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美容を通してミドル世代を応援したい 〜トータルビューティープロデューサー・渡邉真理子(わたなべまりこ)さん~

「日本人女性の幸せ満足度が45歳をピークに下がり続ける現状を変えたい!」今回は、そんな想いを胸に、自身で考案した独自メソッド「ズルメイク」でお客様一人ひとりに「美」を届ける志師塾卒業生を取り上げます。トータルビューティ―プロデューサーの渡邉真理子さん。これまで、述べ18,000人以上のお客様にサービスを提供し、レッスンや施術を通じて「本当になりたい自分」を届けて来ました。

こだわるのは、メイクやヘアスタイルはもちろん、ファッションから心身の健康に至る「トータル」でのサービス。「一人ひとり違って当然だからこそ、一人ひとりにトータルで関わるのが本物のサービスだと強く感じる」と言います。今では多くのお客様にサービスを提供する渡邉さんですが、もともとはどこにでもいる専業主婦でした。そんな渡邉さんの、現在に至るまでの歩みや志師塾での学び、お仕事への想いを紹介します。

1.ミドル世代女性に「ズル美しい」を届ける

1.1 プライベートレッスンで「ズル美しい」を提供

渡邉さんは現在、主にミドル世代の女性向けに、「ズル美しい」と銘打った総合的な美容サービスを提供しています。「ズル」という表現には、誰でも簡単にできる美容法という意味が込められています。また、手抜きではなく「手間抜き」を目指し、渡邉さんが編み出した独自メソッドが「ズルメイク」です。この「ズル美しい」「ズルメイク」という言葉は、渡邉さんのサービスのキャッチコピーであり、2021年には商標登録もされました。

サービスの軸は、プライベートレッスンです。お客様の悩みや状況は一人ひとり大きく異なるのは当たり前。だからこそ、一対一でのレッスンを基本とし、一人ひとりに合わせたカルテやレッスンを用意しています。カリキュラムは、肌質・スキンカラー診断などの基本から、自分でできるスキンケアやメイクレッスン、ヘアスタイルやファッションコーディネートまで多岐にわたります。

レッスンコースは、1回90分のレッスンを最低でも6回以上行う形式です。1回だけのレッスンでは、スキンケアやメイクなどの技術習得が難しいと考えているからです。レッスン期間中に繰り返し実践することで自然と体が覚えていき、「歯磨きレベルまで習慣化」されることを目指しています。

1.2 「トータル」と「自己肯定感」

渡邉さんが大切にしていることが2つあります。1つ目は、「トータル」なサービスです。カリキュラム内容は、先ほど挙げたメイクやヘアスタイルなどの外見部分だけでなく、生活習慣や心身の健康など内面にまで及びます。どんなに外見を整えたとしても、メンタルなど内面に問題を抱えていれば、本来ある自然な美しさを輝かせることができないとの考えからです。そのため、渡邉さんは、レッスンの中に「コーチング」も採り入れています。

2つ目は、「自己肯定感」です。渡邉さんは、レッスンが始まる前に、カウンセリングを通じてお客様の現状や悩み、「なりたい自分」を確認しています。その中には、自分にコンプレックスがあるお客様も少なくありません。また、「なりたい自分」のイメージがなかったり、イメージはあっても「自分にはなれっこない」と考えたりするお客様も多いと言います。そうしたコンプレックスを魅力に変えるとともに、お客様の「こうしたい」「こうなりたい」という気持ちを引き出し、自信を持って取り組めるように導くことが渡邉さんの仕事です。

「女性は誰しもきれいになりたいと思うもの。メイクをしたくないという方がいたとしても、それには奥に潜む原因があるんですよ。例えば、小さい頃から父親が母親に『メイク品は贅沢だ』と言い続けるような家庭環境で育つと、潜在意識として頭の中に残り、『自分も別にメイクはしなくていい』と思い込んだりしてしまいます。でも、一人ひとりと向き合ってそれを紐解いていくと、『実は私、メイクがしたいんです』に変わる。『もっともっと』という貪欲な気持ちを引き出すようにしています」

トータルビューティプロデューサーの渡邉真理子さん2

1.3 新規事業に挑む

プライベートレッスンを軸とする渡邉さんですが、新たな事業にも取り組んでいます。例えば、2021年9月には、シンデレラパーティーを開催しました。日常とは異なる空間で、いつもと異なるメイクやヘアスタイルをセットし、憧れのドレスを身に纏う。開催したのは、日常に追われて「自分ファースト」を忘れがちなミドル女性に、一人ひとりが主役として輝き、活力を得られるような場を提供したとの思いからです。

