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先生業のプロフィール5要素|選ばれる書き方を解説

「経歴も資格も書いているのに、なぜ問い合わせが来ないのか」「プロフィールって、結局どこまで書けばいいのか」「自分の実績なんて大したことがない。何を書けばいいのか分からない」。あなたは今、こんなモヤモヤを抱えていませんか?

そこで本記事では、士業・コンサルタント・講師・コーチといった先生業に特化して、顧客獲得につながるプロフィールの5要素を解説します。あわせて、多くの人がやってしまうNG例と、そのまま使えるOK例も紹介します。競合記事がほとんど触れていない「士業の広告規制とプロフィールの関係」、さらに媒体ごとの書き分け方までまとめました。

この記事を読み終えるころには、あなたのプロフィールのどこを直せば問い合わせにつながるのかが具体的に見えているはずです。書き換える順番まで分かるので、今日中に手を動かせます。

Table of Contents

1.なぜ先生業はプロフィールで受注が決まるのか

先生業(士業・コンサルタント・講師・コーチ・セラピストなど)のビジネスには、志師塾が「先生ビジネスの3特性」と呼ぶ共通の特徴があります。

特性 内容 プロフィールへの影響
高額 数十万〜数百万円の取引になりやすい 「この人なら」と信頼できないと決断されない
分かりにくい 形がなく、買う前に品質を確かめられない 商品ではなく「人」で判断される
営業しにくい 押し売りすると一気に信頼を失う 情報発信で先に信頼を積む必要がある

この3つが重なると、何が起きるか。見込み客は「サービス内容」よりも先に「この人はどんな人か」を見るようになります。ホームページのアクセス解析を見れば分かりますが、サービス紹介ページの次に読まれるのは、たいていプロフィールページです。

ところが、多くの先生業のプロフィールは「自己紹介文」になっています。自己紹介文と、顧客獲得型プロフィールは別物です。

1.1 自己紹介型プロフィールと顧客獲得型プロフィールの違い

志師塾では、ホームページを「自己紹介型」ではなく「問題解決型」で作るべきだと教えています。この考え方は、プロフィールにもそのまま当てはまります。

観点 自己紹介型(NG) 顧客獲得型(OK)
主語 私は何をしてきたか あなたはどうなれるか
構成 年表(○年入社、○年独立) ストーリー(谷と山)
実績の書き方 資格・経歴の羅列 顧客の変化を数字で
読後感 「すごい人だな」で終わる 「この人に相談したい」
目的 自分を説明する 次の行動へ進んでもらう

プロフィールは、あなたのためのものではありません。読み手のためのものです。ここを取り違えると、どれだけ丁寧に書いても、どれだけ立派な経歴を並べても、問い合わせにはつながりません。

志師塾の講座では、この点を「頭の中に小人を飼う」という言葉で伝えています。小人とは、あなたが本当に来てほしい理想の見込み客のこと。その小人を頭の中に住まわせて、「この一文を読んだとき、小人はどう感じるだろう?」と問いかけながら書く。これができるかどうかで、プロフィールの反応はまるで変わります。

1.2 プロフィールが読まれるタイミングを理解する

そもそもプロフィールは、いつ読まれるのでしょうか。よくあるのは次の5つの場面です。

・ホームページやブログで記事を読んで、「書いた人は誰?」と気になったとき

・交流会で名刺交換した後、その場でスマホから検索されたとき

・セミナーの申込ページで、講師が信頼できるか確かめたいとき

・知人から紹介され、事前にどんな人か調べているとき

・個別相談の直前、最終確認として

共通するのは、「頼もうか迷っている瞬間」に読まれているということ。プロフィールは自己紹介ではなく、受注の最終関門です。ここで「よく分からない人だな」と思われたら、それまでの発信の努力がすべて水に流れます。

だからこそ、プロフィールは思いつきで書くものではなく、設計するもの。その設計図が、これから解説する5要素です。

2.先生業の顧客獲得型プロフィール5要素の全体像

顧客獲得型プロフィール5要素の順番

志師塾が数多くの先生業のプロフィールを添削してきた中で、成果につながるプロフィールには共通の構造がありました。それが次の5要素です。

要素 名称 読み手が得るもの 目安の文字数
基本情報・肩書き(何屋さんか) 3秒での理解 30〜60字
仕事概要(誰に何を、どんな結果を) 自分向けかの判断 100〜150字
ストーリー(谷と山) 共感・親近感 300〜350字
実績・経験(数字と顧客の声) 信頼・安心 100〜150字
理念・ビジョン(なぜやるのか) 逃げない人だという確信 80〜120字

