の内部統制ならこの県で一番詳しいよ」と言えるだけの尖りがあるか。紹介者は、自分の目利きを自慢したくて人を紹介します
  • 感謝:紹介してもらったら、結果まで含めて報告する。忙しそうに見える人には、次の紹介が来ません
  • 面白さ。人に話したくなるプロフィールや、思わず誰かに教えたくなるノウハウを持っているか

そのうえで、紹介者に渡すものを具体的にしておきます。どんな会社の役に立てるか。どんな場面で声をかけてほしいか。そして、紹介者がそのまま口にできる一言。「創業3年目くらいで、そろそろ管理部門を整えたいと言っている社長がいたら、声をかけてください」。ここまで具体的なら、紹介者は自分の記憶から該当者を探せます。

種をまく相手も設計しておきたいところ。税理士や社労士、中小企業診断士、金融機関やベンチャーキャピタルの担当者は、経営者と日常的に接していて、財務や管理の相談を受けても自分では抱えきれません。「数字の話が出たら渡せる先」としてあなたが覚えられていれば、紹介は自然に流れ込みます

5.3 会う前に選ばれている状態をつくる

指名される会計士は、商談の前から選ばれています。ブログやセミナー、紹介などを通じて、会う前に専門性と人柄が伝わっているからです。初対面の商談が「検討の場」ではなく「確認の場」になる。これが仕組み化の目指す姿です。

やることは地味です。専門分野の記事を書きためる。小さな勉強会を開く。既存顧客に紹介してほしい相手を具体的に伝えておく。一つひとつは小さくても、ポジショニングと言葉が固まっていれば、すべてが同じ方向にあなたの評判を積み上げてくれます。書くテーマに困ったら、面談で実際に聞かれた質問をそのまま見出しにするのが早道。詳しい進め方は公認会計士のブログ集客で解説しています。

5.4 非常勤で足元を固めている期間に、商品と発信を設計する

独立直後に監査法人の非常勤の仕事で食いつなぐ方も多いものです。実績づくりと収入の下支えとしては現実的な選択ですが、単価は関与先の規程で決まり、稼働時間がそのまま収入になります。時間の切り売りである点は変わりません。

非常勤で足元を固めている期間こそ、自分の商品と発信を設計する時間に充てる。ここで手を打てるかどうかで、3年後の景色が変わります。非常勤の枠を少しずつ減らし、その分を自分の名前で受ける仕事に置き換えていく。この入れ替えには、たいてい1年から2年かかると見ておいてください。

ここまでが、相談が来る状態をつくるまでの話でした。次は受注の中身、商品と値付けに入ります。その前に少しだけ。先生業に共通する顧客獲得の土台をまとめて押さえておきたい方は、書籍「先生業の顧客獲得を成功させる7つの能力」(一部ダウンロード)をご活用ください。セミナーに参加する時間はまだ取れないという方の、最初の一歩としてどうぞ。

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6. 公認会計士が高単価で受注するには、商品と値付けをどう設計するか?

商品設計とは、スポット・顧問・外部CFOの三段を先に用意し、それぞれの中身と金額を決めておくことです。営業がうまくいかない原因は、話し方よりも商品と価格の設計にあることが少なくありません。何をいくらで売るのか。ここが決まっていないと、面談の終盤で毎回言葉に詰まる。順番としては、この設計を先に整えておきましょう。

6.1 受注の形を三段に分けて用意する

会計士の仕事は、関わりの深さで三段に分けられます。スポット、顧問、外部CFO。この三段を先に用意しておくと、面談の最後で「どれにするか」の話ができるようになります。

公認会計士の受注を三段で設計する(スポット・顧問・外部CFO)

  • スポット:決算支援、資金調達の資料作成、デューデリジェンス、単発の相談。範囲と期間が区切られていて、相手が頼みやすい入口です
  • 顧問:月次の数字を一緒に読み、資金繰り表を更新し、金融機関に出す資料を確認する。毎月の関与に変わります
  • 外部CFO:経営会議に入り、翌月の打ち手を一緒に決める段。関与は深く、単価も別物

いきなり一番深い段を提案しても、相手は判断できません。志師塾では「いきなり高単価の商品を提案されたら逃げたくなる」という前提から、商品を階段状に並べることを勧めています。まずは軽い段で仕事の質を見てもらい、そこから上がってもらう。段が用意されていない事務所は、入口の仕事しか受けられません