その他にも、自身の強みや経験を活かし美容サロンや営業レディを対象とした企業向けメイク講座、サロン経営者に対するコンサルティング、男性向けのメイクレッスンなどにも取り組んでいます。このように、美容を軸として様々な事業を手掛ける渡邉さんですが、順風満帆な道のりだったわけではありません。次章では、専業主婦だった渡邉さんが、トータルビューティプロデューサーになるまでの歩みを紹介します。

2.専業主婦からトータルビューティプロデューサーになるまで

2.1 化粧品の美容部員として成果を上げる

もともと地元の香川県で大手生命保険会社の受付・秘書として働いていた渡邉さん。美容やファッションには当時から関心が高かったそうです。しかし、結婚を機に横浜市に移住して専業主婦となり、2人の子供を出産した頃には、おしゃれや美容とは無縁な生活になっていました。そのような中、エステを受けたことが転機となり、以前のような美容に対する想いが甦ってきました。「自分磨きも大事だよね」と。

そこで、ある化粧品会社の美容部員として働き始めます。決め手は2つ。1つ目は子供を見てもらいながら研修を受けられること、2つ目は販売する化粧品を在庫として持たなくていいことです。「上の子が3歳、下の子が1歳の時に始めました。横浜に知り合いもいなかったので、誰かに見てもらうこともできず、上の子が幼稚園に行っている間に働きました。子どもを研修会場やサロンに連れていくこともありましたね」

1日3~4時間しか働けない中でも、化粧品販売で年間3,000万円を超える売上があったと言います。時短での営業という制約がある中、いかに売上と顧客満足度を確保したのでしょうか。「お客様が悩んでいることをしっかり聞いて、必要としているものをピンポイントでご提案すること、その商品がなぜ必要かをしっかり説明することの2つを大事にしていました。それから、会社の商品でも、『これは使わなくていい』、『これは良くない』と正直に伝えていました。『渡邉さんには嘘がない』とはよく言われましたね」

2.2 試練を経てサロンを開業

第二のキャリアを歩み始めていた渡邉さんですが、人生最大の試練が訪れます。40歳の時、手術を要する病気が発覚したのです。手術を受けるも5年後に再発。「自分の命と向き合う時間だった」と言います。

「それまでは、家族や子どもを優先し、自分の優先順位は末端でしたが、それだと良いパフォーマンスが出ないことに気付いたんです。自分のやりたいことが他にあって、我慢を強いられるから。でも、両方やっていいんですよ。子育てしたければすればいいし、他にやりたいことがあればそれもやる。自分を大事にすることで人も大事にできるし、自分を労わることで相手も労わることができる」

命と向き合った経験から、渡邉さんは自分が本当にやりたいことの大切さに気付き、エステサロンをオープンしました。さらに、メイクやエステだけでなく、ヘアスタイルやファッション、内面のケアなど全てをサポートしたいという想いから、美容に関する様々なことを貪欲に学び、独自のメソッドを編み出します。こうして、トータルでの美容サービス提供に至ったのです。

2.3 横浜から全国へ

サロンを開いてからも、住まいのある横浜市内を中心とした口コミによる対面営業を続けていた渡邉さんですが、全国に顧客を広げる転機となったのが2019年の札幌への出張でした。友人からのオファーがあり、札幌で眉メイクレッスンを開いたときのことです。

「過去に受けた他のメイクレッスンで『あなたの眉はどうしようもないから削ぎ落しなさい』と言われ、以来、眉にコンプレックスを持ってしまった受講者がいました。そこで、私がアドバイスをしたところ、その受講者は『自分でもできるんだ。眉を隠さなくてもいいんだ』と感動し、自分がしたかったことに前向きに挑戦できるように変わったそうです。『本当に人生が変わるきっかけになった』というお手紙も頂きました。同じように否定された経験を持っている人たちをサポートしていきたいと思いました」

この札幌での経験に加え、ちょうど子どもに手が掛からなくなったタイミングでもあったことから、全国にファンを広げたいと考えるようになった渡邉さん。しかし、口コミだけで営業をしてきた渡邉さんには、SNSによる発信やWeb集客の経験もなく、全国にファンを広げるノウハウはありません。途方に暮れていたとき、前に進むきっかけになったのが志師塾との出会いでした。

トータルビューティプロデューサーの渡邉真理子さん3

3.志師塾での学びとファンの拡大

3.1 志師塾での学び

全国にファンを広げるため、Web集客について調べていた渡邉さんの目に、偶然、志師塾の広告(先生業のためのWeb集客セミナーの案内)が目に入ります。これが志師塾を知ったきっかけです。渡邉さんはすぐに志師塾の門を叩き、新たな一歩を踏み出しました。