全体で300字・500字・700字のいずれかに収めるのが基本です。長ければ良いというものではありません。読み手は忙しいので、700字を超えると読まれない可能性が高まります。

見落としやすいのが、この5要素は「順番」にも意味があるという点。①で興味を持ち、②で自分ごとにし、③で心が動き、④で安心し、⑤で「この人に頼もう」と決める。感情の流れに沿った設計になっています。

2.1 5要素の前に「一貫性」を確認する

5要素を書き始める前に、ひとつだけ確認してほしいことがあります。それは、ポジショニング・肩書き・キャッチコピー・プロフィールに一貫性があるかです。

よくあるのが、名刺の肩書きは「経営コンサルタント」、キャッチコピーは「あなたの会社に寄り添います」、プロフィールには介護業界での経験がびっしり、というパターン。読み手は混乱します。結局この人は何の専門家なのか、と。

志師塾では、これを「尖んがりポジショニング」という言葉で伝えています。絞るのは怖い。けれども、絞らなければ選ばれない。介護業界に強いなら、肩書きも「介護事業専門コンサルタント」にする。キャッチコピーにも介護を入れる。プロフィールのストーリーも介護につながる話を選ぶ。この一貫性があると、記憶に残り、紹介もされやすくなります。

プロフィールだけをきれいに書き直しても、上流のポジショニングがぼやけていれば効果は限定的です。まずここを固めてください。

3.要素①:基本情報・肩書き|3秒で「何屋さんか」を伝える

先生業の肩書きNG→OK変換例

プロフィールの1行目は、名前と肩書き、そして見込み客との共通属性です。ここで勝負がつきます。

3.1 肩書きは13文字以内、「専門領域+一般名称」で作る

志師塾が推奨する肩書きの作り方はシンプルです。「専門領域+一般名称」を13文字以内で

NG例 OK例 改善ポイント
経営コンサルタント 多店舗展開コンサルタント 誰の何を解決するか明示
社会保険労務士 建設業専門の社労士 資格名だけでは差別化ゼロ
ボイストレーナー 話声ボイストレーナー 歌ではなく話し声と特化
Webコンサルタント 士業ウェブ集客コンサルタント 対象顧客が一発で分かる

資格名だけを肩書きにするのは、最ももったいないパターンです。「税理士」「行政書士」「中小企業診断士」。同じ資格を持つ人は全国に何万人といます。その中から、なぜあなたが選ばれるのか。肩書きはその答えの入口です。

実際、志師塾の受講生には、肩書きを変えただけで仕事が動き出した人が何人もいます。ある卒業生は、独立当初「経営コンサルタント」と名乗っていて、まったく売れませんでした。ところが講座で自己棚卸をして、自分の強みを反映した肩書きに変えたところ、その直後の交流会で「ちょうどそれで困っていた」と声をかけられ、仕事につながっています。

3.2 顔写真は「肩書き」とセットで機能する

プロフィールの信頼性を左右するのが顔写真です。文章より先に目に入るのは写真だからです。

先生業の写真で押さえるべきポイントは次のとおりです。

自然な笑顔で撮る(真顔は威圧感を与えやすい)

明るい場所で撮る(暗いと不安な印象になる)

背景は生活感のない清潔な場所を選ぶ(自宅のカーテン、洗濯物の写り込みは論外)

服装はターゲットに合わせる(法人向けならスーツ、個人向けの癒し系なら柔らかい色味)

プロに撮ってもらう(1〜2万円の投資で、数年間使える)

顔出しが難しい事情がある場合でも、似顔絵イラストや後ろ姿・作業風景など、何らかのビジュアルは載せたほうが安心感が生まれます。何もないより、はるかにマシです。

3.3 共通属性を入れて距離を縮める

基本情報には、見込み客との共通点になりそうな属性を入れます。出身地、在住地、年代、家族構成などです。

人は「自分と似ている人」に親近感を持ちます。地域密着で活動する士業なら「○○県○○市出身、地元で20年」と書くだけで距離が縮まります。子育て世代向けのコーチなら「2児の母」という一言が効きます。

逆に、ターゲットと関係のない情報は削ります。年齢を書くかどうかもケースバイケース。ターゲットと年齢が近いことを訴求したいなら書く、そうでないなら無理に書かなくて構いません。

