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公認会計士のInstagram集客4ステップ|独立後の設計

公認会計士のInstagram集客4ステップ|独立後の設計

独立した公認会計士がInstagramを始めようとすると、たいてい途中で手が止まります。監査もIPO支援もM&Aも、写真で見せられる仕事ではないからです。そもそも、うちの顧客はこの場所にいるのか。その疑問は、まったく正しい。

この記事では、先生業(士業・コンサルタント・コーチ・講師など)の集客・営業支援を専門としてきた志師塾が、公認会計士がInstagramを仕事につなげる手順を4つのステップに整理して解説します。まずは全体像を置いておきましょう。

  • ステップ1:資格名の外側で、名乗り直す(ポジショニング)
  • ステップ2:プロフィールを「紹介しやすい看板」に整える
  • ステップ3:投稿を「数字の読み方」で組む
  • ステップ4:紹介と単発の仕事から、継続の形へつなぐ

先に正直なところをお伝えします。この5つの士業の中で、Instagramとの相性がいちばん低いのが公認会計士です。それでも取り組む意味がある場所は、はっきりと3つある。その3つを見極めてから始めるかどうかで、費やす時間の価値が変わります。

1. 公認会計士のInstagram集客は、期待の置きどころを間違えやすい

手法の良し悪しを語る前に、期待値をそろえておきます。ここがずれたまま始めると、半年後に「意味がなかった」で終わってしまうからです。

1.1 監査もIPO支援も、Instagramで探されていない

上場準備に入った会社の社長が、Instagramの検索窓に「IPO 会計士」と打ち込む。この場面はまず起きません。監査法人の選定も、財務デューデリジェンスの依頼も、証券会社や監査法人、ベンチャーキャピタル、銀行といった専門家のネットワークの中で決まっていきます。

会計士の仕事には、もうひとつ特徴があります。単価が高く、件数が少ないということ。年に数件の案件で事務所が成り立つ世界です。だとすれば、そもそも何万人にも届ける必要がない。この一点を認めるだけで、Instagramに求めるものは大きく変わります。

1.2 効くのは3つ。それ以外は期待しない

公認会計士のInstagramが働く場面は、次の3つだけです。

  • 独立を考えている会計士・受験生に届く:これだけは個人が自分で探しているテーマです。組織を出るかどうかで悩む人は、夜中にスマートフォンで情報を集めています
  • 紹介者の記憶に位置を作る:会計士の案件は紹介で動きます。税理士、弁護士、コンサルタント、金融機関の担当者が「この論点ならあの人」と思い出す状態をつくる
  • 会う前の警戒を下げる:紹介を受けた人は、必ず名前で調べます。そこで人柄が見えるかどうかで、初回の面談の入り方が変わります

逆に言えば、それ以外を期待すると時間の無駄になります。中小企業の社長からの新規依頼、上場企業の案件、監査法人からの受注。この3つがInstagram経由で生まれることは、まずないと考えてください。

1.3 「独立志望の会計士」は、実はBtoCの入口

3つのうち、いちばん見落とされているのが1つ目です。監査法人に勤める会計士、独立して数年の会計士、そして受験生。この人たちは会社としてではなく、個人として情報を探しています。会社が探すのではなく、人が自分の人生の話として探している。だからSNSで見つかります

ここに向けた発信が積み上がると、何が起きるか。仕事を一緒にする仲間が見つかります。案件が重なったときに任せられる人ができる。研修や講座、コミュニティという別の商品も立ち上がる。会計士としての専門を売るだけでなく、会計士に向けて売るという道が開けるわけです。同じ構造は士業のAI活用レベルと収益化の型を解説した記事でも触れています。

1.4 期待値が決まれば、投稿の中身も決まる

ここまでを整理しましょう。Instagramに任せる仕事は、新規の依頼を取ることではありません。独立を考える会計士に見つけてもらい、紹介者の記憶に位置を作り、会う前の警戒を下げること。この3つに絞れば、何を投稿すべきかは自然に決まっていきます。志師塾がツール選びより先にポジショニングを固める順番を大切にしているのも、ここが決まらないと発信が迷子になるからです。

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2. ステップ1:資格名の外側で、名乗り直す

土台になるのがポジショニングです。市場とほかの会計士を見渡して、自分が最も評価される場所を見つけ、そこに自分を置く。ここが決まると、投稿のネタ探しは驚くほど楽になります。

2.1 「公認会計士です」は、強すぎて何も伝わらない

ほかの士業と逆の問題が、会計士には起きます。資格の権威が強すぎるのです。名乗った瞬間に「頭がよくて、難しい仕事をする人」という像ができあがり、そこで話が止まってしまう。

