2026年8月21日、法務省が「ビジネス分野におけるAI等法務業務支援サービス提供と弁護士法第72条の関係について」を公表しました。AIを使った法務サービスが、どこまでなら弁護士法違反(いわゆる非弁行為)にならないのか。その線を、2023年の指針より広い範囲で示したものです。契約書のたたき台づくりや社内規程の見直しにAIを使い始めた先生業にも、この指針は関わってきます。
この記事では、次のことを扱います。
- 新指針で何が示され、2023年版から何が変わったのか
- 弁護士ではない先生業が、この指針をどう読めばよいのか
- AIを業務や顧客支援に使うときに確認したい5つの論点
志師塾は、士業・コンサルタント・講師などの先生業を3,200名超(2026年8月時点)支援してきた、先生業専門のビジネススクールです。一般社団法人AI伴走士協会と連携し、先生業のAI活用も支えています。現場からは「顧客が契約書をAIで作ってきて、そのチェックを頼まれることが増えてきた」という弁護士の声も届いています。
読み終えるころには、AIに任せてよい範囲と、あなた自身が責任を持つべき範囲の境目が、具体的な問いの形で手元に残っているはずです。まずは、8月に何が公表されたのかを確認していきましょう。
※本記事は2026年9月時点で公表されている情報をもとにした一般的な解説です。個別のケースの適否は、弁護士にご相談ください。
1. 弁護士法72条の新指針とは|2026年8月の公表内容

弁護士法72条の新指針とは、AIなどを使った法務支援サービスの提供が弁護士法72条に違反するかどうかを判断するための考え方を、法務省が整理して示したものです。法律の条文が変わったわけではありません。今ある条文をAIサービスにどう当てはめるか、その目安です。
1.1 法務省が公表した新指針の概要
公表したのは法務省大臣官房司法法制部です。同じ日にガイドラインの概要資料も出ており、時事通信やNHK、共同通信の配信記事も、同日に「AI法務の線引きを明確にした指針」として報じました。
背景には規制改革の議論があります。2026年1月9日の規制改革推進会議のワーキンググループでは、法務省が「弁護士法72条とAIリーガルテックサービス」という資料を提出しています。AIを使った法務サービスが広がるなかで、弁護士でない者が法律事務を扱うことを禁じる72条との関係を、はっきりさせる必要が出てきていました。
1.2 2023年8月の指針との違い
法務省は2023年8月にも、AIを使った契約書関連業務の支援サービスと72条の関係について指針を出しています。今回の新指針は、その判断の枠組みを踏まえて補完・拡充したものです。
| 項目 | 2023年8月の指針 | 2026年8月の新指針 |
|---|---|---|
| 対象 | 契約書などの関連業務を支援するAIサービス | ビジネス分野の法務支援サービス全般 |
| 位置づけ | 契約書業務に絞った整理 | 2023年版の枠組みを踏まえた補完・拡充 |
| 判断の見方 | 72条の要件(報酬目的・事件性など)に1つずつ当てはめる | 要件の考え方は維持。そのうえで紛争案件との距離と、使われ方を管理する体制を見る |
対象が契約書から法務の支援全般へ広がった。ここが一番大きな変化です。
1.3 原則として72条に違反しないとされる3つの条件
新指針では、次の3つがそろうサービスは、原則として72条に違反しないという考え方が示されました。
- 紛争案件に使うことを目指していない
- 紛争案件向けに特化していない
- 紛争案件で不適切に使われないよう、弁護士への相談を案内するなどの体制を整えている
3つとも「紛争」が軸になっています。AIそのものが問題なのではなく、紛争に踏み込む使われ方が問題になるという整理です。この視点は、後で見る5つの論点すべてに関わってきます。
1.4 弁護士法72条とAIのルールはまだ動いている
今回の指針で線引きが終わったわけではありません。報道によると、法務省は裁判官・弁護士・研究者などによる有識者検討会を今年度中に設け、来年度中に取りまとめる予定です。
もう1つ押さえておきたいのは、指針は行政の考え方を示したもので、違反かどうかを最終的に判断するのは裁判所だという点です。個別の事情によって結論は変わります。記事や資料を読むときは、いつ時点の情報かを必ず確かめてください。
2. 弁護士法72条の新指針が、弁護士でない先生業に関係する理由