4.要素②:仕事概要|「誰に・何を・どうなるか」を1段落で

肩書きで興味を持った読み手が、次に知りたいのは「具体的に何をしてくれる人なのか」「それは自分に関係あるのか」です。ここを100〜150字で書きます。

4.1 「誰に・何を・どのように」の3要素で書く

志師塾では事業コンセプトを「誰に・何を・どのように」の3要素で定義します。仕事概要は、このコンセプトをそのまま文章にしたものです。

NG例:

中小企業の経営全般をサポートしています。財務、人事、マーケティングなど幅広く対応可能です。お気軽にご相談ください。

幅広く対応できることは強みのようでいて、読み手からは「専門性がない人」に見えます。誰に向けた言葉なのかも分かりません。

OK例:

飲食店を3〜10店舗経営するオーナー専門の店舗運営コンサルタント。属人的な能力に頼らない仕組みづくりで、店長が育たない・利益が残らないという壁を突破します。現場スタッフを主役にした運営改善により、販促費をかけずに利益率を改善する手法を得意としています。

ここには「誰に(3〜10店舗の飲食オーナー)」「何を(仕組みづくりによる運営改善)」「どのように(現場スタッフを主役にする)」がすべて入っています。読み手は3秒で「自分向けかどうか」を判断できます。

4.2 「知りたいもの」ではなく「手に入るもの」で書く

志師塾には「知りたいものを、手に入るものに変換する」という教えがあります。これはプロフィールにも効きます。

知りたいもの(弱い) 手に入るもの(強い)
労務管理のアドバイスをします 御社専用の就業規則と運用マニュアルをお渡しします
経営について助言します 銀行に提出できる事業計画書を一緒に作ります
コーチングを提供します 3か月後に迷わず動ける行動計画を手に入れます

形のないサービスほど、成果物を見える化する。これだけで「何をしてくれる人か分からない」という壁を越えられます。

ここまで読んで、「そもそも自分の誰に・何をがぼんやりしている」と感じた方もいるかもしれません。志師塾では、先生業の方向けに先生業のためのWeb集客セミナーを開催しています。プロフィールの前提となるコンセプト設計から、Webでの見せ方まで学べる内容ですので、あわせてご覧ください。

5.要素③:ストーリー|谷山谷山で心を動かす

5要素の中で、最も差がつくのがストーリーです。ここがプロフィールの肝です。

5.1 なぜストーリーが効くのか

桃太郎の話を、あなたは説明できるはずです。学校で暗記した記憶はないのに、覚えている。ストーリーは記憶に残り、感情を動かすからです。

これは神話研究者のジョセフ・キャンベルが体系化した「神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)」の考え方に近いものです。文字も紙もなかった時代から口伝えで残ってきた物語には、共通する構造がありました。困難が訪れ、それを乗り越え、また困難が訪れ、また乗り越えて、最後に何かを手に入れる。映画も小説も、たいていこの構造です。

最初から最強で、誰にも負けず、敵を倒し続けて終わる主人公の物語は、面白くありません。人は谷の部分に心を動かされます。

5.2 志師塾の「谷山谷山ストーリー」

志師塾がプロフィール作成で教えているのが、「谷山谷山ストーリー」です。挫折体験(谷)と成功体験(山)を交互に配置していく型です。

ポイントは、この2つの役割の違いを理解すること。

谷 = 共感ポイント。「この人なら分かってくれそう」を生む

山 = 信頼ポイント。「この人なら任せられる」を生む

谷だけでは怪しい人、山だけでは遠い人になります。両方が必要です。

比率の目安は山7:谷3くらい。ただし、これはターゲットによって調整します。

ターゲット 谷の量 理由
悩みを抱える個人(カウンセラー・コーチ) 多め 同じ苦しみの経験が共感を生む
中小企業の経営者 中程度 苦労の共有と実力の証明が両方要る
2代目社長・資産家・大企業 少なめ 実績と安定感が優先される

5.3 ストーリーの書き方3ステップ

ステップ1:伝えたいメッセージを先に決める

ストーリーは、人生の出来事を時系列に並べるものではありません。「私はこういう価値を提供できる人間です」というメッセージを伝えるために、出来事を選んで並べるものです。

たとえば「現場を軽視すると組織は崩れる」というメッセージを伝えたいなら、現場を無視して失敗した経験を谷に置く。「小さく始めれば誰でもできる」を伝えたいなら、ゼロから始めた話を持ってくる。

ステップ2:自己棚卸で素材を集める

いきなり書こうとしても、素材がなければ書けません。志師塾の講座では、受講生に3万字の自己棚卸を課しています。25の質問に答える形で、過去の出来事、感情が動いた瞬間、悔しかったこと、嬉しかったことを片っ端から書き出す作業です。