6.2 報酬は相場ではなく、必要な売上から逆算する

報酬を決めるとき、多くの人が近隣の事務所の料金表を見ます。判断材料としては自然です。ただ、それを基準にすると、あなたの価格はいつまでも他人が決めたものになってしまう。

先に決めるべきは、必要な売上のほうです。生活費と事務所の経費、税と社会保険、そこに事務所を伸ばすための投資を足す。その合計を、無理なく持てる関与先の数で割る。そこで出た数字が、あなたの単価の下限になります。この計算をしないまま相場に合わせると、件数だけが増えて手取りが増えません

効くのは、金額を伝える前の準備です。志師塾では、これをアンカー価格と呼んでいます。いきなり月額の数字を出すと相手は驚きますが、その手前で「常勤のCFOを採用すると年間でどれくらいかかるか」「同じ規模の会社が外部の専門家に払っている水準」といった目安を会話に置いておくと、あなたの金額は相対的に妥当な位置に見えます。虚偽はもちろん禁物。事実の範囲で、比べる相手を先に用意しておくということです。

6.3 「毎月何をするか」を先に見せる

継続の関係にするなら、毎月の中身を先に決めて相手に見せることです。月次の数字を一緒に読む時間、資金繰り表の更新、金融機関に出す資料の確認、翌月の打ち手の決定。この4つを並べるだけでも、社長は顧問料を払う理由を具体的に想像できます。

初回の提案で「まず3か月で月次の仕組みを整え、その後は月1回の会議で回していく形が一番成果が出ます」と全体像を示しておけば、継続の話は自然な流れになるでしょう。標準の形が決まっていない事務所は、何がカスタマイズで何が標準なのかを相手に説明できません。「なんでもやります」は、相手から見ると「何をしてくれるか分からない」と同じ意味です

6.4 値引きを求められたら、値段ではなく範囲を下げる

「もう少し安くなりませんか」と言われたとき、金額だけを下げるのがいちばん危ない対応です。同じ仕事を安くした事実が残り、次の更新でも同じ話になります。ほかの関与先に知られたときの説明もできません。

下げるのは範囲です。「この金額でしたら、経営会議への同席は隔月にして、資金繰り表の更新はご自身で行っていただく形になります」。値段と中身をセットで動かすと、あなたの単価の物差しは崩れません。相手にとっても、何を諦めたのかがはっきりするはずです。

記帳や仕訳、照合といった作業は、AIと会計ソフトの進化でどんどん自動化されていきます。「数字をつくる仕事」の単価が下がる半面、「数字を使って経営を動かす仕事」の価値は上がっていく。作業と下書きはAIに任せ、社長の迷いに付き合う時間を増やす。監査で鍛えた目を経営の伴走に振り向けることが、価格競争から距離を取る一番の近道です

ここまでで、選ばれる理由から値付けまでがそろいました。あとは、実際にこの順番で進めた人がどうなったのかを見ていきましょう。

7. 公認会計士とCFO領域で営業を変えた志師塾卒業生3人の実例

ここまでの話が実際にどう形になるのか。志師塾で学んだ3人の例を、公開済みのインタビューと受講生の声から引いて見ていきます。1人目は公認会計士、あとの2人は数字で経営に伴走する隣接分野の方です。

7.1 関徹さん|「製造業×儲かる会社プロヂューサー」で非常勤依存から抜け出す

公認会計士の関徹さんは、志師塾の卒業生です。志師塾のセミナーに足を運んだのは、開業して1年ちょっと経った時点だったといいます。当時の状況を、こう振り返っています。「その頃は、会計士の資格を用いて監査法人での非常勤の仕事が収入のメインとなっており、バイネームでの仕事が少ない状況でした」。

まさに5.4で触れた、非常勤で足元を固めながら次の一手を探す段階です。関さんが講座に申し込んだ目的も、はっきりしていました。バイネームの仕事を増やし、非常勤を徐々に減らして、時間に縛られないビジネススタイルを築くこと。

いま関さんが掲げているのは「製造業×儲かる会社プロヂューサー」という名乗りです。2.3で挙げた業種軸とテーマ軸の掛け合わせが、そのまま形になっています。成果としては、知人から話が来た上場企業の特別調査委員会の委員を引き受け、単発の業務ながら3か月弱で660万円程度の売上につながったと語っています(受講された方の実例です。同様の成果を保証するものではありません)。「話しを聞いたとき、チャーーンスと頭の中で聞こえたので、迷わず引き受けました」。この受け方も含めて、詳しくは関徹さんの受講生インタビューをご覧ください。