結果として、何を頼めばいいのか相手には分かりません。監査をする人だと思われて、経営の相談は来ない。権威は信頼を運びますが、依頼までは運んでくれない。だから資格名の外側で、自分が何を引き受ける人なのかを名乗り直す必要があります。

2.2 「誰の・どんな場面を・どう引き受けるか」で言い切る

ポジショニングは、難しく考えなくて構いません。「誰の」「どんな場面を」「どう引き受ける」専門家なのか。この3つを言い切れれば、輪郭は自然に浮かび上がります。手を動かす順番は次のとおり。

  • 書き出す:これまで関わった業種、企業規模、深く扱った場面(上場準備、資金調達、M&A、事業承継、管理部門の立ち上げ、再生など)
  • 印を付ける:そのうち「成果が出て、しかも自分が面白かった」案件を選ぶ
  • 一文にする:印を付けた案件に共通する業種・場面・相手の立場を掛け合わせる

「創業期を抜けたIT企業の、上場を見据えた管理部門の立ち上げ」という一言(あくまで例です)なら、相談したい相手の顔が浮かびます。できあがった一文は、自分では判定できません。同業や紹介元になりそうな人に読んでもらい、「誰を紹介すればいいか」がすぐ浮かぶかどうかで確かめてください。浮かばなければ、まだ絞れていないということ。会計士の案件は紹介で動くので、紹介する側が説明しやすい一文かどうかが最後まで効いてきます。

2.3 経営者に向けるのか、会計士に向けるのか

もうひとつ決めておきたいのが、読み手の設定です。1.2で挙げた3つのうち、独立志望の会計士に向けるのか、紹介者と見込み客に向けるのか。ここを混ぜると、どちらにも届かなくなります。

会計士に向けるなら、独立の判断、単価の付け方、案件の取り方、キャリアの選択肢が話題の中心になるでしょう。経営者と紹介者に向けるなら、数字をどう読むか、上場準備で何が起きるか、資金調達の場面で判断が分かれる点。どちらを選んでも構いませんが、途中で行き来しないことが大事です。両方やりたいなら、時期を分けるかアカウントを分けてください。

2.4 追う数字は、フォロワー数ではないほうがいい

見る数字も先に決めておきます。おすすめは、保存された数、プロフィールを見られた数、そしてDMや紹介の件数。この3つは関心の深さを映すので、少数でも仕事につながる設計と噛み合います。1.1のとおり、会計士は年に数件で成り立つ仕事。フォロワーが200人でも、その中に紹介してくれる士業が5人いれば十分に回ります。数の大小ではなく中身を見る。この癖をつけてください。

3. ステップ2:プロフィールを「紹介しやすい看板」に整える

投稿を増やす前に、必ず手を入れてほしい場所があります。プロフィールです。紹介を受けた人も、投稿で興味を持った人も、まずアカウント名をタップする。そこで何者か分からなければ、静かに戻っていきます。

3.1 手を入れるのは4か所だけ

プロフィールは、投稿の受け皿です。受け皿がないまま投稿だけ増やしても、せっかく生まれた興味はこぼれ落ちていきます。しかも一度整えれば長く効き続けてくれる。投稿を10本作る前に、ここへ半日かけましょう。項目名や文字数の上限は変わることがあるので、最新の仕様は公式のヘルプで確かめてください。

  • 名前の欄:氏名だけで終わらせず、引き受ける場面を添える。検索で拾われる可能性のある場所です
  • 自己紹介文:2.2で決めた一文を先頭に置く。合格年度や在籍した法人名は、その後ろで構いません
  • リンク:飛び先は1つに絞る。並べるほど、どれも押されなくなります
  • プロフィール写真:顔が分かるものにする。ロゴだけでは、相談相手として想像しにくい

自己紹介文でやりがちなのが、経歴の羅列です。大手監査法人の名前と在籍年数を並べたくなりますが、読む側が知りたいのはあなたの過去ではなく「自分に何をしてくれる人か」。「大手監査法人で10年」より「上場準備の途中で止まった会社に入って、止まった原因から片づけます」のほうが届きます。

3.2 ハイライトに「引き受ける仕事の範囲」を置く

ストーリーズをまとめて残せる機能があれば、そこに「はじめての方へ」をひとつ作っておきましょう。自己紹介、力になれる相手、引き受ける仕事の範囲、相談の流れ。この4点を数枚にまとめておくだけで、初めて訪れた人が迷いません。

会計士の場合、引き受けない仕事を書いておくのも効きます。監査を受けている会社の支援には制限がかかりますし、規模や地域で線を引いている方もいるでしょう。範囲がはっきりしているほど、紹介する側は安心して名前を出せます。作り直すのは半年に一度で十分です。