大量に書き出したうえで、そこから「使える谷」「使える山」を選ぶ。これが順番です。書きながら選ぼうとすると、必ず手が止まります。

ステップ3:谷山谷山で組み立てる

選んだ素材を、谷、山、谷、山の順で並べます。文字数が少ない場合は谷と山の1セットでも構いません。

OK例(谷山谷山の実例):

高校卒業後、料理人を目指して就職したが、ひどい手荒れでドクターストップとなり2年で挫折。バイト生活を送るなか、先輩の紹介で飲食チェーンに入社し、1年半で店長に。閉店後に朝方まで練習を重ね、全国大会で優秀賞を獲得する。

35歳で全25店舗の運営統括となったが、初年度に過去最低の数字を出してしまう。売上は落ち、退職者が続出し、精神的に追い込まれた。原因は、店長時代の「自分の声が届く範囲でのやり方」をそのまま全社に持ち込んでいたこと。「もっと現場を見ろ、もっと人を見ろ」という創業社長の言葉が胸に刺さった。

そこから、顧客と最も接触回数が多い現場の若いスタッフを主役にする店舗づくりへ舵を切り、前年対比利益率170%アップを達成する。

この文章、読み進めてしまいませんでしたか。年表なら「2004年 店長就任、2011年 運営統括就任」で終わる話が、感情の起伏を持った物語になっています。

5.4 ストーリーの注意点3つ

注意1:まだ乗り越えていない谷は書かない

現在進行形で苦しんでいることを書くと、ストーリーが「谷山谷」で終わってしまいます。読み手は不安になります。乗り越えたときにネタとして使いましょう。

注意2:谷を書きすぎない

「私の苦労を分かってほしい」という気持ちが強すぎると、8割が谷になります。これは怪しく見えます。谷は共感のためのスパイスであって、主役ではありません。

注意3:打ち出したいことと関係のない谷は削る

人生には無数の谷があります。全部書く必要はありません。今のポジショニングにつながる谷だけを選びます。

6.要素④:実績・経験|数字で信頼を積み上げる

ストーリーで心が動いた読み手が、最後に確認するのが「本当にできる人なのか」です。ここを実績・経験のパートで担保します。

6.1 数字は具体的に、そして見せ方を工夫する

「経験豊富です」「多くの実績があります」。これでは何も伝わりません。数字にしましょう。

切り口 表現例
累計○名を支援、○社の顧問実績
時間 この分野で○年、たった○日で成果
変化率 利益率○%改善、問い合わせ数○倍
業界特化 案件の○%が○○業界
継続性 リピート率○%、平均契約年数○年
構造化 ○つのステップに整理

見せ方も変えられます。栄養ドリンクが「タウリン1g配合」ではなく「タウリン1000mg配合」と書くのと同じ理屈。嘘をつくのではなく、同じ事実をどう表現すれば伝わるかを考えます。

6.2 顧客の声を入れると一段強くなる

自分で「実績があります」と言うより、顧客の言葉を引用するほうが説得力があります。

「これまで受けた研修の中で、いちばん実践的で分かりやすい」との声を多数いただいています。

このような一文が入るだけで、信頼度が変わります。顧客の声は日ごろから集めておきましょう。サービス終了時にアンケートを取る仕組みを作っておくと、無理なく貯まっていきます。

6.3 見落とされがちな論点:士業は「書ける実績」に制約がある

ここが、一般的なプロフィール指南記事がほとんど触れていない論点です。士業には、業務広告に関するルールがあり、書ける実績に制約があります。

たとえば弁護士の場合、日本弁護士連合会の「弁護士の業務広告に関する規程」があります。この規程では、訴訟の勝訴率の表示、顧問先や依頼者の表示(書面による同意がある場合を除く)、受任中の事件の表示が制限されています。過去に取り扱った事件の表示も、書面同意がある場合や、広く一般に知られている事件、依頼者が特定されない場合などの例外を除き、制限の対象です。事実に合致しない広告、誤認のおそれのある広告、過度な期待を抱かせる広告なども禁止されています(出典:日本弁護士連合会「弁護士の業務広告に関する規程」および同指針。日本弁護士連合会)。

他業種向けのプロフィール指南でよく見る「顧客名を出せ」「成功率を書け」といったアドバイスを、そのまま真似すると規程に抵触するおそれがあります。

ここは自己判断で進めず、必ずご自身の所属会の最新の規程・指針を原典で確認してください。弁護士以外の士業(税理士、社会保険労務士、行政書士など)にも、それぞれの会則や広告に関する規定があります。また、資格の有無にかかわらず、「日本一」「No.1」といった表示は景品表示法上の優良誤認にあたるおそれがあるため、根拠資料なしに書くのは避けるべきです。