7.2 馬醫光明さん(参考事例)|掲げた刀を7本から5本へ直した

ここからは、会計士に近い立ち位置で数字を扱う方の参考事例です。税理士事務所を経営しながらコンサルティング会社の設立を進める馬醫光明さんは、大企業の海外現地法人役員や中小企業の取締役を経験してきました。その経歴を活かし、CFOとしての専門領域を探し続けてきた方です。

最初に掲げたのは、IPO(新規株式公開)準備を支える7つの刀。財務戦略、会計整備、内部統制、対外対応など、自分の強みを7つに分けて訴求したのです。ところが顧客の反応は「刀は7つも必要ない。CFOは会計と財務で早く体制を整えればいい」。訴求は浸透しませんでした。

ここからが参考になります。馬醫さんはすぐに軌道修正し、事業承継に照準を合わせた5つの刀を掲げ直しました。「2代目、3代目の事業承継の場合は、ある程度事業も成熟していて、顧客も構築できていて、組織文化も形成されている。そのような企業には財務以外にも悩みが絶対あるんですよね」。顧客の反応を受けて、掲げる刀ごと一度大きく掛け直したわけです。志師塾の実践期では、売上1,000万円の目標を掲げ、「1,000万を目指して進めて、それで超えたんですよ」と振り返っています(受講された方の実例です。同様の成果を保証するものではありません)。経緯は馬醫光明さんの卒業生インタビューに詳しく載っています。

7.3 高森厚太郎さん(参考事例)|「パートナーCFO」という呼び名をつくった

もう1人の参考事例が、プレセアコンサルティング株式会社代表取締役の高森厚太郎さんです。金融機関出身で、事業企画・経営企画から管理部長・取締役までを経験。その経歴を土台に、「数字とロジックで経営と現場をナビゲートする外部経営参謀」としてベンチャー企業を支援しています。

高森さんが名乗る「パートナーCFO」は、既存の職業名ではありません。常勤のCFOを雇えない中小・ベンチャー企業に、外部からパートタイムで入る役割に、自分で名前を付けたのです。事業を始めて約3年で7社と契約し、引き合いが自分の手に余るようになったところで、ノウハウを教えるパートナーCFO養成塾を立ち上げました。受講生は第一期14名、第二期19名、第三期25名と伸びています(受講された方の実例です。同様の成果を保証するものではありません)。

第三期の集客で効いたのは、2020年5月に出した書籍「中小・ベンチャー企業 CFOの教科書」でした。この本が認知度と信頼感を押し上げ、第七刷を重ねるロングセラーになっています。志師塾では、先生ビジネスを構築する講座とリアル営業講座を受講。「人はこういう見方をしている」「その人たちにどう働きかけるといいのか」という手法を得て、セールスへの苦手意識が消えたと語っています。詳しくは高森厚太郎さんの卒業生インタビューをご覧ください。

7.4 3人に共通していたこと

専門分野も顧客層もばらばらです。それでも共通点がありました。

  • 掛け合わせで絞った:製造業×儲かる会社、事業承継×CFO、外部×パートタイムのCFO。1つの軸ではなく2つを重ねています
  • 資格名を名乗りにしていない:3人とも、肩書きの前に専門領域が付いています
  • 反応を見て言葉を直している。馬醫さんの7本から5本への修正が、いちばん分かりやすい例

3人が最初に変えたのは、営業の手法ではありませんでした。自分は誰の何に強いのかを、相手に伝わる言葉にし直したこと。順番がここから始まっている点で、3人は同じです。

関さんは掲げる分野を1つに決め、馬醫さんは7本あった刀を5本に減らし、高森さんは役割そのものに新しい呼び名をつけました。3人に共通するのは、足すのではなく減らしたことです。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、何を減らすと相談が増えるのかを先生業の実例で見ていきます。

8. 公認会計士の営業でよくある質問

8.1 独立したばかりで実績がありません。営業できますか?

できます。実績の数より、相談者が「自分のことだ」と感じる一文があるかどうかで決まるからです。監査法人で担当した業種や、深く関わったテーマが、そのまま最初の軸になります。実績が少ない時期ほど、税理士や金融機関など経営者と日常的に接する専門家への種まきが後で効いてきます。

8.2 飛び込み営業やテレアポはやるべきですか?