3.3 「高くても選ばれる理由」を、一行で置いておく

独立した会計士がぶつかる壁が、単価です。監査法人やコンサルティング会社の下請けとして時間単位で入ると、その水準からなかなか抜けられません。抜けるには、比べられる前に「この人にお願いしたい」と思われる理由を先に言葉にしておく必要があります。

コツは、業務名ではなく相手の変化を語ること。「財務デューデリジェンスに対応します」ではなく、「買収の判断を、感覚ではなく数字で説明できる状態にします」と書くわけです。後者に入っているのは、依頼者がその先で手に入れる状態。未来が見えるほど、価格は判断材料の中で小さくなっていくもの。この考え方は公認会計士の営業3つのコツでも詳しく扱っています。

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4. ステップ3:投稿は「数字の読み方」で組む

土台ができたら、いよいよ発信です。会計士の発信でいちばん多い失敗は、会計基準や制度の解説だけを並べてしまうこと。正確ですが、読み手には使いどころが分かりません。

4.1 3つの形式は、役割がまったく違う

Instagramには複数の投稿形式があり、届く相手も残り方も違います。全部を同じ気持ちで埋めようとすると、時間がいくらあっても足りません。表示のされ方は変わることがあるので、考え方の目安として見てください。

形式 主な役割 公認会計士の使いどころ
フィード投稿 残る・見返される 専門性の証明。紹介者が見て納得できる「棚」
ストーリーズ 近況が届く・反応が返る 人柄と考え方。会う前の警戒を下げる場
リール まだ知らない人へ広がりやすい 独立志望の会計士に届く入口。月に数本で十分

力の配分は、フィードを軸にするのが現実的です。会計士への信頼は勢いではなく、積み上がった説明の分かりやすさから生まれます。

4.2 保存されるのは「判断の順番」が分かる投稿

フィード投稿で狙いたいのは、いいねではなく保存です。保存は「あとで見返したい」という意思表示なので、読み手が自分ごとにした証拠になります。会計士の投稿で保存されやすいのは、次のような中身。

  • 判断の順番(上場準備で、何を何年前までに片づけるか)
  • 数字の読み方(この指標が動いたとき、社内で何が起きているのか)
  • よくあるつまずきと、その手前で打てる手
  • 独立した会計士が最初の1年でぶつかること(会計士向けに発信する場合)

組み立ての型は「場面から入って、判断の順番で終わる」。冒頭に「先日、上場準備を止めていた会社の相談を受けまして」と場面を置き、そこで論点になったことを書き、最後に「順番でいうと、ここが先です」と締めます。制度の解説だけで終わらせないこと。読み手が知りたいのは基準そのものではなく、自分の会社で何が起きるかです。

4.3 ストーリーズで、会う前の警戒を下げる

1.2で挙げた3つ目の効き方を担うのが、ストーリーズです。紹介を受けた人は、会う前に必ず名前で調べます。そこで出てくるのが硬い経歴だけだと、初回の面談は緊張から始まってしまう。

短時間で消えるぶん、気軽に出せるのがストーリーズの利点です。完成した結論より、途中の様子を置くのに向いた場所。訪問先の街で食べたもの、読んでいる本の一行、資料を作りながら考えたこと。断片が積み重なると「この人はこう考えるのか」という像ができていきます。会計士に足りないのは信頼ではなく、話しかけやすさのほう。ここを埋められると、紹介の打率が変わります。

4.4 守秘義務と独立性。所属法人の規程も先に確認する

発信を続けるうえで気をつけたい線が3つあります。ひとつは守秘義務。具体的にすべきなのは場面であって、固有名詞ではありません。業種、規模、時期をぼかし、複数の案件を混ぜて一般化してから書いてください。上場準備の話は、会社が特定されると相手に実害が出ます。

ふたつめが独立性です。監査の関与先や、その関係者に見える形での発信には注意が要ります。みっつめが、所属している法人や事務所の規程。副業や個人での発信について定めがある場合があるので、始める前に確認しておきましょう。AIに下書きを作らせる場合も、そのまま出さずに自分の目で通すこと。士業の使い方は士業のAI活用まとめで整理しています。

5. ステップ4:紹介と単発の仕事から、継続の形へつなぐ

投稿が回り始めたら、最後は導線です。ここを設計しないと、反応はあるのに単価も件数も変わらないアカウントになります。

5.1 追いかけるDMではなく、相談していい合図を置く

フォローしてくれた人へ、いきなり営業のメッセージを送る。これをやると、積み上げた信頼が一度で消えます。読み手からすれば、宣伝目的で近づいてきた相手と区別がつきません。会計士の場合、権威がある分だけ売り込んだときの落差も大きくなります。