新指針が弁護士でない先生業に関係するのは、72条が「弁護士以外の人が、報酬をもらって他人の法律問題を扱うこと」を禁じる規定だからです。AIを使うかどうかに関係なく、税理士・社労士・行政書士・中小企業診断士・コンサルタントの日常業務は、この線のすぐそばにあります。
2.1 弁護士法72条が禁じていること
72条は、弁護士または弁護士法人でない者が、報酬を得る目的で、訴訟事件などの法律事件について、鑑定・代理・仲裁・和解などの法律事務を扱うこと(またはその周旋)を業とすることを禁じています。分解すると、次の4つの要素になります。
| 要素 | 意味 | 先生業で気をつけたい場面 |
|---|---|---|
| 報酬を得る目的 | 対価を受け取るつもりで行うこと | 顧問料・会費・コンサル料の中に法律事務が含まれている |
| 法律事件 | 法的な争いや疑義がある案件(事件性) | 未払い・解雇・クレームなど、相手方と揉めている案件 |
| 法律事務 | 鑑定・代理・仲裁・和解など | 個別ケースの法的判断、相手方との交渉 |
| 業として | 反復継続して行う意思があること | サービスとして継続的に提供している |
この4つの要素が重なるところが、72条の問題になる領域です。
2.2 弁護士法72条に違反したときの罰則
72条に違反すると、2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金の対象になります(弁護士法77条)。2025年6月施行の刑法改正で、以前の「懲役」は「拘禁刑」に改められました。古い解説記事には「懲役」のまま書かれているものもあります。
罰則がある以上、「知らなかった」では済みません。顧客のためにと思って作ったAIの回答でも、形によってはこの線に触れます。
2.3 新指針はAIサービスの「提供者」向けのルール
ここは誤解が多いところです。新指針が直接の対象にしているのは、AIを使った法務支援サービスを提供する事業者です。先生業がAIを使うことに「お墨付き」を与えたものではありません。
かといって、AIを使ったから違反になる、という話でもありません。問われるのは、あなた自身が何をしているかです。手で書いた文面でもAIが書いた文面でも、報酬を得て他人の紛争を代わりに交渉すれば、72条の問題になり得ます。
2.4 志師塾に届いている先生業の声
志師塾のメルマガや講座には、AIの広がりに戸惑う先生業の声が届いています。冒頭で触れた弁護士は、顧客がAIで作ってきた契約書のチェックは、一から作るより手間がかかることもあると話していました。顧客が自分でAIを使って調べ始め、発注が減ったコンサルタント。「それAIでできますよね」と単価を下げられた研修講師。どれも、顧客の手元にAIがあることで起きた変化です。
志師塾はこの状況を「AIがあなたの仕事を奪うのではない。AIを使う人が、あなたの仕事を奪うのだ」と表現してきました。先生業は「どこまでAIに任せ、どこから自分が引き受けるか」を、法律の線とあわせて顧客に説明できる必要があります。知識だけで勝負してきた先生業がどう立ち位置を変えるかは、AIが人の知能を超える時代に先生業が取るべき道でも詳しく扱っています。
ここまでで、新指針は提供者向けのルールであり、先生業に問われるのは「自分が何をしているか」だと見てきました。では、AIを業務や顧客支援に組み込むとき、あなたの仕事のどこをAIに渡し、どこを自分で持つべきなのか。志師塾のAI伴走士養成セミナーでは、専門知識を土台にAIを組み込み、人が担う伴走の部分で選ばれる働き方を、先生業の実例で解説しています。
AIに任せる仕事と、自分が引き受ける仕事を分けたい方へ
3. 先生業のAI線引き5論点|弁護士法72条の新指針から読む


先生業のAI線引き5論点とは、新指針と72条の要件を、弁護士でない先生業の日常業務に当てはめたときに確認したい5つの問いです。新指針の文言そのものではなく、志師塾が先生業の現場に合わせて整理しました。
| 論点 | 確認する問い |
|---|---|
| 1. 提供者か利用者か | 自作のAIを顧問先や会員に使わせていないか |
| 2. 報酬の名目 | 会費や顧問料の「特典」として、AIが法的判断を返していないか |
| 3. 紛争の気配 | 揉めている案件で、相手方との交渉を代わりに担っていないか |
| 4. 情報か判断か | AIの出力が、一般的な情報ではなく個別の法的判断になっていないか |