6.4 規制がある職種の「書ける実績」の作り方

では、制約がある中でどう信頼を伝えるか。使える切り口は次のとおりです。

個別案件ではなく、傾向を語る:「相続案件を中心に対応」「○○業界からのご相談が多数」など、特定できない形で専門性を示す

年数・件数の総量で示す:「この分野に○年」「累計○件のご相談に対応」といった、依頼者を特定しない数字

整理した手法を示す:「独自の○ステップで進めます」など、成果ではなくプロセスの独自性で語る

登壇・執筆・研修実績で示す:セミナー登壇、寄稿、書籍などは制約を受けにくく、専門性の証明になる

理念・姿勢で示す:後述の要素⑤を厚くする

制約があるからこそ、ストーリーと理念の質で勝負できる。むしろ、実績で押しにくい職種のほうが、5要素の設計力が差を生みます。

6.5 職種別・重点を置くべき要素

職種 最重要の要素 書き方の注意
弁護士・司法書士 ②仕事概要・⑤理念 広告規程の確認が必須。個別案件の表示に注意
税理士・社労士・行政書士 ①肩書き・②仕事概要 資格名だけでは埋もれる。業種特化が効く
コンサルタント ④実績・③ストーリー 数字で語れないと選ばれにくい
コーチ・カウンセラー ③ストーリー・⑤理念 谷を厚めに。共感が入口になる
研修講師 ④実績・②仕事概要 登壇先・受講者数・整理した手法を明示

7.要素⑤:理念・ビジョン|実績がない人の最強の武器

プロフィールの締めくくりは、理念・ビジョンです。なぜこの仕事をしているのか、何を目指しているのか。

7.1 実績がないときこそ、想いで突き抜ける

「私にはまだ実績がありません。これから始めるところです」。プロフィールの相談で、いちばん多い悩みです。

そういうときは、理念とビジョンで勝負します。理由を、発注する側の立場で考えると分かります。

依頼する側が本当に怖いのは「失敗すること」ではありません。「うまくいかないときに、逃げられること」です。実績が豊富なら「たぶん成功するだろう」と安心できますが、実績がない相手には確信が持てない。

そこで効くのが理念です。「この人は、うまくいかなくても最後まで付き合ってくれそうだ」と思ってもらえれば、実績がなくても任せてもらえます。

「こういう経験をしたから、同じ苦しみを味わう人を一人でも減らしたい」「この業界をこう変えたい」。人生に根ざした動機を語れる人は、逃げなさそうに見えます。実際、逃げないでしょう。

7.2 「志」と「夢」は違う

志師塾では、志と夢を明確に区別しています。

:自分がこの世からいなくなったら、なくなってしまうもの

:自分がこの世からいなくなっても、誰かが引き継いでくれるもの

プロフィールに書くべきは、後者です。志を考えるときの最初の質問はこれ。

「もしも自分、あるいは自分の会社がこの世に存在しなかったら、社会はどう困るだろうか?」

この問いへの答えが、志の源泉になります。

そして、志は宣言してはじめて力を持ちます。志師塾では、成果を出す人の3つの特徴として「志宣言・尖んがりポジショニング・報連相」を挙げていますが、その一番目が志宣言です。

身近な例で考えてみてください。2人で食事に行くとき、Aさんは「何でもいいよ」、Bさんは「絶対に肉が食べたい」と言う。結果、どこへ行きますか。肉です。宣言する人が、周囲に影響を与えます。

ビジネスも同じです。見込み客の思考・感情・行動に変化を起こすことが、受注ということ。何を成し遂げたいのかを言葉にして発信している人と、何も言わない人とでは、影響力に差が出ます。

7.3 理念の書き方(例文つき)

「理念なんて、私にはありません」と言う人も、まず書いてみることです。書いているうちに輪郭が出てきます。

NG例:

お客様第一の姿勢で、誠心誠意対応いたします。

誰でも書ける言葉です。何も伝わりません。

OK例:

「多くの企業や個人を支える先生業は、テコのような存在。先生業が元気になれば、その先の何千という会社が元気になる」との信念で、日々奔走中。

この人がなぜこの仕事をしているのか、何を信じているのかが伝わります。

理念を書くときのポイントは3つ。

1.抽象的な美辞麗句を避ける(「誠実に」「全力で」だけでは伝わらない)