志師塾では多くのことを学びましたが、一番の収穫は、自身の仕事について深く考えるきっかけを得たことでした。例えば、志師塾では、自身のサービスの差別化を徹底的に追求します。自身のこれまでの経験の棚卸に始まり、自分が本当にやりたいことを考え抜きました。そこで出来上がったキャッチコピーが、「卒母」。しかし、「『卒業する母に向けて』というのは今のコンセプトに近いですが、正直に言うと、しっくり来ない部分が残った」そうです。

自身のHPを作るため、渡邉さんは志師塾のHP制作を学ぶ講座も受講します。そこで、キャッチコピーに関する「もやもや」を伝え、自身のサービスについて講師と一緒にさらに検討しましそうして生まれたのが「ズルメイク」という言葉。講座を通じて、今も使用するキャッチコピーができ、現在のHPも制作することができたそうです。

「志師塾を通じて色々な話を聞いたり、考えたりした結果、『もやもや』が生まれた。私のスイッチを入れてくれた原点なので、感謝しています」

3.2 オンラインで全国にファンを広げる

志師塾を卒業した後、ファンを全国に広げるため、SNSやメルマガなどWebを利用したマーケティングについての勉強を続けた渡邉さん。コロナの流行により、社会は一気にオンライン化が進みましたが、マーケティングについて学び続けてきたおかげで順応することができたと言います。

例えば、コロナ禍によってレッスンの多くもオンラインとなりましたが、メイクやヘアスタイルといったレッスンも、リアルと同じようにできているそうです。まずは眉メイクレッスンからオンラインレッスンを始め、どうすれば1mm単位でメイクを伝えられるかなどを自身で研究し、幅を広げてきました。

また、現在は、LINE、Facebook、メルマガ、ライブ配信などを活用したマーケティングによって、イベントの告知をすればHP経由ですぐに申し込みが埋まる状況だと言います。こうして、渡邉さんは、志師塾との出会いをきっかけに、全国にファンを広げるという目標に向けて着実に歩みを進めて来たのです。

トータルビューティプロデューサーの渡邉真理子さん4

4.仕事への想いと夢

4.1 多忙な中でも自分へのご褒美を

お客様が増えたことで、さらに多忙となった渡邉さん。スケジュール管理が大きな課題だと言います。気を付けているのは、「休みを先に決める」ことです。「コーチングやメンタルサポートをする中で、『自分が第一』、『自分を労わってください』と伝えている身としては、自分もしっかり休みを作らないといけない」

スケジュール管理は手帳です。予定が埋まっていく手帳を見て、「おー、頑張っているな」と充実感を得る一方で、自分へのご褒美も欠かしません。「買い物に行ったり、美味しいものを食べたりしています。お客様も同じです。自分へのご褒美は大切」と笑顔で教えてくれました。

4.2 ミドル世代を応援したい

全国にファンを広げてきた渡邉さんですが、根本にあるのは「ミドル世代を応援したい」という想いです。「日本の幸せ満足度は45歳をピークに年々下がっていくというのが毎年新聞で取り上げられています。年齢はただの記号ですよね。私は『シニア』という言葉を失くしたい。60歳、70歳でもミドルと言えるくらいの年代だと考えています」

一方で、現実として年齢を気にしている人や、悩みや心の問題を抱えている人も少なくありません。だからこそ、渡邉さんは、内面的なケアを大事にしています。「コンプレックスを抱えている人や、自己肯定感が低い人は多い。一人ひとりと向き合い、そうした悩みを聞いて、魅力を最大限に発揮できるようにサポートする」のが渡邉さんの仕事なのです。

4.3 イタリアでシンデレラパーティーを

最後に、今後の夢や展望を渡邉さんに伺うと、目を輝かせながら「イタリアでシンデレラパーティーを開きたい」と教えてくれました。「夢は実際に口にすることが大事。人に伝えると、応援してくれる人が必ず出てくる」と渡邉さん。講座の生徒の中には、口約束ではありますが、既に参加表明してくれている人もいるそうです。

トータルビューティプロデューサーの渡邉真理子さん5

「昔からイタリアが大好きで3回行ったことがあります。でも、結婚後はもう20年以上行けていません。2022年の間にイタリアに行きたいです。そして、その3年後にはイタリアでシンデレラパーティーを開きたい。今はオンラインを使えば海外でもレッスンできるので、イタリアと日本を行き来するような生活もしてみたいと思います」

ミドル世代を応援したいとの想いで、日本全国にファンを広げてきた渡邉さん。新たな挑戦に向けて、その視線は世界を見据えています。

文:寺本祐太郎(中小企業診断士)/編集:志師塾編集部

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