| 5. 自分の業法 | 税理士法・行政書士法など、別の法律の線を越えていないか |
3.1 論点1:AIの「提供者」か「利用者」か
最初に確認したいのは、あなたがAIの「利用者」なのか、「提供者」に近いのかです。
自分の業務の中でChatGPTやClaudeを使い、調べものや下書きを速くする。これは利用者の立場です。一方、GPTs(=ChatGPTの中で作れる自分専用のAIのこと)を作って顧問先や会員に使わせたり、会員サイトに「質問に答えるAI」を置いたりすると、仕組みとしてはサービスを提供する側に近づきます。
提供者側に立つなら、新指針の3条件がそのまま点検項目になります。紛争案件向けに作っていないか。紛争で使われないよう、弁護士への相談を案内する表示や仕組みがあるか。自作AIを配る前に、この2点を設計に入れておくことをおすすめします。
3.2 論点2:報酬は名目を問わない
「無料の特典だから大丈夫」という考え方は、通りにくくなっています。
2023年8月の指針は、利用料を一切受け取らないなら通常は報酬目的に当たらないとしています。そのうえで、有償サービスへ誘導する場合や、顧問料・サブスクリプション利用料・会費などを払った人だけに提供する場合は、名目を問わず、実質的に対価関係があれば報酬に当たり得るという考え方を示しました。
先生業に置き換えると、たとえば次のような設計が要注意です。
- 月額制コミュニティの特典として、会員の個別の法律問題にAIが回答する
- 顧問契約の付帯サービスとして、トラブル対応の判断をAIに返させる
- 無料のAI相談から、有料の個別対応へ誘導する
名目が「特典」「サービス」でも、お金を払った人だけが使える形なら、報酬と見られる余地がある。この前提で設計を見直してください。
3.3 論点3:紛争の気配が出たら弁護士へつなぐ
新指針の3条件がすべて「紛争」を軸にしていたように、先生業にとって最も注意したいのがここです。
中小企業を支援していると、売掛金の未払い、退職をめぐるトラブル、顧客からの強いクレームなど、相手方と揉めている案件の相談が入ってきます。AIに頼めば、督促状や回答書の文面はすぐに出てきます。問題は文面の出来ではありません。その文面を使って、あなたが相手方との交渉を代わりに担うかどうかです。
志師塾はAIについて「AIは謝るが責任は取りません」と伝えてきました。AIが作った文面でも、送った結果の責任を負うのは送った人です。紛争の気配が出た時点で、提携する弁護士へつなぐ。その導線を事前に決めておくこと自体が、顧客にとっての安心材料になります。
3.4 論点4:一般的な情報か、個別の法的判断か
AIの出力を顧客に渡すときは、それが「一般的な情報」なのか「個別の法的判断」なのかを見分けてください。
72条でいう「鑑定」は、一般に、具体的な案件について法律の専門知識にもとづいて判断を示すことを指すと解されています。条文や制度のしくみ、一般的な手続きの流れを説明するのは、情報提供の範囲に収まりやすい部分です。一方、「あなたのケースならこの条項は無効です」「この件は裁判になれば勝てます」のように目の前の案件に結論を出すと、判断の側に入っていきます。
| 情報提供に近い | 個別の法的判断に近い |
|---|---|
| 条文や制度の概要を要約する | 相談者の契約条項が有効か無効かを判断する |
| 一般的な手続きの流れを説明する | 相手方への請求が認められるかを見立てる |
| 就業規則の一般的な記載例を示す | 特定の社員の解雇が有効かを判断する |
AIは頼めば、個別の案件にも結論らしきものを返してきます。出力の中身を人が確かめ、判断にあたる部分を削るか、専門家につなぐ。この確認こそ、AIを使う先生業の仕事です。
3.5 論点5:弁護士法の外にある自分の業法
先生業には、弁護士法とは別に「自分の資格の法律」や「ほかの資格の法律」という線があります。弁護士法の新指針でOKでも、そちらでOKとは限りません。
わかりやすいのが税理士法です。国税庁の税理士法違反行為に関するQ&Aでは、税理士でない者による税理士業務は、報酬の有無ではなく内容で違反かどうかが判断されると説明しています。無料であっても、税務相談や申告書の作成を業として行えば違反になり得ます。報酬目的が要件に入っている72条とは、ここが違います。