2.自分のストーリーとつなげる(谷の経験から生まれた想いなら説得力が出る)

3.社会への広がりを入れる(自分の得だけの話は共感されない)

8.先生業のプロフィールNG例からOK例へ|同一人物でリライトしてみる

ここまでの5要素を使って、実際に1本のプロフィールを書き換えてみます。架空の社会保険労務士の例です。

8.1 リライト前(自己紹介型・NG)

社会保険労務士 山田太郎
1978年生まれ。2001年、大学卒業後、株式会社○○に入社。人事部にて給与計算、社会保険手続き等を担当。2010年、社会保険労務士試験に合格。2015年、山田社会保険労務士事務所を開業。現在は、労務管理、就業規則作成、助成金申請など幅広く対応しております。趣味はゴルフと読書。お気軽にご相談ください。

典型的な年表型です。問題点を挙げます。

・肩書きが資格名のみ。何が得意なのか分からない

・誰に向けたサービスなのかが不明

・感情が動く要素がゼロ

・実績の数字がない

・なぜこの仕事をしているのかが分からない

8.2 リライト後(顧客獲得型・OK)

建設業専門 労務トラブル予防の社労士
山田社会保険労務士事務所 代表 山田太郎
1978年生まれ、○○県在住。

従業員10〜50名の建設会社を対象に、労務トラブルを「起きてから対応する」のではなく「起きない仕組みをつくる」ことを専門としています。現場ごとにバラバラだった勤怠管理と、実態に合わない就業規則を整えることで、残業代トラブルと突然の退職を減らします。

大学卒業後に入社したメーカーの人事部で、労務管理を担当。ある日、現場の社員から未払い残業代を請求され、会社は数百万円を支払うことになりました。原因は、自分が作った勤怠ルールが現場の実態とまったく合っていなかったこと。「机の上でルールを作っても、現場では守れない」という当たり前のことに、痛い代償を払って気づきました。

その後、社会保険労務士として独立。現場に足を運び、朝礼にも立ち会いながらルールを作る手法に変えたところ、顧問先の労務トラブルが激減。現在は建設業に特化し、○社の顧問を担当しています。「聞かれる前に来てくれるのが助かる」との声を多くいただいています。

「ルールは、守られてはじめて意味を持つ。現場が守れる仕組みをつくることが社労士の仕事」という信念で、今日も現場に足を運んでいます。

同じ人の話ですが、読後の印象はまったく違います。

変えたのは、次の5点です。

要素 変更内容
①肩書き 「社会保険労務士」から「建設業専門 労務トラブル予防の社労士」へ
②仕事概要 「幅広く対応」をやめ、対象規模・業種・得られる結果を明示
③ストーリー 年表を削除し、失敗(谷)と転機(山)を追加
④実績 顧問社数と顧客の声を追加(依頼者は特定しない形で)
⑤理念 「お気軽にご相談ください」をやめ、仕事観を言語化

趣味のゴルフと読書は削りました。共通属性として効くターゲットならば残しますが、この場合は本筋に貢献しないと判断したためです。削る勇気も、プロフィール作成では必要です。

肩書きを独自に作り込んだ結果が数字に表れた例として、志師塾卒業生の星野泰子さんが挙げられます。星野さんは「動く時をみる暦鑑定師」という、資格名ではない独自の肩書きを掲げて活動し、入塾してわずか4ヶ月で月商100万円を達成しました。「専門領域+一般名称」で肩書きを作り込むことが、実際の受注にそのままつながることが分かる事例です。詳しくは星野泰子さんのインタビュー記事をご覧ください。

9.媒体別の書き分け|100字・400字・1200字の3サイズを用意する

プロフィールは1つ作って終わりではありません。使う場面によって、必要な長さが違うからです。

9.1 3サイズのプロフィールを用意しておく

サイズ 使う場面 入れる要素
約100字 SNSの自己紹介欄、名刺裏、記事の署名 ①肩書き+②仕事概要の要点
約400字 セミナーLPの講師紹介、寄稿記事の著者欄 ①②に③を圧縮して加え、④まで
約1,200字 ホームページのプロフィールページ 5要素すべて+写真複数枚