代わりに置くのが「合図」です。投稿の末尾に「同じ場面で迷っている方は、DMで状況を教えてください」と一行入れておく。ハイライトに引き受ける範囲と相談の流れをまとめておく。こちらから追いかけず、相手が動きやすい道を用意します。届いたら、すぐ見積もりへ進まないこと。まず状況を数往復たずね、そのうえで「一度、時間を取って整理しませんか」と個別相談へつなぎます。

5.2 リンク先は1つに絞り、行き先を深くする

プロフィールから飛べる先は、1つに絞ってください。事務所サイト、ブログ、メルマガ、セミナー案内。全部並べたくなりますが、選択肢が増えるほど押されなくなります。

絞ったうえで、飛んだ先を深くする。Instagramで伝えられる情報の量には限りがあるので、判断材料は行き先で渡します。無料の資料でも、詳しい解説記事でも、セミナーの案内でも構いません。書き溜めた記事へ渡す形は公認会計士のブログ集客、直接会って話す場へ渡す形は公認会計士のセミナー集客でそれぞれ解説しています。

5.3 スポットの案件から、継続の形へ階段を描く

デューデリジェンスも上場準備の支援も、放っておけば単発で終わってしまう。ここで階段を描けるかどうかが、事務所の安定を分けます。単発の調査から、月次の数字を一緒に読む役へ。管理部門の立ち上げから、社外役員やCFO代行へ。入口の仕事が終わる前に、次の景色を見せておくのが要点です。

ここでもInstagramが働きます。継続で入ったときに何が変わるかを先に投稿しておけば、相手はすでにその話題に触れている。だから提案が売り込みに見えません。会計士の継続契約には、税理士のような毎月の法定業務という土台がない。だからこそ「毎月何をするのか」を自分で設計して、相手に見える形にする必要があります。「この時間があるから経営判断ができる」と感じてもらえる型を持つ人だけが、継続の顧客を増やしていけます。実際に顧客獲得を安定させた方の話は会計士の成功事例インタビューで読んでみてください。

5.4 独学で続けるか、学ぶ場を持つか

続ける仕組みは、量を落とすところから始まります。毎日1本ではなく、週2本。フィード週1本とリール月2本、ストーリーズは思いついたとき。この程度でも、半年で24本の棚ができます。止まった毎日投稿より、続いた週2本のほうがずっと強い。ネタ切れを防ぐコツは、投稿のためにネタを探さないことです。案件の中で聞かれた質問、後輩から相談されたこと、資料を作りながら引っかかった点。仕事の中で毎週生まれているものを、そのまま素材にします。

それでも続かないなら、ひとりでやらない選択肢があります。インスタ集客のセミナーや講座、コンサルティングを探している方も多いでしょう。選ぶときの見方は3つ。ひとつ、アプリの操作ではなくポジショニングから扱っているか。操作は調べれば分かりますが、資格の外側で何を名乗るかの設計は自分では決めきれません。ふたつ、無形で高単価のサービスを扱った経験があるか。物販や店舗の成功法則は、会計士の仕事にそのまま当てはまらないからです。みっつ、SNS単体ではなく集客全体の中に位置づけているか。相性の低い手法を単体で回しても、消耗するだけで終わります。この3つで見比べれば、あなたに合う場所は絞れるはずです。

6. まとめ:公認会計士のInstagram集客は「3つに絞る」

公認会計士のInstagram集客を、4つのステップでお伝えしました。

  • ステップ1:資格名の外側で名乗り直す(誰の・どんな場面を・どう引き受けるか)
  • ステップ2:プロフィールを紹介しやすい看板に整える(引き受けない仕事も書く)
  • ステップ3:投稿は数字の読み方で組む(制度の解説だけで終わらせない)
  • ステップ4:スポットから継続へ。階段を先に描き、週2本で続ける

公認会計士にとって、Instagramは主戦場ではありません。新規の依頼が並ぶ場所でもない。それでも、独立を考える会計士に見つけてもらい、紹介者の記憶に位置を作り、会う前の警戒を下げる。この3つに絞れば、少ない手数で確かな働きをします。相性の低さを認めたうえで使う人のほうが、無理に持ち上げて続ける人より遠くまで行けるはず。ほかの手法との組み合わせは公認会計士の集客6つの方法、経営者に直接届くSNSの使い方は公認会計士のFacebook集客もあわせてご覧ください。

明日から手をつけるなら、この3つから。

  1. これまでの案件を書き出し、「成果が出て、面白かった」ものに印を付ける
  2. その共通点を一文にして、プロフィールの自己紹介の先頭に置き換える
  3. 読み手を「独立志望の会計士」か「紹介者と見込み客」のどちらかに決め、4.2の型で1本書く

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