行政書士法も動きました。2026年1月1日に施行された改正で、行政書士でない者の業務制限に「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が加わっています。会費やコンサル料の名目で補助金の申請書類を作ることも対象になると明確になり、法人も罰する規定(両罰規定)も設けられました。
コンサルタントがAIで申請書を一気に作れるようになった今、この線は踏み越えやすくなっています。AIの手を借りるほど、その作業はそもそも自分の資格でやってよい仕事かを先に確かめてください。社労士や司法書士など、ほかの資格を定める法律にも、同じような業務の制限があります。
4. 弁護士法72条の新指針をふまえた先生業のAI活用|人とAIの分け方

先生業のAI活用で線を引くとは、AIに任せる「処理」と、人が責任を持つ「判断」を、仕事の段階ごとに分けておくことです。5つの論点を個別に覚えるより、この分け方を一度決めておくほうが、新しい場面でも迷いにくくなります。
4.1 AIは「処理」の相棒、人は「意味」の責任者
志師塾とAI伴走士協会は、人とAIの役割を「AIは『処理』の相棒、人は『意味』の責任者」と整理しています。仕事を4つの段階に分けると、次のようになります。
| 段階 | 人が担うこと | AIに任せること |
|---|---|---|
| 発案 | 体験や好奇心から問いを立てる(意志) | 情報収集・事例リサーチ |
| 企画 | 方向性とGo/No-Goを決める(判断) | たたき台・構成案 |
| 実行 | 人を巻き込み、心を動かす(感情) | 文書作成・データ処理・メール下書き |
| 評価 | 数字に意味を与え、責任を取る(責任) | 集計・分析・可視化 |
72条の論点を重ねると、法律が弁護士に限っている鑑定・代理・和解は、この表の「判断」と「責任」の側にあります。AIに任せてよいのは、あくまで処理の部分です。処理をAIで速くする具体的なやり方は、生成AIで先生業の仕事時間を半分にする方法にまとめています。
4.2 作業的実行はAIへ、関係的実行は人へ
実行の段階には2種類あります。資料作成のような作業的実行と、交渉する・励ますといった関係的実行です。AIに奪われるのは前者だけ、というのが志師塾の見方です。
72条が弁護士以外に禁じている代理や交渉は、まさに関係的実行にあたります。法律の線と、AIに代わられにくい領域は重なっているわけです。先生業は自分の資格の範囲で関係的実行を担い、それを越える紛争は弁護士へつなぐ。こう考えると、線引きは制約というより、あなたの価値を説明する言葉になります。
志師塾は「相談を奪われたら、判断へ。作業を奪われたら、戦略へ。」とも伝えてきました。ここでいう判断は法的判断ではなく、経営や業務の方向を顧客と一緒に決めることです。AIを顧客支援に組み込んで成果につなげた先生業の例は、先生業のAI活用の成功事例で紹介しています。
4.3 今日からできる3つの点検
5つの論点を、手元のサービスに当てはめる手順です。
- AIを使っている業務を書き出す:それぞれ「自分が使うだけ」か「顧客に使わせている」か、有償の契約に含まれているかを横に書き添える
- 紛争案件の受け渡し先を決めておく:相談できる弁護士を決め、どの段階でつなぐかを顧客に説明できるようにする
- AIの出力に添える一文を用意する:「一般的な情報であり、個別の判断は専門家にご相談ください」という案内を、会員向けAIや配布資料に入れておく
3つ目の一文は、あくまで案内です。中身が個別の判断になっていれば、注意書きだけでは線の内側に戻りません。新しいサービスを作る前に、今あるサービスの点検から始めるのが近道です。
5. AIに代われない領域で選ばれる弁護士|志師塾卒業生3名の事例
ここでは、志師塾で学んだ弁護士3名の事例を紹介します。72条が法律事務を委ねている弁護士自身も、知識の提供だけでなく、紛争が起きる前から経営者に伴走することで選ばれています。弁護士でない先生業にとっても、人が担う価値をどこに置くかの参考になるはずです。
5.1 社長のコーチ弁護士・田村優介さん
田村優介さんは、池袋を拠点に15年のキャリアを持つ弁護士です。5,000件以上の法律相談、1,000件以上の紛争解決の経験があります。志師塾に参加したのは弁護士14年目でした。個人向け案件は1人1回の関わりで終わることが多く、経営者と長く二人三脚で取り組める仕事を求めていたといいます。