3サイズすべてで一貫したメッセージにします。100字版と1,200字版で言っていることが違うと、複数の媒体で見かけた人が混乱するからです。

9.2 SNSのプロフィール欄で押さえること

SNSのプロフィール欄は文字数制限が厳しいので、優先順位を決めます。

1.肩書き(何屋か)。これは絶対に外せない

2.対象顧客。「○○の方へ」

3.数字1つ。「累計○名支援」など

4.リンク。ホームページやセミナーLPへ

志師塾では、ソーシャルメディア活用の3ステップを教えています。「①コンセプトを基本設定に反映する、②見込み客とのつながりを増やす、③情報発信して関係を深め、次のステップに誘導する」の3つです。プロフィール欄は、この①にあたる土台部分です。ここが曖昧なまま投稿を頑張っても、フォローする理由が伝わりません。

9.3 1分自己紹介との連動

文章のプロフィールができたら、話し言葉版も作りましょう。交流会や名刺交換の場で使う「1分自己紹介」です。

志師塾が教える1分自己紹介の構成は次のとおり。

10秒:興味喚起(キャッチコピー、または質問を投げる)

10秒:仕事概要(誰に何を)

35秒:選ばれる理由(メリット、ビジョン、ストーリー)

5秒:行動要請(つながってください、紹介してください)

文字数にすると300〜350字。これは、5要素のうち③ストーリーのパートとほぼ同じ分量です。プロフィールを作り込んでおくと、1分自己紹介がそのまま作れる。逆もまた然りです。

10.プロフィールを書くための自己棚卸ワーク

ここまで読んで「書き方は分かった。でも、書く材料がない」と感じている方へ。材料の集め方をお伝えします。

10.1 発散と収束の2ステップで進める

プロフィール作成でつまずく人の多くは、いきなり完成形を書こうとしています。これは無理です。手が止まって当然。

正しい順番は、こうです。

1.発散:過去の出来事を、質より量で大量に書き出す

2.収束:書き出した中から、打ち出したい方向に合うものを選ぶ

3.執筆:選んだ素材を5要素の型に流し込む

志師塾の講座では、この発散のフェーズに「25の質問」というシートを使い、3万字を目安に書き出してもらいます。3万字は多いように感じますが、書いてみると案外書けるものです。そして、書き出した本人が「こんなことを気にしていたのか」と驚くことがよくあります。

10.2 5要素それぞれの棚卸し質問

すぐに使える問いを、要素別にまとめました。ノートに書き出してみてください。

要素 棚卸しの問い
①肩書き これまでで、一番「ありがとう」と言われた仕事は何か。それは誰の、どんな困りごとを解決したものか
②仕事概要 あなたに依頼した人は、3か月後・1年後に何を手にしているか。目に見える成果物は何か
③ストーリー 仕事人生で一番悔しかった出来事は何か。そこから何を学び、何を変えたか
④実績 これまでに関わった人数・社数・年数を数えるといくつか。顧客からもらった印象的な一言は何か
⑤理念 あなたがこの世に存在しなかったら、誰がどう困るか。あと10年で、何を変えたいか

10.3 一人で書かず、他人の目を借りる

自己棚卸には限界があります。自分では「当たり前」だと思っていることが、他人から見ると強みだったりするからです。

心理学の「ジョハリの窓」でいえば、「自分は気づいていないが、他人には見えている領域」があります。ここに眠っている素材が、意外と一番強かったりします。

志師塾の講座でも、自己棚卸のシートを班のメンバー同士で読み合い、「ここがすごい」「ここが面白い」と線を引き合うワークを必ず入れています。複数人から同じ箇所に線が引かれたら、それは客観的に見て価値がある部分だということ。

あなたが一人で取り組む場合も、書いたものを信頼できる人3人に見せて、「どこが印象に残った?」と聞いてみてください。自分の思い込みが崩れるはずです。

10.4 言葉に迷ったら、小人に聞く

肩書きやキャッチコピーで複数の案が出て決められない。よくある悩みです。

この答えは、頭の中にはありません。答えは小人(理想の見込み客)の頭の中にしかない。

ある志師塾の受講生(アロマセラピスト)は、キャッチコピー案を10種類ほど作り、実際のお客様30人にアンケートで聞きました。すると、多くの人が同じ言葉に反応したのです。それが「更年期障害」という言葉でした。その言葉を入れたところ、来店者が増えました。

プロフィールも同じです。書き上がったら、実際の顧客や見込み客に読んでもらい、「どこが印象に残ったか」「頼みたくなったか」を聞いてみてください。想像で悩む時間の10分の1で、答えが出ます。

11.志師塾卒業生の事例|プロフィールが変わると、伝わる相手が変わる

5要素の中でも、特に③ストーリーと⑤理念が効いてくるのが、コーチ・カウンセラーといった「人の内面」を扱う先生業です。

自己実現メンタルコーチとして活動する平真理子(たいらまりこ)さんは、「満足した人生を送りたいあなたに『正しい脳の使い方』を教えます」というメッセージで活動されています。