おすすめしません。会計や税務は会社の中身を丸ごと預ける仕事で、信頼が生まれる前の売り込みは警戒されるだけだからです。数をこなせば一定の反応は出ますが、価格で比べられる相手ばかりが集まりやすい。同じ時間を紹介の種まきと発信に使うほうが、継続の関係につながります

8.3 税理士登録をするかどうか、判断の分かれ目は?

中小企業を主な顧客にするなら、税務顧問の需要が大きいので選択肢に入ります。ただ、税理士登録者数は82,310人(令和8年7月末日現在・日本税理士会連合会)で、公認会計士38,264人の倍以上。「会計士だから」というだけでは差別化になりません。登録するかどうかより、税務のとなりで何を売るかを決めるほうが先です

8.4 監査法人の非常勤は、いつまで続けてよいですか?

期限を切るより、置き換えの計画を持つことをおすすめします。非常勤は単価が関与先の規程で決まり、稼働時間がそのまま収入になる時間の切り売りです。自分の名前で受ける仕事が月にいくら積み上がったら1枠減らす、という基準を先に決めておく。この入れ替えには1年から2年かかると見ておくと、焦らずに進められます。

8.5 顧問料や外部CFOの報酬は、どう決める?

相場に合わせて決めると、いつまでも相場のままになります。先に決めるのは必要な売上のほう。生活費・経費・税と社会保険・事務所への投資を足し、無理なく持てる関与先の数で割る。そこで出た数字が下限です。そのうえでスポット・顧問・外部CFOの三段を用意し、金額を伝える前に、比べる目安を会話へ置いておくことです。

8.6 営業の成果が出るまで、どのくらいかかりますか?

経路によって違います。紹介の種まきは数週間で反応が出ることもあり、ブログの検索流入は半年から1年かかるのが普通です。だから、すぐ効くものと時間がかかるものを同時に走らせます。目先の売上を紹介とスポットの仕事でつくりながら、発信を育てる。これが現実的な進め方になります。

9. まとめ:公認会計士の営業は「選ばれる理由づくり」から

公認会計士の営業のコツを、3つに絞ってお伝えしました。

  • コツ1:「どんな会計士なのか」を明確にする(ポジショニング)
  • コツ2:伝わる言葉で伝える。語るのは作業名ではなく、相手が手に入れる状態です
  • コツ3:オンライン商談と初回面談を型にする(60分の進め方を決めておく)

そのうえで、集客の入口を3つ動かし、紹介が生まれる条件を整え、スポットから顧問・外部CFOへの三段を用意する。ここまでそろって、はじめて営業は仕組みになります

公認会計士の営業は、売り込みではなく信頼づくりです。監査法人では教わる機会がなかったというだけで、身につかない力ではありません。あなたが顧客に選ばれる理由を明確にし、伝わる言葉にして、会う前から価値が届く状態をつくる。この順番で取り組めば、料金で比べられる営業から抜け出せます

明日から手をつけるなら、この3つからどうぞ。

  1. 監査法人時代に担当した会社とテーマを書き出し、深く関わったものに印を付ける
  2. その経験と独立時の問題意識を掛け合わせて、自分を一文で言い表す。それを知人に読んでもらいます
  3. 初回面談60分の進め方を紙に書き、次の面談で試す

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集客の入口を3つ動かすにも、紹介の種をまくにも、三段の商品をそろえるにも、どこから手を付けるかは事務所の状態で変わります。非常勤が主力の時期と、顧問先が10社ある時期では、次の一手が違うからです。志師塾の先生業のためのWeb集客セミナーでは、いまの事務所の状態に合わせて、どこから着手するかの見極め方を扱っています。

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この記事について

監修:志師塾(株式会社エクスウィルパートナーズ)。士業・コンサルタント・コーチ・講師といった「先生業」に特化した集客・顧客獲得支援を行い、これまでに3,200名を超える先生業の方を支援してきました。本記事は、公認会計士をはじめとする受講生・卒業生への支援で得た知見と、日本公認会計士協会・日本税理士会連合会・公認会計士・監査審査会・中小企業庁の公表資料をもとに構成しています(公的データの確認日:2026年8月26日/支援人数の原本確認日:2026年8月16日)。

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