志師塾での自己棚卸しで、東京大学文学部で専攻した社会心理学の知識が生かせると気づき、「社長のコーチ弁護士」というポジションを確立しました。顧問契約に月1回のコーチングセッションを組み込み、提供価値を掘り下げた説明資料が顧問契約の獲得につながっています。法律相談への回答だけでなく、経営者の行動を後押しする伴走で選ばれている例です(出典:田村優介さんの卒業生インタビュー)。
5.2 ホワイト企業構築・戦略パートナー・西村広平さん
西村広平さんは2007年に弁護士登録し、企業法務を中心に15年以上のキャリアを積んだのち、2023年2月に長崎で独立しました。コロナ禍で疲弊する地元の姿を見て、自分に何ができるかを考える中で志師塾に入塾しています。
西村さんが着目したのは、経営者が顧問弁護士に抱く「相談しにくい、コストパフォーマンスが悪い、アクセスが悪い」という三大不満です。何か起きたときに備える保険型ではなく、運用・伴走型の顧問サービスへ切り替え、毎月の巡回相談やZoomでの相談、LINEなどでの直接の連絡手段を用意しました。現在は「ホワイト企業構築・戦略パートナー」として、クレーム対応や労務問題に加え、顧客・従業員・会議の3つのマネジメントで経営者に寄り添っています(出典:西村広平さんの卒業生インタビュー)。
5.3 労働トラブル早期解消弁護士・瀬戸賀司さん
瀬戸賀司さんは、労働問題を特化して扱う弁護士です。新卒で会社側の労働問題を多く扱う法律事務所に入って経験を積み、2022年に志師塾で学んだのち、2023年1月に独立しました。現在は弁護士3人が在籍する弁護士法人B&P法律事務所を共同経営しています。
業務は、問題社員の解雇や未払い残業代請求といった紛争の代理から、就業規則の整備やハラスメント研修などの予防法務まで幅広く扱います。信条は「何事も相手の立場に立つ」。感情の対立になりやすい労務問題で、法律論だけでなくコミュニケーションを重視していることが、瀬戸さんの強みです(出典:瀬戸賀司さんの卒業生インタビュー)。
3人に共通しているのは、専門知識を土台に、紛争が起きる前から経営者と関係を築いている点です。これは志師塾が「関係的実行」と呼んできた、AIに代われない仕事そのものです。
あなたの専門分野でも、AIに任せる処理を増やしながら、人が担う伴走の部分を太くしていくことはできます。資格や業種ごとにその組み立て方を考える場として、志師塾ではAI伴走士養成セミナーを開催しています。
6. まとめ

2026年8月21日に公表された弁護士法72条の新指針は、AIを使った法務支援サービスについて、紛争案件との距離と体制整備を軸に線を示しました。弁護士でない先生業が確認したい5つの論点は、次のとおりです。
- 提供者か利用者か:自作のAIを顧客に使わせるなら、提供者側の視点で設計する
- 報酬は名目を問わない:会費・顧問料の特典でも、対価関係があれば報酬と見られ得る
- 紛争の気配が出たら弁護士へ:相手方との交渉を代わりに担わない。つなぎ先を決めておく
- 情報か判断か:AIの出力から、個別の法的判断を人が見分ける
- 自分の業法:税理士法・行政書士法など、弁護士法の外の線も確かめる
AIは試行錯誤の速度を上げてくれます。だからこそ、方向を間違えない「意味の判断力」の価値が上がります。AIに任せる処理と、あなたが責任を持つ判断。その境目を言葉にできる先生業が、AI時代に信頼を集めます。なお、具体的な案件で線を越えていないか迷ったときは、弁護士に相談してください。
AIとの線引きを、先生業としての強みに変えたい方へ
5つの論点で見えてきたのは、法律が人に残している領域と、AIに代われない伴走の領域が重なっているということです。志師塾のAI伴走士養成セミナー(参加費無料)では、専門知識を土台にAIを掛け合わせ、顧客のビジョン実現に伴走する働き方とその始め方を、先生業の実例で紹介しています。
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この記事について
この記事は、先生業専門のビジネススクール『志師塾』が執筆・監修しています。志師塾はこれまで3,200名を超える先生業を支援し(2026年8月時点)、卒業生の実名と実数字による成功事例インタビューを125本公開しています。
本記事は2026年9月時点で公表されている情報をもとにした一般的な解説であり、個別の案件についての法的な判断を示すものではありません。具体的なケースについては、弁護士にご相談ください。