この一文には、5要素のエッセンスがぎゅっと詰まっています。「満足した人生を送りたいあなた」で対象を絞り、「正しい脳の使い方」という独自の切り口で、何を得られるかを提示している。単に「メンタルコーチです」と名乗るのとは、届き方がまるで違います。

コーチングやカウンセリングの分野は、資格保有者が多く、サービス内容も外から見て違いが分かりにくい領域です。だからこそ、「なぜあなたなのか」を言葉にできているかどうかが、そのまま受注の差になります。

平さんのインタビュー記事では、どんな経緯で今の活動にたどり着いたのかが語られています。ストーリーの作り方の参考になるはずですので、あわせてご覧ください。

【卒業生インタビュー】満足した人生を送りたいあなたに「正しい脳の使い方」を教えます! ~自己実現メンタルコーチ・平真理子(たいらまりこ)さん~

12.プロフィールを書いた後にやるべき3つのこと

プロフィールは、書いて終わりではありません。むしろ、書いてからが本番です。

12.1 すべての媒体を一斉に更新する

新しいプロフィールができたら、次の場所をすべて更新してください。

・ホームページのプロフィールページ

・ブログの著者欄

・SNSの各プロフィール欄

・名刺

・メールの署名

・セミナーLPの講師紹介

・各種登録サイトの掲載情報

古いプロフィールがどこかに残っていると、そこを見た人に古い印象が伝わります。しかも、検索したときに新旧が混在すると、読み手は混乱します。一気に統一しましょう。

12.2 反応を確かめる

プロフィールを変えたら、必ず反応を見ます。

交流会で試す:新しい肩書きで自己紹介して、「それって、どういうことですか?」と質問されるか。質問されたら成功です

SNSに投稿する:新しいプロフィールを公開して、コメントや反応を見る

アクセス解析を見る:プロフィールページの滞在時間と、そこから問い合わせページへの遷移率を見る

反応がなければ、直す。これを繰り返します。プロフィールは一発で完成するものではありません。志師塾では、机上で100点を目指すより、30点でも早く見込み客に見せて反応を確かめる「地上戦の仮説検証」を推奨しています。

12.3 とんがり続ける

最後に、ひとつだけ注意点を。

プロフィールを尖らせた直後は、勇気が要ります。「この分野に絞って、仕事が減らないだろうか」「もっと幅広く書いておいたほうが安全ではないか」と不安になる。

そして、時間が経つとだんだん丸くなっていく人がいます。半年後に名刺を見たら、あれほど尖っていた肩書きが「経営コンサルタント」に戻っている。志師塾の経験上、そういう人はたいてい売れていません。

とんがり続ける勇気を持つこと。絞るのは怖い。けれども、絞らなければ選ばれない。これはプロフィールに限らず、先生業のビジネス全体に共通する原則です。

13.まとめ|プロフィールは、受注の入口設計である

本記事の内容を、あらためて整理します。

先生業の顧客獲得型プロフィール5要素

1.基本情報・肩書き。13文字以内、専門領域+一般名称で「何屋か」を3秒で伝える

2.仕事概要。誰に・何を・どのように。知りたいものではなく手に入るもので書く

3.ストーリー。谷山谷山。谷は共感、山は信頼。比率は山7:谷3が目安

4.実績・経験。数字と顧客の声。士業は所属会の広告規程を必ず確認する

5.理念・ビジョン。実績がない人ほど、ここで勝負できる

そして、全体を貫く原則が2つ。

顧客目線で書く(頭の中に小人を飼う)

ポジショニング・肩書き・キャッチコピー・プロフィールに一貫性を持たせる

プロフィールは自己紹介ではありません。見込み客が「頼もうか」と迷っている、その最後の瞬間に読まれる、受注の入口設計です。

今日、まず1つだけやるなら、肩書きを見直してください。資格名だけになっていないか。誰の何を解決する人なのかが伝わるか。ここが変わると、そのあとの4要素も自然と書きやすくなります。

14.関連記事もあわせて

プロフィールを整えた次のステップとして、以下の記事もお読みください。

先生業のブログSEOで問い合わせを生む記事設計7要素|CV率3倍の実践法:プロフィールに人を連れてくるための記事の作り方

50歳からのライフシフトは、先生業が最適:経験を価値に変える視点。ストーリー作りのヒントに

先生業は出版しないとダメ、役目だから:プロフィールの実績を一段引き上げる出版という選択肢

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